小山怜央
小山怜央 四段(2023年4月1日付) | |
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名前 | 小山怜央 |
生年月日 | 1993年7月2日(29歳) |
プロ入り年月日 | 2023年4月1日(29歳) |
出身地 | 岩手県釜石市[1][2] |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 北島忠雄七段 |
段位 | 四段(2023年4月1日付) |
2023年4月1日現在 |
小山 怜央(こやま れお、1993年7月2日 - )は、日本の将棋棋士である。岩手県釜石市出身[1][2]。
2023年2月にプロ編入試験に合格し、2023年4月1日付で日本将棋連盟所属のプロ棋士となることが決定した[1][2]。奨励会を経験することなく、プロ入りする戦後初の棋士となる[1][2]。
棋歴[編集]
2004年と2005年に倉敷王将戦高学年の部岩手県代表として出場した[3]。
2006年には全国中学生選抜将棋選手権大会で3位入賞した[4]。2008年には中学生将棋名人戦で3位入賞した[5]。奨励会を受験するも不合格となった[6]。
その後はアマチュアとして活動し、2014年に岩手県立大学3年で第70回全日本学生名人戦に優勝[7]、2015年にアマチュア名人戦で優勝した。これにより、奨励会三段編入試験の権利を得て受験(北島忠雄を師匠とした)したが、2勝3敗で不合格に終わった[8]。
その後のアマチュアとしての実績は、2016年アマ王将位優勝[9]、2017年赤旗名人戦優勝[10]、2021年支部名人戦優勝[11]、2022年アマ竜王優勝など。それ以前に準優勝が4度あった[12]。
2021年4月、「将棋に集中したい」との考えからSEとしての所属会社を退社し[13]、2022年3月からオンライン将棋の講師を務めつつアマチュアとして棋戦参加。
2018年12月の第32期竜王戦での勝利から公式戦12局の成績を7勝5敗とした状況で、2022年7月からの第16回朝日杯将棋オープン戦に出場。朝日杯を3連勝すれば棋士編入試験の要件を満たす10勝5敗に到達する状況の中、一次予選1-2回戦を勝ち抜いて準決勝に進出。編入試験要件まで残り1勝とした。
2022年9月13日、第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選6組準決勝での勝利により、公式戦の成績を良い所からみて10勝5敗(勝率6割6分7厘)として「棋士編入試験」の受験資格を得た。奨励会制度導入後、奨励会への入会経験なく棋士編入試験の受験資格を得たのは史上初となる[注釈 1]。9月28日付で棋士編入試験の受験申込が受理された。
棋士編入試験は2022年11月から2023年3月にかけて毎月1局を行う日程(全5局、3勝合格/3敗不合格)が組まれ、第4局までに成績を小山の3勝1敗として棋士編入試験合格となった(2023年4月1日付で四段昇段)。
棋士編入試験と並行して第36期竜王戦6組にアマチュアとして出場し、ランキング戦4回戦に進出(2023年1月31日時点、棋戦継続中)[14]。小山は第34期竜王戦6組ランキング戦において準決勝進出(4勝1敗)という同棋戦アマチュアとしての過去最高成績を挙げたことがある。
棋士編入試験[編集]
対局日 | 棋戦 | 対局相手 / 勝敗 | |||
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2017年 | 12月12日 | 新人王戦 | 三田敏弘 | 三段 | ● |
2018年 | 12月24日 | 竜王戦(32期) | 室岡克彦 | 七段 | ○ |
2019年 | 1月19日 | 竜王戦 | 長谷部浩平 | 四段 | ● |
6月29日 | 朝日杯(13回) | 杉本和陽 | 四段 | ● | |
12月14日 | 竜王戦(33期) | 大平武洋 | 六段 | ○ | |
2020年 | 1月25日 | 竜王戦 | 松本佳介 | 六段 | ● |
11月29日 | 竜王戦(34期) | 泉正樹 | 八段 | ○ | |
12月29日 | 竜王戦 | 門倉啓太 | 五段 | ○ | |
2021年 | 2月14日 | 竜王戦 | 出口若武 | 四段 | ○ |
3月24日 | 竜王戦 | 西山朋佳 | 女流 三冠 |
○ | |
4月28日 | 竜王戦 | 長谷部浩平 | 四段 | ● | |
12月 | 8日竜王戦(35期) | 加藤桃子 | 清麗 | ○ | |
12月27日 | 竜王戦 | 大平武洋 | 六段 | ● | |
2022年 | 7月 9日 | 朝日杯(16回) | 岡部怜央 | 四段 | ○ |
8月 6日 | 朝日杯 | 戸辺誠 | 七段 | ○ | |
9月13日 | 朝日杯 | 中川大輔 | 八段 | ○ | |
( 10勝5敗 / 勝率0.6667 ) |
2022年9月29日、日本将棋連盟が棋士編入試験の日程を発表した[15]。試験概要は以下の通り。
- 棋士番号の大きい(プロ入りから日の浅い)5人の棋士を試験官として11月から毎月1局行なう。
- 3勝した時点で合格、4月1日もしくは10月1日付けで四段となりフリークラス編入資格を得る。3敗した時点で不合格となる。
- 持ち時間は3時間(午前10時開始)。1局目に振り駒、以下5局まで先後交代。
試験官 (棋士番号) | 試験日程 | 会場 | 先後 | 結果 | ||
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第1局 | 徳田拳士 四段 (332) | 2022年11月28日(月) | 関西将棋会館 | 後 | 小山勝ち(166手) | [16] |
第2局 | 岡部怜央 四段 (331) | 2022年12月12日(月) | 将棋会館 | 先 | 小山勝ち(111手) | [17] |
第3局 | 狩山幹生 四段 (330) | 2023年 | 1月20日(月)関西将棋会館 | 後 | 小山負け(165手) | [18] |
第4局 | 横山友紀 四段 (329) | 2023年 | 2月13日(月)関西将棋会館 | 先 | 小山勝ち(133手) 棋士編入試験 合格 |
[19] [20] |
第5局 | 高田明浩 四段 (328) | 2023年 3月 |
関西将棋会館 | 後 | (実施せず) |
人物[編集]
岩手県出身者として初の将棋プロ棋士である[1]。
昇段履歴[編集]
昇段規定は、将棋の段級を参照。
- 2023年 4月 1日 = 四段(昇段時29歳)
主な成績[編集]
在籍クラス[編集]
竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラスを参照。
開始 年度 |
順位戦 | 竜王戦 | ||||||||||||||
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期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | F | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | |||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||
2016 | 30 | 6組アマ | ||||||||||||||
2017 | 31 | (不参加) | ||||||||||||||
2018 | 32 | 6組アマ | ||||||||||||||
2019 | 33 | 6組アマ | ||||||||||||||
2020 | 34 | 6組アマ | ||||||||||||||
2021 | 35 | 6組アマ | ||||||||||||||
2022 | 81 | 昇段前 | 36 | 6組アマ | ||||||||||||
2023 | 82 | F編 | 37 | (開始前) | ||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。順位戦の X(数字) はクラス内順位。 順位戦の「F」はフリークラス (F編:フリークラス編入 / F宣:宣言による転出) 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 四段昇段(2023年4月1日付)以前はアマチュアとして竜王戦出場(公式通算記録から除く) |
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f “将棋の小山怜央アマ、プロ編入試験に合格 奨励会経験なしで初”. 毎日新聞 (mainichi.jp). 毎日新聞社 (2023年2月13日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ a b c d “将棋 小山怜央さん 「奨励会」経験せずプロ入り権利 戦後初”. NHK NEWS WEB. NHK (2023年2月13日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ 第4回全国小学生「倉敷王将戦」成績表(高学年の部) 倉敷市
- ^ 第27回全国中学生選抜将棋選手権大会日本将棋連盟
- ^ 第33期中学生将棋名人戦日本将棋連盟
- ^ 棋士編入試験受験 最強アマ・小山怜央に聞く 将棋世界2022年12月号
- ^ 大学将棋 歴代優勝者(団体戦・個人戦)一覧 日本将棋連盟
- ^ 奨励会三段リーグ編入試験の結果について 日本将棋連盟 2016年9月3日
- ^ 全国アマチュア王将位大会日本将棋連盟
- ^ しんぶん赤旗全国囲碁・将棋大会日本将棋連盟
- ^ 全国支部将棋対抗戦・個人戦日本将棋連盟
- ^ アマチュア竜王戦日本将棋連盟
- ^ “「辞めるのか?」小山怜央さんに聞いた覚悟 最強アマからプロ棋士へ:朝日新聞デジタル” (2023年2月14日). 2023年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月14日閲覧。
- ^ 2023年4月1日前にランキング戦敗退の場合には規定により昇級者決定戦には進まないが、四段昇段となる2023年4月1日以後まで勝ち進む場合の取り扱いは不明。
- ^ “小山怜央アマ、棋士編入試験受験へ【日程追記あり】”. 日本将棋連盟 (2022年1月27日). 2022年1月27日閲覧。
- ^ “小山怜央アマ、棋士編入試験で白星発進…絶好調の相手破り「いいスタートが切れた」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2022年11月28日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ “将棋のアマ小山怜央さん、プロ入りに王手…棋士編入試験で2連勝「自分でも驚き」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2022年12月12日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ “棋士編入 来月に期待 小山さん父ら釜石で応援”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2023年1月21日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ “小山怜央さん県人初棋士 編入試験合格、奨励会未経験で初”. 岩手日報 (2022年2月13日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月13日閲覧。
- ^ “小山怜央アマが棋士編入試験合格!”. 日本将棋連盟 (2022年2月13日). 2022年2月13日閲覧。