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加藤桃子

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 加藤桃子 初段
加藤桃子女王女流王座(左)、伊藤沙恵女流二段(右)。2015年10月、第5期リコー杯女流王座戦五番勝負第1局前夜祭にて
名前 加藤桃子
生年月日 (1995-03-09) 1995年3月9日(23歳)
棋士番号奨励会員)
出身地 静岡県牧之原市
師匠 安恵照剛八段
段位 初段
戦績
タイトル獲得合計 8期
女王4期
女流王座4期
2018年4月16日現在

加藤 桃子(かとう ももこ、1995年3月9日 - )は、日本将棋連盟所属の奨励会[1]静岡県牧之原市出身[1]安恵照剛八段門下[1]国士舘高等学校(通信制)卒業[2][注釈 1]

棋歴

奨励会入りまで

加藤の父は、加藤と同じく安恵照剛八段門下で奨励会に在籍、のち大学に進学して教員免許を取得し、静岡県の藤枝明誠高校教諭を務め、かつ同校将棋部顧問として実績を挙げた加藤康次[3][注釈 2]。加藤の母は、高柳敏夫名誉九段[注釈 3]が開いていた将棋教室に通っていたアマ有段者で、「女流アマ名人戦」出場経験を有し、1990年頃には、プロ棋士や奨励会員も参加する「パソコン通信による将棋サークル」のメンバーであり、ある意味で、夫の加藤康次以上にプロ棋界とのつながりがあった[3]。将棋一家に生まれた加藤はごく自然に将棋を覚え、小学1年生で大会に出るようになった[3]。静岡から、母の実家(東京)に行く折には、安恵照剛をはじめとする高柳一門のプロ棋士の指導を受けるようになった[3]

加藤が強くなると、必然的にプロ入り(女流棋士、あるいは奨励会)の話が出てきた[3]。高柳一門には、多くのプロ棋士・奨励会員のほかに清水市代(高柳敏夫名誉九段門下)という女流棋士の大成功者がいる[3]。女流棋士への道を勧める声もあったが、加藤とその両親の選択は「奨励会入り」であった[3]。加藤は、2006年9月18日に、11歳で奨励会(関東)に入会[1](6級)[5]。その直前に参加した第1回白瀧あゆみ杯争奪戦ではアマチュアの立場ながら貞升南を破っている。

奨励会

2011年5月3日、奨励会2級のとき、里見香奈女流三冠の異例の奨励会1級編入試験3局の初戦の相手となり、里見に黒星をつける(里見は残る2局に勝ち、関西奨励会1級となる)[6]

同年9月18日の奨励会(関東)例会で3連勝し、7月17日の例会から数えて「9勝3敗」の規定で同日付で2級から1級に昇級[7]。同じく女性奨励会員である伊藤沙恵(2004年に10歳、6級で入会[8])の1級昇級から約1か月遅れであった。

2014年5月10日、関東奨励会の例会にて12勝4敗の昇段規定を満たし、里見香奈、西山朋佳に続き、現行規定において3人目の女性の奨励会初段となった[9]

女流棋戦

2011年5月27日日本将棋連盟が『奨励会と女流棋士の重籍に関する件』を発表[10]。「女性の奨励会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である」とした。これを受け、加藤は第5期マイナビ女子オープンと第1期リコー杯女流王座戦に、女流棋士と同じ扱いで出場。

女流王座戦

2011年度の第1期リコー杯女流王座戦では、2011年7月から始まった本戦(16名によるトーナメント)を勝ち進み、同年10月-12月に清水市代女流六段と決勝五番勝負をフルセットの末勝利して、16歳9か月で初代女流王座に輝いた[注釈 4]。2012年度の第2期五番勝負も本田小百合をストレートで下して防衛。しかし2013年度の第3期五番勝負では、挑戦者の里見香奈に1勝3敗で敗退して失冠した。

2014年度の第4期では本戦決勝に進出、里見香奈が休場によりタイトルを返上したため、同じく決勝進出した西山朋佳と決勝五番勝負を戦い、3連勝で西山をストレートで下し、女流王座に復位、女王と合わせ女流二冠となった。2015年度の第5期五番勝負ではタイトル戦初登場の伊藤沙恵と戦い、第3局が持将棋となって女流タイトル戦史上初となる第6局にもつれ込む激戦を3勝2敗1持将棋で制して防衛[13]。女流二冠を維持した。

2016年度の第6期五番勝負では挑戦者の里見香奈に3連敗でストレート負けを喫し、女王のみの一冠に後退。2017年度の第7期五番勝負では里見香奈に第1・2局で連勝するが、そこから3連敗して敗退し、復位を逸した。

マイナビ女子オープン

※ マイナビ女子オープンでは予選・本戦が行われて挑戦者が決定した翌年度に五番勝負が行われる。日本将棋連盟公式サイトでは五番勝負が行われた年度で表記しており[14]、本項でも同様の表記とした。

初参戦の2012年度の第5期マイナビ女子オープンでは本戦2回戦で当時、加藤と同じく奨励会1級であった里見香奈に敗れた。2014年度の第7期本戦トーナメントでは挑戦者決定戦で清水市代を破り、本棋戦で初の挑戦を決めると、五番勝負でも里見香奈を3勝1敗で破り、「女王」を奪取。前年に里見に奪われたリコー杯女流王座戦のリベンジを果たすとともに、女性奨励会員が出場できる2つの女流タイトル戦をいずれも制した。その後、2015年度の第8期五番勝負では上田初美、2016年度の第9期五番勝負では室谷由紀、2017年度の第10期五番勝負では上田初美の挑戦をそれぞれ退け4連覇を果たす。

しかし2018年度の第11期五番勝負では、西山朋佳に五番勝負で1勝3敗で敗退して女王のタイトルを失い、無冠となった[15]。また、連続5期獲得による永世女王の獲得もならなかった[16]

その他

奨励会員ながら、女流タイトルを保持している時期は女流王将戦にシードで出場した。2018年度の第40期女流王将戦では本戦トーナメントを勝ち上がり挑戦権を獲得したが、三番勝負で里見香奈に敗退した。

また各男性棋戦でも女流棋士枠で出場し、特に2018年度の第68回NHK杯では本戦1回戦で及川拓馬を破った[17]

棋風

「居飛車党の攻め将棋」[18]

「終盤の鋭さに定評がある」[19]

主な成績

獲得タイトル

将棋の女流タイトル在位者一覧も参照。

  • 女王 4期(第7期(2014年度) - 第10期)
  • 女流王座 4期(第1期(2011年度) - 第2期、第4期 - 第5期)

女流非公式棋戦

エピソード

女流王座が下座に座る
2011年12月15日、第5期マイナビ女子オープン本戦準々決勝・里見(当時女流三冠)との対局の前、加藤が下座に座って待っており、後から入室した里見が、女流王座(女流棋界の最高峰)の加藤に、上座に移るよう促した[20]。譲り合いの末に、里見が上座に座ることになった[20]

脚注

注釈

  1. ^ 2011年度、国士舘高等学校通信制2年在学時に、第1期女流王座を獲得した[1]
  2. ^ 加藤の父の加藤康次は、藤枝明誠高校の将棋部顧問として、弱小だった同校将棋部を、女子団体で5回、男子団体で1回の全国優勝に導いた[3]
  3. ^ 加藤、その父である加藤康次の、双方の師匠である安恵照剛八段は、高柳敏夫名誉九段門下[4]
  4. ^ 女流タイトル獲得年少記録は、第1位が林葉直子(14歳3か月)、第2位が中井広恵(16歳6か月)、第3位が里見香奈(16歳8か月)[11]、第4位が加藤桃子(16歳9か月)[12]

出典

  1. ^ a b c d e “加藤桃子奨励会1級が初の女流王座に!” (日本語). 日本将棋連盟. (2011年12月12日). オリジナル2018年5月4日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180504092007/https://www.shogi.or.jp/news/2011/12/1_16.html 2018年5月4日閲覧。 
  2. ^ “学校での将棋授業レポートNo.2|イベント|日本将棋連盟” (日本語). 日本将棋連盟. (2016年3月1日). オリジナル2018年11月26日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181126173054/https://www.shogi.or.jp/event/2016/03/no2.html 2018年11月26日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h 「第1期リコー杯女流王座戦五番勝負第2局-清水の意地、桃子の挑戦」 『将棋世界』 2012年1月号、56-62頁
  4. ^ 日本将棋連盟 『棋士紹介 安恵 照剛(やすえ てるたか)八段』
  5. ^ 将棋世界』2006年10月号
  6. ^ 2011年5月21日 日本将棋連盟 『里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格』
  7. ^ 日本将棋連盟HP 関東奨励会1級 【2011年4月 - 2011年9月】
  8. ^ 将棋世界』2004年11月号
  9. ^ “加藤桃子奨励会1級、初段に昇段!” (日本語). 日本将棋連盟. (2014年5月12日). オリジナル2018年4月16日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180416070450/https://www.shogi.or.jp/news/2014/05/1_32.html 2018年4月16日閲覧。 
  10. ^ 2011年5月27日 日本将棋連盟 「『奨励会と女流棋士の重籍に関する件』について」
  11. ^ 2008年11月23日 47News 共同通信社 『16歳里見香奈が将棋初タイトル 清水下し倉敷藤花に』
  12. ^ 『将棋世界』 2012年2月号、258頁。
  13. ^ “里見女流王位VS伊藤女流二段。1戦目が大きなポイント。第28期女流王位戦五番勝負の展望は?|将棋コラム(ライター:相崎修司)” (日本語). 日本将棋連盟. (2017年4月26日). オリジナル2018年4月17日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180416223352/https://www.shogi.or.jp/column/2017/04/vs28.html 2018年4月16日閲覧。 
  14. ^ “マイナビ女子オープン|棋戦” (日本語). 日本将棋連盟. オリジナル2018年11月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181125063059/https://www.shogi.or.jp/match/mynavi/ 2018年11月25日閲覧。 
  15. ^ “西山朋佳奨励会三段が加藤桃子女王を破り3勝1敗で初タイトルの女王獲得 第11期マイナビ女子オープン五番勝負第4局” (日本語). 日本将棋連盟. (2018-5-24). オリジナル2018年5月24日時点によるアーカイブ。. https://www.shogi.or.jp/news/2018/05/31114.html 2018年5月24日閲覧。 
  16. ^ “【将棋】奨励会の西山朋佳が初タイトル マイナビ女子” (日本語). 産経新聞. (2018年5月24日). オリジナル2018年5月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180524113634/https://www.sankei.com/life/news/180524/lif1805240022-n1.html 2018年5月24日閲覧。 
  17. ^ 前夜祭(1) | 第11期マイナビ女子オープン五番勝負第3局” (日本語). マイナビ女子オープン中継ブログ in 将棋情報局. マイナビ出版. 2018年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月18日閲覧。
  18. ^ 2011年7月16日 マイナビ女子オープン中継ブログ 『第5期マイナビ女子オープン一斉予選』 勝利者インタビュー30/7ブロック 加藤奨励会2級 2011年7月16日に行われた、第5期マイナビ女子オープン一斉予選の7ブロック決勝で中倉宏美女流二段を破って本戦進出を決めた後の、この日2回目のインタビュー(動画)の中で、加藤が自己の棋風に言及。
  19. ^ 2011年12月13日 報知新聞 『16歳奨励会員・加藤桃子さんが初代女流王座に』(2012年2月7日閲覧)
  20. ^ a b 「第5期マイナビ女子オープン 本戦トーナメント2回戦 里見香奈女流三冠 X 加藤桃子女流王座 - 青春の覇気美しく」 『将棋世界』 2012年3月号、192頁-195頁。