本田奎

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 本田奎 五段
名前 本田奎
生年月日 (1997-07-05) 1997年7月5日(25歳)
プロ入り年月日 2018年10月1日(21歳)
棋士番号 315
出身地 神奈川県川崎市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 宮田利男八段
段位 五段
棋士DB 本田奎
2019年12月27日現在
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本田 奎(ほんだ けい、1997年7月5日 - )は神奈川県川崎市高津区出身の将棋棋士宮田利男八段門下。棋士番号は315[1]

棋歴[編集]

小学校入学前に父親に教わり、将棋を始める[2]。宮田利男が開く将棋道場「三軒茶屋将棋倶楽部」に通い、2009年、小学6年のときに6級で奨励会入会[3]。順調に昇段を重ね17歳で三段リーグ入りしたが、そこから四段昇段まで3年半を要し、途中に同門の弟弟子で幼い頃から研鑽を積んできた1歳下の斎藤明日斗に抜かれる屈辱も味わった[2]。2018年、第63回三段リーグで15勝3敗の成績で四段昇段(同時昇段は山本博志[4]。四段昇段時のインタビューで、斎藤に抜かれたことに関して「それまで王を持っていた相手に、研究会で玉を持つのがつらかった」と語っている[5]

初参加となった第45期棋王戦にて、予選で永瀬拓矢叡王らを破り、本戦出場が決定。本戦では、佐藤天彦九段・丸山忠久九段・広瀬章人竜王らを破り、無敗で挑戦者決定二番勝負に進出を果たす。1勝で挑戦権を獲得出来る挑戦者決定二番勝負では、敗者復活から勝ち上がってきた佐々木大地五段相手に第2局目で勝利し(1勝1敗)、渡辺明棋王への挑戦権を獲得するとともに、タイトル挑戦権獲得時の昇段規定によって、五段に昇段した。

四段昇段後の棋戦初参加でタイトル挑戦は史上初四段昇段後1年4か月でのタイトル挑戦権獲得は、屋敷伸之の1年2か月に次ぐ歴代2位の記録である[6][7]。また、四段の棋士のタイトル挑戦権獲得は、屋敷・郷田真隆に次いで史上3人目[6]順位戦C級2組在籍者のタイトル挑戦は、屋敷・中田宏樹[8]・郷田・高見泰地に次いで史上5人目でもある。渡辺棋王との五番勝負は1勝3敗に終わった。

同様に初参加となった第61期王位戦では、予選で深浦康市九段・増田康宏六段・宮田敦史七段らに勝利し、初参加の王位戦で挑戦者決定リーグ入りを決めた。リーグ戦紅組では1勝4敗に終わり、リーグ残留を果たせなかった。

棋風[編集]

  • 先手番では相掛かりを得意としており、高い勝率を記録している[9]

人物[編集]

昇段履歴[編集]

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2009年9月 6級 = 奨励会入会
  • 2015年4月 三段 = (第57回奨励会三段リーグ戦から)
  • 2018年10月1日 四段[1]
  • 2019年12月27日 五段(棋王戦挑戦権獲得)[15]

主な成績[編集]

タイトル戦履歴[編集]

  • 棋王戦 挑戦1回(第45期)

将棋大賞[編集]

  • 第47回(2019年度) 新人賞

記録[編集]

  • 史上初の四段昇段後の棋戦初参加でタイトル挑戦。(2019年12月17日、第45期棋王戦)

在籍クラス[編集]

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
順位戦 竜王戦
名人 A級 B級 C級 F 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組
1組 2組 1組 2組
2018 77 32 6組
2019 78 C249 33 6組
2020 79 C222 34 5組
2021 80 C229 35 5組
2022 81 C208 36 4組
2023 82 C206 37 (開始前)
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。順位戦の X(数字) はクラス内順位。
順位戦の「F」はフリークラス (F編:フリークラス編入 / F宣:宣言による転出)
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

脚注[編集]

  1. ^ a b 新四段誕生のお知らせ”. 日本将棋連盟 (2018年9月2日). 2018年9月2日閲覧。
  2. ^ a b c 将棋・本田奎新四段誕生 弟弟子・斎藤明日斗四段に先を越され「練習将棋で王将が玉将に変わって悔しかった」”. スポーツ報知 (2018年9月2日). 2020年12月18日閲覧。
  3. ^ 修司, 相崎. “ついに藤井聡太二冠よりも「若い棋士」が誕生 「少しでも追いつきたいです」 | 観る将棋、読む将棋”. 文春オンライン. 2020年12月18日閲覧。
  4. ^ 第63回奨励会三段リーグ戦
  5. ^ 本田奎五段のタイトル初挑戦 師匠は「コツコツというよりは一気に飛躍するタイプ」
  6. ^ a b 史上初の快挙!初参加の本田奎四段が棋王挑戦権獲得 - 社会 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年12月18日閲覧。
  7. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年12月27日). “本田四段が棋王戦挑戦者に プロ入り2番目のスピード記録”. 産経ニュース. 2020年12月18日閲覧。
  8. ^ 第32期王位戦(1991年)が該当。
  9. ^ 本田奎五段がタイトル戦初白星をあげる 第45期棋王戦五番勝負第2局”. 将棋情報局. マイナビ (2020年2月17日). 2020年2月19日閲覧。
  10. ^ a b 高津区 市文化賞栄誉に2人 活躍期待、アゼリア輝賞も | 高津区”. タウンニュース (2020年10月2日). 2020年12月18日閲覧。
  11. ^ 将棋・本田奎四段、22歳の超新星「理想はコンピューター。目標とする人はいません」
  12. ^ 将棋・本田奎四段、22歳の超新星「理想はコンピューター。目標とする人はいません」”. スポーツ報知 (2019年8月20日). 2020年12月18日閲覧。
  13. ^ 新四段インタビュー 本田奎四段前編
  14. ^ 川崎市:2020年度川崎市文化賞・社会功労賞・スポーツ賞・アゼリア輝賞”. www.city.kawasaki.jp. 2020年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
  15. ^ 本田奎四段が五段に昇段”. 日本将棋連盟 (2019年12月28日). 2019年12月28日閲覧。

外部リンク[編集]