井上義行
井上 義行 いのうえ よしゆき | |
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生年月日 | 1963年3月12日(59歳) |
出生地 |
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出身校 | 日本大学経済学部通信教育課程 |
前職 |
内閣総理大臣秘書官 千葉科学大学客員教授 |
所属政党 |
(無所属→) (みんなの党→) (日本を元気にする会→) (無所属→) 自由民主党(細田派) |
公式サイト | 井上よしゆき 〜 参議院議員 |
選挙区 | 比例区 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2013年7月29日 - 2019年6月26日 |
井上 義行(いのうえ よしゆき、1963年3月12日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の前参議院議員(1期)。
元内閣府官僚として、内閣官房内閣参事官補佐、内閣官房副長官秘書官、内閣官房長官秘書官、内閣総理大臣秘書官などを歴任した。
来歴[編集]
神奈川県小田原市の出身で小田原市営住宅で生まれ育つ。小田原市立千代小学校と小田原市立千代中学校を経て、相洋高等学校は体操部で活動して卒業[1]した。日本国有鉄道に就職[1]して勤務しつつ日本大学経済学部通信教育課程を卒業した[1]。1988年に、国鉄分割民営化の人員整理により総理府で勤務する。
1998年に、額賀福志郎内閣官房副長官の秘書官となる[2]。
2006年9月に、安倍が内閣総理大臣に就任すると、内閣総理大臣秘書官となる。2007年9月に、内閣総辞職に伴い総理大臣秘書官を退任した。千葉科学大学の客員教授などを務めた[1]。
2009年8月に、第45回衆議院議員総選挙で神奈川17区から無所属で立候補して落選する。2010年8月に、みんなの党神奈川県第17区支部長となる。2012年に、第46回衆議院議員総選挙で神奈川17区からみんなの党公認で立候補して落選する。
2013年7月に、第23回参議院議員通常選挙でみんなの党から比例区候補として立候補し、47,757票で得票数4位、党内最下位で初当選した。
2014年11月にみんなの党が解党した。2015年1月に日本を元気にする会の結党に参加して国会対策委員長となる[3]。
2015年12月7日に、日本を元気にする会へ離党届を提出して受理され、日本を元気にする会は所属議員数が5人を下回り政党要件を喪失した[4][5]。12月24日に、会派「自由民主党」は井上の入会を参議院事務局に届け出た[6]が比例選出議員のため入党はしなかった。
2016年1月14日、自由民主党の派閥である清和政策研究会(細田派)に客員会員として入会した[7]。
2018年6月20日、自由民主党は2019年執行予定の第25回参議院議員通常選挙の比例代表候補として、井上の公認を内定した[8]。前回の選挙で旧みんなの党の比例区選出で当選した井上は、国会法の規定により現職のまま当選時と異なる政党から立候補はできずに議員辞職を要し、2019年の第198通常国会終盤の6月25日に議員辞職願を提出して同26日の参議院本会議で議員辞職が許可された[9]。旧みんなの党の比例名簿は党の消滅により既に取り下げられており、繰り上げ当選は行われない。第25回参議院議員通常選挙は同年7月21日に執行され、87,946票を獲得するも党内25位で落選[10]した。
政策[編集]
2013参院選 毎日新聞候補者アンケートや2019年の朝日新聞によるアンケートによると
- 選択的夫婦別姓導入に「反対」としている[11]。
- 憲法9条の改正に賛成し、自衛隊の役割や限界を明記するべき[12]。
- 集団的自衛権の行使に賛成[12]。
- 村山談話は見直すべきでない、河野談話はわからないとしている[12]。
- TPP交渉参加に賛成[12]。
- 労働市場の規制緩和を進め、企業側が金銭を払えば解雇しやすくすることに賛成[12]。
- 日本の原発について、再稼働・海外輸出とも反対[12]。
活動[編集]
秘書官[編集]
2000年7月、第2次森内閣の内閣官房副長官に就任した安倍の秘書官に任命され、北朝鮮による日本人拉致問題の情報収集を担当する[13]。直後に拉致問題を所管する外務省から「越権行為」として内閣府に抗議が届いて対応に追われた[14]。
2004年、内閣参事官補佐として、第2次小泉訪朝を前に北朝鮮へ単身で乗り込み拉致被害者の子供の帰国について交渉し、子供の帰国を実現させた[15]。
2005年10月、安倍が内閣官房長官に就任すると、安倍に指名されて内閣官房長官秘書官となる。安倍は「私と国のために情熱を注いでくれる」と評価した[15]。
2006年9月、安倍の内閣総理大臣就任に伴い、内閣総理大臣秘書官となる。第1次安倍内閣が金銭問題で閣僚辞任が相次ぎ1年の短命政権となった原因に、閣僚の「身体検査」の甘さや官僚と安倍の面会を拒み正確な情報が届なかったことが挙げられ、担当する井上に批判が集中した[14][16]。小泉純一郎の総理秘書官を務めた飯島勲は、「官邸人事の肝は、誰を総理秘書官に据えるかだ」「安倍さんは国鉄からノンキャリア官僚になった井上義行、鳩山さんは通産官僚の佐野忠克を据えて失敗した」と評している[17]。安倍内閣の官房副長官的場順三は「閣僚に片意地張るな、役人と喧嘩はするな」「何かあったら相談してくれ」と忠告したが、一度も相談されることはなかったと語っている[18]。
2007年当時、安倍の潰瘍性大腸炎罹患は知られておらず[14]、井上は批判に対し「安倍さんの病気のことを考えれば、面会は制限せざるを得なかった」と主張している。「官僚出身者は選挙より政策を優先させるため、結果として政権が倒れる場合がある」「官僚出身の秘書官は官僚と政治家の両方から嫉妬される」として、「秘書官は二度とやりたくない」と語っている[14]。
参議院議員[編集]
2014年2月19日、国の統治機構に関する調査会の質疑で首相公選制と道州制の導入を主張し、同時に会計検査院を国会に置き行政の監視機能を強化するべきと主張した[19]。
3月5日、予算委員会の質疑で憲法改正に言及し、北朝鮮で内乱が発生した際に拉致被害者を救出するために自衛隊を出動可能とするための法整備を行うべきと主張した[20]。また、4月4日の参議院本会議では、敵基地攻撃能力の保有と集団的自衛権の行使容認を主張した[21]。
5月22日、外交防衛委員会で靖国神社問題について質疑し、「どの総理であれ、靖国神社に行くということは当然」とし、靖国神社参拝によって中国との経済関係が悪化するという意見を「全くそれは当たらない」と主張した。また、中国の台頭に対してはアメリカ合衆国・ASEANとの連携を強化するべきと主張した[22]。
2015年4月26日、拉致問題の解決を目指す国民集会に出席。北朝鮮が拉致被害者の再調査に合意したストックホルム合意について、「むしろ北朝鮮を有利にしてしまった」と述べた[23]。
5月11日、決算委員会で大涌谷の噴火について質疑。「立ち入り規制が箱根全体と誤認され風評被害の懸念がある」として、国土交通大臣の太田昭宏に対し規制範囲について正確な情報を発信するように求めた[24][25]。
略歴[編集]
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- 1988年、総理府移籍
- 1992年、官邸整備用地専門職
- 1996年、内閣第一係長
- 1998年、内閣官房副長官秘書官
- 2005年10月、内閣官房長官秘書官
- 2006年9月、内閣総理大臣秘書官(政務担当)
- 2007年9月、安倍晋三衆議院議員私設秘書[26]
- 2008年4月、千葉科学大学客員教授
- 2009年8月、第45回衆議院議員総選挙落選
- 2010年8月、みんなの党神奈川県第17区支部長
- 2012年、第46回衆議院議員総選挙落選
- 2013年7月、第23回参議院議員通常選挙当選
- 2015年1月、日本を元気にする会国会対策委員長
- 2015年12月、日本を元気にする会に離党届を提出
所属議員連盟[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c d 井上義行公式ホームページ | プロフィール
- ^ キャリア官僚(課長補佐級)が就く役職で、正確には官房副長官の補佐が主任務となる内閣官房職員の通称。国務大臣秘書官のような特別職ではなく、一般職である。
- ^ [1]
- ^ “井上義行参院議員が「元気にする会」を離党”. 産経新聞. (2015年12月7日) 2015年12月9日閲覧。
- ^ 元気、政党要件を喪失 井上氏の離党届受理 - 日本経済新聞 2016年1月13日
- ^ 自民、井上義行氏の会派入り届け出 日本経済新聞 2015年12月24日
- ^ 元気離党の井上氏、自民党細田派へ 元安倍首相秘書官 日本経済新聞 2016年
- ^ 自民:参院選の1次公認候補予定者56人を決定 - 毎日新聞 2018年6月20日
- ^ 井上義行氏の辞職許可=参院 - 時事ドットコム 2019年6月26日
- ^ 参院選2019 比例代表 自民 : 参院選 : 選挙・世論調査(選挙)
- ^ “朝日・東大谷口研究室共同調査”. 朝日新聞 (2019年). 2019年7月8日閲覧。
- ^ a b c d e f 2013参院選 毎日新聞候補者アンケート
- ^ “首相秘書官にノンキャリア官僚(2006年) 憎まれ役、退路絶つ覚悟”. 日本経済新聞. (2015年1月18日) 2015年2月28日閲覧。
- ^ a b c d “井上義行元首相秘書官「批判全部かぶる気持ちだった」 ”. 日本経済新聞. (2015年1月18日) 2015年2月28日閲覧。
- ^ a b “安倍政権の風向計の役割…日本首相政務秘書官に任命された井上義行氏”. 中央日報. (2006年9月26日) 2015年2月26日閲覧。
- ^ “「政治とカネ」の報道は魔女狩りと化している”. nikkei BPnet (2007年9月11日). 2015年2月28日閲覧。
- ^ 飯島勲・真山仁「小泉進次郎は総理の器か――短命総理に辟易した国民の前に現れたサラブレッドの真贋」『文藝春秋』88巻12号、文藝春秋、2010年10月1日、123頁。
- ^ “的場元副長官「首相辞任、もういっぺんやりましょう」 ”. 日本経済新聞. (2015年3月8日) 2015年4月7日閲覧。
- ^ “参議院会議録情報 第186回国会 国の統治機構に関する調査会 第1号”. 参議院 2015年6月3日閲覧。
- ^ “第186回 参議院 予算委員会 平成26年3月5日 第7号” (PDF). 参議院 2015年5月26日閲覧。
- ^ “参議院会議録情報 第186回国会 本会議 第14号”. 参議院 2015年5月26日閲覧。
- ^ “第186回 参議院 外交防衛委員会 平成26年5月22日 第17号” (PDF). 参議院 2015年5月26日閲覧。
- ^ “膨らむ外務省不信「救出のプロによる作業が必要なのでは」拉致被害者家族の悲痛”. 産経ニュース (産経新聞). (2015年5月5日) 2015年5月26日閲覧。
- ^ “参議院会議録情報 第189回国会 決算委員会 第7号”. 参議院 2015年6月3日閲覧。
- ^ “「規制は一部」繰り返し”. タウンニュース. (2015年5月15日) 2015年6月3日閲覧。
- ^ “安倍晋元秘書の井上氏、河野洋平おひざ元から出馬へ”. ZAKZAK. (2009年2月2日) 2015年2月26日閲覧。
- ^ 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
外部リンク[編集]
- 井上よしゆき ~ 参議院議員
- 井上よしゆき オフィシャルブログ - Ameba Blog
- 井上よしゆきチャンネル - YouTube
- 井上よしゆき (@yoshiyuki.inoue.31) - Facebook
- 政界ぶらさがりトーク
党職 | ||
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先代: (創設) |
日本を元気にする会国会対策委員長 初代:2015年 |
次代: (空席) |