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伊藤沙恵

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 伊藤沙恵 女流二段
名前 伊藤沙恵
生年月日 (1993-10-06) 1993年10月6日(24歳)
プロ入り年月日 2014年10月1日(20歳)
棋士番号 52
出身地 東京都武蔵野市
師匠 屋敷伸之九段
段位 女流二段
戦績
2015年9月11日現在

伊藤 沙恵(いとう さえ、1993年10月6日 - )は、日本将棋連盟所属の女流棋士。女流棋士番号は52。屋敷伸之九段門下。東京都武蔵野市出身[1]

棋歴

奨励会時代

2004年、武蔵野市立第二小学校5年(出場時は4年)で、第29回小学生将棋名人戦に東京都多摩地区代表で出場、NHK教育テレビジョンで放映される決勝大会(準決勝・決勝)に進出し、準決勝で佐々木勇気に敗れて全国3位(優勝は佐々木勇気、準優勝は菅井竜也[2][3]。この年の小学生将棋名人戦には、他に三枚堂達也永瀬拓矢斎藤慎太郎佐々木大地が代表選手として出場しており、女子の代表選手は伊藤のみであった[4][注釈 1]

同じく2004年9月、10歳のとき、6級で奨励会(関東)に入会[1]。10歳での奨励会入会は女子では最年少記録であった。

2011年5月、2級のとき、里見香奈女流三冠の奨励会編入試験において、加藤桃子(当時2級)・西山朋佳(当時4級)とともに対戦相手を務める。里見は初戦で加藤に敗れたが伊藤と西山に勝ち、1級での編入を決める[5]

2011年7月17日の奨励会(関東)例会から6連勝し、8月24日の例会で1級に昇級[6]。ライバルの加藤より一歩早い昇級であった。

その少し前の2011年5月27日日本将棋連盟が『奨励会と女流棋士の重籍に関する件」について』を公表し[7]、「女性の奨励会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である」としたことを受け、第5期マイナビ女子オープンと第1期女流王座戦に出場。

うち、第5期マイナビ女子オープンでは、予選第6ブロック決勝で村田智穂女流二段に敗れて本戦出場を逃した。

一方、第1期女流王座戦では予選を通過し、2011年7月から始まった本戦(16名によるトーナメント)[注釈 2]では、元タイトルホルダーの石橋幸緒を破るなどしてベスト4に進出。しかし、9月21日の準決勝で加藤桃子との奨励会1級同士の対決で敗れた。なお、加藤は決勝五番勝負でも清水市代に勝ち、初代女流王座となった。

第7回白瀧あゆみ杯争奪戦(非公式戦)に奨励会員として初出場し、初優勝を果たす。

2014年9月30日、21歳で初段の年齢制限を迎える1週間前に1級で奨励会を退会し、女流棋士に転向[注釈 3]。本来は「奨励会2級以上で退会の場合は、退会時の段級位でそのまま女流棋士の資格を得る」という規定に基づき女流1級となるが、伊藤は第7期マイナビ女子オープンでベスト4、第1・3・4期リコー杯女流王座戦でベスト4入りしており、「女流棋士昇段級規定」の女流初段の条件を満たしているため2014年10月1日付で、東京所属の女流棋士初段となった[1]

女流プロ入り後

2014年10月1日に女流初段としてプロ入り。

2015年度、第5期女流王座戦は、第4期ベスト4入りによりシードされて本戦から出場し、上田初美香川愛生、里見香奈のタイトルホルダー・タイトル経験者を連破し、鬼門だったベスト4の壁を突破。さらに、8月31日の準決勝(対 里見香奈)の勝利は、里見が更新中であった女流公式戦の最多連勝記録を21で止めた、特筆すべき一勝であった[8]9月11日の挑戦者決定戦でもタイトルホルダーの甲斐智美 倉敷藤花に勝ち、自身初のタイトル挑戦となった。また規定により同日付けで女流二段に昇段した。奨励会時代からのライバルである加藤桃子との五番勝負は第6局までもつれる熱戦となったが、2勝3敗1持将棋で惜しくもタイトル獲得はならなかった。10月27日には、第27期女流王位戦予選決勝で竹部さゆりを破り、挑戦者決定リーグ入り。リーグ戦(紅組)では3勝2敗でリーグ残留。第43期女流名人戦でも予選を勝ち抜き、女流名人リーグ入りを果たした。

2016年度、第43期女流名人戦挑戦者決定リーグでは5勝4敗でリーグ残留(翌期の順位は5位)。第28期女流王位戦挑戦者決定リーグでは、白組で優勝し(室谷由紀中村真梨花、甲斐智美、清水市代らを連破して5戦全勝)、2017年3月13日に行われた、紅組優勝(同じく5戦全勝)の本田小百合との挑戦者決定戦を制し、2度目のタイトル挑戦を決めた。女流棋士枠で出場した男性棋戦では、第88期棋聖戦の1次予選で宮田敦史に勝利した[9]

2017年度、第28期女流王位戦五番勝負では里見香奈女流王位に2勝3敗で敗退し、タイトル獲得ならず。第39期女流王将戦では本戦から出場し(前期ベスト4によるシード)、8月8日に行われた挑戦者決定戦で加藤桃子女王を破り、3度目のタイトル挑戦を決めた。第25期倉敷藤花戦では、9月25日に行われた挑戦者決定戦で甲斐智美を破り、4度目のタイトル挑戦を決めた。

棋風

受けを重視する棋風で、「攻め将棋」が多い女流棋士の中では異色である。流行に左右されず、自分ならではの「型」で戦う。[9]

2017年度の第28期女流王位戦五番勝負(伊藤が里見香奈女流王位に挑戦)でインターネット中継の解説を務め、同じ時期に第89期棋聖戦の1次予選で伊藤(女流棋士枠で出場)と対局した大平武洋は、伊藤の棋風を下記のように評した[9]

「接近戦に強く、混戦で力を発揮する印象」 — 大平武洋、[9]

昇段・昇級履歴

奨励会

  • 2004年9月29日 - 6級 = 奨励会入会
  • 2011年8月24日 - 1級(6連勝)
  • 2014年9月30日 - 退会

女流

昇段・昇級規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2014年10月1日 - 女流初段 = 女流プロ入り
  • 2015年9月11日 - 女流二段(タイトル挑戦 = 第5期女流王座戦)

脚注

注釈

  1. ^ 小学生将棋名人戦で女子が決勝大会(ベスト4以上)に進出した例は、中井広恵(第6回、準優勝)、伊藤(第29回、3位)、中七海(第35回、4位)の3例のみである(2017年8月現在)。
  2. ^ 本戦トーナメント準決勝の勝者2名が五番勝負を戦い、その勝者が初代女流王座となった。
  3. ^ なお、ライバルの加藤桃子は2014年5月に奨励会初段に昇段した。

出典

  1. ^ a b c 伊藤沙恵奨励会1級が10月より女流初段に”. 日本将棋連盟 (2014年9月30日). 2015年11月4日閲覧。
  2. ^ 2004年の小学生将棋名人戦、佐々木勇気君(埼玉)-菅井竜也君(岡山)戦”. 将棋ペンクラブログ. 2017年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月19日閲覧。
  3. ^ ~公文杯~第29回小学生名人戦【決勝トーナメント/決勝大会】”. 日本将棋連盟. 2017年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月19日閲覧。
  4. ^ ~公文杯~第29回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】”. 日本将棋連盟. 2017年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月19日閲覧。
  5. ^ 里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格”. 日本将棋連盟 (2011年5月21日). 2015年11月4日閲覧。
  6. ^ 関東奨励会1級 【2011年4月 - 2011年9月】”. 日本将棋連盟. 2015年11月4日閲覧。
  7. ^ 「奨励会と女流棋士の重籍に関する件」について”. 日本将棋連盟 (2011年5月27日). 2017年11月14日閲覧。
  8. ^ 将棋の里見、21連勝でストップ 更新中の女流連勝記録(共同通信より配信)”. 琉球新報 (2015年8月31日). 2017年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月28日閲覧。
  9. ^ a b c d 君島俊介「第89期棋聖戦-1次予選特選局-第5局 先▲女流二段 伊藤沙恵 △六段 大平武洋-第3譜」 『産経新聞』(東京本社)2017年10月6日付朝刊、12版、21面、囲碁・将棋欄。

外部リンク