岸信夫
岸 信夫 きし のぶお | |
---|---|
![]() | |
生年月日 | 1959年4月1日(63歳) |
出生地 |
![]() |
出身校 | 慶應義塾大学経済学部卒業 |
前職 | 住友商事従業員 |
所属政党 | 自由民主党(安倍派) |
称号 | 経済学士 |
配偶者 | 岸 智香子 |
親族 |
祖父・安倍寛 祖父・岸信介 父・安倍晋太郎 兄・安倍寛信、安倍晋三 |
公式サイト | 衆議院議員 岸信夫 |
内閣 | 第2次岸田改造内閣 |
在任期間 | 2022年8月10日 - 現職 |
![]() | |
内閣 |
菅義偉内閣 第1次岸田内閣 第2次岸田内閣 |
在任期間 | 2020年9月16日 - 2022年8月10日 |
選挙区 | 山口2区 |
当選回数 | 4回 |
在任期間 | 2012年12月19日 - 現職 |
選挙区 | 山口県選挙区 |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2004年7月26日 - 2012年11月30日 |
岸 信夫(きし のぶお、旧姓:安倍(あべ)、1959年〈昭和34年〉4月1日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(4期)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題担当)、自由民主党山口県支部連合会会長、日華議員懇談会幹事長。
防衛大臣(第21-23代)、参議院議員(2期)、衆議院外務委員長、外務副大臣、防衛大臣政務官、自民党外交部会長、衆議院安全保障委員長などを歴任した。初入閣は防衛大臣となったが、「国防族というよりは外交族」と言われ、主として外交関係のポストで地歩を築いてきた[1]。
実父は外務大臣・内閣官房長官を歴任した安倍晋太郎、実母は安倍洋子。実兄の安倍晋三[2]、祖父の岸信介、大叔父の佐藤栄作はいずれも内閣総理大臣を務めている。既婚者で息子が2人いる。長男は元フジテレビ記者の岸信千世。
来歴[編集]
安倍晋太郎・洋子夫婦の三男として東京都に生まれた(現在の本籍は山口県熊毛郡田布施町)。長兄は安倍寛信、次兄は晋三。生後間もなく母・洋子の兄、岸信和・仲子夫婦に養子として迎えられた。夫婦に子供がおらず、信和自身が小児麻痺を抱えて政治活動が困難だったことに伴う縁組だった[3]。そして信夫は自分が養子だとも、実の父母が晋太郎・洋子で兄が寛信・晋三であることも知らずに育った[4]。
松濤幼稚園、慶應義塾幼稚舎、慶應義塾普通部、慶應義塾高校を経て、慶應義塾大学経済学部に進む[5]。自身が養子であることや晋三が兄であることを知ったのは大学進学に際し戸籍謄本を取り寄せたときで、岸は「大学入学前だったと記憶するが、提出書類として必要な戸籍謄本を取り寄せて見ると『養子』とあった。見た瞬間アレッて思いました。そのときのショックは、それは大変なものがあった。それからひと月ほど『何で教えてくれなかったんだ』という思いもあって、頭のなかが一種錯乱状態に陥りました」と述べている[4]。
1981年4月、住友商事に入社し、2002年(平成14年)8月まで勤めた[5]。信夫自身は、食料調達のため世界中を飛び回った商社マン時代であったと回顧している[6]。
政治家として[編集]
なお信夫の政界入りに兄の晋三は賛成ではなかったとされる[6]。
- 参議院議員
2004年(平成16年)7月の第20回参議院議員通常選挙に山口県選挙区から自民党公認で出馬し、民主党公認の大泉博子(元山口県副知事)らを破り初当選。 同年10月より、自由民主党の広報局次長、青年局次長、自由民主党 農林水産関係団体委員会 副委員長、自由民主党 NPO・NGO関係団体委員会 副委員長を務める[5]。その後福田改造内閣、麻生内閣において防衛大臣政務官を務めた。麻生おろしに際しては両院議員総会開催を要求する署名に署名するも、後に撤回[7]。
2010年(平成22年)7月の第22回参議院議員通常選挙で民主党公認の原田大二郎らを破り再選。2011年(平成23年)4月14日、東日本大震災の復興補正予算が議論される中、復興予算捻出のためのODA削減案に反対する超党派連合のメンバーとして名を連ねる[8][9]。
- 衆議院へ鞍替え
2012年(平成24年)11月30日、第46回衆議院議員総選挙に山口2区から立候補するため参議院議員を辞職[10][11]。12月16日、民主党前職の平岡秀夫らを破って初当選した。
2014年12月14日投開票の第47回衆議院議員総選挙で再選。
2016年(平成28年)1月4日、衆議院外務委員長に就任[12]。
2016年(平成28年)8月5日、再び外務副大臣に就任[13]。
2017年(平成29年)10月22日投開票の第48回衆議院議員総選挙で3選。
2018年(平成30年)10月、衆議院安全保障委員長に就任[14]。
2019年(令和元年)9月26日、衆議院議院運営委員会筆頭理事に就任。
2020年(令和2年)9月16日、菅義偉内閣で初入閣。防衛大臣に就任。
2021年(令和3年)10月31日投開票の第49回衆議院議員総選挙で4選。
政策・主張[編集]
憲法[編集]
- 憲法改正について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[15]。
- 憲法9条への自衛隊の明記について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[16]。
- 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2021年の毎日新聞社のアンケートで「賛成」と回答[17]。
外交・安全保障[編集]
- 「他国からの攻撃が予想される場合には敵基地攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。
- 「北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。
- 普天間基地の辺野古移設について、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。
ジェンダー[編集]
- 選択的夫婦別姓制度導入について、2010年のアンケートで「反対」と回答し[18]、同年に反対の請願を出した[19]。2021年の朝日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。同年のNHKのアンケートで回答しなかった[16]。
- 同性婚を可能とする法改正について、2021年の朝日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。同年のNHKのアンケートで回答しなかった[16]。
- 「LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案を早期に成立させるべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]。
- クオータ制の導入について、2021年のアンケートで回答しなかった[16]。
その他[編集]
- 「原子力発電への依存度について今後どうするべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで回答しなかった[16]。
- 新型コロナウイルス対策として、消費税率の一時的な引き下げについて、回答しなかった[16]。
- 森友学園を巡る公文書改竄問題で、財務省が開示を拒んでいた「赤木ファイル」が2021年6月22日、大阪地裁の命令によって公開された[20]。国の対応をどう考えるかとの問いに対し、2021年の毎日新聞社のアンケートで「これ以上、調査や説明は必要ない」と回答[17]。
- 女性宮家の創設について、2012年のアンケートで「反対」と回答[21]。
統一教会との関係[編集]
- 2006年5月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「天宙平和連合(UPF)」主催の「祖国郷土還元日本大会」が日本国内20か所で開催された。『世界日報』によれば、男女計2,500組の合同結婚式も併催され[22]、そのうち5月13日にマリンメッセ福岡で開かれた大会に岸は祝電を送った[23][24]。
- 2022年7月26日の記者会見で、統一教会との関係について「付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている。電話作戦等々、ボランティアでお手伝いをいただいたケースはあると思う」「選挙だから支援者を多く集めることは必要だと思う」「統一教会に手伝ってもらったというよりは、メンバーの方にお力をいただいたということだ」と述べた[25]。今後の教団との関わりについて「軽々に答えることはできない」などと答えた[26]。さらに29日の会見では、旧統一教会の霊感商法や献金強要被害などの問題が指摘されていることの認識を問われ、「そういうことが言われている団体だということは認識をしていた」「社会問題化し、それによって迷惑を被り、多大な被害を負っている方がいることは大変問題だと思っている」と答え、批判が殺到した[27]。
- 軍事ジャーナリストの世良光弘は「国会議員や大臣に清廉さが求められるのは言うまでもありませんが、とりわけ、国防や警察などを担う大臣は厳格であるべきでしょう。他国に国防などの機密情報がダダ漏れするかもしれないからです。岸防衛相の発言を聞くと、今回の事件の重大性について認識が甘い気がします。ロシアのウクライナ侵攻やアジア情勢が緊迫しつつある中、こういう“軽い”防衛相で大丈夫なのかと心配になります」と指摘した[26]
- 2022年8月2日の記者会見で、統一教会との関係について「これまでの関係について、しっかり見直さなければいけないと思う」と述べた[28]。
主な役職・所属団体等[編集]
- 国
- 衆議院議院運営委員会筆頭理事
- 自民党国会対策委員会筆頭副委員長
- その他所属団体
- 日本ウイグル国会議員連盟
- 自民党たばこ議員連盟[29]
- 日本会議国会議員懇談会幹事
- ボーイスカウト振興国会議員連盟(理事)
- 神道政治連盟国会議員懇談会
- 創生「日本」委員
- 日本会議山口県本部会長
- 第66回国民体育大会山口県準備委員会顧問
- NPO法人自然と釣りのネットワーク顧問
- 朝鮮通信使交流議員の会幹事
- 公益社団法人日本犬保存会会長
- 日本の印章制度・文化を守る議員連盟(副会長)[30]
家族・親族[編集]
- 祖父:安倍寛(政治家)、岸信介(官僚、首相)
- 養父(母方伯父):岸信和(西部石油会長 岸信介長男)
- 養母(義伯母):仲子(山口県議会議長 田辺譲次女)
- 実父:安倍晋太郎(外相)
- 実母:安倍洋子(岸信介長女)
- 大叔父:佐藤栄作(首相)
- 長兄:安倍寛信
- 次兄:安倍晋三
系譜[編集]
鮎川弥八 ┏━井上 馨 ┃ ┏━鮎川 弥━━━━━鮎川純太 ┃ ┣━━━鮎川義介━━┫ ┗━━━つね ┃ ┗━鮎川金次郎 ┃ ┏━━━なか ┣━━┫ ┃ ┗━━━辰 小沢正路 ┃ ┣━━━田辺 譲━━━━━━━仲子 ┃ ┃ 田辺誠民 ┃ ┣==┳━━岸 信夫 ┏━岸 信政━━━━良子 ┃ ┃ (安倍) ┃ ┃ ┃ ┃ 岸要蔵━岸信祐━ ┣━━━┳━岸 信和 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━佐藤秀助━━岸 信介 ┗━━━━洋子 ┃ (岸) (佐藤) ┃ ┃ ┣━━╋━━安倍晋三 ┃ ┃ 安倍 寛━━━━安倍晋太郎 ┗━━安倍寛信
脚注[編集]
- ^ “防衛相に安倍氏の実弟起用 三つの仮説と安保のジレンマ:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年10月30日閲覧。
- ^ “安倍元首相の実弟・岸防衛相、核共有を容認せず「非核三原則を堅持」兄は議論すべきとの考え”. 日刊スポーツ (2022年3月1日). 2022年3月1日閲覧。
- ^ 野上 2004, p. 62.
- ^ a b 野上 2004, p. 63.
- ^ a b c d “プロフィール”. 岸信夫. 2020年10月25日閲覧。
- ^ a b “中国を驚かせた菅義偉首相の絶妙な閣僚人事”. JBPRESS. 日本ビジネスプレス. (2020年9月24日) 2020年9月24日閲覧。
- ^ “両院議員総会開催を求める署名の名簿掲載者 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)”. web.archive.org (2009年7月18日). 2020年9月17日閲覧。
- ^ 超党派議員がODA削減反対で一致 政府に申し入れへ Archived 2011年4月15日, at the Wayback Machine.
- ^ 荒井広幸 平成23年4月14日第一次補正予算におけるODA削減に関する勉強会[リンク切れ]
- ^ “岸信夫氏、衆院にくら替え「山口2区の議席奪回を」”. 山口新聞. (2012年8月7日). オリジナルの2016年11月12日時点におけるアーカイブ。 2016年11月11日閲覧。
- ^ “自民の岸、義家両参院議員が辞職…衆院くら替え”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2012年11月30日). オリジナルの2012年12月21日時点におけるアーカイブ。 2021年11月4日閲覧。
- ^ 衆院.自公、委員長人事を内定
- ^ 副大臣.20人交代 閣議決定
- ^ 自民党が衆院常任・特別委員長ら了承 予算委員長に野田聖子前総務相
- ^ a b c d e f g “岸信夫”. 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2021衆議院選挙. 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “山口2区”. NHK 衆議院選挙2021 候補者アンケート. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b “自民 山口2区 岸信夫”. 第49回衆院選. 毎日新聞社. 2022年6月7日閲覧。
- ^ 毎日新聞2010年参院選アンケート
- ^ 第174回国会 法務委員会 請願558号、同594号、同791号
- ^ 原田晋也、皆川剛 (2021年6月23日). “森友問題「赤木ファイル」黒塗りでも読み解けたこと、残った謎 安倍昭恵氏の削除は初日に指示”. 東京新聞 2021年9月21日閲覧。
- ^ “2012衆院選 山口2区 岸信夫”. 毎日jp (毎日新聞社) 2014年9月6日閲覧。
- ^ 竹田昌弘 (2022年7月14日). “【参院選コラム】容疑者の家庭破綻を知っていた旧統一教会 安倍氏を守れなかった警護検証へ”. 河北新報 2022年7月14日閲覧。
- ^ 藤倉善郎 (2020年11月9日). “統一教会系閣僚9人。安倍政権と変わらぬ菅政権の「新宗教・スピリチュアル・偽科学」関係(2/3ページ)”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 2020年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月26日閲覧。
- ^ “【画像・写真】旧統一教会と「関係アリ」国会議員リスト入手! 歴代政権の重要ポスト経験者が34人もP2|日刊ゲンダイDIGITAL”. www.nikkan-gendai.com. 2022年7月26日閲覧。
- ^ 岸防衛相、旧統一教会メンバーと「付き合い」認める 選挙手伝いも2022年7月26日、毎日新聞。2022年7月26日閲覧
- ^ a b “岸信夫防衛大臣が会見で明かした 旧統一教会ベッタリよりも“危ういコト”|日刊ゲンダイDIGITAL”. 日刊ゲンダイDIGITAL. 2022年7月27日閲覧。
- ^ “岸防衛相「正しかったかどうか検討」 旧統一教会関係者の選挙手伝い:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル (2022年7月30日). 2022年7月31日閲覧。
- ^ 岸防衛相、旧統一教会との関係「しっかり見直す」2022年8月2日、毎日新聞。2022年8月2日閲覧
- ^ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者) (PDF)”. 2018年4月11日閲覧。
- ^ 『現代印章 2019年4月号』(ゲンダイ出版)
参考文献[編集]
- 安倍洋子 『わたしの安倍晋太郎―岸信介の娘として』ネスコ、文藝春秋、1992年4月。ISBN 978-4890368334。
- 野上忠興 『気骨―安倍晋三のDNA』講談社、2004年4月17日。ISBN 978-4062123082。
- 安倍晋三 『美しい国へ』〈文春新書〉2006年7月21日。ISBN 978-4166605248。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト
- 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」 - Ameba Blog
- 岸信夫 (@kishinobuo) - Facebook
- 岸信夫 (@KishiNobuo) - Twitter
- 岸信夫 - YouTubeチャンネル
- 岸信夫のBLOG - 以前のブログ
公職 | ||
---|---|---|
先代 河野太郎 |
![]() 第21・22・23代:2020年 - 2022年 |
次代 浜田靖一 |
先代 寺田稔 |
![]() (国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題) 2022年 - |
次代 現職 |
先代 鈴木俊一 松山政司 |
![]() 薗浦健太郎 →三ツ矢憲生と共同 2013年 - 2014年 2016年 - 2017年 |
次代 中山泰秀 城内実 |
先代 寺田稔 秋元司 |
![]() 武田良太と共同 2008年 - 2009年 |
次代 楠田大蔵 長島昭久 |
議会 | ||
先代 寺田稔 |
![]() 2018年 - 2019年 |
次代 西銘恒三郎 |
先代 土屋品子 |
![]() 2016年 |
次代 三ツ矢憲生 |
先代 中川雅治 |
![]() に関する特別委員長 2011年 - 2012年 |
次代 猪口邦子 |