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本田奎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 本田奎 六段
名前 本田奎
生年月日 (1997-07-05) 1997年7月5日(27歳)
プロ入り年月日 2018年10月1日(21歳)
棋士番号 315
出身地 神奈川県川崎市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 宮田利男八段
段位 六段
棋士DB 本田奎
2023年5月1日現在
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本田 奎(ほんだ けい、1997年7月5日[1] - )は将棋棋士宮田利男八段門下[1]。棋士番号は315[1]神奈川県川崎市高津区出身[2]

棋歴

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小学校入学前に父親に教わり、将棋を始める[3]。宮田利男が開く将棋道場「三軒茶屋将棋倶楽部」に通い、2009年、小学6年のときに6級で奨励会入会[4]。順調に昇段を重ね17歳で三段リーグ入りしたが、そこから四段昇段まで3年半を要し、途中に同門の弟弟子で幼い頃から研鑽を積んできた1歳下の斎藤明日斗に抜かれる屈辱も味わった[3]。2018年、第63回三段リーグで15勝3敗の成績で四段昇段(同時昇段は山本博志[5]。四段昇段時のインタビューで、斎藤に抜かれたことに関して「それまで王を持っていた相手に、研究会で玉を持つのがつらかった」と語っている[6]

2019年、初参加となった第45期棋王戦にて、予選で永瀬拓矢叡王らを破り、本戦出場が決定。本戦では、佐藤天彦九段・丸山忠久九段・広瀬章人竜王らを破り、無敗で挑戦者決定二番勝負に進出を果たす。1勝で挑戦権を獲得出来る挑戦者決定二番勝負では、敗者復活から勝ち上がってきた佐々木大地五段相手に第2局で勝利し(1勝1敗)、渡辺明棋王への挑戦権を獲得するとともに、タイトル挑戦権獲得時の昇段規定によって、五段に昇段した。

四段昇段後の棋戦初参加でタイトル挑戦は史上初四段昇段後1年4か月でのタイトル挑戦権獲得は歴代2位の記録である(1位は屋敷伸之の四段昇段後1年2か月[注 1][7][8]。また、四段の棋士のタイトル挑戦権獲得は、屋敷・郷田真隆[注 2]に次いで史上3人目[7]順位戦C級2組在籍者のタイトル挑戦は、屋敷・中田宏樹[注 3]・郷田・高見泰地[注 4]に次いで史上5人目でもある。渡辺棋王との第45期棋王戦五番勝負は1勝3敗に終わった。

同様に初参加となった第61期王位戦では、予選で深浦康市九段・増田康宏六段・宮田敦史七段らに勝利し、初参加の王位戦で挑戦者決定リーグ入りを決めた。リーグ戦紅組では1勝4敗に終わり、リーグ残留を果たせなかった。

2023年5月1日、第36期竜王戦4組ランキング戦で池永天志五段に勝利し、竜王戦連続2回昇級の規定により六段に昇段した[9]

棋風

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  • 先手番では相掛かりを得意としており、高い勝率を記録している[10]

人物

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昇段履歴

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昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2009年09月00日 : 6級 = 関東奨励会入会 [1][17]
  • 2015年01月00日 : 三段(第57回奨励会三段リーグ戦〈2015年度前期〉からリーグ参加)[1][18]
  • 2018年10月01日 : 四段(第63回奨励会三段リーグ戦成績1位)[1]
  • 2019年12月27日 : 五段(棋王戦挑戦権獲得、通算37勝15敗)[19][注 5]
  • 2023年05月01日 : 六段(竜王ランキング戦連続2回昇級、通算147勝67敗)[9][注 6]

主な成績

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タイトル戦

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タイトル挑戦
タイトル挑戦 1回(獲得 なし)

将棋大賞

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記録

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  • 棋戦初参加からのタイトル挑戦(四段昇段後、史上初)
    - 第45期棋王戦 (2019年12月27日=挑戦者決定二番勝負第2局)

在籍クラス

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順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[22]
(出典)竜王戦
出典[23]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2018 77 四段昇段前 32 6組 -- 3-1/昇0-1
2019 78 C249 6-4 33 6組 -- 1-1/昇6-0
2020 79 C222 5-5 34 5組 -- 0-1/昇4-1
2021 80 C229 8-2 35 5組 -- 2-1/昇3-0
2022 81 C208 7-3 36 4組 -- 4-1 (2位)
2023 82 C206 5-5 37 3組 -- 3-1 (2位)
2024 83 C221 - 38 2組 -- -
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

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公式棋戦成績(奨励会当時)
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2015年度 2 1 1 0.5000 [24]
2016年度 2 0 2 0.0000 [25]
2017年度 1 0 1 0.0000 [26]
通算 5 1 4 0.2000
2018年10月1日 四段昇段
四段昇段前の成績(棋士通算成績の合算対象外)
公式棋戦成績(四段昇段後)
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典) 通算成績
2018年度 9 7 2 0.7777 [27] 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2019年度 58 37 21 0.6379 [28] 67 44 23
2020年度 47 28 19 0.5957 [29] 114 72 42
2018-2020
(小計)
114 72 42 通算成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典) 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021年度 45 33 12 0.7333 [30] 159 105 54 0.6603 [31]
2022年度 51 39 12 0.7647 [32] 210 144 66 0.6857 [33]
2023年度 42 25 17 0.5952 [34] 252 169 83 0.6706 [35]
2021-2023
(小計)
138 97 41
通算 252 169 83 0.6706 [35]
2023年度まで

非公式戦優勝

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脚注

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注釈

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  1. ^ 屋敷伸之のC級2組在籍中・(当時)史上最年少のタイトル挑戦は第55期棋聖戦(1989年度後期)。
  2. ^ 郷田真隆のC級2組在籍中・四段としてのタイトル挑戦は第60期棋聖戦(1992年度前期)。
  3. ^ 中田宏樹のC級2組在籍中のタイトル挑戦は第32期王位戦(1991年)。
  4. ^ 高見泰地のC級2組在籍中のタイトル挑戦は第4期叡王戦(2019年4月から七番勝負)。
  5. ^ 第45期棋王戦挑戦者決定二番勝負 第2局」(2019年12月27日対局)の棋譜中継コメント(6手目)より、「【本田の公式戦成績】通算成績は36勝15敗(0.706)」[20]が対局前の通算成績で、この対局に勝利し通算成績「37勝15敗」。
  6. ^ 2023年3月31日までの通算成績は「144勝66敗」(「#年度別成績」参照)。2023年4月の対局結果は3局(2勝1敗)[21]なので2023年4月30日時点での通算成績は「146勝67敗」。2023年5月最初の対局に勝利し「通算147勝67敗」。
  7. ^ 第80期順位戦C級2組10回戦・西田拓也五段戦(2022年2月10日対局)対局前時点の通算成績は、同対局の棋譜中継コメント(4手目)より「【本田の公式戦成績】通算成績は99勝52敗(0.656)」[36]、同対局での敗戦により通算「99勝53敗」。次対局の第48期棋王戦・島朗九段戦(2022年2月18日対局)[37]に勝利し「通算100勝53敗」。

出典

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  1. ^ a b c d e f 新四段誕生のお知らせ」『日本将棋連盟』2018年9月2日。
  2. ^ 伊藤さんら川崎市文化賞 本田さんにアゼリア輝賞」『東京新聞 TOKYO Web』2020年9月17日。2020年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  3. ^ a b c 将棋・本田奎新四段誕生 弟弟子・斎藤明日斗四段に先を越され「練習将棋で王将が玉将に変わって悔しかった」」『スポーツ報知』2018年9月2日。2025年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  4. ^ 相崎修司「ついに藤井聡太二冠よりも「若い棋士」が誕生 「少しでも追いつきたいです」 | 観る将棋、読む将棋」『文春オンライン』2020年10月10日。
  5. ^ 第63回奨励会三段リーグ戦 - 日本将棋連盟
  6. ^ 相崎修司「本田奎五段のタイトル初挑戦 師匠は「コツコツというよりは一気に飛躍するタイプ」 | 観る将棋、読む将棋」『文春オンライン』2019年12月29日。
  7. ^ a b 史上初の快挙!初参加の本田奎四段が棋王挑戦権獲得 - 社会」『日刊スポーツ』2019年12月27日。
  8. ^ 本田四段が棋王戦挑戦者に プロ入り2番目のスピード記録」『産経ニュース』2019年12月27日。2023年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  9. ^ a b 本田奎五段が六段に昇段」『日本将棋連盟』2023年5月2日。
  10. ^ 本田奎五段がタイトル戦初白星をあげる 第45期棋王戦五番勝負第2局」『将棋情報局/マイナビ』2020年2月17日。
  11. ^ a b 高津区 市文化賞栄誉に2人 活躍期待、アゼリア輝賞も | 高津区”. タウンニュース (2020年10月2日). 2020年12月18日閲覧。
  12. ^ 将棋・本田奎四段、22歳の超新星「理想はコンピューター。目標とする人はいません」」『スポーツ報知』2019年8月20日。2019年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  13. ^ 斎藤明日斗四段に抜かれたことがつらかった。本田四段が奨励会時代を振り返る【新四段インタビュー 本田奎四段前編】」『日本将棋連盟』2018年12月11日。
  14. ^ 川崎市:2020年度川崎市文化賞・社会功労賞・スポーツ賞・アゼリア輝賞」『川崎市』2020年9月15日。2020年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  15. ^ 本田奎五段と山根ことみ女流二段が入籍」『日本将棋連盟』2023年5月2日。
  16. ^ 本田奎六段と山根ことみ女流二段結婚 電話直撃に「代わりますねっ」」『朝日新聞』2023年5月2日。2023年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  17. ^ 関東奨励会6級以下【2009年4月~2009年9月】」『日本将棋連盟』。
  18. ^ 関東奨励会二段【2014年10月~2015年3月】」『日本将棋連盟』。
  19. ^ 本田奎四段が五段に昇段」『日本将棋連盟』2019年12月28日。
  20. ^ 2019年12月27日 挑戦者決定二番勝負 第2局 佐々木大地五段 対 本田奎四段|第45期棋王戦」『棋王戦中継サイト/日本将棋連盟』2019年12月27日。
  21. ^ 2023年4月の対局結果 - 日本将棋連盟
  22. ^ 名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  23. ^ 竜王戦」『日本将棋連盟』。
  24. ^
  25. ^
  26. ^
  27. ^ 2018年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  28. ^ 2019年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  29. ^ 2020年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  30. ^ 2021年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  31. ^ 通算成績(2022年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2022年4月1日時点のアーカイブ)
  32. ^ 2022年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  33. ^ 通算成績(2023年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2023年4月1日時点のアーカイブ)
  34. ^ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  35. ^ a b 通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)
  36. ^ (Paid subscription required要購読契約)西田拓也五段 - 本田奎五段」『名人戦棋譜速報』2022年2月10日。
  37. ^ 2022年2月の対局結果」『日本将棋連盟』。

外部リンク

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