藤井聡太

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 藤井 聡太
 竜王(王位・叡王・王将・棋聖)
Sōta Fujii.jpg
2018年1月
名前 藤井 聡太
生年月日 (2002-07-19) 2002年7月19日(19歳)
プロ入り年月日 2016年10月1日(14歳)
棋士番号 307
出身地 愛知県瀬戸市
所属 日本将棋連盟(関西)
師匠 杉本昌隆八段
在位中タイトル 竜王・王位・叡王・王将・棋聖
段位 九段
棋士DB 藤井 聡太
戦績
タイトル獲得合計 8期
一般棋戦優勝回数 5回
2022年5月24日現在
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藤井 聡太(ふじい そうた、2002年平成14年〉7月19日 - )は、将棋棋士杉本昌隆八段門下。棋士番号は307。愛知県瀬戸市出身。

2016年に史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たすと[1][2]、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立した[3][4][5][6]。その後、最年少一般棋戦優勝・タイトル獲得、五段を除く昇段記録・タイトル二冠 - 五冠[7][8]など多くの最年少記録を塗り替えている。

デビューからの29連勝などは各メディアが広く取り上げて大きな話題になった[9][10]。藤井の活躍により将棋ブームが起こっただけでなく[11]、社会現象的な人気は「藤井フィーバー」とまで言われた[12]

アマチュア時代[編集]

幼少時代[編集]

5歳であった2007年の夏、母方の祖父母から将棋の手ほどきを受けた[13]。藤井の祖母は、3人の娘のところに生まれた孫たちに囲碁と将棋のルールを順番に教えていた(祖母自身はルールを知る程度)[13]。藤井は瞬く間に将棋のルールを覚え、将棋を指せる祖父が相手をしたが、秋になると、祖父は藤井に歯が立たなくなった[13]

同年の12月、瀬戸市内の将棋教室に入会[13]。入会時に師範から渡された、500ページ近い厚さの所司和晴『駒落ち定跡』(日本将棋連盟、ISBN 4819702092)を、まだ読み書きができない藤井は符号を頼りに読み進め、1年後には完全に理解・記憶した[14]。将棋教室塾長の文本氏によると、教室では1回3時間の授業を週3回行っているが、教室に通い出した藤井が週4回の授業を希望したことから彼のために追加授業をした時期があるという[15]

研修会[編集]

2010年3月、小学1年生で東海研修会に入会[16]

2011年8月、小学3年生で第10回全国小学生倉敷王将戦・低学年の部で優勝[17]。同年10月にJT将棋日本シリーズ東海大会の低学年の部で優勝[18]

2012年1月、第9回小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会に出場し、準決勝で伊藤匠に敗れる。6月に研修会B1に昇級し、9月に小学4年生で新進棋士奨励会(以下「奨励会」)に入会(6級)[1][注釈 1]

奨励会[編集]

小学6年生の時に、史上最年少で奨励会初段、二段に昇段[20]。中学1年生であった2015年10月18日に、史上最年少(13歳2か月)で奨励会三段に昇段し、複数のマスコミで報じられた[注釈 2][22][23]。ただし、その2週間前、同年10月3日に開幕した第58回奨励会三段リーグ戦(2015年度後期)[24]には間に合わず、半年近く足止めとなった[25]

中学2年生で迎えた第59回奨励会三段リーグ戦(2016年度前期)[26]で、2016年9月3日の最終局に勝ち、同年10月1日付・14歳2か月での四段昇段(プロ入り)を決め[注釈 3]、最年少棋士記録を62年ぶりに更新した(従来の記録は、1954年8月1日の加藤一二三の14歳7か月)[1][2]。中学生棋士は、加藤一二三谷川浩司羽生善治渡辺明に続いて史上5人目[1][2]。三段リーグを1期抜けしたのは、小倉久史屋敷伸之川上猛松尾歩三枚堂達也に続いて6人目であった[注釈 4][1]

プロ棋士としての棋歴[編集]

史上最年少での四段昇段(プロデビュー)からの活躍により、一般棋戦優勝、タイトル獲得、二冠から五冠までのそれぞれの達成など多くの最年少記録を保持している。さらに歴代最多連勝記録、史上初の5年連続での勝率8割以上(継続中)、タイトル戦番勝負初登場からの7回連続での獲得(継続中)など多くの記録を持つ(藤井聡太#主な成績も参照)。

プロデビューから29連勝(2016年12月 - 2017年6月)[編集]

2016年12月24日に行われた第30期竜王戦6組ランキング戦、加藤一二三との対局が、プロデビュー戦となった[27]。両棋士の年齢差は62歳6か月であり、記録に残っているプロ棋士の公式戦では最多年齢差の対局となった[27]。藤井が更新するまで最年少棋士記録を保持していた加藤を110手で破った藤井は、公式戦勝利の史上最年少記録を更新した(14歳5か月)[27]

第30期竜王就位式 ランキング戦 6組の優勝盾を受け取る藤井聡太(2018年1月)。左は羽生善治。中央はアナウンサーの島田良夫

2017年4月4日、王将戦1次予選で小林裕士に勝ち、プロデビューからの連勝記録を更新した(11連勝)[28][29]。その後も連勝は続き、6月26日に行われた竜王戦本戦1回戦で5組優勝の増田康宏に勝ち、神谷広志が30年近く保持していた28連勝の記録を抜き、デビューから無敗のまま歴代最多連勝記録を更新した(29連勝)[6]。しかし、7月2日に行われた竜王戦本戦2回戦での佐々木勇気との対局で、プロデビュー後初の負けを喫して連勝が止まった[30]。藤井の連勝中は各メディアが広く取り上げ、大きな注目を浴びた[9][10][31][32]。社会現象的な人気は「藤井フィーバー」とまで言われて「2017ユーキャン新語・流行語大賞」にも選ばれた[12]

最年少記録での全棋士参加棋戦優勝(2017年度)[編集]

第76期順位戦C級2組は2018年2月1日の9回戦で梶浦宏孝に勝ち、成績を単独1位の9勝0敗として、最終戦(10回戦)を待たずにC級2組1位を確定させ[33]、C級1組への昇級を決め、同日付で五段に昇段した[33][34]。さらに同年3月15日の10回戦で三枚堂達也に勝ち、10戦全勝での昇級を果たした[35]。C級2組を初参加で全勝したのは藤井が6人目であり[35]、中学生での五段昇段・C級1組昇級は、いずれも藤井が史上初[34][注釈 5]

第11回朝日杯将棋オープン戦では一次予選・二次予選を勝ち上がって本戦に出場し、2018年1月14日の準々決勝で佐藤天彦名人に勝利した[36][37][注釈 6]。2月17日午前の準決勝で羽生善治竜王、同日午後の決勝戦で広瀬章人八段(A級在位中)を破り、優勝した[36][38]。決勝での藤井の93手目4四桂について渡辺明は「18歳羽生竜王の▲52銀に匹敵する語り草になる手」と評した[39]。藤井は「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」の昇段規定により、同日付で六段に昇段した[40]。藤井は、一般棋戦優勝[38]・全棋士参加棋戦優勝[41]・六段昇段[38]の、3つの最年少記録を更新した(15歳6か月)[注釈 7]。藤井が五段であったのはわずか16日間であり[42]、昇段の速度に『将棋世界』の編集が追い付かないほどであった[43]。藤井の最年少棋士記録更新・最多連勝記録更新・最年少棋戦優勝記録更新などの業績に対し、2月26日に愛知県は愛知県特別表彰を[44]、3月23日に愛知県瀬戸市は瀬戸市民栄誉賞を贈ることを発表した[45]。瀬戸市民栄誉賞は新設されたもので、藤井は受賞第一号となる[45]

4月2日に発表された第45回将棋大賞(2017年度)では、特別賞・新人賞・最多対局賞(73対局)・最多勝利賞(61勝)・勝率1位賞(.836)・連勝賞(29連勝)・名局賞特別賞(第11回朝日杯将棋オープン戦本戦決勝、対 広瀬章人)を受賞した[46][47]。将棋大賞選考委員会では羽生と藤井のどちらに最優秀棋士賞を授与するかで意見が分かれた[48]が、羽生が9票、藤井が4票となり、最優秀棋士賞は羽生が受賞し、特別賞(最優秀棋士賞と同等[49])を藤井が受賞した[50]。連盟で確認できた1967年(昭和42年)度以降に[51]記録4部門を独占したのは内藤國雄(1969年度)、羽生(1988・89・92・2000年度)に次いで3人目[52]

新人王戦優勝、朝日杯連覇(2018年度)[編集]

第49期新人王戦では2018年10月17日の決勝三番勝負第2局で出口若武三段[注釈 8]に勝ち、三番勝負を2勝0敗で優勝した[55][56][57]。31年ぶりに新人王の最年少記録を更新したこと、藤井の昇段が早いため新人王戦への最後の出場となったこと、奨励会員との決勝戦であったことなども話題になった[注釈 9][注釈 10]

第12回朝日杯将棋オープン戦では、前年度優勝のため本戦シードで出場し[60]、2019年2月16日午前の準決勝で行方尚史、同日午後の決勝戦で渡辺明棋王を破って優勝し、2連覇を達成[61][62]。一般棋戦連覇の最年少記録を更新した(16歳6か月)[63][注釈 11]

藤井の2018年の獲得賞金・対局料ランキングは12位(2031万円[64])であり、毎年12名しか参加できない2019年度の第40回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦への出場権を初めて獲得した[65][注釈 12]

2018年度のタイトル戦・順位戦[編集]

第31期竜王戦では5月18日の5組ランキング戦準決勝で船江恒平を破り、4組への昇級を決めると共に、「竜王ランキング戦連続昇級」の昇段規定により、同日付で七段に昇段し、七段昇段の最年少記録を更新した(15歳9か月)[67][68][注釈 13]。1年間に3回昇段したのは、現行制度では藤井が唯一の事例[70]

第77期順位戦C級1組では、2019年2月5日の対局で近藤誠也に敗れ[71]、3月5日の最終戦を8勝1敗で迎えた[72]。このとき、藤井は8勝1敗の4名の中で順位が最も下であるため、昇級に関しては不利な立場 (藤井が勝利し、他の3名のうち2名が敗れると昇級)にあった[72]。藤井は都成竜馬に勝利して最終成績を9勝1敗としたが、他の3名(近藤誠也・杉本昌隆船江恒平)も全員勝利して9勝1敗の成績で並んだため、藤井は順位の差で昇級を逃した[72]。藤井は師匠の杉本と同時にB級2組への昇級を果たす可能性があり、実現すれば32年ぶりの「師匠と弟子の順位戦同組への同時昇級」となるため注目を集めたが、杉本のみの昇級に終わった[73]

最年少記録でのタイトル挑戦への期待(2019年度)[編集]

最年少記録でのタイトル挑戦への期限が近づく中で、藤井のタイトル戦への注目が集まり最年少記録への条件などについて報道されるようになった[74][75]

第32期竜王戦では2019年4月24日の4組ランキング戦準決勝で高見泰地に勝利して3組への昇級が確定し、初参加(第30期)からの3期連続昇級を達成した[76]。続く5月31日の4組ランキング戦決勝で菅井竜也に勝ち、4組優勝[77]。竜王戦ランキング戦における3期連続優勝を果たしたのは、木村一基永瀬拓矢に続く3人目である[77]。決勝トーナメント準々決勝で豊島将之に敗れたことで、最年少記録でのタイトル挑戦の可能戦があるのは王将戦、叡王戦、そして来年度の棋聖戦のみとなった[78]。その後、叡王戦は8月29日の七段予選2回戦で村山慈明に敗れて挑戦を逃した[79]

第69期王将戦では初の挑戦者決定リーグ入りを果たした[80]。11月19日の最終局一斉対局を4勝1敗で迎え[81]、同じく4勝1敗の広瀬章人との対局は勝者がタイトル挑戦となる直接対決になった[81]。一時は藤井勝勢となったが、秒読みの中で自玉の詰みを見落し頓死して敗れ、タイトル初挑戦を逸した[82][83]。史上最年少タイトル挑戦が期待された広瀬戦では対局前から約50人の報道陣が集まり、急きょ代表撮影に切り替えられるなど大きな話題になった[83]

第78期順位戦C級1組では、開幕から8連勝して迎えた2020年2月4日の9回戦で高野秀行に勝利して成績を9勝0敗とし、最終局を待たずに上位2名の昇級枠に入ることが確定し、B級2組への昇級を決めた[84]

最年少記録でのタイトル挑戦、獲得、二冠(2020年度)[編集]

最年少記録でのタイトル挑戦への最後のチャンスであった第91期棋聖戦の決勝トーナメントの対局が新型コロナウイルスの影響により延期となったことで記録の更新が危ぶまれたが[85]、緊急事態宣言が解除されて記録更新が可能なスケジュールが組まれたこと(棋聖戦の番勝負を当初の予定通り6月上旬から行うための措置で、必ずしも藤井の記録更新が目的ではない。)で注目を集めた[86]。2020年6月4日の挑戦者決定戦で永瀬拓矢に勝利[87]、6月8日に第1局が行われたため、タイトル挑戦最年少記録を更新した(17歳10か月20日)[87][88][注釈 14]渡辺明との五番勝負では、7月16日に行われた第4局で勝利したことにより、3勝1敗でシリーズを制しタイトル獲得最年少記録を更新した(17歳11か月)[90][91][注釈 15]。藤井のタイトル獲得は複数のテレビ番組で取り上げられたり[93][94]、新聞の号外が出るなど大きな話題になった[95]。史上最年少でタイトル挑戦・獲得などを受けて、第48回将棋大賞(2020年度)において自身初の最優秀棋士賞を受賞した[96][注釈 16]

第61期王位戦では、6月23日の挑戦者決定戦で永瀬に勝ち、2度目のタイトル挑戦を決めた[97]木村一基との七番勝負では、8月19日 - 20日の第4局に勝利し4連勝で王位を獲得[98]。これにより史上最年少(18歳1か月)での王位獲得[注釈 17]、タイトル二冠保持[注釈 18]と八段への昇段(昇段規定:タイトル2期獲得)[注釈 19]を果たした。

第33期竜王戦では、4月3日の3組ランキング戦準決勝で千田翔太を破り、2組昇級を確定させた[99]。続く6月20日の3組ランキング戦決勝で師匠の杉本昌隆に勝ち、3組優勝[100]。史上初の竜王戦ランキング戦で4期連続優勝を達成した[100]。2021年3月23日、第34期竜王戦2組ランキング戦準決勝で松尾歩に勝利し、1組への昇級および決勝トーナメント進出が決定した[101]。竜王戦ランキング戦を最短の5期で1組までストレート昇級したのは史上5例目となった[102][注釈 20]

第79期順位戦B級2組では、開幕から8連勝して迎えた2021年2月9日の10回戦で窪田義行に勝利して成績を9勝0敗とし、最終局を待たずに上位3名の昇級枠に入ることが確定し、B級1組への昇級を決めた[103]。3月10日に行われた順位戦B級2組11回戦で中村太地に勝利し、史上2人目の2期連続順位戦全勝[注釈 21]と、史上初の4回目・4年連続の年度勝率8割以上を確定させた[104]

2020年度の一般棋戦[編集]

第28期銀河戦では12月12日放送の決勝にて糸谷哲郎八段を破り、3回目の出場で初優勝。同棋戦で最年少記録を更新した[105][106][107]

第14回朝日杯将棋オープン戦では、2021年1月17日午後の準々決勝で豊島将之竜王に公式戦7度目の対戦で初勝利[108]。続く2月11日午前の準決勝で渡辺明名人、同日午後の決勝で三浦弘行九段を破り、同棋戦で2年ぶり3度目の優勝を果たした[109]

最年少記録での五冠達成(2021年度)[編集]

初めてのタイトル防衛戦となった第92期棋聖戦における渡辺明との五番勝負では、2021年7月3日に行われた第3局で勝利して、3勝0敗でシリーズを制した。これにより、共に史上最年少記録となる18歳11か月でのタイトル防衛と九段昇段を決めた[110][注釈 22][注釈 23]。第62期王位戦での豊島将之との七番勝負では、8月24日 - 25日の第5局に勝利し4勝1敗で王位を防衛した[111]

第6期叡王戦は八段予選を勝ち抜き、決勝トーナメントでも前叡王の永瀬拓矢、挑戦者決定戦で斎藤慎太郎を破り、豊島将之叡王の挑戦者となる。藤井自身のタイトル防衛戦となる棋聖戦・王位戦と合わせ、同一棋士が同時進行で3つのタイトル戦番勝負に登場するのは異例のことであり、1977年度と1978年度に十段戦・棋聖戦・王将戦の番勝負に登場した中原誠以来となる[112]。第6期叡王戦での豊島将之との五番勝負では、9月13日の第5局に勝利し3勝2敗で叡王獲得。これにより、史上最年少記録となる19歳1か月でのタイトル三冠を達成した[113][注釈 24]

第34期竜王戦では4月16日の2組ランキング戦決勝で八代弥に勝利し、史上初の5期連続ランキング戦優勝を果たした[114]。決勝トーナメントでは山崎隆之、八代弥を破り、挑戦者決定戦まで駒を進めた。挑戦者決定戦では永瀬拓矢と対局し、8月12日の第1局、8月30日の第2局と連勝。これにより豊島将之竜王への挑戦権を得た[115]。第34期竜王戦での豊島将之との七番勝負では、11月12・13日の第4局に勝利し4勝0敗で竜王を奪取した。これにより最年少四冠の記録を更新[116][注釈 25]棋士の序列1位となった[注釈 26]。また、史上初の竜王戦ランキング戦から無敗で竜王獲得も達成した[118][注釈 27]。序列1位となったことで「藤井時代」の到来とも言われて話題になった[119][120][121]

第71期王将戦は前期での挑戦者決定リーグからの陥落で2次予選からの参加となるも予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグに復帰した[122]。5戦目の近藤誠也七段戦に勝利して5勝0敗とし、この時点で他に1敗未満の棋士がいなかったことから渡辺明王将への挑戦権を獲得することが確定した[123]。史上初のタイトル四冠対三冠[124]となる第71期王将戦での渡辺明との七番勝負では、2月11・12日の第4局に勝利し4勝0敗で史上最年少の王将となった[125][注釈 28]。これにより、最年少五冠の記録も更新した[126][注釈 29]

3月9日に行われた第80期順位戦B級1組13回戦では佐々木勇気に勝利し、10勝2敗の成績でA級昇級を決めた[127]。また、自身が持つ記録を更新する通算5回目・5年連続の年度勝率8割以上を確定させた[128]

2022年度[編集]

第7期叡王戦では後輩棋士との初めてのタイトル戦となる出口若武との対戦となった。五番勝負では、2022年5月24日に行われた第3局で勝利し、3勝0敗として藤井自身初、叡王戦としても歴代初となる叡王のタイトル防衛を果たした。

非公式棋戦での戦績[編集]

藤井聡太四段 炎の七番勝負 - New Generation Story -[編集]

2017年3月から4月にかけてAbemaTV 将棋チャンネルで配信された非公式戦「藤井聡太四段 炎の七番勝負 - New Generation Story - 」では、増田康宏(2016年新人王)、永瀬拓矢(2016年棋聖戦挑戦者)、斎藤慎太郎(2016年度勝率1位)、中村太地(2012年棋聖戦・2013年王座戦挑戦者)、深浦康市(A級在位中)、佐藤康光(A級在位中・将棋連盟会長)、羽生善治(タイトル三冠保持中・A級在位中)といった、後のタイトル保持者およびレジェンド軍団と対戦した[129]共同通信社観戦記者である津江章二はこの企画を知った時に、若手強豪からトップ棋士までが揃う藤井の対戦相手があまりに強すぎ、新人棋士を起用して何と無謀な企画を立てるものかと驚愕し、藤井が2勝できれば上出来、藤井の全敗でも仕方ないと予想した[129]。しかし、藤井は永瀬に1敗したのみの6勝1敗でこの企画を終えた[130]。特に4月23日放送(収録日は2月18日[130])の羽生戦での勝利は、非公式戦にもかかわらず主催社(AbemaTV)以外のマスコミでも広く報道された[130][131][132][133]。藤井と同じく中学生棋士としてプロ入りした羽生はAbemaTVの取材に対し、デビュー当時の自分と比べても藤井の将棋は完成度が高く、今後の成長に大いに期待できるとコメントした[134]

ABEMAトーナメント[編集]

2018年の第1回AbemaTVトーナメントの決勝3番勝負(9月9日にAbemaTV 将棋チャンネルで配信)で佐々木勇気を2勝1敗で下して優勝した[135]。翌年の第2回AbemaTVトーナメントの決勝3番勝負(7月21日にAbemaTV 将棋チャンネルで配信)で糸谷哲郎を2勝1敗で下し2連覇を達成した[136][137]

1チーム3名による団体戦となった第3回AbemaTVトーナメントでは、永瀬拓矢・増田康宏と共にチーム永瀬に所属[138]。2020年8月22日に行われたチーム渡辺(渡辺明・近藤誠也・石井健太郎)との本戦トーナメント決勝ではチーム永瀬が5連勝し優勝[139]。藤井個人としては3連覇を達成した[139]

第4回ABEMAトーナメントではチームリーダーとなり、伊藤匠高見泰地を指名。2021年9月18日に行われたチーム木村(木村一基・佐々木勇気・池永天志)との本戦トーナメント決勝では、藤井個人であげた3連勝を含む5勝3敗で優勝。藤井個人として4連覇を達成した[140]

棋風[編集]

居飛車[141]長考派で持ち時間の長い順位戦や二日制タイトル戦で特に勝率が高いが[142][143]、限られた時間の中でも幼少期より詰将棋で培われた正確な終盤力には定評がある[144][145]。序盤の深い研究[146][147]、中盤の形勢判断能力[147]、終盤の切れ味[145][147]、一気の攻めと丁寧な受けの技術[148][149]が備わっており弱点がなく、かたよった棋風がなく満遍なく強いと評されている[147][149][150]。また、2021年の対談で「(対局中)考える上で、読みと形勢判断以外のものは基本的にいらない」と言及しており、勝負に大きな影響を与えるとされてきた「経験」や「勝負勘」といった要素に依存しない考えを明かしている[142]

戦法[編集]

主力戦法は、先手では2016年の奨励会三段リーグの途中まで矢倉であったが、それ以降は2020年まで主に角換わりを指すようになり[151][152]、2021年2月以降は相掛かりの採用が増えている[153]。2017年頃には角換わりなどでの角や桂馬の使い方が上手く、特徴があると評されている[148][154][155]。2021年時点で、後手では横歩取り雁木を指さず、相手の得意戦法を受けて立つが、先手矢倉に対しては必ず急戦にするなど指す戦法は絞っている[149]

将棋ソフトの影響[編集]

三段リーグ開幕の翌月である2016年5月に千田翔太から勧められて研究将棋ソフトを利用するようになり、その影響で角換わりの採用が増えたとも言われている[151]。また、揺らぎやすい戦いを好まない藤井はデビュー以降先手番で相掛かりを選択してこなかったが[153]、2020年秋に藤井が研究に導入した新しい価値観を持つとされるディープラーニング系の将棋ソフト「dlshogi」の影響で、2021年2月以降は相掛かりの採用が増えている[153][152]

脳内将棋盤を使わず符号で思考[編集]

プロ棋士は通常、対局中に手を読む際は脳内に将棋盤を思い浮かべ駒を動かして思考するが、藤井は脳内将棋盤を使わず符号が浮かんでくると語り、プロ棋士からも驚きの声が上がった[151][156][157]

藤井曲線[編集]

ネット中継などでは一手ごとに将棋ソフトが局面の形勢判断から算出した勝率が表示されることがあるが、藤井の完勝譜の形勢推移のグラフでは、一度もリードを譲らずに勝率が上昇していくなめらかな曲線を描くことが多い[158]。このようなグラフは大きなミスをせず微差を積み重ねていく藤井の強さを示すもので「藤井曲線」と呼ばれるようになり[159][160]、2021年からメディアに取り上げられるようになった[161][158][162]。このように大きなミスをせず微差を積み重ねていくことから、対局相手が敗戦後のインタビューで「気がついたら悪くなっていた」「どこで形勢を損ねたかわからない」と口にすることも多い[163]

棋士からの評価[編集]

羽生善治は、2017年1月4日、藤井の29連勝が話題になる前、谷川浩司とのトークショーで「元々名をはせたのは詰将棋だが、順調に成長している。最短コースで寄せ切る(詰ませる)のは谷川先生の“光速の寄せ”に似ている。」と評した[164]。また、藤井の29連勝が注目を浴びていた2017年6月15日にも、羽生は、藤井の将棋は「光速の寄せ」を思わせるとコメントした[165]

増田康宏は、2018年のインタビューにて、藤井の序盤力について「研究してるからではなく、その場で考えてうまく指しているので、それはなかなかマネできないですね。」と語った[166]

渡辺明は、2019年2月16日の藤井との初対局で敗れた直後に[167]「読みが深く、序盤の理解も優れており、(現時点では)弱点を見つけることができない」という趣旨をブログで述べた[168]。さらに「藤井の棋風は谷川に似た終盤型であり、序盤型の棋士が増えている現状を考えると、藤井のような終盤型の棋士は貴重になっていくかもしれない」という趣旨を、インタビューで述べた[169]。渡辺はその後第91期棋聖戦五番勝負で藤井と対局し、第1局の藤井について「谷川先生のような勝ち方」とした上で、第2局について「中盤で(中略)地味な手で決定的な優位を築く(中略)羽生さんのような勝ち方」と評し「どんな展開でも勝ち切れる」と述べた[170]

谷川浩司は、「プロになった頃の藤井さんは、詰将棋で鍛えた終盤力による“苦しみながらの逆転勝ち”が多かった。しかし最近(2021年10月現在)の勝ち方は、序盤の精度が高くなっていることや局面の急所を捉える直感(“ひらめき”)に磨きがかかったことで勝ち方が変わってきた」と評している[15]。また、藤井聡太の棋士としての最大の強みは、長い時間集中して考えられることとしている。集中力と考える力が優れているプロ棋士たちの中でも藤井はずば抜けており、対局の時は一日集中力を切らさずに考え続けることができると評している[15]

永瀬拓矢は、2022年1月のインタビューで、藤井のどこが強いと思うかと問われ「終盤力。それからとんでもなく負けず嫌いなところですね」と語った[171]。また、藤井の強さの根源が才能なのか、努力によるものなのかについて「私は藤井さんが強くなる過程を見てきたので、努力だと思います。もちろん才能もすごいですよ。例えば私が『努力9、才能1』だとしたら、藤井さんは『努力10、才能10』です」と述べた[172]

他の棋士の影響[編集]

プロ入りする前は羽生善治や谷川浩司に憧れていたが[173][174]、プロになってからは「憧れから抜け出さないといけない」という信念から、「憧れの棋士はいない」としている[175]

永瀬拓矢は、デビュー間もない時期から藤井とVS(一対一の研究会)を定期的に行っている唯一の相手である[176][177][178]。 頻度は月に一、二度で、藤井が東京に出向くこともあれば、永瀬が愛知まで出向き師匠の杉本の実家で指すこともある[179]。 永瀬は藤井の才に驕らず謙虚な姿勢に感銘を抱いている一方で[180]、藤井の方もまた「練習量は絶対に裏切らない」という永瀬の信念に深く共感しており、タイトルを争う間柄ながら互いに認め合う仲である[181]

詰将棋[編集]

解答[編集]

藤井は詰将棋でも早くから頭角を現している。多数のプロ棋士や奨励会員を含む参加者が、若いプロ棋士でも見た瞬間に解くのが嫌になるような難問に挑む[182]詰将棋解答選手権チャンピオン戦には2011年の第8回大会(大阪会場)[注釈 30]に8歳で初参加し、23人中13位の成績を残した[183]。5回目の出場となった2015年の第12回大会(小学6年生、12歳)では、全問正解で史上最年少優勝を記録した[16]。プロのトップ棋士も参加するこの大会で、小学生が全問正解で優勝することは全くの想定外だった。マスコミによっては、この優勝を「藤井が初めて将棋界に大きなインパクトを与えた出来事」とする場合もある[15]

森下卓深浦康市、津江章二(共同通信社観戦記者)は、この報に接した時の衝撃を次のように語っている[182]

6年生で詰将棋選手権優勝は……とても現実とは思えないですね。(森下)
僕はその話を聞いた時、心臓が止まるかと思いましたから。(津江)
それぐらいのことですよね。(深浦) — [182]

その後、2019年の第16回大会まで5連覇を続けている[184]。5連覇は歴代1位[184]。優勝回数5回は宮田敦史の6回に次ぐ歴代2位[184]。2017年7月16日、全日本詰将棋連盟は歴代1位タイ記録(当時)となる3連覇を果たした藤井と宮田敦史の両名に門脇芳雄賞[注釈 31]を贈った[185]

創作[編集]

藤井は詰将棋作家としても評価されている[16]。2012年に、将棋世界詰将棋サロンに投稿して2回目の入選作となった作品が谷川賞を受賞した[186][187]大崎善生作家、『将棋世界』元・編集長)は「わずか9歳での受賞というのにも驚く。奇跡としかいいようがない。」と語った[187]

2013年には『詰将棋パラダイス』での初入選作(2013年8月号短大)が看寿賞の候補作となった[187][注釈 32]。詰将棋作家として著名な浦野真彦は、当時小学6年生の藤井を「信頼している詰将棋作家の作品はできる限り解くようにしている。藤井聡太くんもその一人。彼は作家としても一流。」と評した[188]

奨励会員時代に谷川浩司(当時は日本将棋連盟会長、詰将棋作家として著名)から、藤井の師匠の杉本を通じて「詰将棋創作は控えた方が良い」と助言があり、杉本の判断で2014年頃から詰将棋創作を封印して奨励会に集中したという(藤井が奨励会二段であった、2015年4月の報道による)[16]。詰将棋作家として著名な伊藤果は、詰将棋作家としての藤井を高く評価しているが、「タイトルを獲るくらいまで、詰将棋創作は控えた方が良い」という旨を、藤井の師匠の杉本に話したと述べている[189]。2017年、藤井は「対局で多忙なので、詰将棋の創作は控えている」という旨を、観戦記者の保坂勝吾に述べた[190]

将棋ソフトの活用[編集]

将棋ソフトを用いた研究[編集]

前述の通り、将棋ソフトの導入が三段時代以降の角換わりの採用[151]、2021年以降の相掛かりの採用[153][152]に影響を与えているとされている。2021年のインタビューでは、将棋の勉強法として棋譜並べ詰将棋といった通常の方法のほか、将棋ソフト開発に利用される互角局面集[注釈 33]を使って中盤の互角の局面から将棋ソフトと対局し、中盤の判断力を改善していると語っている[192]。将棋ソフトを用いて序盤以外の局面で自分の評価軸をただすという使い方について、将棋ソフト「水匠」の開発者である杉村達也は「とてもめずらしい使い方で、ほかにあまり聞いたことがありません」と述べている[193]

藤井が将棋ソフトを研究に用いるようになったきっかけは、三段時代の2016年5月に千田翔太から勧められたことであり、千田からは将棋ソフトのインストールの方法も教わった[151]。2020年にはCPUで動かすNNUE系の将棋ソフト「水匠」[注釈 34][194]を利用していることを明かしている[195][196]。その後、2020年度の王将リーグが終わった頃に、プロ棋士の中でもいち早くGPUで動かすディープラーニング系の将棋ソフト「dlshogi」を導入した[197][152]。藤井は「dlshogi」が従来のCPUで動かす将棋ソフトと比較して序盤に優位性があると認識しているが、終盤は「水匠」の方が正確な場合が多いとも評している[152]。「dlshogi」を研究に導入してから、ディープラーニング系の将棋ソフトに特徴的な手が見られるようになったと指摘する声もある[197]

自作PC[編集]

藤井が将棋ソフトを使用するパソコンを自作していることはパソコン業界などでも注目されて話題になった[198][199][200][152]。2018年12月1日にはAMD社の「Ryzen7」をCPUとして搭載したパソコンを研究に用いていること、AMD社が開発中のCPUアーキテクチャである「Zen 2」に興味があることを述べた[199]。これに対してAMD社のCEOであるリサ・スーTwitterで藤井がRyzenファンであることを嬉しく思っているという趣旨の発言をした[200][201]。2020年8月21日には第61期王位戦での王位獲得翌日の記者会見において、さらなる棋力向上のために「落ち着いたらパソコンを1台、組みたいなと思います」と語った[202][198]。2020年9月のインタビューによれば、読みの速さを決めるCPUを重視しており、当時では「将棋用途で一番最適」である「Ryzen Threadripper 3990X」を使っている[注釈 35][203][204]。2020年度の王将リーグが終わった頃にはGPUを用いて動かすディープラーニング系の将棋ソフト「dlshogi」を導入したことに伴い、パソコンのGPUを自分で交換した[197][152]

人物[編集]

学歴[編集]

藤井は名古屋大学教育学部附属中学校2年で棋士となったが[1]義務教育最後の年度である2017年度の活躍により藤井の日程は過密となった[205]。藤井は高校に進学するか否かを悩み、世間も藤井の決断に注目した[206]。2017年10月25日、藤井が名古屋大学教育学部附属高等学校への内部進学を決断したことが日本将棋連盟から発表された[207]。卒業間近となった2021年1月末をもって高校を中退。本人は「タイトルを獲得できた事で将棋に専念したい気持ちが強くなりました。秋に意思を固め、数回学校と話し合いをした上、1月末日付で退学届けを提出いたしました。一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます」とコメントした[208]

趣味・好物[編集]

読書家で、文学作品のほか新聞も良く読む。培われた語彙力・文章力により、デビュー当時には終局後のコメントで「望外」などの中学生離れした言葉を使うことが話題になったり、自戦記を『将棋世界』の編集長に評価されるなどした[209]。 鉄道好きとしても知られており、中でも国鉄189系に乗りたかった…と語っている [210]。 好きな食べ物としてラーメン味噌煮込みうどんなどの麺類を挙げている[211][212][213]。藤井が対局中に食べる食事も大きな話題になり、デビュー当時の勝負飯は麺類が多いと言われたり[214]、2021年のタイトル戦でカレーを多く注文したことも注目された[215][216]。藤井によると対局中にオーダーする出前についてはランダムに近いが、胃もたれしないうどん類は有力だと述べていたり[217]、手早く食べられるためカレーを注文することが多いとも述べている[215]。嫌いな食べ物としてキノコを挙げており、対局中にオーダーする料理からは抜いてもらうように注文している[218]

将棋関連のエピソード[編集]

幼少期の負けず嫌い[編集]

負けず嫌いな性格で、幼い頃は負けるたびに号泣して周囲の目を惹いた[219]。将棋教室の文本氏によると、子供の頃は対局で負けるとシクシクとよく泣いていたが、ひとしきり泣いたら負けを引きずることなく笑顔に戻る子だった。普段から泣き虫だったわけではなく、藤井が泣くのはいつも将棋で負けた時だったという[15]。また、文本氏によると、藤井は子供ながらに当時から記憶力、集中力、思考力に秀でており、将棋の定跡を次々に覚え、詰将棋を解くのもすごく速かった。加えて文本氏は、藤井がもう一つ人より抜きんでていたのは負けん気の強さとしている。「負けん気の強さがずば抜けていたからこそ負けた時の悔しさをバネにして、その後将棋の腕を磨いて強くなったのでしょう」と評している[15]

小学2年の頃、2010年の将棋の日イベントで憧憬を抱いていた谷川浩司に、二枚落ちで指導対局を受けた[219]。谷川の入玉模様となり、谷川の勝勢となったため、谷川は引き分けを提案した[219]。すると藤井は猛烈に泣き始めて将棋盤から離れなくなってしまい、居合わせた(小学4年生のときに藤井の師匠となる)杉本昌隆が対応したが、最終的には母親が抱き抱えてその場から引き離した[219][220][221]。杉本によれば対局で敗れると同様の光景が繰り返され、「尋常ではない勝負への執着」に驚いたと述べている[219]。8年後の2018年、既にプロ七段になっていた藤井は、この時の心境について「子ども心にまだ勝てるチャンスがあると思っていたのか、泣きだしてしまった。悔しいという気持ちをうまくコントロールできなかった。」と語っている[222]。プロになってからは谷川と2019年9月1日の王将戦2次予選決勝で初めて対局し、57手で勝利した[223]

豊島将之との「19番勝負」[編集]

2021年度、第62期王位戦第6期叡王戦第34期竜王戦豊島将之との3連続のタイトル戦が行われたことから「19番勝負」と呼ばれた[224][225][226]。3つのシリーズ全てを藤井が制し、最年少記録でのタイトル四冠を達成した[116]名人と同格である竜王獲得と四冠達成により藤井が初めて棋士の序列1位になったことから「藤井時代」の幕開けとも言われた[227][228]。2021年度に藤井と豊島は、タイトル戦以外においても第71期王将戦の挑戦者決定リーグ(▲先手 101手 勝ち[229])、第42回将棋日本シリーズ決勝(△後手 95手 負け[230])で対局している。藤井は豊島に対してデビュー以来6連敗[231]、王位戦の開幕までは1勝6敗と大きく負け越して苦手な相手とされていたが[232][233]、「19番勝負」は11勝3敗と大きく勝ち越し、「19番勝負」終了時点で13勝9敗と勝敗数が逆転した[234]

日付 棋戦 藤井の
手番・手数・勝敗
備考
2021年06月29・30日 第62期王位戦第1局 ▲先手 104手 負け [235]
2021年07月13・14日 第62期王位戦第2局 △後手 102手 勝ち [236]
2021年07月21・22日 第62期王位戦第3局 ▲先手 117手 勝ち [237]
2021年07月00 25日 06期叡王戦第1局 ▲先手 095手 勝ち [238]
2021年08月00 03日 06期叡王戦第2局 △後手 161手 負け [239]
2021年08月00 09日 06期叡王戦第3局 ▲先手 121手 勝ち [240]
2021年08月18・19日 第62期王位戦第4局 △後手 140手 勝ち [241]
2021年08月00 22日 06期叡王戦第4局 △後手 091手 負け [242]
2021年08月24・25日 第62期王位戦第5局 ▲先手 077手 勝ち 王位防衛[243]
2021年09月06・07日 第62期王位戦第6局
2021年09月00 13日 06期叡王戦第5局 ▲先手 111手 勝ち 叡王獲得[244]
2021年09月28・29日 第62期王位戦第7局
2021年10月08・09日 第34期竜王戦第1局 ▲先手 123手 勝ち [245]
2021年10月22・23日 第34期竜王戦第2局 △後手 070手 勝ち [246]
2021年10月30・31日 第34期竜王戦第3局 ▲先手 093手 勝ち [247]
2021年11月12・13日 第34期竜王戦第4局 △後手 122手 勝ち 竜王獲得[248]、将棋大賞名局賞[249]
2021年11月26・27日 第34期竜王戦第5局
2021年12月04・05日 第34期竜王戦第6局
2021年12月17・18日 第34期竜王戦第7局

「将棋星人」と「地球代表」[編集]

深浦康市は、2021年末時点での公式戦の通算成績で藤井に対して3勝1敗としており、藤井に2勝以上勝ち越している唯一の棋士となったことで話題になった[250][251][252]。2021年10月にNHK杯で当時三冠であった藤井に勝利[250]、非公式棋戦では2021年8月に「第4回ABEMAトーナメント」で勝利[253]、2022年3月には「第1回ABEMA師弟トーナメント」のスピンオフ企画で五冠を保持している藤井に勝利した[251]。深浦は、2021年10月のNHK杯について、藤井が不得意な雁木を採用したことや[注釈 36]、藤井が初めて見る局面でもAIが示した最善手と同じ手を指すことにより深浦の事前研究どおりに進み、藤井の持ち時間がなくなったことが勝利につながったと述べている[250]

豊島将之は藤井に6連勝したこともあり「天敵」とも呼ばれていたが[252][253]、2021年には通算成績で藤井が勝ち越した[234][252]。一方で深浦は2021年にも藤井に勝利して、通算成績で勝ち越していることで、新たな「天敵」とも言われている[252]。地球人とは思えないほどに将棋が強いとして藤井や羽生善治が「将棋星人」と呼ばれる一方で、深浦は藤井に勝ち越していることなどから「地球代表」と呼ばれている[250][251]

社会現象[編集]

将棋ブーム[編集]

藤井の公式戦29連勝の新記録はテレビのワイドショーでも大きく取り上げられて話題になり[254][255]、将棋用品の品切れが起こるなど将棋ブームが起こった[11]。関連するグッズや書籍の売り上げが伸び、将棋をテーマにしたコミックや映画が話題を呼ぶなど、若者や女性層にも人気が広まったとされている[256]。2016年から2017年にかけての「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」で落ち込んでいた将棋界の状況を一変させたとも言われた[257]

中村太地は、藤井の影響で「自分では将棋をやらないけれどプロの将棋を見るのが好き」という棋士自身に興味を持つカジュアルなファンも増えたと述べている[258]石田和雄も「(将棋を)指す人は、羽生さんの時代のほうが多かったかもしれません。だけど今はだいぶ変わってきました。見るファンが劇的に増えている」、「羽生フィーバーの時代もすごかったですけど、プロ(棋士)が全国民に知られるような意味においては藤井さんのほうが上です」と話しており、また石田が教える子ども向けの将棋教室でも生徒が増えていると述べた[258]

2017年の「2017ユーキャン新語・流行語大賞」では選考委員特別賞に藤井の公式戦の連勝記録「29連勝」が選ばれたほかに、将棋関連では「ひふみん」がトップテンに選ばれ「藤井フィーバー」がノミネートされた[259][260]

2020年に行われた第61期王位戦で作成された3通の封じ手九州豪雨の被災地への寄付を目的にインターネットオークションへ出品され、史上最年少二冠を達成した第4局のものは最高額の1500万円、3通合計では2250万2千円で落札された[261]。出品されてから高額の入札が話題になり、驚きをもって報じられた[262][263]

AI超え[編集]

第91期棋聖戦第2局で指した58手目△3一銀は「考慮時間23分で指した一手は、AIが6億手を読んで導いた最善手(局面において最も良い指し手)だったと話題になった」 という理由で、「AI超え」の一手として「2020ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語30に選ばれた[264]。ただし、当時の高性能なCPU(藤井も使用しているRyzen Threadripper 3990X)を搭載したパソコンなら6億手は10秒で読めた[265]

将棋以外への注目[編集]

キュボロ
モンテッソーリの木製教具

2017年度の藤井の活躍により、藤井が3歳の頃に良く遊んだというスイスのキュボロ[266][267]、藤井が将棋を覚えるのに使った「NEWスタディ将棋」(くもん出版[111]、藤井が幼稚園で受けたイタリアで発祥の「モンテッソーリ教育[268]が脚光を浴びた。

2018年のバレンタインデーに先立ち、日本将棋連盟関西本部は当日に対局する藤井へのチョコレートの手渡しを謝絶し、事前に関西将棋会館まで送付するよう公式Twitterを通じてファンに要請した[269][270]。それにより藤井宛に大量のチョコが届いたほか[271]、「棋士宛のチョコは連盟に送付すればよい」と周知されたことで他の棋士にもファンからチョコが届く結果となり、渡辺明段ボール箱1つ分のチョコを連盟経由で受け取った[272]

リアルタイムでのネット配信などの影響もあり対局中に食べるおやつや食事などの「将棋メシ」も話題になり、2021年に王位戦の対局中に藤井が食べていた「ぴよりん」というスイーツは売り上げが2倍に増加した[273][274]。そのほかにも同年9月に行われた叡王戦や同年10月の竜王戦で藤井が食べたお菓子も対局直後から売り切れが相次いだ[273][275]

昇段履歴[編集]

日付 段位 昇段年齢 昇段事由・備考
2012年09月22日 6級 10歳1ヶ月 奨励会に入会[1]
2015年10月18日 三段 13歳2か月(最年少) 三段リーグ1期抜け[22][23][注釈 37]
2016年10月01日 四段 14歳2か月(最年少) プロ入り = 史上5人目の中学生棋士[1][2]
2018年02月01日 五段 15歳6か月 順位戦C級1組昇級[33][34]
2018年02月17日 六段 15歳6か月(最年少) 五段昇段後全棋士参加棋戦優勝[38][40]
2018年05月18日 七段 15歳9か月(最年少) 竜王ランキング戦連続昇級[67][68]
2020年08月20日 八段 18歳1か月(最年少) タイトル通算2期獲得[98]
2021年07月03日 九段 18歳11か月(最年少) タイトル通算3期獲得[278][注釈 38]

主な成績[編集]

獲得タイトル[編集]

 は2022年6月現在の在位。登場・連覇の 太字 は歴代最多記録。

他の棋士との比較は、タイトル獲得記録将棋のタイトル在位者一覧を参照。

タイトル 獲得年度 登場 獲得期数 連覇 永世称号(備考)
竜王 2021 1 1期 1
名人 0
王位 2020-2021 2 2期 2
王座 0
棋王 0
叡王 2021-2022 2 2期
(歴代1位)
2
(歴代1位)
王将 2021 1 1期 1
棋聖 2020-2021 3 2期 2
登場回数合計8回、 獲得合計8期

(2022年度叡王戦まで)

将棋タイトル獲得記録  *は現役棋士
1位 99期 羽生善治* 2位 80期 大山康晴 3位 64期 中原誠 4位 31期 渡辺明* 5位 27期 谷川浩司*
6位 19期 米長邦雄 7位 13期 佐藤康光* 8位 12期 森内俊之* 9位 8期 木村義雄 / 加藤一二三/ 藤井聡太*

一般棋戦優勝[編集]

非公式戦優勝[編集]

在籍クラス[編集]

将棋大賞[編集]

※ 最優秀棋士賞、それと同等の賞は太字。

  • 第45回(2017年度) : 特別賞・新人賞・最多対局賞(73局)・最多勝利賞(61勝)・勝率1位賞(.836)・連勝賞(29連勝)・名局賞特別賞[46][注釈 40]
  • 第46回(2018年度) : 勝率1位賞(.849)・升田幸三賞[280][注釈 41]
  • 第47回(2019年度) : 最多勝利賞(53勝)・勝率1位賞(.815)・名局賞特別賞[284][285][286][注釈 43]
  • 第48回(2020年度) : 最優秀棋士賞・最多勝利賞(44勝)・勝率1位賞(.846)・名局賞・名局賞特別賞・升田幸三賞特別賞[289][注釈 44]
  • 第49回(2021年度) : 最優秀棋士賞・最多対局賞(64局)・最多勝利賞(52勝)・名局賞[249][注釈 45]

記録[編集]

最年少昇段記録[編集]

タイトルに関する最年少記録[編集]

一般棋戦に関する最年少記録[編集]

主な最年少記録[編集]

タイトルに関する記録[編集]

その他記録[編集]

  • 最多連勝 - 29連勝[3][4][5]
  • 勝率8割以上 - 5年連続・5回(2017-2021 歴代1位 ※連続記録は継続中)[287][96][128]
デビューから29連勝での最多連勝記録達成[5]
日付 棋戦
対局相手[注釈 67]

(公式戦対戦数)
藤井の
手番・手数・勝敗
備考
四段昇段 2016年10月01日 - - -



初勝利
2016年12月24日 第30期竜王戦 6組1回戦 加藤一二三 九段 △後手 110手 勝ち
2連勝
2017年01月26日 第43期棋王戦 予選2回戦 豊川孝弘 七段 ▲先手 085手 勝ち
3連勝
2017年02月09日 第30期竜王戦 6組2回戦 浦野真彦 八段 △後手 048手 勝ち
4連勝
2017年02月23日 第67回NHK杯 予選1回戦 浦野真彦 八段(2度目) ▲先手 087手 勝ち
5連勝
2017年02月23日 第67回NHK杯 予選2回戦 北浜健介 八段 ▲先手 127手 勝ち
6連勝
2017年02月23日 第67回NHK杯 予選決勝 竹内雄悟 四段 ▲先手 111手 勝ち
7連勝
2017年03月01日 第67期王将戦 1次予選1回戦 有森浩三 七段 △後手 072手 勝ち
8連勝
2017年03月10日 第48期新人王戦 2回戦 大橋貴洸 四段 △後手 144手 勝ち
9連勝
2017年03月16日 第30期竜王戦 6組3回戦 所司和晴 七段 ▲先手 107手 勝ち
10連勝
2017年03月23日 第43期棋王戦 予選3回戦 大橋貴洸 四段(2度目) ▲先手 127手 勝ち
11連勝
2017年04月04日 第67期王将戦 1次予選2回戦 小林裕士 七段 △後手 104手 勝ち プロデビューからの連勝記録を更新[注釈 68]
12連勝
2017年04月13日 第30期竜王戦 6組4回戦 星野良生 四段 ▲先手 127手 勝ち
13連勝
2017年04月17日 第67回NHK杯 1回戦 千田翔太 六段 △後手 090手 勝ち 2017年5月14日放送(NHK Eテレ)。
14連勝
2017年04月26日 第43期棋王戦 予選4回戦 平藤眞吾 七段 △後手 140手 勝ち
15連勝
2017年05月01日 第30期竜王戦 6組準決勝 金井恒太 六段 △後手 090手 勝ち
16連勝
2017年05月04日 第48期新人王戦 3回戦 横山大樹 アマ[注釈 69] △後手 100手 勝ち
17連勝
2017年05月12日 第67期王将戦 1次予選3回戦 西川和宏 六段 △後手 084手 勝ち
18連勝
2017年05月18日 第7期加古川青流戦 2回戦 竹内雄悟 四段(2度目) △後手 120手 勝ち
19連勝
2017年05月25日 第30期竜王戦 6組決勝 近藤誠也 五段 △後手 102手 勝ち
-
2017年06月02日 第43期棋王戦 予選決勝(千日手局) 澤田真吾 六段 △後手 061手 千日手
20連勝
2017年06月02日 第43期棋王戦 予選決勝(指直し局) ▲先手 155手 勝ち 千日手[注釈 70]による指し直し局。
21連勝
2017年06月07日 第2回上州YAMADAチャレンジ杯 1回戦 都成竜馬 四段 ▲先手 093手 勝ち
22連勝
2017年06月07日 第2回上州YAMADAチャレンジ杯 2回戦 阪口悟 五段 ▲先手 139手 勝ち
23連勝
2017年06月07日 第2回上州YAMADAチャレンジ杯 3回戦 宮本広志 五段 ▲先手 141手 勝ち 連勝記録3位[注釈 71]
24連勝
2017年06月10日 第3期叡王戦 予選1回戦 梶浦宏孝 四段 △後手 108手 勝ち
25連勝
2017年06月10日 第3期叡王戦 予選2回戦 都成竜馬 四段(2度目) △後手 108手 勝ち 連勝記録2位[注釈 72]
26連勝
2017年06月15日 第76期順位戦 C級2組1回戦 瀬川晶司 五段 △後手 108手 勝ち
27連勝
2017年06月17日 第11回朝日杯将棋 オープン戦 1次予選 藤岡隼太 アマ[注釈 73] △後手 106手 勝ち
28連勝
2017年06月21日 第67期王将戦 1次予選4回戦 澤田真吾 六段(2度目) ▲先手 099手 勝ち 連勝記録1位に並ぶ[注釈 74]
29連勝
2017年06月26日 第30期竜王戦 決勝トーナメント1回戦 増田康宏 四段 ▲先手 091手 勝ち 連勝記録を更新。
2017年07月02日 第30期竜王戦 決勝トーナメント2回戦 佐々木勇気 五段 △後手 101手 負け 連勝記録かつプロデビュー以来の連勝記録が29で止まる。

年度別戦績[編集]

 は全棋士中1位。

年度 対局 勝率 備考 出典
2016 10 10 0 1.00 [304]
2017 73 61 12 .836 対局数、勝利数、勝率1位。 [305]
2018 53 45 8 .849 勝率1位。勝利数2位、1位は佐々木大地(46勝)。 [306]
2019 65 53 12 .815 勝利数、勝率1位。対局数2位、1位は佐々木大地(67局)。 [307]
2020 52 44 8 .846 勝利数、勝率1位。勝利数は永瀬拓矢と並ぶ1位タイ。 [308]
2021 64 52 12 .812 対局数、勝利数1位。勝率2位、1位は伊藤匠(.818)。 [309]

詰将棋の記録・表彰[編集]

その他表彰[編集]

出演[編集]

テレビ[編集]

  • クローズアップ現代+NHK総合
    • 「最年少VS.最年長 〜“天才”少年棋士 鮮烈デビュー〜」(2017年1月16日放送)[327][328]
    • 「14歳棋士・知られざる偉業への道 ~歴代最多28連勝・藤井聡太~」(2017年6月21日放送)[329][330]
    • 「藤井聡太七段 知られざる苦悩と進化」(2020年7月9日放送)[331]
  • 東海テレビ制作のドキュメンタリーシリーズ
    • ドキュメンタリー「藤井聡太14才~3年間の棋譜~」(東海テレビ制作・フジテレビ系列、2017年6月23日放送)[32][332]
    • ドキュメンタリー「藤井聡太17才」(東海テレビ制作、2020年7月19日放送)[333]
    • ドキュメンタリー「新春スペシャル 藤井聡太18才」(東海テレビ制作、2021年1月2日放送)[334]
    • ドキュメンタリー「新春スペシャル 藤井聡太19才」(東海テレビ制作、2022年1月3日放送)[335]
  • NHKスペシャル(NHK総合)
    • 「徹底解剖 藤井聡太 〜“進化”する14歳〜」(2017年7月8日放送)[336][337]
    • 「天才棋士 15歳の苦闘 独占密着 藤井聡太」(NHK名古屋製作、2017年10月8日放送)[336][338]
    • 「四冠誕生 藤井聡太 激闘200時間」(2021年12月12日放送)[339]
  • 将棋スペシャル「棋士・藤井聡太 取材ノート」(囲碁・将棋チャンネル、2017年7月29日放送)[340]
  • BS1スペシャル「伝説の棋士へ〜藤井聡太 デビューから1年〜」(NHK BS1、2017年12月24日放送)[341]
  • 「藤井聡太 驚異の強さ!〜史上最年少タイトル獲得〜」(NHK Eテレ、2020年8月22日放送)[342]

インターネットテレビ[編集]

  • 藤井聡太四段 炎の七番勝負 〜New Generation Story〜(AbemaTV 将棋チャンネル、2017年3月12日 - 4月23日)[343][344]
  • 第零期獅子王戦(ニコニコ動画、2017年3月26日)[345]
  • 若手VSトップ棋士 魂の七番勝負 第三局(AbemaTV 将棋チャンネル、2017年10月14日)[346]

ゲーム[編集]

CM[編集]

藤井聡太を演じた俳優[編集]

年表[編集]

  • タイトル戦の欄の氏名は対戦相手。うち、 は獲得(奪取または防衛)。 は永世位獲得。
    氏名の下は左から順に、o : 藤井の勝ち、x : 藤井の負け、j : 持将棋、s : 千日手による日程繰り延べ(例外的措置)
  • 将棋大賞は、 : 最優秀棋士賞、優 : 優秀棋士賞、特別 : 特別賞、
    率 : 勝率一位賞、勝 : 最多勝利賞、対 : 最多対局賞、連 : 連勝賞、
    殊勲 : 殊勲賞、敢闘 : 敢闘賞、新人 : 新人賞、名局 : 名局賞、
    名特 : 名局賞特別賞、升 : 升田幸三賞、升特 : 升田幸三賞特別賞
  • 賞金&対局料は、年度区切りではなく1月 - 12月の集計。単位は万円。 の年は全棋士中1位。
年度 名人
4-6月
叡王
4-6月
棋聖
6-7月
王位
7-9月
王座
9-10月
竜王
10-12月
王将
1-3月
棋王
2-3月
一般棋戦
優勝
将棋大賞 賞金&
対局料
(万円)
備 考
2016 14歳2か月で四段昇段(プロ入り・最年少)
中学生棋士(史上5人目)
2017 朝日杯 特別 新人 率
勝 対 連 名特
デビューから29連勝(歴代・デビューから共に史上最長)
五段昇段
全棋士参加棋戦初優勝(最年少)・六段昇段(最年少)
2018 新人王
朝日杯
率 升 2,031
(12位)
七段昇段(最年少)
2019 勝 率 名特 2,108
(9位)
2020 渡辺明
ooxo
木村一基
oooo
銀河戦
朝日杯
勝 率 名局
名特 升特
4,554
(4位)
竜王戦ランキング戦4期連続優勝(史上初)
初タイトル挑戦・獲得(最年少)
タイトル二冠(最年少)・八段昇段(最年少)
2021
豊島将之
oxoxo
[注釈 75]
渡辺明
ooo
豊島将之
xoooo
豊島将之
oooo
渡辺明
oooo
勝 対 名局 6,996
(3位)
竜王戦ランキング5期連続優勝(史上初)
タイトル防衛(最年少)・九段昇段(最年少・最速)
タイトル三冠(最年少)/四冠(最年少)/五冠(最年少)
2022 A級
へ昇級
出口若武
osoo
永瀬拓矢
ssxo
豊島将之
x

 

 
年度 名人
4-6月
叡王
4-6月
棋聖
6-7月
王位
7-9月
王座
9-10月
竜王
10-12月
王将
1-3月
棋王
2-3月
一般棋戦
優勝
将棋大賞 賞金&
対局料
備 考

肩書き[編集]

昇段およびタイトルの獲得、失冠等による肩書きの遍歴を記す。

日付 肩書き 保持タイトル 日数 備考
2016年10月01日 四段 488日 プロ入り
2018年02月01日 五段 016日 C級1組昇級による昇段 第76期順位戦
2018年02月17日 六段 090日 第11回朝日杯将棋オープン戦優勝
2018年05月18日 七段 790日 竜王ランキング戦連続昇級による昇段
2020年07月16日 棋聖 棋聖           035日 棋聖獲得 第91期棋聖戦
2020年08月20日 二冠 王位・棋聖       389日 王位獲得 第61期王位戦
2020年10月05日 王位・棋聖 日本将棋連盟による肩書き形式の改定[注釈 76]
2021年09月13日 王位・叡王・棋聖 王位・叡王・棋聖    061日 叡王獲得 06期叡王戦
2021年11月13日 竜王       竜王・王位・叡王・棋聖 229日 竜王獲得 第34期竜王戦
2022年02月12日 竜王・王位・叡王・王将・棋聖 王将獲得 第71期王将戦

※肩書は日本将棋連盟HPの表記に準拠

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 多くの棋士は小学生将棋名人戦で活躍した経歴を持つが、藤井は異なる[19]。理由は小学4年生の夏に奨励会に入り、アマチュアの大会に出場できなくなったためである[19]
  2. ^ それまでの最年少三段は、佐々木勇気が2008年に記録した13歳8か月[21][22]
  3. ^ 藤井の第59回奨励会三段リーグ戦における最終成績は、13勝5敗・1位[1]
  4. ^ 全員が初参加の第1回三段リーグで四段昇段した、中川大輔先崎学を除く。
  5. ^ 加藤一二三の保持する最年少五段昇段記録(15歳3か月)の更新はならなかった[34]
  6. ^ 最年少で名人に勝利した記録を更新した(15歳5か月)[37]
  7. ^ それまでの記録は以下の通り。(1)一般棋戦最年少優勝記録は、加藤一二三が1955年(昭和30年)に六、五、四段戦優勝で記録した15歳10か月[38]。(2)全棋士参加棋戦最年少優勝記録は、羽生善治が1987年(昭和62年)に天王戦優勝で記録した17歳2か月[41][42]。(3)最年少六段記録は、加藤一二三が1956年(昭和31年)に記録した16歳3か月[38]
  8. ^ 出口若武は三段で2018年度の第49期新人王戦で準優勝し[53]、同年度後期の第64回奨励会三段リーグ戦で1位となって2019年4月1日付で四段[54]
  9. ^ 藤井は新人王の最年少記録を更新した(16歳2か月)[58]。新人王のそれまでの最年少記録は、森内俊之が1987年に記録した17歳0か月であった[58]
  10. ^ 藤井は2018年5月に七段に昇段しているため、新人王戦に出場できるのは、第49期が最後であった[59]
  11. ^ 一般棋戦連覇のそれまでの最年少記録は、羽生善治が1987年度 - 88年度に天王戦で記録した18歳2か月であった[63]
  12. ^ 将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦への出場棋士は計12名で、(1)前年優勝者 (2)2月22日時点のタイトルホルダー (3)前年度賞金ランキング上位者 の順に選出される[66]
  13. ^ 七段昇段のそれまでの最年少記録は、加藤一二三が1957年4月に記録した[69]17歳3か月であった[68]
  14. ^ a b それまでのタイトル挑戦の最年少記録は、1989年に屋敷伸之棋聖戦で記録した17歳10か月24日[89]
  15. ^ a b それまでのタイトル獲得の最年少記録は、1989年に屋敷伸之棋聖戦で記録した18歳6か月[92]
  16. ^ 最多勝利賞(44勝)、勝率一位賞(.846)、升田幸三賞特別賞(棋聖戦第2局の△3一銀により)、名局賞(棋聖戦第1局)、名局賞特別賞(竜王戦2組ランキング戦準決勝の▲4一銀により)も受賞した
  17. ^ それまでの王位獲得最年少記録は、郷田真隆が1992年9月に記録した21歳6か月
  18. ^ a b それまでのタイトル二冠保持の最年少記録は、1992年に羽生善治が記録した21歳11か月(王座・棋王)[98]
  19. ^ 八段昇段のそれまでの最年少記録は、加藤一二三が1958年4月に記録した18歳3か月[98]
  20. ^ 過去の4例は1-5期の佐藤康光、8-12期の鈴木大介、15-19期の橋本崇載、21-25期の佐藤天彦
  21. ^ 藤井以外では、渡辺明が第77期B級1組で12勝0敗、第78期A級で9勝0敗の2期連続全勝を達成している。
  22. ^ それまでのタイトル防衛の最年少記録は、1990年に屋敷伸之が記録した19歳0か月
  23. ^ 九段昇段のそれまでの最年少記録は、渡辺明が2005年11月に記録した21歳7か月
  24. ^ それまでの最年少三冠の記録は、羽生善治が1993年1月に記録した22歳3か月(竜王・王座・棋王)
  25. ^ それまでの最年少四冠の記録は、羽生善治が1993年7月に記録した22歳9か月(竜王・王座・棋王・棋聖)
  26. ^ 共に別格とされる「竜王」と「名人」を保持する者が別におり、保持タイトル数に差がある場合は保持タイトルが多い方が序列1位になるが、名人である「渡辺明名人(棋王・王将)=三冠」を保持タイトル数で上回る事を理由に「藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)=四冠」が10代で序列1位となった[117]
  27. ^ これまで竜王番勝負を4勝0敗で奪取した挑戦者のいずれもがランキング戦か挑戦者決定三番勝負で1敗以上を喫しながら番勝負まで進出していた
  28. ^ それまでの王将の最年少記録は、1986年3月に中村修が記録した23歳7か月
  29. ^ それまでの最年少五冠の記録は、羽生善治が1993年8月に記録した22歳10か月(竜王・王位・王座・棋王・棋聖)
  30. ^ 東日本大震災の影響を考慮し、2011年の詰将棋解答選手権チャンピオン戦は、東京と大阪で個別に開催された。
  31. ^ 全日本詰将棋連盟が制定し、詰将棋の普及・発展に貢献された者に贈られる。
  32. ^ 看寿賞は、『詰将棋パラダイス』誌上で候補作と発表されるだけで、大変な名誉である[187]文壇における芥川賞直木賞と同様。
  33. ^ 将棋ソフトが互角に近いと評価した局面を集めたもの[191]
  34. ^ 2020年に開催された世界コンピュータ将棋オンライン大会では「水匠」が優勝した。
  35. ^ 前述の通り、2020年にはCPUの性能が重要なNNUE系の将棋ソフトである「水匠」[194]を利用していると話している[195][196]
  36. ^ ただし、深浦の弁と異なり、実際には藤井の雁木での勝率は高かった。
  37. ^ 産経新聞[22]朝日新聞[23]が、いずれも藤井の三段昇段を2015年10月18日付と報じており、かつ、日本将棋連盟公式サイトの2016年3月29日付の記事において「藤井聡太 奨励会三段」と表記されている[276]ことによる。日本将棋連盟の藤井のプロフィールの「2016年4月 - 三段」[277]は三段リーグの参加時期を示している。
  38. ^ 九段昇段のそれまでの最年少記録は、渡辺明が2005年11月に記録した21歳7か月
  39. ^ 第2回まで個人戦。第3回より団体戦
  40. ^ 名局賞特別賞は第11回朝日杯将棋オープン戦本戦決勝(対広瀬章人)に対するもの[279]
  41. ^ 勝率1位賞(.849)は、歴代1位の中原誠(.855、1967年度)・同2位の中村太地(.851、2011年度)に次ぐ歴代3位の記録[281]。2年連続での勝率8割超は中原と藤井の2名のみ[282]。升田幸三賞は、2018年6月5日の第31期竜王戦5組ランキング戦(対・石田直裕)の終盤に指して「AIを超えた『神の一手』」と評された「△7七同飛成」に対するもの[283]
  42. ^ 複数回と2年連続での達成も藤井、羽生善治、中原誠の3名のみである[287]
  43. ^ 3月24日に行われた第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組で稲葉陽に勝ち、史上初の3年連続勝率8割以上を達成した[287][注釈 42]。同時に年度最多勝を確定させ[287]、3年連続の勝率1位も確定させた[288]。名局賞特別賞は、第69期王将戦挑戦者決定リーグ・対広瀬戦に対するもの[286]
  44. ^ 名局賞は棋聖戦五番勝負第1局(対渡辺明)、名局賞特別賞は第34期竜王戦ランキング戦2組の対松尾歩戦に対するもの[289]
  45. ^ 名局賞は第34期竜王戦第4局(対豊島将之)に対して[249]
  46. ^ それまでの棋聖タイトルの最年少記録は、屋敷伸之が1990年8月に記録した18歳6か月
  47. ^ それまでの王位タイトルの最年少記録は、郷田真隆が1992年9月に記録した21歳5か月
  48. ^ それまでの叡王タイトルの最年少記録は、高見泰地が2018年5月に記録した24歳10か月
  49. ^ それまでの王将タイトルの最年少記録は、中村修が1986年3月に記録した23歳4か月
  50. ^ それまでのタイトル防衛の最年少記録は、1990年に屋敷伸之が記録した19歳0か月
  51. ^ それまでのタイトル三冠保持の最年少記録は、羽生善治が1993年1月に記録した22歳3か月
  52. ^ それまでのタイトル四冠保持の最年少記録は、羽生善治が1993年7月に記録した22歳9か月
  53. ^ それまでのタイトル五冠保持の最年少記録は、羽生善治が1993年8月に記録した22歳10か月
  54. ^ それまでの一般棋戦優勝の最年少記録は、加藤一二三が1955年に六・五・四段戦に記録した15歳10か月[38]
  55. ^ それまでの全棋士参加棋戦優勝の最年少記録は、羽生善治が1987年に天王戦に記録した17歳2か月[41]
  56. ^ それまでの朝日杯将棋オープン戦の最年少記録は、八代弥が2017年に記録した22歳11か月[38]
  57. ^ それまでの新人王戦の最年少記録は、森内俊之が1987年に記録した17歳0か月[58]
  58. ^ それまでの銀河戦の最年少記録は、渡辺明が2005年に記録した21歳4か月[107]
  59. ^ 中学生棋士の中での通算50勝のそれまでの最年少記録は、羽生善治が1987年4月に記録した16歳6か月であった[294]
  60. ^ 通算100局のそれまでの最年少記録は、羽生善治が記録した17歳0か月であった[295]。藤井のこの時点での勝敗数(85勝15敗)と勝率(0.850)は、中原誠十六世名人と並ぶ歴代1位タイ記録[295]
  61. ^ 12月12日、第27期銀河戦阿部健治郎に勝ち、永世称号獲得者・中学生棋士の中での通算100勝の最年少記録を、最速・最高勝率で更新した(16歳4か月)[296][297]
  62. ^ 永世称号獲得者・中学生棋士の中での通算100勝のそれまでの最年少記録は、羽生善治が1988年4月に記録した17歳6か月であった[297]
  63. ^ 藤井はプロデビューから2年2か月で通算100勝を達成した。永世称号獲得者・中学生棋士の中での通算100勝のそれまでの最速記録は、羽生善治が1988年4月に記録した2年3か月であった[297]
  64. ^ 藤井は100勝18敗で通算100勝を達成した。永世称号獲得者・中学生棋士の中での通算100勝のそれまでの歴代最高勝率は、中原誠が1968年7月に記録した100勝21敗であった[297]
  65. ^ 11月20日、王将戦挑戦者決定リーグの最終戦に勝利し、史上最年少(18歳4か月1日)で通算200勝(240戦目)を達成した[298]。四段到達から200勝までの期間は4年1カ月19日であった[298]
  66. ^ 藤井の次に木村義雄が唯一のタイトル戦であった名人戦で第1期から第5期まで連覇している(ただし第二次世界大戦の影響により第4期は規定が変更され挑戦者が現れず、第5期は挑戦者決定戦自体が中断されており、どちらも不戦勝での記録である)。また、木村と藤井以外では初登場から2連続でタイトル戦を制した棋士が塚田正夫、谷川浩司、藤井猛の3人いるのみとなっている[300]
  67. ^ 段位は対局当時。
  68. ^ それまでのプロデビューからの連勝記録は、松本佳介近藤正和の10連勝[28]
  69. ^ 横山大樹アマは、第53回(2016年)赤旗名人として出場。第46回(2017年)支部名人、第40期(2017年)朝日アマチュア将棋名人。
  70. ^ 千日手局は指し直しとなり、一局として数えない。
  71. ^ それまでの3位タイ記録(22連勝)保持者は羽生善治塚田泰明山崎隆之の3名[3]
  72. ^ それまでの2位記録(24連勝)保持者は丸山忠久[3]
  73. ^ 藤岡隼太アマは、第73回(2017年)学生名人。
  74. ^ それまでの1位記録(28連勝)保持者は神谷広志[3]
  75. ^ 2020年-2021年度は7-9月開催
  76. ^ 肩書き形式の遍歴について。旧肩書き形式での最後の記事新肩書き形式での最初の記事

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 新四段誕生のお知らせ *藤井聡太(史上最年少四段)・大橋貴洸”. 日本将棋連盟. (2016年9月3日) 2017年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月14日閲覧。
  2. ^ a b c d 将棋 14歳のプロ棋士誕生 最年少記録62年ぶり更新”. 毎日新聞. (2016年9月3日) 2018年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月27日閲覧。
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参考文献[編集]

  • 津江章二 『藤井聡太 名人をこす少年』日本文芸社、2017年。 

外部リンク[編集]