西尾明
西尾明 七段 | |
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名前 | 西尾明 |
生年月日 | 1979年9月30日(45歳) |
プロ入り年月日 | 2003年4月1日(23歳) |
棋士番号 | 248 |
出身地 | 神奈川県横浜市 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 青野照市九段 |
段位 | 七段 |
棋士DB | 西尾明 |
2019年2月14日現在 |
西尾 明(にしお あきら、1979年9月30日 - )は、将棋棋士。青野照市九段門下。棋士番号は248。神奈川県横浜市出身。
2019年6月より、日本将棋連盟常務理事(メディア担当)[1]。
棋歴
将棋との出会いは3歳のとき。祖父と伯父が指しているのをみてなんとなくルールを覚えた。小学校1年生のときから2歳上の兄と将棋センターに通う[2]。1988年、小学3年生(予選出場は2年生から)のとき、第13回小学生将棋名人戦で準優勝。翌々年の1990年9月から奨励会で指し始め、1999年度前期から三段リーグに参加する。そして、混戦となった2002年度後期三段リーグで11勝7敗という成績で2位となり、四段昇段を果たした。11勝7敗での四段昇段の前例は野月浩貴のみであり、このときは村山慈明・遠山雄亮・佐藤天彦・広瀬章人などが同成績の激戦であったが、順位に恵まれた西尾が昇段となった[3]。
第12期(2004年度)銀河戦で、決勝トーナメントに進出。
第78期(2007年度)棋聖戦で、中原誠、森内俊之(当時名人)らを破り、ベスト8入り。
第24期(2011年度)竜王戦3組準決勝(2011年4月21日)で小林裕士に勝って2組昇級を決め、六段に昇段[4]。
第23期(2015年度)銀河戦では本戦トーナメントで9連勝を達成し、ブロック最多連勝者として決勝トーナメント進出。決勝トーナメントでも三浦弘行を破りベスト8の成績を残した。
また、非公式戦ではあるものの、2014年に開催された将棋電王戦タッグマッチにおいてponanzaとチームを組み、優勝を果たした。
2017年3月2日、第75期順位戦C級2組で9勝1敗の一位となり、C級1組昇級が決まった。
2019年2月13日、規定の成績を挙げたとして、七段に昇段[5]。この日行われた第45期棋王戦予選で藤森哲也に勝ったことによる勝数規定を満たしてのものであるが、この時点で第26期銀河戦の結果(2018年12月25日収録・2019年2月14日放映の田中悠一戦の勝利と、2019年1月17日収録・2019年3月14日放映の宮本広志戦の敗退)[6]が放映されていなかったため、詳細な事由公表はされなかった。発表は14日夕方だった[5]ため、1日遅らせていれば勝数規定と明確に発表できたのであるが、それを待つことなく発表された。
棋風
居飛車党であり、角換わり、横歩取り、矢倉を指すことが多いが、時折、中飛車や相振り飛車も採用する。
攻守にバランスが取れた棋風である。
人物
- 浅野中学校・高等学校卒業[7]、東京工業大学生命理工学部中退。将棋界の東京工業大学出身者には、元女流棋士の藤田麻衣子がいる[8]。
- 2007年、理事に就任した中川大輔の後任として奨励会幹事となった。
- 趣味はギター。大学時代はロック研究会に所属[9]。奨励会時代の仲間などとアマチュアバンド活動を行っており[10]、これが高じて囲碁将棋チャンネルで放映中の「めざせプロ棋士」のオープニング及びエンディングテーマ曲を提供。2016年には電王戦のテーマソング「Transmission」を作曲、提供した[11]。この影響から「世界一将棋が強いギタリスト」の異名も持つ[11]。
- マルチプラティナム・ロックバンドの、トゥール[12]、ジャズピアニスト上原ひろみのファン[9]。
- インターネットに造詣が深く、Ustreamにおいて、将棋界初のタイトル戦中継番組のライブストリーミングを企画し、多くの反響を得た結果、現在のニコニコ動画等による将棋タイトル戦中継の礎を築いた。
- コンピュータ将棋に詳しく、2015年の電王戦FINALでは、将棋連盟側のアドバイザー役をつとめた。この際、2ヶ月間連日10時間以上5台のパソコンを駆使し、外出中もスマホでパソコンを遠隔操作した。
- 好きな雑誌は『ニュートン』『日経サイエンス』[9]。
- 2015年3月20日に結婚[13]。2児の父である[9]。※2019年6月現在
- 2018年9月(秋学期)より、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて「将棋」の授業を担当している。[14][15]初年度のアシスタントは野田澤彩乃。将棋の歴史から実技・実践まで扱う授業となっている。[16]
- 普及活動にも熱心で、地元・横浜市の「横浜西口こども将棋教室」の講師として小学生への指導を行っている[17]。
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 1990年 9月 :6級 = 奨励会入会
- 1995年 :初段
- 2003年:四段 = プロ入り 4月 1日
- 2007年:五段(勝数規定/公式戦100勝) 9月18日
- 2011年:六段(竜王戦2組昇級) 4月21日
- 2019年:七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝) 2月13日
主な成績
在籍クラス
開始 年度 |
順位戦 出典[18]
|
竜王戦 出典[19]
| ||||||||||||||||
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期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2003 | 62 | C244 | 4-6 | 17 | 6組 | 0-1 | 6-0 | |||||||||||
2004 | 63 | C234 | 7-3 | 18 | 5組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2005 | 64 | C208 | 5-5 | 19 | 5組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2006 | 65 | C218 | 5-5 | 20 | 5組 | -- | 4-1 | |||||||||||
2007 | 66 | C215 | 6-4 | 21 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2008 | 67 | C215 | 7-3 | 22 | 4組 | -- | 6-1 | |||||||||||
2009 | 68 | C209 | 5-5 | 23 | 3組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2010 | 69 | C218 | 5-5 | 24 | 3組 | -- | 3-1 | |||||||||||
2011 | 70 | C219 | 5-5 | 25 | 2組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2012 | 71 | C219 | 6-4 | 26 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2013 | 72 | C212 | 4-6 | 27 | 3組 | -- | 3-1 | |||||||||||
2014 | 73 | C231 | 5-5 | 28 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2015 | 74 | C224 | 6-4 | 29 | 3組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2016 | 75 | C216 | 9-1 | 30 | 3組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2017 | 76 | C129 | 5-5 | 31 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2018 | 77 | C119 | 6-4 | 32 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2019 | 78 | C113 | 5-5 | 33 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2020 | 79 | C115 | 6-4 | 34 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2021 | 80 | C111 | 4-6 | 35 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2022 | 81 | C122 | 6-4 | 36 | 4組 | -- | 0-3 | |||||||||||
2023 | 82 | C107 | 5-5 | 37 | 5組 | -- | 4-1 | |||||||||||
2024 | 83 | C115 | 38 | 4組 | -- | |||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
連盟での活動
- 2017年3月30日、正式に「電子機器の取り扱い、対局規定の委員会」の委員に選ばれた旨が、日本将棋連盟から発表された[20]。
- 2019年6月7日、日本将棋連盟常務理事に選出、就任。担当はメディア部である[1]。
著書
- よくわかる角換わり(マイコミ将棋BOOKS)(2011年8月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-3985-3)
- 矢倉△5三銀右戦法 仕掛けて勝つ後手矢倉の革命(2015年10月、マイナビ出版、ISBN 978-4839957360)
- 矢倉の基本 ~駒組みと考え方~ (2017年8月、マイナビ出版、ISBN 978-4839961718)
- 新鋭居飛車実戦集(マイコミ将棋BOOKS)(共著:大平武洋、村中秀史)(2008年5月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-2860-6)
脚注
- ^ a b “日本将棋連盟新役員のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年6月8日閲覧。
- ^ “【夢のつかみ方】プロ棋士・西尾明さん(前編)~進路に迷ったら、自分はなにをしたいのかを優先する~”. こどもまなび☆ラボ. 2020年11月2日閲覧。
- ^ “第32期奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “西尾 明五段と佐藤天彦五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟. (2011年4月22日) 2019年2月14日閲覧。
- ^ a b “西尾明六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟. (2019年2月14日) 2019年2月14日閲覧。
- ^ “銀河戦 | 将棋 | 囲碁・将棋チャンネル”. www.igoshogi.net. 2019年6月8日閲覧。
- ^ 「西尾明 @nishio1979 のツィート」『Twitter』2016年4月16日。オリジナルの2018年6月19日時点におけるアーカイブ。2018年6月19日閲覧。
- ^ 藤田麻衣子は東京工大在学中に将棋を覚え、女流棋士となった。
- ^ a b c d “ギタリスト棋士はなぜ、日本将棋連盟理事になろうと思ったのか―…西尾明七段に聞く”. スポーツ報知 (2019年6月18日). 2020年11月2日閲覧。
- ^ 平成20年度版「将棋年鑑」の棋士名鑑「西尾明」及び「高村優策(指導棋士)」の紹介記事より
- ^ a b “将棋の「第1期電王戦」観戦記が週刊少年ジャンプでまさかの漫画化決定 将棋漫画「ものの歩」の池沢春人さん”. ITmedia (2016年4月1日). 2018年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月19日閲覧。
- ^ 「プロ棋士カラー名鑑2017」 (扶桑社)など
- ^ 『棋士VSソフト電王戦(3) 団結する「個人商店」』日本経済新聞2015年5月6日
- ^ 読売竜王戦【公式】によるツイート - 2019年9月19日閲覧。
- ^ 西尾 明 - 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) 教員プロフィール - 2019年9月20日閲覧。
- ^ 野田澤彩乃 公式ブログ - 2019年9月19日閲覧。
- ^ “横浜西口こども将棋教室”. 横浜西口こども将棋教室. 2020年11月2日閲覧。
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
- ^ “対局規定委員会設置のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟. (2017年3月30日) 2019年2月14日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 西尾明|棋士データベース|日本将棋連盟
- 西尾明 (@nishio1979) - X(旧Twitter)
- 西尾明 (@nishio248) - X(旧Twitter)
- Shogi Openings