ハックアンドスラッシュ
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ハックアンドスラッシュ(英: hack and slash)とは、全編を通して戦闘体験に主眼を置いたゲームデザインになっており、繰り返し多くの敵を殲滅する行為が目的であり醍醐味でもあるゲームやそのプレイスタイルを指す言葉。元来はテーブルトークRPG(英: tabletop role-playing game)の用語として使われてきた。
歴史[編集]
始まりは1980年代、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのテーブルトークRPGにおいて、重要な目標が無く、モンスターを討伐することのみに専念し、戦闘以外の選択肢や解決方法は持ち合わせていないプレイスタイルを指し、アメリカから輸入された言葉である。
hack(叩き切る)とslash(切り込む)という言葉の複合が示すように、ストーリーや世界観の表現よりも戦闘に勝つ、敵を倒すということを意識しているスタイルに対して使われる言葉であり、物語性や世界観を重視してキャラクターを演技するということに重きをおくプレイヤーから揶揄として使われる場合がある。
コンシューマゲームが普及し、テーブルトークRPGに影響を受けたコンピュータRPGが登場すると、ハックアンドスラッシュという言葉がコンピュータRPGに対しても使われるようになる。コンピュータRPG初期の作品である『ウィザードリィ』や『ダンジョンマスター』は次々に襲いかかる敵を倒し、ダンジョンを探索するというシステムになっており、これらの作品の評価の高さもあって、コンピュータRPGにおけるハックアンドスラッシュとは繰り返し敵と戦うことに重点をおいたシステムの作品であるというように、作品の特徴を表現する言葉としても使われるようになった。
主に英語圏でテーブルトークRPG、コンピュータRPG、アクションゲームに使用される言葉だが、日本でもゲーマーが好んで使用することがある。日本ではハクスラと略して呼ぶことも多い。また、シューティングRPGの中で「ルートシューター」や「ルーターシューター」と呼ばれるLoot(戦利品)の収集を1つの目的とする要素を内包した作品には、ハックアンドスラッシュのように戦闘体験に特化したものも存在する。
主な作品[編集]
コンピュータゲーム[編集]
- RPG
- アクションRPG
- 『Diabloシリーズ』
- 『Sacredシリーズ』
- 『Titan Quest』
- 『Torchlight』
- アクションアドベンチャー
- 『God of War』
- 『Darksiders』
- 『Devil May Cry』
- 『Bayonetta』
- 『真・三國無双』
- 『BLADES of TIME[1]』
- シューティングRPG
ベルリン解釈(Berlin Interpretation[2])で定義されたローグライク(Roguelike)の高価値な要素(high value factor)の1つに、「ハックアンドスラッシュ:多くのモンスターを討伐する事はローグライクにとって非常に重要な要素」とあり、典型的なローグライク作品はハックアンドスラッシュのスタイルを持ち合わせている。
テーブルトークRPG[編集]
脚注[編集]
- ^ “KONAMIの新作「BLADES of TIME」インタビュー。ロシア発の尖ったアクションを日本展開するために,藤井隆之プロデューサーが振った手腕とは”. 4gamer.net (2011年12月19日). 2019年4月22日閲覧。
- ^ “Berlin Interpretation”. RogueBasin. 2019年1月5日閲覧。