ロイド・オースティン

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ロイド・オースティン
Lloyd Austin
Defense Secretary Lloyd J. Austin III (50885754687).jpg
生年月日 (1953-08-08) 1953年8月8日(67歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アラバマ州モービル
出身校 アメリカ陸軍士官学校
アメリカ陸軍指揮幕僚大学
アメリカ陸軍戦略大学
オーバーン大学
ウェブスター大学英語版
称号 理学士
文学修士(オーバーン大学
経営学修士(ウェブスター大学)
配偶者 シャーリーン・オースティン
子女 2人

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
United States Department of Defense Seal.svg 第28代国防長官
在任期間 2021年1月22日 - 現職
大統領 ジョー・バイデン

アメリカ合衆国の旗 アメリカ中央軍
第12代司令官
在任期間 2013年3月22日 - 2016年3月30日
大統領 バラク・オバマ
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ロイド・オースティン
Lloyd Austin
兵役経験
所属組織アメリカ合衆国
部門 アメリカ陸軍
軍歴1975年–2016年
最終階級陸軍大将
指揮
戦闘
C-17マイケル・マレン統合参謀本部議長と会話するオースティン(2011年
ロバート・ゲーツ国防長官とオースティン(2011年

ロイド・ジェームス・オースティン3世Lloyd James Austin III1953年8月8日 - )は、アメリカ合衆国軍人政治家。最終階級は陸軍大将。第28代アメリカ合衆国国防長官

イラク戦争において多国籍軍団や駐留アメリカ軍の司令官を務め、2012年1月31日から第33代陸軍副参謀総長に任命された。2013年3月22日からアメリカ中央軍 (CENTCOM)の第12代司令官に任命され[1]アフリカ系アメリカ人として最初の中央軍司令官となった[2]。退役後はレイセオン・テクノロジーズニューコアテネット・ヘルスケア英語版などの企業で役員を務めていた。

2020年12月8日にジョー・バイデン次期大統領より新政権でのアフリカ系初の国防長官に指名され[3]、2021年1月22日に就任した[4]

軍歴[編集]

初期の経歴[編集]

1953年8月8日にアラバマ州モービルに誕生し[5]ジョージア州トーマスビル英語版で育った。1975年アメリカ陸軍士官学校(ウェストポイント)を卒業して理学士(Bachelor of Science)を取得し、陸軍から少尉に任官された[6]。在独米軍の第3歩兵師団第7連隊第1大隊に配属され、A中隊のライフル小隊長や戦闘支援中隊の偵察小隊長を務めた[要出典]。歩兵将校上級課程を経て、ノースカロライナ州フォートブラッグに駐留する第82空挺師団に転属となり、同師団の指揮下にある第508歩兵連隊で第2大隊戦闘支援中隊の中隊長や第1大隊の作戦参謀を務めた[6]

インディアナポリスに赴任して地区募兵大隊の大隊長を務めた後、ウェストポイントに戦術士官として赴任した[6]フォート・レブンワース陸軍指揮幕僚大学を修了後、フォート・ドラム英語版第10山岳師団に転属した。第10山岳師団では参謀士官、第22歩兵連隊第2大隊副官、第1旅団副官を歴任し、フォート・ドラムでの訓練、動員、安全管理の責任者となった[6]。また軍務と並行してオーバーン大学文学修士(Master of Arts)、ウェブスター大学英語版経営学修士(MBA)を取得している。

1993年、第82空挺師団に戻って第505落下傘連隊英語版の第2大隊長に任命され、師団の作戦参謀も務めた。陸軍戦略大学を卒業後、第82空挺師団の第3旅団長に任命されたが[6]、直後に国防総省から統合作戦本部共同作戦部長に任命されてワシントンに赴任した。2001年、第3歩兵師団の機械化部隊司令官 (ADC-M)に任命された。

対テロ戦争[編集]

2003年3月、第3歩兵師団の機械化部隊はイラク多国籍軍英語版に加わり、ブッシュ政権が主導するイラク戦争の先頭に立った[6]。同年9月、新たに第10山岳師団の師団長に任命されてイラクからアフガニスタンへ転戦し、不朽の自由作戦を行う第180合同任務部隊英語版の司令官を兼任している。2005年9月、アメリカ中央軍の参謀長に任命され、本国に帰還した。2006年12月8日、中将に昇格の上で第82空挺師団を含めた第18空挺軍団の司令官に着任した。

2008年2月、多国籍軍傘下のイラク多国籍軍団英語版(MNC-I)の司令官としてイラクに再度赴任し、第18空挺軍団を中心に兵員15万2000名を指揮下に置いた[7]。2010年9月1日、レイモンド・オディエルノ大将の後任として在イラク米軍英語版の総司令官となり、バグダットアル・ファウ宮殿英語版で就任式典が行われた[8][9]。駐留米軍はイラク戦争に派兵された全ての米軍部隊と、まだ撤退を決定していない多国籍軍部隊への指揮権を保持していた[10]。イラク軍及びイラク内務省への支援や助言を行い、また駐留米軍司令官として14000人から18000人の兵力強化を要求した[11]

情勢は戦争や占領統治から多国籍軍が擁立したイラク正式政府に治安権限を委譲する段階に移行しており、本国でもオバマ政権による兵力撤収が進められていた。2010年2月17日以降、駐留米軍による「イラクの自由」を切り上げ、イラク治安部隊への支援を中心とした「新たなる夜明け」(Operation New Dawn)への転換を実施した[12]。軍事・治安作戦のみならず、イラク政府との戦略的パートナーシップの締結など外交交渉やアメリカ国内での政策議論にも幅広く関与した[13]。イラクからの早期撤退についてはジェームズ・マティス中央軍司令官と同じく反対の立場を取った。

2011年以降も1万名以上の兵力展開を要求し、残り2万名の兵員についての作戦計画を承認していたが[14][15]、最終的には政府に従って駐留部隊の早期撤退と5万名の駐留部隊の再配置を行った。2011年12月15日、バグダード国際空港で在イラク米軍の解散式典が開かれたが、この空港は自身が8年前に第3歩兵師団の部隊を率いて占領した拠点でもあり、演説でもその事に触れている[16]。2011年12月18日、任務を終えてイラクから帰還した[17]

2011年12月中に陸軍副参謀総長に指名され[18]、翌年1月31日に正式に就任[19]して陸軍予算や人員の管理を担当した。また軍内の自殺者を減らす為の環境改善を進め[20][21]、精神面の治療方法についての評価作業を実施した[22]

米中央軍司令官[編集]

中央軍司令官をマティス海兵隊大将(左から2番目)から引き継ぐ様子 (2013年3月22日)

2013年3月22日、政権の軍事政策を批判していたマティスが事実上更迭されると、バラク・オバマ大統領から後任の中央軍司令官に任命された[23][24]。軍事上の問題について公での発言や説明を避け、メディアに対して「見えざる将軍」(invisible general)と呼ばれる秘匿的なアプローチを行った[25]

2014年6月、イスラム国(ISIL)が台頭してイラクの主要都市モスルを制圧するまでに勢力を拡大した為、中央軍司令官としてイラク、シリアなどで対ISILの軍事作戦を展開した[26][27]。ISILについて「一発屋」(Flash in the pan)と形容し[28]、2014年10月の時点ではシリアよりもイラクでの戦線立て直しを優先する方針を示した[29]。2015年、シリア内戦での地上戦力投入を避ける為、数千名のシリア人部隊を支援するというオバマ政権の計画が難航している事を上院軍事委員会で証言し、後にホワイトハウスも認めている[30][31]。軍事委員会では退役軍人であるジョン・マケイン上院議員から批判を受けている[32]

2016年3月30日、中央軍司令官を退任し、陸軍を退役した[33]。共和党議員からはイラク、アフガニスタンでのキャリアと比較して精彩を欠いたとの批判を受けているが[32]、アメリカの支援を受けるシリア民主軍は翌年にラッカを奪還しており、地上戦力を出さずに対ISIL掃討を行うという困難な要求に道筋を付けたとも言える。

退役後、国防長官就任まで[編集]

退役後は大手軍需産業であるレイセオン・テクノロジーズの取締役に就任し[34]、2017年9月18日からは大手鉄鋼会社ニューコアの取締役となった[35]。役員職以外にも自身のコンサルティング会社を設立している[36]

2018年5月29日、医療サービス大手のテネット・ヘルスケア英語版の取締役に就任した[37]

2020年11月27日、ニュースサイトのAxios英語版ジョー・バイデンの政権移行チームから、国防長官候補として打診されていると報道した[38]。副大統領時代に中央軍司令官として信頼関係があり[39]、政権移行チームの安全保障問題のアドバイザーを務めていたものの[40]、国防長官はミッシェル・フロノイ英語版が有力視されていた。フロノイは自身のコンサルタント会社と軍需産業の親密な関係に対して、民主党の急進左派からの強い反発を受けていた為[41]、党派色の薄いオースティンを新たに指名したと見られている。

アフリカ系アメリカ人の国防長官選出を求めていた黒人議員連盟英語版の支持や[42]、最高位の軍人としてのキャリアも判断材料になったと見られるが、同時に自身も軍需産業の役員を務めていた点が懸念材料として浮上している[25]

2020年12月7日、バイデンから国防長官として正式に指名を受けたとの報道が行われた[36][43][3]

2021年1月19日に上院指名のための上院公聴会に出席。中国とロシアが米国の「戦略的競争相手」であるとする2018年の米国家防衛戦略の認識を確認した上で「軍近代化の範囲や規模からみて、最重要懸案は中国だ」と言明した[4]

国防長官[編集]

元中央軍司令官から国防長官となったジェームズ・マティスがそうであった様に、国家安全保障法の規定から退役7年未満の軍人が就任するには議会の特別認可が必要となるため[25][44]、議会にて歴代3人目[45]の規定免除を受けた上で2021年1月22日に上院で人事案が賛成93、反対2[46][4]で承認され[47]、同日に就任した[4]

2021年2月25日、米軍はバイデン政権下初の軍事行動であるシリアの親イラン民兵組織への空爆を実施した[48]。米当局者によれば、オースティンが攻撃を助言したことを受けてバイデン大統領が決定したとされる[49]

私生活[編集]

宗教面ではローマ・カトリックに属している[50][51]

ボー・バイデンの上司で、イラクで任務に当たっていた当時、ほぼ全ての日曜日に一緒にミサに参加していたと言われており、帰国後も、両氏は関係を維持していた[52]

引用[編集]

  1. ^ “Looking back for the way ahead: An interview with Retired Gen. Lloyd Austin” (英語). (2018年1月2日). https://www.army.mil/article/198441/looking_back_for_the_way_ahead_an_interview_with_retired_gen_lloyd_austin 2020年12月9日閲覧。 
  2. ^ MacAskill, Ewen (2013年3月22日). “General Lloyd Austin picked for top job at US Central Command” (英語). The Guardian. http://www.theguardian.com/world/2013/mar/22/general-lloyd-austin-central-command 2020年12月2日閲覧。 
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出典[編集]

関連文献[編集]

外部リンク[編集]

公職
先代:
デイヴィッド・ノークイスト英語版
(代行)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国国防長官
第28代:2021年1月22日 -
次代:
(現職)