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加藤桃子

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 加藤桃子 女王
名前 加藤桃子
生年月日 (1995-03-09) 1995年3月9日(22歳)
棋士番号 奨励会員)
出身地 静岡県牧之原市
師匠 安恵照剛八段
在位中タイトル 女王
段位 (奨励会初段)
戦績
タイトル獲得合計 8期
女王4期
女流王座4期
2017年5月16日現在

加藤 桃子(かとう ももこ、1995年3月9日 - )は、日本将棋連盟所属の奨励会員。静岡県牧之原市出身。安恵照剛八段門下。[1]国士舘高等学校(通信制)卒。

棋歴

奨励会入りまで

加藤の父は、加藤と同じく安恵照剛八段門下で奨励会に在籍、のち大学に進学して教員免許を取得し、静岡県の藤枝明誠高校教諭を務め、かつ同校将棋部顧問として実績を挙げた加藤康次[2][注釈 1]。加藤の母は、高柳敏夫名誉九段[注釈 2]が開いていた将棋教室に通っていたアマ有段者で、「女流アマ名人戦」出場経験を有し、1990年頃には、プロ棋士や奨励会員も参加する「パソコン通信による将棋サークル」のメンバーであり、ある意味で、夫の加藤康次以上にプロ棋界とのつながりがあった[2]。将棋一家に生まれた加藤はごく自然に将棋を覚え、小学1年生で大会に出るようになった。静岡から、母の実家(東京)に行く折には、安恵照剛をはじめとする高柳一門のプロ棋士の指導を受けるようになった。[2]

奨励会入りを選択

加藤が強くなると、必然的にプロ入り(女流棋士、あるいは奨励会)の話が出てきた。高柳一門には、多くのプロ棋士・奨励会員のほかに清水市代(高柳敏夫名誉九段門下)という女流棋士の大成功者がいる。女流棋士への道を勧める声もあったが、加藤とその両親の選択は「奨励会入り」であった。[2]加藤は、2006年9月18日に、11歳で奨励会(関東)に入会[1](6級)[4]。その直前に参加した第1回白瀧あゆみ杯争奪戦ではアマチュアの立場ながら貞升南を破っている。

2008年4月29日、第2回世田谷花みず木女流オープン戦優勝(非公式戦)。

2011年

2011年5月3日、奨励会2級のとき、里見香奈女流三冠の異例の奨励会1級編入試験3局の初戦の相手となり、里見に黒星をつける(里見は残る2局に勝ち、関西奨励会1級となる)[5]

同年9月18日の奨励会(関東)例会で3連勝し、7月17日の例会から数えて「9勝3敗」の規定で同日付で2級から1級に昇級[6]。同じく女性奨励会員である伊藤沙恵(2004年に10歳、6級で入会[7])の1級昇級から約1か月遅れであった。

その少し前の2011年5月27日日本将棋連盟が『奨励会と女流棋士の重籍に関する件』を発表[8]。「女性の奨励会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である」とした。これを受け、加藤は第5期マイナビ女子オープンと第1期女流王座戦に、女流棋士と同じ扱いで出場。両棋戦とも、予選を通過して本戦に進んだ。

うち、第1期女流王座戦では、2011年7月から始まった本戦(16名によるトーナメント)[注釈 3]を勝ち進み、準決勝では伊藤沙恵との奨励会1級同士の対決を制した。同年10月-12月に清水市代女流六段と決勝五番勝負を戦い、○●○●のフルセットで迎えた12月12日の第5局に勝利して、初代女流王座に輝いた。16歳9ヶ月での女流タイトル獲得は、史上第4位の若さであり、第3位の里見香奈(16歳8ヶ月)[9]に1ヶ月遅れるのみである[10][注釈 4]

第5期マイナビ女子オープンでは、女流王座戦五番勝負の開幕に先立ち、2011年10月6日の本戦第1回戦で島井咲緒里女流初段を下した。女流王座を獲得した3日後の12月15日、女流タイトル保持者となって初の公式対局となる本戦第2回戦(準々決勝)に臨んだが、当時、加藤と同じく奨励会1級であった里見女流三冠に敗れた。

2012年

続く第6期マイナビ女子オープンでは、予選トーナメント第9ブロックで古河彩子女流二段に敗退し、本戦トーナメント進出には至らなかった。

自身のタイトル初防衛戦となる第2期女流王座戦では、挑戦者決定戦で里見を破りタイトル戦初登場となった本田小百合女流三段に3連勝し、防衛に成功。

2013年

タイトル3連覇をかけた第3期女流王座戦では、1勝の後3連敗で挑戦者里見女流二冠にタイトルを奪われ、無冠となった。一方、第7期マイナビ女子オープンは予選トーナメント第13ブロックを通過し、本戦トーナメントに進出している。

2014年

第7期マイナビ女子オープンの本戦トーナメントにて、準決勝で伊藤沙恵を、決勝で清水市代を破り、本棋戦自身初の挑戦を決めた。そしてタイトル戦でも里見女王を3勝1敗で破り、女王を奪取(5月8日)。女流王座戦のリベンジを果たすとともに、女性奨励会員が出場できる2つの女流タイトルをいずれも獲得した。

直後の5月10日、関東奨励会の例会にて12勝4敗の昇段規定を満たし、蛸島彰子、里見香奈、西山朋佳に続く女性4人目(現行規定では3人目)の奨励会初段となった[11]。入段間もなくの7月20日には、2勝8敗でBが着くなど苦戦を強いられている。

第4期女流王座戦では本戦決勝に進出したが、里見女流王座が休場によりタイトルを返上したため、同じく決勝進出した西山とのタイトル五番勝負を行うことになった。その五番勝負で西山に3連勝し、女流王座に復位、女王との二冠保持者となった。

2015年

第8期マイナビ女子オープン五番勝負では上田初美を3勝1敗で退けて防衛。第5期女流王座戦五番勝負は、タイトル戦初登場の伊藤沙恵に3勝2敗1持将棋で防衛。女流二冠を維持した。

また、タイトル保持者として第37期女流王将戦の本戦に出場したが、準決勝で里見に敗れた。

2016年

第9期マイナビ女子オープン五番勝負では室谷由紀を3勝1敗で退けて防衛、3連覇。

11月20日、奨励会の降級規定により1級に降級。すでに「満21歳の誕生日」である初段昇段の年齢制限を過ぎているため、1級降級から半年以内に初段に復帰しない場合規定により奨励会退会となる。

第7期女流王座戦では里見香奈に0勝3敗で敗退し、失冠する。また、通算5期によるクィーン王座位の獲得も成らなかった。

2017年

4月1日の奨励会例会で初段に復帰し、これにより年齢制限による退会を回避した。

第10期マイナビ女子オープン五番勝負では上田初美を3連勝で退けて防衛、4連覇。

棋風

「居飛車党の攻め将棋」[12]

「終盤の鋭さに定評がある」[13]

主な成績

獲得タイトル

将棋の女流タイトル在位者一覧も参照。

  • 女王 4期(第7期(2014年度) - 第10期)
  • 女流王座 4期(第1期(2011年度) - 第2期、第4期 - 第5期)

エピソード

女流王座が下座に座る
2011年12月15日、第5期マイナビ女子オープン本戦準々決勝・里見(当時女流三冠)との対局の前、加藤が下座に座って待っており、後から入室した里見が、女流王座(女流棋界の最高峰)の加藤に、上座に移るよう促した。譲り合いの末に、里見が上座に座ることになった。[14][15]

注釈

  1. ^ 加藤の父の加藤康次は、藤枝明誠高校の将棋部顧問として、弱小だった同校将棋部を、女子団体で5回、男子団体で1回の全国優勝に導いた[2]
  2. ^ 加藤、その父である加藤康次の、双方の師匠である安恵照剛八段は、高柳敏夫名誉九段門下[3]
  3. ^ 第1期女流王座戦であるので、本戦トーナメント準決勝の勝者2名が五番勝負を戦い、その勝者が初代女流王座となった。
  4. ^ 女流タイトル獲得年少記録は、第1位が林葉直子(1968年1月24日生まれ、女流王将を1982年4月27日に獲得、14歳3ヶ月)、第2位が中井広恵(1969年6月24日生まれ、女流名人を1986年1月20日に獲得、16歳6ヶ月)、第3位が里見香奈(1992年3月2日生まれ、倉敷藤花を2008年11月23日に獲得、16歳8ヶ月)[9]、第4位が加藤桃子(1995年3月9日生まれ、女流王座を2011年12月12日に獲得、16歳9ヶ月)[10]。【2012年2月6日現在】

出典

  1. ^ a b 2011年12月12日 日本将棋連盟 『加藤桃子奨励会1級が初の女流王座に!』
  2. ^ a b c d e 「第1期リコー杯女流王座戦五番勝負第2局-清水の意地、桃子の挑戦」 『将棋世界』 2012年1月号、56-62頁
  3. ^ 日本将棋連盟 『棋士紹介 安恵 照剛(やすえ てるたか)八段』
  4. ^ [将棋世界 2006年10月号]
  5. ^ 2011年5月21日 日本将棋連盟 『里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格』
  6. ^ 日本将棋連盟HP 関東奨励会1級 【2011年4月 - 2011年9月】
  7. ^ [将棋世界 2004年11月号]
  8. ^ 2011年5月27日 日本将棋連盟 「『奨励会と女流棋士の重籍に関する件』について」
  9. ^ a b 2008年11月23日 47News 共同通信社 『16歳里見香奈が将棋初タイトル 清水下し倉敷藤花に』
  10. ^ a b 『将棋世界』 2012年2月号、258頁。
  11. ^ 加藤桃子奨励会1級、初段に昇段! 日本将棋連盟 Archived 2014年5月15日, at the Wayback Machine.2014年5月12日
  12. ^ 2011年7月16日 マイナビ女子オープン中継ブログ 『第5期マイナビ女子オープン一斉予選』 勝利者インタビュー30/7ブロック 加藤奨励会2級 2011年7月16日に行われた、第5期マイナビ女子オープン一斉予選の7ブロック決勝で中倉宏美女流二段を破って本戦進出を決めた後の、この日2回目のインタビュー(動画)の中で、加藤が自己の棋風に言及。
  13. ^ 2011年12月13日 報知新聞 『16歳奨励会員・加藤桃子さんが初代女流王座に』(2012年2月7日閲覧)
  14. ^ 「第5期マイナビ女子オープン 本戦トーナメント2回戦 里見香奈女流三冠 X 加藤桃子女流王座 - 青春の覇気美しく」 『将棋世界』 2012年3月号、192頁-195頁。
  15. ^ LPSA公式サイト 『第5期マイナビ女子オープン』