飯塚祐紀
飯塚祐紀 八段 | |
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名前 | 飯塚祐紀 |
生年月日 | 1969年4月2日(54歳) |
プロ入り年月日 | 1992年4月1日(22歳) |
棋士番号 | 203 |
出身地 | 東京都 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 松下力九段 |
弟子 | 頼本奈菜 |
段位 | 八段 |
棋士DB | 飯塚祐紀 |
2023年6月7日現在 |
飯塚 祐紀(いいづか ひろき、1969年4月2日 - )は将棋棋士。棋士番号は203。東京都北区出身[1]。松下力九段門下。
棋歴[編集]
将棋との出会いは「男の子の遊びの一つとして覚え、夏祭りの縁台将棋から入った。そうして将棋になじんだ最後の世代かもしれない」と振り返っている[1]。
小学4年生から千駄ヶ谷の将棋教室に通い[1]、3年半後(中学1年生)で奨励会入会[2]。入会は1982年12月で、羽生善治、森内俊之、郷田真隆らと同期。学年は3人より一つ上で、佐藤康光と同じ。
1級から初段に上がるのに苦労し[3]、四段に昇段したのは1992年、22歳の時であった。プロ入りの同期は真田圭一。
プロ入り後[編集]
1994年度、第35期王位戦でリーグ入り。白組で3勝2敗と勝ち越すが、当期4勝を挙げた高橋道雄と佐藤康光に敗れた事が響き、リーグ残留ならず(もし両名のどちらかに1勝していたら残留は確定していた)。
1995年度、第8期竜王戦の6組ランキング戦で準優勝し、5組へ昇級。そして翌年度では5組ランキング戦で優勝。4組へ昇級すると同時に、本戦でも2連勝してベスト8まで進出した(挑戦者となる谷川浩司に敗戦)。
1997年度、第23期棋王戦でベスト4。敗者復活戦に回ったが郷田真隆に敗れ、挑戦者決定二番勝負進出はならなかった。同棋戦では、第27期(2001年度)でも青野照市、島朗らを破ってベスト8。さらに、第28期(2002年度)でも三浦弘行に勝ちベスト8。
2000年度、第13期竜王戦の4組ランキング戦で準優勝し、3組へ昇級(しかし翌年度に3連敗を喫し、即4組へ出戻りになった)。また、第59期順位戦のC級2組で8勝2敗の成績で2位となり、順位戦初の昇級を決めた。
2004年度、第76期棋聖戦で一次予選から勝ち進み、挑戦者決定トーナメントに初進出した(当期挑戦を果たす羽生善治に1回戦で敗退)。第63期順位戦ではC級1組で8勝2敗の成績で1位になり、B級2組への昇級を果たす。
2008年度、第56期王座戦の二次予選を突破し、本戦に初進出するが、当期挑戦者となる木村一基に1回戦で敗れる。
2010年度、第23期竜王戦にて4組の昇級者決定戦を制し、3組へ復帰(しかし翌々年度で2連敗し、再度4組へ降級)。
2011年度は、第70期順位戦B級2組において、出だし2連敗から8連勝して2位となり、B級1組昇級を決める。
2012年度は第71期順位戦B級1組で苦戦し、4勝8敗の成績で終わるも、井上慶太と中田宏樹がそれぞれ3勝9敗で終わったことで、1位~13位中の11位で残留を決める。
2013年度も第72期順位戦B級1組で再び苦戦し、またしても4勝8敗に終わる。しかし、鈴木大介と高橋道雄が2勝と1勝のみだったため、再度11位で残留した。
前述通り、2期連続でB級1組にギリギリの残留を決めていたが、2014年度の第73期順位戦では11連敗後の1勝のみに終わり、最下位(13位)での陥落となった。
2017年度は第76期順位戦B級2組で苦戦。3勝7敗の22位で終わり、1回目の降級点が付いてしまった。逆に第30期竜王戦では昇級者決定戦を突破して、3組への復帰を決めた(しかし翌々年度で2連敗し、三度4組へ降級)。
2018年度は第77期順位戦で一転して好調になり、7勝3敗と勝ち越して降級点の抹消に成功した。しかし、2020年度の第79期順位戦は2勝8敗、翌年度の第80期順位戦では3勝7敗と不振に陥った結果、2期連続で降級点が付いてしまい、第63期以来となるC級1組への陥落が決まった。
棋風[編集]
居飛車党であり、対振り飛車戦で棒銀戦法を使う数少ない棋士の一人である。
人物[編集]
- 子供達への普及活動にも熱心で日本将棋連盟「子供将棋スクール」で長年講師を担当。「多面指しの達人」として棋士の間で定評がある[4]。現在は小中学生を対象とした江古田将棋教室・石神井将棋教室を主宰[5][6][7]。
弟子[編集]
女流棋士となった弟子[編集]
名前 | 女流プロ入り日 | 段位、主な活躍 |
---|---|---|
頼本奈菜 | 2017年2月1日 | 女流初段 |
(2019年4月1日現在)
- 棋士となった弟子はまだいないが、2021年8月現在、奨励会に弟子が9人いる。
昇段履歴[編集]
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 1982年奨励会入会 : 6級 =
- 1988年 : 初段
- 1990年 1月 : 三段(第7回奨励会三段リーグからリーグ参加)
- 1992年 4月 1日 : 四段(第10回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り
- 1996年 8月 5日 : 五段(勝数規定/公式戦100勝、通算100勝70敗)
- 2001年 8月13日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝、通算220勝145敗)
- 2009年10月27日 : 七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝、通算370勝268敗)
- 2023年 6月 7日 : 八段(勝数規定/七段昇段後公式戦190勝、通算560勝493敗)
主な成績[編集]
在籍クラス[編集]
開始 年度 |
順位戦 | 竜王戦 | ||||||||||||||
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期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | F | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | |||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||
1992 | 51 | C255 | 6 | 6組 | ||||||||||||
1993 | 52 | C242 | 7 | 6組 | ||||||||||||
1994 | 53 | C233 | 8 | 6組 | ||||||||||||
1995 | 54 | C232 | 9 | 5組 | ||||||||||||
1996 | 55 | C217 | 10 | 4組 | ||||||||||||
1997 | 56 | C214 | 11 | 4組 | ||||||||||||
1998 | 57 | C203 | 12 | 4組 | ||||||||||||
1999 | 58 | C206 | 13 | 4組 | ||||||||||||
2000 | 59 | C204 | 14 | 3組 | ||||||||||||
2001 | 60 | C124 | 15 | 4組 | ||||||||||||
2002 | 61 | C123 | 16 | 4組 | ||||||||||||
2003 | 62 | C120 | 17 | 4組 | ||||||||||||
2004 | 63 | C105 | 18 | 4組 | ||||||||||||
2005 | 64 | B219 | 19 | 4組 | ||||||||||||
2006 | 65 | B210 | 20 | 4組 | ||||||||||||
2007 | 66 | B209 | 21 | 4組 | ||||||||||||
2008 | 67 | B212 | 22 | 4組 | ||||||||||||
2009 | 68 | B214 | 23 | 4組 | ||||||||||||
2010 | 69 | B209 | 24 | 3組 | ||||||||||||
2011 | 70 | B216 | 25 | 3組 | ||||||||||||
2012 | 71 | B113 | 26 | 4組 | ||||||||||||
2013 | 72 | B111 | 27 | 4組 | ||||||||||||
2014 | 73 | B111 | 28 | 4組 | ||||||||||||
2015 | 74 | B202 | 29 | 4組 | ||||||||||||
2016 | 75 | B209 | 30 | 4組 | ||||||||||||
2017 | 76 | B217 | 31 | 4組 | ||||||||||||
2018 | 77 | B223 | 32 | 4組 | ||||||||||||
2019 | 78 | B208 | 33 | 4組 | ||||||||||||
2020 | 79 | B212 | 34 | 4組 | ||||||||||||
2021 | 80 | B225 | 35 | 4組 | ||||||||||||
2022 | 81 | C101 | 36 | 4組 | ||||||||||||
2023 | 82 | C116 | 37 | (開始前) | ||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。順位戦の X(数字) はクラス内順位。 順位戦の「F」はフリークラス (F編:フリークラス編入 / F宣:宣言による転出) 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
著書[編集]
- 分かる・役立つ速効!矢倉の手筋(2002年4月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-0661-0)
- 最強棒銀戦法(2008年7月、創元社、ISBN 978-4-422-75112-2)
- 奇襲振り飛車戦法 ~その狙いと対策~(2014年12月、マイナビ、ISBN 978-4-8399-5372-0)
出演[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c “飯塚祐紀七段を笑顔でほめまくってくれた師匠の思い出 | NHKテキストビュー”. NHKテキストビュー | 生活に役立つNHKテキストの情報サイト. 2020年10月8日閲覧。
- ^ “飯塚祐紀七段、松下力九段が教えてくれた棋士としての覚悟 | NHKテキストビュー”. NHKテキストビュー | 生活に役立つNHKテキストの情報サイト. 2020年10月8日閲覧。
- ^ 「将棋世界」2000年1月号付録
- ^ “<棋士の横顔・飯塚祐紀七段>将棋指導の達人は名伯楽まであと一歩、三段の弟子に背中でプロ魂を見せる”. 読売新聞オンライン (2022年12月2日). 2023年4月25日閲覧。
- ^ “江古田将棋教室|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年10月8日閲覧。
- ^ “石神井将棋教室|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年10月8日閲覧。
- ^ “どこを狙う? 将棋の基本を飯塚祐紀七段が手ほどき | NHKテキストビュー”. NHKテキストビュー | 生活に役立つNHKテキストの情報サイト. 2020年10月8日閲覧。