所司和晴
所司和晴 七段 | |
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名前 | 所司和晴 |
生年月日 | 1961年10月23日(61歳) |
プロ入り年月日 | 1985年6月27日(23歳) |
棋士番号 | 172 |
出身地 | 東京都江東区 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 平野広吉七段 |
弟子 | 松尾歩、渡辺明、宮田敦史、石田直裕、石井健太郎、近藤誠也、大橋貴洸、上川香織、伊奈川愛菓、渡辺弥生、礒谷真帆 |
段位 | 七段 |
棋士DB | 所司和晴 |
順位戦クラス | フリークラス |
2021年9月14日現在 |
所司 和晴(しょし かずはる、1961年10月23日 - )は、将棋棋士。平野広吉七段門下。棋士番号は172。東京都江東区出身、千葉県育ち。千葉県立船橋旭高等学校卒[1]。「所司一門将棋センター」等を運営する株式会社棋創社の代表取締役社長も務める[2]。
棋歴[編集]
1985年度の関東奨励会で9連勝し、四段昇級。第45期C級2組順位戦で9勝1敗となり、3位でC級1組に昇級。C級1組には15期在籍した。
2010年4月、第68期C級2組順位戦で降級点2となり、フリークラス宣言した[3]。2010年に現役勤続25年表彰。
棋風[編集]
- 格別、これといった特徴はなく、柔軟な指しまわしで大抵の戦法や囲いにも対応する。
- 平手から駒落ちまで様々な定跡を研究しており、著作が多いことから「定跡伝道師」と呼ばれている。特に「東大将棋ブックス」シリーズが有名。
- 詰将棋に対しては懐疑的であり、「宗看・看寿の詰将棋さえ解けば最低でもプロ四段になれる」という米長邦雄永世棋聖の持論を、全面否定したことがある[4]。
人物[編集]
- 2005年に日本将棋連盟の理事選挙に立候補したが、同年5月の棋士総会における投開票の結果、落選した。
- mixiに本名で登録し、タイトル戦などの情報を発信している。ファン等のマイミクシィも気軽に受け付ける。
- 東京アマチュア将棋連盟の顧問を務めている。
- 前述の通り、「所司一門将棋センター」等の運営を行う株式会社棋創社を設立し、自ら社長を務めている。なお同社は、2019年9月にトリプルアイズが全株式を取得し、同社の子会社となっている[2]。
- 2017年1月4日、煙草の火が原因で自宅が全焼したが、病院に搬送された本人および家族には、さいわい命に別状はなかった[5]。退院後には、ブログで軽症だったこと等の報告と心配を掛けたことへの謝罪を行った[6]。
世界の将棋類[編集]
- 将棋類に詳しく、将棋・チェス・シャンチー(中国象棋)・チャンギ(韓国将棋)・マークルック(タイ将棋)の5種類を同時に指す「異種5面指し」が可能[7]。
- シャンチーでは日本の第一人者。国際的には「所司和晴」の中国語読み「スオスー・ホーチン(拼音:Suǒsī Héqíng)」の名でも知られている。1999年に世界シャンチー選手権「ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ(NCV)」部門で優勝し、棋聯大師(フェデレーションマスター・FM)の称号を獲得した。ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門の優勝は通算5回(1999年、2003年、2007年、2015年、2019年)。2009年は3大会に参加し、中国江蘇省淮安市で開催された「“韓信杯”シャンチー国際名人戦」で世界選手権4位に入賞経験のある趙汝権(中国香港、特級国際大師)から勝ち星を上げた。また、各国1位選手(上位2カ国と開催国のみ2人)が出場するアジア選手権(個人戦)は2勝2敗3引き分けで18人中9位(自己ベスト)。 OCAの第3回アジアインドアゲームズ(ベトナム・ハノイ)は男子団体戦(3人制)に日本代表で参加し6位(中国チームの王斌(男子個人快速戦優勝)と引き分け)。 2010年アジア競技大会に日本代表として出場し、1勝4敗2分の17位に終わった。2018年、グローバルペアシャンチートーナメント優勝[8]。
- チャンギでも、2009年に中国ハルビン市で韓国将棋協会(大韓チャンギ協会)が開催した第1回世界人チャンギ大会およびフォーラムに日本選手の1人として出場した。ベスト32の本戦トーナメント1回戦で敗退[9]。2016年の第2回大会には出場せず。
趣味・嗜好[編集]
- インベーダーゲーム以来、アーケード・家庭用・ソーシャル問わず、ゲームに精通している。近年は、魔法を獲得した主人公がモンスターと闘うバトルアクションゲーム「ソウル・サクリファイス」をやり込んでいる。「ソウル・サクリファイス デルタ」のネットCMにも登場した[10]。
- 器械体操とりわけマット運動が得手で、若い頃は「後方転回」を得意とした。
弟子[編集]
- 棋士になった弟子は7名、女流棋士になった弟子は4名。中国在住で外国人初の奨励会員[11]となった張鑫(ツァンシン)[12]など所司門下の奨励会員も多いため、同じく弟子の多い森信雄と並べて「平成の名門」あるいは「東の所司、西の森」と呼ばれる。
棋士[編集]
名前 | 四段昇段日 | 段位、主な活躍 |
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松尾歩 | 1999年4月1日 | 八段、棋戦優勝1回 |
渡辺明 | 2000年4月1日 | 九段、竜王11期、名人3期、王座1期、棋王10期、王将5期、棋聖1期、棋戦優勝11回 |
宮田敦史 | 2001年10月1日 | 七段 |
石田直裕 | 2012年10月1日 | 五段、棋戦優勝1回 |
石井健太郎 | 2013年10月1日 | 六段 |
近藤誠也 | 2015年10月1日 | 七段 |
大橋貴洸 | 2016年10月1日 | 七段、棋戦優勝2回 |
(2023年2月8日現在)
女流棋士[編集]
名前 | 女流2級昇級日 | 段位、主な活躍 |
---|---|---|
上川香織 | 1999年4月1日 | 女流二段 |
伊奈川愛菓 | 2006年10月1日 | 女流二段 |
渡辺弥生 | 2009年4月1日 | 女流二段 |
礒谷真帆 | 2018年11月1日 | 女流初段 |
(2022年3月20日現在)
昇段履歴[編集]
昇段規定は、将棋の段級 を参照(ただし、四段昇段は旧規定)。
- 1978年 6級 = 奨励会入会
- 1980年 初段
- 1985年6月27日 四段 = プロ入り
- 1987年4月1日 五段(順位戦C級1組昇級)
- 1992年10月29日 六段(勝数規定)
- 2005年4月27日 七段(勝数規定)
主な成績[編集]
在籍クラス[編集]
竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。
著作・監修[編集]
書籍[編集]
- シャンチー(中国将棋)入門(1996年11月、河出書房新社、ISBN 4-309-26296-1)
- 駒落ち定跡 決定版 八枚落ちから香落ちまで(2000年3月、日本将棋連盟、ISBN 4-8197-0209-2)
- 東大将棋ブックス四間飛車道場(全16巻、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-0575-4 ほか)
- 二枚落ち裏定跡(2005年9月、日本将棋連盟、ISBN 4-8197-0381-1)
- 将棋定跡最先端 居飛車編(2005年12月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-1948-8)
- 仕掛け大全 四間飛車編・振り飛車編・居飛車編(2006〜2007年、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-2156-3 ほか)
ほか多数
ゲーム監修[編集]
参照[編集]
- ^ JOC チェス/チェス・シャンチー
- ^ a b 弊社の株式譲渡につきまして - 棋創社・2019年9月6日
- ^ “2010年度からのフリークラス転出者|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ 週刊将棋「宗看、看寿でプロになれるか」(2004.11.10)
- ^ “将棋棋士・所司七段の自宅が全焼 千葉・船橋”. 朝日新聞デジタル (2017年1月5日). 2021年8月22日閲覧。
- ^ 所司和晴 (2017年1月7日). “『私の自宅が火災で全焼』”. 所司和晴ブログ. 2021年8月22日閲覧。
- ^ 所司七段ブログ 2008年8月15日
- ^ “所司和晴七段、グローバルペアシャンチートーナメントで優勝|イベント|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年11月3日閲覧。
- ^ 日本将棋連盟
- ^ ファミ通.com「SOUL SACRIFICE DELTA(ソウル・サクリファイス デルタ)特設サイト」(2014.1.27)
- ^ “奨励会の例会 張さんが参加 海外から初”. 朝日新聞. (2011年3月10日) 2018年2月17日閲覧。
- ^ Kifu for Windows (Pro) V6.60 棋譜ファイル