鉄道シミュレーター
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鉄道シミュレーター(てつどうシミュレーター、またはトレインシミュレーター)は、鉄道に関する事象をコンピューター上でシミュレーションするシステム、またはそれを用いた装置である。実写映像やコンピューターグラフィックスを用いて沿線の風景を仮想空間上に映し出し、車両の運転操作、列車の運行をはじめとした様々な要素を再現する。
本稿では教育訓練、研究開発などに使用される業務用シミュレーターと、娯楽用として用いられるシミュレーションゲームの分野に大別して解説する。
業務用シミュレーター
[編集]業務用シミュレーターには多数の種類があり、主に以下の目的で使用される。
- 乗務員の教育・訓練
- 運転士・車掌の養成や研修を行うためのシミュレーターでは、基本的な訓練に加え、実際の鉄道車両では困難な異常発生時の対処訓練が可能である[1]。運転士向けには運転台を含めた鉄道車両のモックアップ、もしくは運転台のみを模した装置が使用される。車掌シミュレーターでは旅客乗降時の安全確認・ドア開閉操作・車内放送、ならびに異常時の訓練を行う。
- 鉄道車両の研究・開発
- 運行時におけるヒューマンエラー、鉄道車両における快適性・乗り心地などの研究にシミュレーターが用いられている[2]。
- 展示施設での展示・体験
- 鉄道車両の運転を体験できる一般向けの運転シミュレーターが鉄道博物館を中心に設置されている。
シミュレーションゲーム
[編集]シミュレーションゲームの一分野となる鉄道シミュレーションゲーム(Train simulation game)は、鉄道車両を運転する運転シミュレーション(Train Simulator、電車でGO!、Bve trainsimなど)、鉄道会社を経営する経営シミュレーション(A列車で行こうシリーズ、Simutransなど)が主流となっている。その他のジャンルにおいては、3D空間上で列車の走行・風景の作成に特化したRailSim、同様の趣旨で鉄道模型を題材とした鉄道模型シミュレーター(VRM)などの作品が存在する。
運転シミュレーションゲームにおいては、電車でGO!コントローラーやマルチトレインコントローラ、RailDriverなど、運転台を模した専用コントローラーも用意されている。
主な作品
[編集]運転シミュレーション
- Train Simulator(音楽館) / JR東日本トレインシミュレータ(販売:音楽館・JR東日本。1995年 - )[3]
- 電車でGO!シリーズ (販売:タイトー。1996年 - )
- Railfan(販売:音楽館・タイトー。2006年)
- Bve trainsim (開発:mackoy。フリーウェア。2000年 - )
- OpenBVE (開発:オープンソース。フリーウェア。2009年 - )
- Microsoft Train Simulator (販売:マイクロソフト。2001年)
- Trainz (販売:N3V Games。2001年 - )
- Train Simulator(Dovetail Games) / Train sim Worldシリーズ(販売:Dovetail Games。2009年 - )
- Hmmsim(開発:Jeminie。2014年 - )
- 鉄道にっぽん!路線たびシリーズ(販売:ソニックパワード。2014年 - )
- Train Drive ATS(開発:Takahiro Ito。2012年 - )
- TRAIN CREW (販売:acty[溝月レイル]。 2021年 - )
- トレイン趣味シリーズ (フリーウェア。2006年 - )[4]
- 鉄道運転シミュレータ(開発:第一閉塞進行!。2010年 - )[5][6]
- TRAMCITY HAKODATE(販売:TRAMWORKS[サクラダ]。2022年 - )
- SenSim(開発:Studio 134。2016年 - )[7]
- Mechanik (開発:Aleksander Madej,Robert Kowalski フリーウェア。1997年)[8]
- Metro Simulatior (フリーウェア。2010年 - )[9]
- Metro Simulatior(KishMish Games) (販売:KishMish Games。2019年 - )[10]
- Trans-Siberian Railway Simulator(販売: Pentacle。2024年 - )[11]
- Back in Service: a Metro Driver(販売:Dominik Vojta。2025年 - )[12]
- Train Life: A Railway Simulator(販売:Nacon。2022年 - )[13]
経営・輸送シミュレーションほか
- A列車で行こうシリーズ(販売:アートディンク。1985年 - )
- レイルロードタイクーン(販売:マイクロプローズ。1990年 - )
- トランスポートタイクーン(販売:マイクロプローズ。1994年)
- Simutrans (開発:オープンソース。フリーウェア。1999年 - )
- OpenTTD (開発:オープンソース。フリーウェア。2011年 - )
- Transport Feverシリーズ(販売:Urban Games。2014年 - )
- 鉄道模型シミュレーター(販売:アイマジック。1998年 - )
- RailSim(開発: おかづ。オープンソース。フリーウェア。2003年 - )
- Signal Control Simulator(販売:SMOC Projects。2024年 - )[14]
- 箱庭シティ鉄道(販売:カイロソフト。2016年)[15]
脚注
[編集]- ^ 業務用TS - 株式会社音楽館
- ^ 列車運転シミュレータ - 鉄道総合技術研究所
- ^ “JR東日本トレインシミュレータ:JR東日本”. JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社. 2025年2月15日閲覧。
- ^ “電車運転ゲーム・シミュレーター「トレイン趣味」オフィシャルサイト”. kochan-softroom.game.coocan.jp. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “鉄道運転シミュレータのご案内”. sylph.lib.net. 2025年3月15日閲覧。
- ^ “第一閉塞進行!”. 2025年3月15日閲覧。
- ^ “SenSim (センシム) 鉄道シミュレーター”. sensim.info. 2025年3月14日閲覧。
- ^ Aleksander Madej, Robert Kowalski (1999-02-26), Mechanik v0.97c 2025年2月15日閲覧。
- ^ “Version History - MetroSim Wiki”. sim.bemined.nl. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “ロシア地下鉄シム『Metro Simulator』―日本にいる多くの鉄道ファンのために日本語対応した【開発者インタビュー】”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2021年8月16日). 2025年3月14日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “シベリア鉄道を旧式のポンコツ列車で爆走する。「Trans-Siberian Railway Simulator」,最新トレイラーを公開”. 4Gamer.net. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “Steam:Back in Service: a Metro Driver”. store.steampowered.com. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “鉄道運転&会社経営シム『Train Life: A Railway Simulator』―鉄道シムというものに興味がなくても、本作をプレイすればファンになってしまうかも【開発者インタビュー】”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2021年9月12日). 2025年3月14日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “PC版 Signal Control Simulator まとめページ”. 4Gamer.net. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “ゲーム情報 | 箱庭シティ鉄道”. カイロソフト. 2025年3月14日閲覧。