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2018年自由民主党総裁選挙

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2018年自由民主党総裁選挙

2015年 ←
2018年9月20日
→ 2020年

選挙制度 総裁公選規程による総裁選挙
有権者数 衆議院議員 283票
参議院議員 122票
都道府県 405票
合計 810票

 
候補者 安倍晋三 石破茂
議員票 329 73
党員算定票 224 181
合計 553 254



各候補の獲得票数の結果
安倍  石破

選挙前総裁

安倍晋三

選出総裁

安倍晋三

2018年自由民主党総裁選挙(2018ねんじゆうみんしゅとうそうさいせんきょ)は、2018年9月20日に行われた日本自由民主党党首である総裁選挙である[1]

概要

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2015年自由民主党総裁選挙において選出された現職の安倍晋三の任期満了に伴い実施。1974年椎名裁定[注 1]の際に総裁連続3選を禁止する規定が導入されて以降[2]長らく継続されていたが、2017年に任期が「連続3期」に延長されたため、現職の安倍の立候補が可能となった[3]

前回無投票だったこともあり、安倍は異例である閣内からの出馬を容認した[注 2][4][5]。このため、前回出馬を断念した総務大臣野田聖子が出馬の意欲を示していたが[6]、推薦人を集められず立候補を断念し安倍の支持に回った[7]。また閣外からは、石破茂が出馬の意欲を示した[8]

総裁選に向けては、安倍の出身派閥である細田派麻生派、総裁任期を延ばす党則改正を主導した二階俊博幹事長率いる二階派の3派が早々に安倍支持を表明[9]岸田派では若手を中心に岸田文雄政調会長の出馬を求める主戦論が優勢である一方、ベテランなど一部に今回は首相支持に回り3年後に首相からの「禅譲」を狙うべきだとする慎重論があり[10]、最終的に7月24日に岸田が自身の立候補見送りと安倍への支持を表明したが、党内からは「乗り遅れだ」との冷ややかな見方が広がった[11]

竹下派は派内に影響力を持つ青木幹雄元参院議員会長の要請もあり、派閥会長の竹下亘総務会長が石破支持を表明。参院側は大半が石破支持で固まった[12]。一方、衆院側は会長代行の茂木敏充経済再生担当相など安倍に近い議員が多く、安倍支持が優勢を占める分裂選挙となった[13]石原派は会長の石原伸晃NAISの会の安倍、岸田両者と近い一方、派閥最高顧問の山崎拓元副総裁が「反安倍」を鮮明に打ち出し、石破にエールを送るなどしていたため、候補が正式に出そろった後に対応を決めるとし態度を保留していた。しかし、岸田が不出馬を表明し、竹下派が分裂選挙となったことから8月9日に安倍支持を表明した[14]

本総裁選後、安倍晋三は2年後に首相を辞職[15]約4年後の参院選の演説中に銃撃事件で死去したため[16]、安倍が首相として迎えた最後の総裁選となった。

候補者

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立候補者

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届出順[17]

候補者名 年齢 派閥 現職 キャッチフレーズ 立候補歴
安倍晋三 63 清和政策研究会
(細田派)
衆議院議員(9期・山口4区
現職(2012年~)
平成の、その先の時代を切り拓く 4回目
2006年2012年2015年
石破茂 61 水月会(石破派)会長 衆議院議員(11期・鳥取1区 地方創生、日本創生、石破茂 3回目
2008年2012年
推薦人一覧
候補者 安倍晋三[18] 石破茂[19]
推薦人代表 橋本聖子(細田派) 尾辻秀久竹下派
選挙責任者 甘利明麻生派 古川禎久(石破派)
推薦人 石原宏高石原派
衛藤征士郎(細田派)
遠藤利明谷垣G
大岡敏孝二階派
坂本哲志(石原派)
平沢勝栄(二階派)
堀内詔子岸田派
宮腰光寛(岸田派)
渡辺博道(竹下派)
青山繁晴(無派閥)
有村治子(麻生派)
佐藤正久(竹下派)
髙階恵美子(細田派)
柘植芳文(無派閥)
塚田一郎(麻生派)
羽生田俊(細田派)
三木亨(二階派)
水落敏栄(岸田派)
石井準一(竹下派)
松村祥史(竹下派)
青木一彦(竹下派)
島田三郎(竹下派)
舞立昇治(石破派)
中西哲(石破派)
村上誠一郎(無派閥)
中谷元(谷垣G)
渡海紀三朗(無派閥)
橘慶一郎(無派閥)
伊藤達也(石破派)
田村憲久(石破派)
赤沢亮正(石破派)
平将明(石破派)
福山守(石破派)
田所嘉徳(石破派)
神山佐市(石破派)
冨樫博之(石破派)

立候補を断念した人物

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党総裁選データ

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自民党総裁選が9月7日に告示され、現職の安倍晋三首相と石破茂衆院議員が立候補。しかし、告示日の前日(9月6日)に北海道で発生した北海道胆振東部地震を受けて、告示日から3日間は選挙活動を自粛し、記者会見や討論会などが延期された[21]

日程

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全て2018(平成30)年。(※)を付したものはニコニコ生放送にてネット中継された[22][23]

キャッチコピー

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日本を守る責任。時代を拓く覚悟。

選挙票

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選挙人
種別 人数
衆議院議員 283票(1人1票)
参議院議員 122票(1人1票)
都道府県 405票(各候補者の得票数を基に、党所属国会議員数と同数の票をドント方式により配分)
合計 810票

選挙結果

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赤:安倍が勝利した都道府県
青:石破が勝利した都道府県
得票数 議員票 党員算定票
1/安倍晋三 553 329 224
2/石破茂 254 073 181
  • 議員票投票総数: 405票、うち有効票402票(無効票3票)

以上により、総得票の過半数を獲得した安倍晋三が3選を果した[24][25]。石破は議員票では大敗したものの予想を上回る票を獲得するとともに、党員票では約45%を得、前回同様「地方に強い」ことをアピールし、ポスト安倍として望みをつないだと評された[26][27]

党員票詳細 [28]
Pref. 安倍 石破 安倍比率 石破比率 有効票数
01北海道 11711 9819 54.39% 45.61% 21530
02青森県 3480 2517 58.03% 41.97% 5997
03岩手県 2568 2170 54.20% 45.80% 4738
04宮城県 4299 3301 56.57% 43.43% 7600
05秋田県 3229 2843 53.18% 46.82% 6072
06山形県 3172 4402 41.88% 58.12% 7574
07福島県 5209 4368 54.39% 45.61% 9577
08茨城県 9927 13951 41.57% 58.43% 23878
09栃木県 6257 5124 54.98% 45.02% 11381
10群馬県 6802 7847 46.43% 53.57% 14649
11埼玉県 12177 10257 54.28% 45.72% 22434
12千葉県 9131 8238 52.57% 47.43% 17369
13東京都 33351 24110 58.04% 41.96% 57461
14神奈川県 20901 13371 60.99% 39.01% 34272
15新潟県 8880 7384 54.60% 45.40% 16264
16富山県 9452 10685 46.94% 53.06% 20137
17石川県 9161 4936 64.99% 35.01% 14097
18福井県 4786 2791 63.16% 36.84% 7577
19山梨県 6902 5310 56.52% 43.48% 12212
20長野県 5406 5391 50.07% 49.93% 10797
21岐阜県 10955 9630 53.22% 46.78% 20585
22静岡県 9410 6916 57.64% 42.36% 16326
23愛知県 14611 12122 54.66% 45.34% 26733
24三重県 3437 4194 45.04% 54.96% 7631
25滋賀県 4056 2991 57.56% 42.44% 7047
26京都府 5073 3807 57.13% 42.87% 8880
27大阪府 11813 7620 60.79% 39.21% 19433
28兵庫県 8193 7063 53.70% 46.30% 15256
29奈良県 3332 1674 66.56% 33.44% 5006
30和歌山県 8698 2003 81.28% 18.72% 10701
31鳥取県 421 7933 05.04% 94.96% 8354
32島根県 2257 7748 22.56% 77.44% 10005
33岡山県 7060 5218 57.50% 42.50% 12278
34広島県 15095 6171 70.98% 29.02% 21266
35山口県 12488 1760 87.65% 12.35% 14248
36徳島県 2925 3963 42.47% 57.53% 6888
37香川県 6752 4783 58.53% 41.47% 11535
38愛媛県 6945 5581 55.44% 44.56% 12526
39高知県 1499 3778 28.41% 71.59% 5277
40福岡県 10442 5883 63.96% 36.04% 16325
41佐賀県 3343 3149 51.49% 48.51% 6492
42長崎県 7167 4704 60.37% 39.63% 11871
43熊本県 6143 5011 55.07% 44.93% 11154
44大分県 5768 3542 61.95% 38.05% 9310
45宮崎県 3112 4380 41.54% 58.46% 7492
46鹿児島県 5938 4478 57.01% 42.99% 10416
47沖縄県 1753 1086 61.75% 38.25% 2839
合計 355487 286003 55.42% 44.58% 641490

註: 都道府県別でそれぞれ最多得票であった候補の票数を強調した。比率は有効投票数に占める各候補への投票率。

脚注

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注釈

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  1. ^ 第6代総裁を務めた田中角栄が退陣した後の後継総裁人事を決める際に当時の自由民主党副総裁であった椎名悦三郎が、後継候補に擬された党内実力者の福田赳夫大平正芳三木武夫中曽根康弘の4人と会談を重ね、椎名自らが最終的に三木を田中の後任となる第7代総裁に指名した事案であった。
  2. ^ 閣僚が総裁選に立候補して現職総理・総裁に挑戦すると閣内不一致と解釈されかねないため、事前に辞任することがあった。1964年総裁選における佐藤栄作、1968年総裁選における三木武夫など。
  3. ^ なお、当初の予定では、この日は北海道札幌市での遊説であったが、震災の影響を考慮した上で仙台市での遊説に変更された

出典

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  1. ^ 自民総裁選、来月20日投開票=安倍、石破氏、一騎打ちへ:時事ドットコム - ウェイバックマシン(2018年8月21日アーカイブ分)
  2. ^ “自民党「総裁」名の由来、選挙が必要な訳、任期と再選規定の変遷”. Yahoo News. Yahoo! JAPAN. (2018年8月23日). オリジナルの2018年9月20日時点におけるアーカイブ。. http://www.freezepage.com/1537423165GDYFAWHGYO 2018年9月20日閲覧。 
  3. ^ 自民党、総裁任期「連続3期9年」に延長 党大会で了承:朝日新聞デジタル - ウェイバックマシン(2017年3月5日アーカイブ分)
  4. ^ “野田聖子氏起用「閣内不一致の時限爆弾」”. 毎日新聞. (2017年8月7日). https://mainichi.jp/articles/20170808/k00/00m/010/122000c 2020年9月2日閲覧。 [リンク切れ]
  5. ^ “首相、閣内からの出馬容認 今秋の自民総裁選”. 日本経済新聞. (2018年1月15日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25695370V10C18A1PP8000/ 
  6. ^ “(自民党総裁選2018 候補たち:4)野田聖子氏 首相へ苦言、党の常識に挑む”. 朝日新聞. (2018年1月15日). https://www.asahi.com/articles/DA3S13313700.html?iref=pc_ss_date 
  7. ^ 野田氏、首相支持を表明 「安倍一色」に異論唱えたが…朝日新聞 2018年9月4日
  8. ^ “2018自民総裁選/1 石破茂・元幹事長(60) 非主流、深まる孤立 「安倍失速」待つ持久戦”. 毎日新聞. (2018年1月9日). https://mainichi.jp/articles/20180109/ddm/005/010/039000c 2018年2月9日閲覧。 
  9. ^ “【自民党総裁選】首相3選支持へ麻生、二階氏呉越同舟 支持率急落に対抗”. 産経新聞. (2018年4月11日). https://www.sankei.com/article/20180411-VZUZMM3FHBN5RHWJ3EECVBGQRY/ 2020年4月4日閲覧。 
  10. ^ “岸田氏、総裁選不出馬を表明 安倍首相の3選が有力に”. 日本経済新聞. (2018年7月24日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33343880U8A720C1MM8000/ 2020年4月4日閲覧。 
  11. ^ “2018自民党総裁選:岸田氏不出馬 派閥分裂回避に腐心”. 毎日新聞. (2018年7月26日). https://mainichi.jp/articles/20180726/ddm/005/010/037000c 2020年4月4日閲覧。 
  12. ^ “2018自民党総裁選:竹下派「分裂選挙」へ 首相支持容認 竹下氏は石破氏支持”. 毎日新聞. (2018年8月8日). https://mainichi.jp/articles/20180808/ddm/005/010/182000c 2020年4月4日閲覧。 
  13. ^ “2018自民党総裁選:竹下派は分裂選挙が鮮明に”. 毎日新聞. (2018年9月3日). https://mainichi.jp/articles/20180904/k00/00m/010/111000c 2020年4月4日閲覧。 
  14. ^ “【政界徒然草】「バスに乗り遅れるな!」自民党総裁選に駆け込み乗車の石原派 背景に複雑な派内事情、山崎拓氏の影も…”. 産経新聞. (2018年8月17日). https://www.sankei.com/article/20180817-P6S66J6THRMV7KQ3GM24RE3JHU/ 2020年4月4日閲覧。 
  15. ^ 安倍内閣が総辞職 連続在任最長、2822日で幕”. 日本経済新聞 (2020年9月16日). 2024年9月7日閲覧。
  16. ^ 安倍元首相の暗殺 どのように起きたのか”. BBCニュース (2022年7月9日). 2024年9月7日閲覧。
  17. ^ 自民党総裁選挙が告示|総裁選関連ニュース|総裁選2018|自由民主党”. 2018年9月20日閲覧。
  18. ^ 安倍 晋三 プロフィール|総裁選2018|自由民主党”. 2018年9月20日閲覧。
  19. ^ 石破 茂 プロフィール|総裁選2018|自由民主党”. 2018年9月20日閲覧。
  20. ^ “自民党総裁選 岸田氏、名門の重圧 揺れた末の総裁選不出馬”. 日本経済新聞. (2018年7月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33362700U8A720C1EA1000/ 
  21. ^ 自民党総裁選、3日間自粛 石破氏の延期主張は通らず朝日新聞 2018年9月7日
  22. ^ 総裁選スケジュール|総裁選2018|自由民主党”. 2018年9月20日閲覧。
  23. ^ 9月7日告示 20日投開票 自民総裁選正式決定 - FNN.jpプライムオンライン - ウェイバックマシン(2018年8月22日アーカイブ分)
  24. ^ 自民総裁に安倍首相3選 石破元幹事長破る | 共同通信 - This kiji is - ウェイバックマシン(2018年9月20日アーカイブ分)
  25. ^ 自由民主党. “【自民党総裁選】投開票ならびに両院議員総会(2018.9.20)”. YouTube. 2018年9月20日閲覧。
  26. ^ 「丁寧、正直、安倍批判」石破茂が抱えた“新たな課題””. FNNプライムオンライン. 2020年10月4日閲覧。
  27. ^ 日本放送協会. “3年待たず 戦国時代だ | 特集記事”. NHK政治マガジン. 2020年10月4日閲覧。
  28. ^ 2018年 総裁選 / 党員投票開票結果 - ウェイバックマシン(2018年9月20日アーカイブ分)

関連項目

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外部リンク

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