パソコンゲーム

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パソコンゲームPCゲーム: PC game)とはパーソナルコンピュータ(PC, パソコン)で動作するコンピュータゲームを指す[1]

世界の状況[編集]

2015年現在、世界ではPCゲームはコンソールゲームを超える市場規模を形成しており[2]、今後もモバイルゲームと並んでコンピュータゲーム市場の成長の牽引役となることが予測されている[3][4]

海外でのPCゲーム市場の歴史は比較的古く、1970年代末期に米国で起こったコンピュータゲームブームが1982年アタリショックで崩壊し、コンソールゲーム市場が壊滅的状態に陥ったことで、多くの企業が倒産していく中、倒産を免れた企業も生き残りのためPCゲームにシフトしたのがその始まりである。この時代の有名タイトルは『ロードランナー』、『スペランカー』などが挙げられる。

1985年に発売されたファミリーコンピュータの海外版、Nintendo Entertainment Systemは大ヒットを収め、完全に崩壊していた米国のコンソールゲーム市場が再興することになったが、この頃、PC/AT互換機の低価格化によって一般家庭にPCが普及したこともあり、コンソールゲーム市場と両立してPCゲーム市場も拡大を続けていった。

その中でも、1993年に発売されたid SoftwareDOOM社会現象となるほどのヒットを記録し、FPSという新たなジャンルを切り拓いた。同時期に誕生した有名なフランチャイズとしては、他に『シムシティ』やThe Elder Scrollsなどがある。

1995年にWindows 95が発売されて以降、PCにおけるゲームといえばWindows/DirectX向けが圧倒的で、1990年代前半までは存在したMS-DOSMacintosh間でのプラットフォームの違いがほぼなくなっている。2014年現在でもMac OS XLinux向けにゲームは開発されているが、大手パブリッシャーから出ているゲームはWindowsからの移植がほとんどで、Windows以外のゲームを中心に手がけるパブリッシャーは非常に少数である[5]

そして、インターネットおよびブロードバンド回線の普及はPCゲームに大きな転換点を与えることになった。PCゲーム配信プラットフォーム、Steamの登場である。 2002年に発表されたSteamは、ゲームのダウンロード販売と配信、著作権管理、自動アップデート、そしてソーシャルネットワーク機能があり[6]、完全なダウンロード販売のためパッケージや説明書の印刷コストや流通コストも掛からず、ゲームの低価格化を促進した。 さらに、Steamの特徴として常に何らかのセールを行い、年に数回の大規模セールでは4,000を超えるタイトルがセール対象となり、AAAタイトルでも-50%や-66%、-75%など高割引率での販売がされる。これは販売コストが非常に低いダウンロード販売ならではの手法であり、セールによって売り上げの向上とさらなる利益をもたらしている[7]

ユーザーにとってはワンストップで様々なゲームを遊ぶことが出来る上に安価で簡便であり、パブリッシャにとっては流通コストの削減や、著作権管理の簡便化、ゲームのアップデートの迅速な適用が可能なため双方から大きな支持を得て急速に普及した。後に、OriginUplayといった競合プラットフォームも登場し、DRMフリーを謳うGOG.comのような競合サービスもあらわれている。

これら、SteamOriginUplayは単なるゲームのダウンロード販売サイトではなくゲーム配信プラットフォームであり、CDキーの入力によって自社ストアからの購入でなくてもゲームをアカウントに追加することが出来る。小売店においても在庫コストが全く掛からないCDキーのみの販売とするメリットは大きく、2014年現在では世界のPCゲーム販売のほとんどがゲーム配信プラットフォームを介したものである[8]。 既に海外ではPCゲームにおけるダウンロード販売のシェアは9割を超えており、パッケージ版においてもゲーム配信プラットフォームによるライセンス認証を必須としているものが殆どである。Amazon.comAmazon Digital Game Store)、Green Man GamingGamersGateといったPCゲームダウンロード販売サイトは前述したように殆どがCDキーのみの販売であり、GameStopのような大規模小売店でもオンラインでCDキーの販売を行っている。

2014年現在、世界的にはPCゲームの市場は拡大し続けており[9][10]、国(ロシア東欧南米)によってはコンソールゲームをしのぐ程の支持を得ている。支持が拡大する理由としてコンソールゲームの値段が高騰してきたことや、PCゲームのソフトが劇的に低価格化したこと(有志の手で開発されたフリーゲームも多数配信されていること)などがある。21世紀では大抵の国においてPCはもはやどの家庭にも複数台が当たり前にある状況であり、改めてコンソールゲームを買う理由が希薄になりつつある。

2010年以降、PC上でしかプレイできないマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ (MOBA) というジャンルの急激な普及とそれを観戦(Twitch)して楽しむ人達の増大が、PCゲームの市場規模拡大を後押ししている[2]

高速インターネットの普及で大容量のPCゲームが短時間(環境によっては数分)でダウンロードし遊べるという手軽さや、通信経由のため中間費用が一切かからないことによる低価格が市場を後押ししている[11]。2014年現在、大型タイトルの新規発売価格はおおむね50ドル前後でコンソールゲームとあまり変わらないが、1年程度経過すると大抵のものはセール時に15ドル前後まで低下し、遅くとも3年経つと通常価格が20ドル前後となりセール時5ドルを割り込むものが多い。いわゆるインディーズゲームでは新規発売時ですら10ドル以下のものが多い。

また、2010年にはPay what you want(支払いたい分だけ支払う)方式によるバンドル販売を行い、収益の一部をチャリティー団体へ寄付するHumble Bundleが設立され、低価格で複数のゲームを入手できるばかりか社会貢献にもなる新たなビジネスモデルとして定着。現在ではIndiegalaBundle StarsIndie Royaleなど複数のバンドル販売サイトが存在する。

日本の状況[編集]

1980年代にはNECシャープをはじめとした多くのPCメーカーより8ビットBASICマシンが発売されていた。記憶媒体、記憶容量、グラフィックの性能をフルに活用したゲームがソフトメーカーにより開発されそのアプリケーションに対する需要も一部ユーザーを通じて高く、PC黎明期から存在したジャンルである。PCゲーム専用の雑誌も当時は発行されており十分な市場を形成していた。

PCが16ビット化されるようになると高い処理能力と美麗な表現能力を効果的に用いるようになった。ホビー向けのPC市場では比較的後発参入であったX68000FM TOWNSといった機種シリーズがゲームに向いた仕様を活かし売り上げを伸ばしていたが、後にビジネスを主戦場として、ゲームに不向きな仕様でも敢えて互換性重視だったNECのPC-9800シリーズがホビー市場においても一人勝ちする状態になっていった。コンソールゲームは数万円程度の価格帯を維持しながら高性能化していく一方、ハード購入に多大な出費を要する(当時で20万円前後)PCを使ったゲームは、コンソールゲームでの扱いがほぼ不可能なアダルトゲームを除いて衰退の一途をたどった。PCゲームに特化したソフトメーカーも撤退するか、コンソールゲーム機でのゲームソフト制作に転向する会社が相次いだ。

1980年代末から1990年代にかけて、PC/AT互換機ホビーパソコンにおいてPCの価格競争・性能競争が継続していたアメリカにおいては、コンソールゲームとPCゲームの住み分けが確立していた。1990年代になって日本国内メーカーも独自アーキテクチャを捨ててDOS/VWindowsを搭載したPCを日本でも販売するようになり、機種の違いでプレイすることが難しかった欧米産PCゲームである洋ゲーが国内メーカーのPCでもプレイできるようになった。

2000年以降も日本では依然としてコンソールゲームが大きな影響力と広範な支持を得ていたため、ゲーム販売の主戦場である10代~20代向けのアクション物のプラットフォームで消費者がPCを選択することはほとんどなく、人気作もPC版は発売されないものが多い。PCの低価格化やインターネットの普及に伴い、2000年代初頭にはオンラインゲーム大国と呼ばれる韓国のゲームが盛んに輸入されたが定着せず、2014年現在の日本ではほぼ消滅した。2000年代中盤まではオンラインゲームといえばPCしかない状態であり、オンラインゲームを楽しむためにPCをゲーム機として使う人が多かった。しかし、2003年頃、欧米市場でXboxインターネットの活用に初めて商業的に成功したことを皮切りに次々とコンソールゲームインターネットに対応したため、日本においてもPCはオンラインゲームでの優位性を失った。

2014年現在、世界的には過去にないほど活況を呈するPCゲームの市場ではあるが、日本ではモバイルゲームの普及や(日本ではコンソールゲーム市場が衰退するほどモバイルゲームの普及が進んでいる)、非英語圏であることなどの理由によりその盛り上がりから完全に取り残されている。近年ではSteamの日本での普及も進み、Steamの総ユーザ数のうち、日本ユーザは4~5%まで増えてはいるが[12]、依然ニッチ市場から脱するには至っていない。

海外におけるPCゲームの普及を受け、近年は日本のゲームタイトルのPCへの移植が進んでいるが、殆どは海外向けの発売であり、日本からはリージョン規制により購入不可能であったり、購入できても日本語はサポートされていないタイトルが多い。中には、日本語リソースが存在することがユーザに発見され、わざわざアップデートで削除するケースもあり、ユーザの不興を買っている。 また、日本国内から購入でき、日本語がサポートされている代わりに国内価格が国内コンソール版と同等の、海外価格比で50%~100%ほど割高なタイトルも一部に見られ、これら一連の購入規制は「おま国」(日本から購入不能)や「おま値」(日本のみ割高価格)「おま語」(日本語を非サポート)と言ったネットスラングで通称される。

拡張性[編集]

コンソールゲームと比較してPCならではの高い拡張性があり、いち早く最新技術に対応し様々なサービスを実現している。ただし、そうした最新技術の恩恵を受けるためにはユーザーの側もそれなりの出費と知識を強いられるため、2014年現在ではディベロッパー側は過度な技術の先取りをほとんど行っていない。

一部のゲームではユーザー自身がゲームの拡張や修正を行い、それを配布することができる「MOD」と呼ばれる機能がある[13]。MODが盛んに作られた代表例はDOOM、『ハーフライフ』、The Elder Scrolls V: Skyrim、『グランド・セフト・オートIV』、Amnesia: The Dark Descentなどがあり、オリジナルの技術を土台としながらも全く異なるゲームに仕上がっているMODも数多い[14]。稀に優れたMODは製品として販売され成功する場合もある。2014年現在のPCゲーム市場で大きな勢力となっているMOBAももともとはMODである。メーカー側も製品の寿命を延ばすためにMODを積極的にサポートする場合が多い。

また、不具合修正やバランス修正などをインターネットを利用することにより、製品のリリース後も迅速に更新することができる(コンソールゲームでもオンラインの修正はあるが、不具合の発見から修正まで時間と手間がかかり、場合によっては開発者に金銭の負担がかかる)。

違法コピー問題[編集]

コンソールゲームでも同様の問題は抱えているが、PC上で動作させることが前提のPCゲームでは海賊版を容易に複製でき、インターネットで違法なアップロードも横行しているため、これが商業性のアキレス腱となっている。より悪質な場合、メーカーの予定する発売日より数日早いフライングで海賊版がアップロードされることもある。

ハードディスクにインストールした後で起動することを前提としているため、ソフトウェア媒体に特別なコピーガードを施す以外に方法がなく、強力なコピーガードを施したソフトも幾度となく登場しているが、発売後数週間でガードが外された海賊版がネット上で出回ることが多く、完全な抑止力として機能していない(個人で制作したオリジナル(インディーズなど)のゲームソフトでも、ライティングソフトによってある程度コピーガードを施せる場合はあるが、セキュリティ上の強度が不十分であり、法的に権利を保護する手段が少ない)。

場合によってはあまりにも複雑なコピーガードを導入するとロードの時間が長くなりすぎたり、コピーガードとディスクドライブとの相性問題が発生して環境によっては正規のソフトでも起動ができないという問題も起こっている。このため、正規のゲームを買った消費者がわざわざ海賊版を手に入れてプレイするという悪循環も起こっている。

コピーガードに次ぐ対策として、アクティベーションによる認証の導入もあり、たとえ元のディスクがコピーされても、ソフトウェアの「シリアル番号」と「インストールされたPCの情報」の組み合わせが認証できなければインストールや起動ができないよう保護することもできるが、PCゲームではあまり普及していない(コンピュータソフトウェア倫理機構に加盟するブランドのアダルトゲームなどで、部分的にしか導入されていない)。主な理由としては、アクティベーショニングを行うサーバー(認証サーバー)の運営に経費がかかりすぎたり、手間がかかりすぎること、ユーザーの手を煩わせてしまうことなどがある。

一方、2014年現在の世界の状況は、この海賊版問題については一応の解決をみており以前ほど深刻な問題とは考えられていない。解決に至った経緯は「PCゲームソフトの劇的な低価格化」と「PCゲームを総合的に管理するプラットフォームの普及」による。正規品の安さ(セール時において数ドル程度)が海賊版を使うリスクに勝ると大多数のユーザーに判断されたことや、Steamなどのプラットフォームの普及により、ハードウェアの構成に依存しないアクティベーションがユーザーとディベロッパー双方の視点から簡便であったことで支持され、海賊版問題はPCゲーム市場においては依然として一定の割合で存在はするが無視できるほどに縮小した。

相性問題[編集]

コンソールゲームではマイナーチェンジなどがあったとしても、基本的に同一機種間の互換性が保障されているためゲームソフトを購入すれば即遊ぶことが可能だが、PCはさまざまなメーカーや機種が存在するため、装着されているハードウェアデバイスドライバOSのバージョンやインストール状態により正常に動作しない問題がある。

PCはコンソールゲームに比べハードウェア構成や規格が完全に統一されていないため、ゲームによっては高性能なグラフィックカードサウンドカード、処理の早いCPUや潤沢なメモリを要求され、数万円単位の追加投資が必要となることがある。PCゲームの表現力の向上(グラフィックの3D化、音声の高音質サラウンド化など)やインターネット対応化によりこの問題がより顕著になってきた(PCのスペック毎に品質を調整するといった対応・対処をしているゲームもある)。この相性の問題をテストするため、体験版ベンチマークで動作の確認を求めるメーカーやウェブサイトもある。

黎明期の主なソフトメーカー[編集]

アダルトゲームブランドは除外している。メーカーの一部は日本コンピュータゲーム協会(JCGA)を結成しており、また自社のソフトをCEROへ審査するよう依頼しているメーカーもある。

脚注[編集]

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  1. ^ PCゲームのお作法”. 2014年6月6日閲覧。
  2. ^ a b かたこり (2014年4月28日). “MOBAとF2Pの台頭著しいPCゲーム市場の売上げが遂にコンソールの市場規模を突破、米調査会社DFC Intelligenceが報告”. doope!. http://doope.jp/2014/0433224.html 2015年6月25日閲覧。 
  3. ^ Yoshihiro Uchiyama (2015年3月4日). “北米PCゲーム業界団体が2019年までのゲーム市場予測を報告―PCゲームは350億ドル規模に成長か”. Game*Spark. http://www.gamespark.jp/article/2015/03/04/55302.html 2015年6月25日閲覧。 
  4. ^ 土本学 (2015年5月21日). “世界のゲーム市場、2018年には約14兆円に・・・中国が今年にも米国を逆転”. インサイド. http://www.inside-games.jp/article/2015/05/21/87813.html 2015年6月25日閲覧。 
  5. ^ Pangea Software等
  6. ^ Steam Surpasses 13 Million Accounts”. 2014年8月21日閲覧。
  7. ^ tobiuo (2011年10月25日). “Gabe Newell氏: セールは必ず利益を生む、海賊行為はサービスの問題”. Game*Spark. http://www.gamespark.jp/article/2011/10/25/30356.html 2015年6月25日閲覧。 
  8. ^ The Master of Online Mayhem”. 2014年8月21日閲覧。
  9. ^ AMD、新世代GPU「Radeon R9/R7」シリーズを発表 ~新しいプログラミングモデル“Mantle”を導入へ”. 2013年10月23日閲覧。
  10. ^ PC向けゲーミングハードウェア市場はコンソールハードウェアの倍に及ぶ215億ドル規模、JPRが興味深い調査結果を発表”. 2014年7月19日閲覧。
  11. ^ 奥谷海人のAccess Accepted / 第277回:ダウンロード販売がついに“主流”に”. 2013年10月23日閲覧。
  12. ^ 小西利明 (2015年3月11日). “ゲームPC「GALLERIA」に「Steam」クライアントソフトが標準でプリインストールされることに”. 4Gamer.net. http://www.4gamer.net/games/029/G002975/20150311081/ 2015年6月25日閲覧。 
  13. ^ PCゲームを彩るMOD文化について知っておきたいこと ゲームあるところにMODあり。面白いものはコミュニティで作られる!”. 2014年6月6日閲覧。
  14. ^ 特にカウンターストライクは、シングルプレー専用であったハーフライフというゲームそのものを変えてしまったMODとして、今でも「奇跡の1品」や「MODのありかたを変えた1品」という言われ方をする。

関連項目[編集]