西山朋佳

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 西山朋佳 女王
2014年10月29日 第4期リコー杯女流王座戦五番勝負第1局 対局終了後の西山朋佳二段。
名前 西山朋佳
生年月日 (1995-06-27) 1995年6月27日(23歳)
棋士番号奨励会員)
出身地 大阪府大阪狭山市
師匠 伊藤博文七段
在位中タイトル 女王
段位 三段
戦績
タイトル獲得合計 1期
女王1期
2018年5月24日現在

西山 朋佳(にしやま ともか、1995年6月27日 - )は、日本将棋連盟所属の奨励会員。伊藤博文七段門下[1]大阪府大阪狭山市出身[1]慶應義塾大学環境情報学部在学中(休学中、2018年5月現在)。

棋歴[編集]

父と姉(3学年上)の影響で将棋を始め[2]、5歳の時から将棋教室に通った[3]。子供の頃から、男性と将棋を指すことが多かったという[2]。中学2年の時に研修会の入会試験を受け、8連勝と好成績を挙げたことで奨励会入りを意識した[2]

2009年、全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部で優勝[4]

2010年3月7日[5]、中学2年で関西奨励会に入会(6級)[1]

2011年5月、里見香奈女流三冠(当時)の奨励会1級編入試験の対局相手となり、4級であった西山は香落ちの手合いで敗れた[6]

2014年9月、現行制度では女性として2人目・最年少の18歳7か月で初段に昇段[7]。同年9月、女性として2人目・最年少の19歳2カ月で二段に昇段[5]

2015年12月、女性として2人目・最年少の20歳5か月で三段に昇段[8]三段リーグには第59回(2016年度前期)から参加している[8]。三段リーグで勝ち越しの成績を挙げたことのある、史上唯一の女性である(2017年10月現在)[9]

奨励会で修業する一方で女流棋戦にも参加し[注釈 1]、2014年、第4期女流王座戦五番勝負[注釈 2]でタイトル戦に初登場したが、加藤桃子女王に3連敗して敗退[12][13]2018年5月24日、第11期マイナビ女子オープン五番勝負第4局で加藤桃子女王に勝ち、3勝1敗でシリーズを制して初タイトル「女王」を獲得[14]女流棋士ではない奨励会員の女流タイトル獲得は加藤に続き2人目となる[15]

棋風[編集]

振飛車党[16]ゴキゲン中飛車三間飛車が得意戦法で、軽いさばき、力強い攻めを特徴とする[17]

序中盤で不利になっても、終盤力で逆転勝ちする「怪力」で知られる[18]観戦記者の津野章二は、女性とはとても思えない豪快な将棋を指す、と評する[19]

鈴木大介によると、「強かった頃の鈴木大介に似ている」と将棋界で評されている[18]

女流棋戦では持ち時間をほとんど使わない傾向であったが、2017年度に行われた第11期マイナビ女子オープン本戦(西山は本戦シード)では、持ち時間をきっちり使う傾向に変化した[12]。また、主にネット将棋の実戦を重ねることで腕を磨いていた西山は、初タイトル「女王」を獲得する前年の2017年から男性棋士と研究会を行うようになり、練習対局の後の感想戦で男性棋士から様々な指摘を受けることで、将棋観が変わったという[20]

初タイトル「女王」を獲得した第11期マイナビ女子オープン五番勝負の第2局(西山が勝利)で西山が指した、加藤桃子女王に飛車をタダで取らせると同時にを作らせる一手「△4五同桂」(36手目[21])は将棋界に衝撃を与えた[18]。田名後健吾(『将棋世界』編集長)は「誰もが考えもしない強手」と記した[22]

大崎善生(元・『将棋世界』編集長)は「常識を覆す一手」と絶賛し、棋士たちの評を下記のように伝える[18]

振り飛車側が指したここ2、3年で最強の一手。 — 鈴木大介[18]
〔棋士が〕100人いて思いつくのは3人、実際に指せる人は1人でしょう。 — 某棋士。〔〕内は引用者が補完、[18]

人物[編集]

昇段履歴[編集]

主な成績[編集]

獲得タイトル[編集]

将棋の女流タイトル在位者一覧も参照。

タイトル挑戦[編集]

挑戦回数2回 獲得1回

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2011年5月27日日本将棋連盟が「女性の奨励会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である」と発表し[10]、その結果、女性奨励会員がマイナビ女子オープン女流王座戦に出場できるようになった。
  2. ^ 里見香奈第3期女流王座の休場・タイトル返上により、決勝戦まで勝ち上がった加藤桃子女王と西山(初段)が五番勝負を行い、勝者が第4期女流王座となった[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 2018年5月24日 五番勝負第4局 加藤桃子女王 対 西山朋佳奨励会三段|第11期マイナビ女子オープン 2手目棋譜コメント”. マイナビ出版. 2018年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月24日閲覧。
  2. ^ a b c d 男女差なく勝負の道を プロ棋士目指す西山朋佳さん」『』、2014年2月23日。2018年5月25日閲覧。, オリジナルの2018-5-25時点によるアーカイブ。
  3. ^ a b c d “22歳のアナログ女王・西山朋佳三段、夢追う「初の女性棋士」への挑戦” (日本語). スポーツ報知. (2018年6月5日). オリジナルの2018年6月5日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180605120015/http://www.hochi.co.jp/entertainment/20180603-OHT1T50193.html 2018年6月5日閲覧。 
  4. ^ 平成30年版 将棋年鑑 p.630
  5. ^ a b c d 西山朋佳奨励会初段が二段に昇段」『日本将棋連盟』、2014年9月22日。2018年5月24日閲覧。, オリジナルの2018-5-24時点によるアーカイブ。
  6. ^ 里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格」『日本将棋連盟』、2011年5月21日。2018年5月25日閲覧。, オリジナルの2018-5-25時点によるアーカイブ。
  7. ^ a b “【将棋】西山朋佳さん、最年少18歳で初段に 女性2人目” (日本語). 産経新聞. (2014年3月25日). オリジナルの2018年5月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180524123045/https://www.sankei.com/west/news/140125/wst1401250013-n1.html 2018年5月24日閲覧。 
  8. ^ a b c d 西山朋佳奨励会員、奨励会三段に」『日本将棋連盟』、2015年12月7日。2018年5月24日閲覧。, オリジナルの2018-5-24時点によるアーカイブ。
  9. ^ 【午後のつぶやき 大崎善生】将棋の三段リーグ、女性棋士も挑戦中(1/2ページ)”. 産経新聞 (2017年10月28日). 2018年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月24日閲覧。
  10. ^ 「奨励会と女流棋士の重籍に関する件」について」『日本将棋連盟』、2011年5月27日。2018年5月25日閲覧。, オリジナルの2018-2-25時点によるアーカイブ。
  11. ^ “将棋の里見女流王座、タイトル返上 年内の公式戦休場” (日本語). 日本経済新聞. (2014年8月29日). オリジナルの2018年5月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180524131426/https://www.nikkei.com/article/DGXLASFG29H11_Z20C14A8000000/ 2018年5月24日閲覧。 
  12. ^ a b 弾丸娘からの変貌!? 西山朋佳奨励会三段(第11期マイナビ女子オープン挑戦者)” (日本語). 将棋情報局. マイナビ出版. 2018年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月24日閲覧。
  13. ^ a b “西山朋佳三段が新女王に 将棋・マイナビ女子オープン” (日本語). 朝日新聞. (2018年5月24日). オリジナルの2018年5月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180524122245/https://www.asahi.com/articles/ASL5S5WGLL5SUCVL023.html 2018年5月24日閲覧。 
  14. ^ 西山朋佳奨励会三段が加藤桃子女王を破り3勝1敗で初タイトルの女王獲得 第11期マイナビ女子オープン五番勝負第4局」『日本将棋連盟』、2018年5月24日。2018年5月25日閲覧。, オリジナルの2018-5-25時点によるアーカイブ。
  15. ^ 【将棋】奨励会の西山朋佳が初タイトル マイナビ女子”. 産経新聞 (2018年5月24日). 2018年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月24日閲覧。
  16. ^ “前夜祭(8)(リコー杯女流王座戦中継ブログ 第4期五番勝負第1局)”. 日本将棋連盟. (2014年10月29日). オリジナルの2018年6月5日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180605174818/http://kifulog.shogi.or.jp/joryu_ouza/2014/10/post-381a.html 2018年6月5日閲覧。 
  17. ^ 2018年8月21日 本戦トーナメント 西山朋佳女王 対 伊藤沙恵女流二段 第8期リコー杯女流王座戦-11手目棋譜コメント”. リコー杯女流王座戦棋譜中継. 日本将棋連盟. 2018年8月26日閲覧。
  18. ^ a b c d e f “西山朋佳新女王 驚異の一手(大崎善生)” (日本語). 産経新聞. (2018年6月2日). オリジナルの2018年6月5日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180605160918/https://www.sankei.com/west/news/180602/wst1806020005-n1.html 2018年6月5日閲覧。 
  19. ^ 津野 2017, pp. 86-88, 第4章-天才登場
  20. ^ “22歳のアナログ女王・西山朋佳三段、夢追う「初の女性棋士」への挑戦” (日本語). スポーツ報知. (2018年6月5日). オリジナルの2018年8月28日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180828131744/https://www.hochi.co.jp/entertainment/20180603-OHT1T50193.html 2018年8月28日閲覧。 
  21. ^ 西山挑戦者が驚きの順 | マイナビブックス” (日本語). マイナビ出版. 2018年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月5日閲覧。
  22. ^ 田名後健吾「第11期マイナビ女子オープン五番勝負第2局 鮮烈な踏み込み」、『将棋世界』(2018年7月号)、日本将棋連盟 pp. 126-129
  23. ^ a b 西山静佳|プロ棋士|一般財団法人関西棋院”. 関西棋院. 2018年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月24日閲覧。
  24. ^ a b c 室谷由紀「リレー自戦記 プロの思考 室谷由紀女流二段 第9期マイナビ女子オープン準決勝 VS 清水市代女流六段」、『将棋世界』(2016年5月号)、日本将棋連盟 pp. 124-129
  25. ^ 記者会見(第9期マイナビ女子オープン挑戦者決定)” (日本語). マイナビ出版 (2016年3月2日). 2018年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月8日閲覧。

参考文献[編集]

  • 津江章二 『藤井聡太 名人をこす少年』 日本文芸社、2017年。