パソコンゲーム

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パソコンゲームPCゲーム: PC game)はパーソナルコンピュータで動作するコンピュータゲームである。

歴史[編集]

前史

この世にパーソナルコンピュータが登場する前、つまりこの世に大型コンピュータミニコンしかなかった時代から、エンジニアたちや大学院生たちはゲームソフトを制作して遊んでいた。→ゲームソフト#歴史を参照のこと。

黎明期のパーソナルコンピュータ用のゲームソフト[編集]

1975年に「史上初の市販のパーソナルコンピュータ」とされるAltair 8800が登場し、1970年代後半に次々とパーソナルコンピュータの新しい機種が登場してくるとゲームソフトの数も急激に増えてゆくことになった。一例を挙げると1976年にはウォズニアックスティーブ・ジョブズApple Iを、翌1977年にはApple IIを発売し、そのApple II用に次々とゲームソフトが制作されてゆくことになり、最初はAppleIIの開発者のウォズニアックが書いたBreak Outつまりブロックくずしなど数本だけであったが、その後はさまざまな組織が制作・発売することになり、1978年には17本前後、1979年には21本前後、1980年には25本前後といった調子で制作されていったのである(→en:List of Apple II gamesを参照)。また1977年にはコモドール社がCommodore PETというパーソナルコンピュータを発売し、そのPET用にも多くのゲームソフトが制作されていった(→en:List of Commodore PET gamesを参照)。AppleIIやPET用のゲームソフトの供給の形としては、カセットテープ(オーディオ用のカセットテープをデータ記録用に用いるデータレコーダでデータの書き込み、読み出しを行うもの)、フロッピーディスク、雑誌の誌面の文字などであった。

また1976年に日本でNECから発売されたTK-80という8080互換CPUのトレーニング用ボードでも、表示装置は8桁の7セグメントLEDしかなかったにもかかわらず、当時のコンピュータ・マニア(マイコン愛好家)たちはそんな表示装置だけでも遊べるゲームソフトをさっそく16進数機械語で書き始めた。さらに1977年11月にTK-80BSという拡張キットが発売されテレビ画面に表示ができBASICも動くようになると、マニアたちは文字キャラクタ(文字フォント)を画面に表示することで簡素な図を表現して遊べるゲームを次々と制作、まもなくドットつまり画面上の黒くて小さな点単位で表示を制御してゲームを制作することも行い始め、1978年に世の中でスペースインベーダーが流行り始めるとマニアたちはまもなくそれの動作原理も解析し、機械語+BASICなどでプログラムを書きTK-80BSに移植した。1978年にはシャープからMZ-80Kが発売され、同機用のゲームをマニアたちや企業などが制作し、誌面の印刷文字などで供給され一文字づつ入力したり、カセットテープの形で供給でされたりした。ゲームソフトウェアを文字入力する場合、それがどのようにユーザに届けられていたかというと、1976年には『I/O』というマイコン雑誌が創刊され、そこにコンピュータゲームのプログラムがBASICや16進数の機械語で書かれた状態で紙面に印刷され、マニアたちがそれを、一文字一文字、手で入力して遊ぶなどということがさかんに行われるようになっていたのである。1982年5月には日本ソフトバンク社(現・ソフトバンクグループ)からゲームソフトのソースプログラムも掲載した(号によっては大量のダンプリストも掲載した)雑誌『Oh!MZ』が創刊(6月号)となった。

PC8001、PC8800、PC9800の時代の到来[編集]

1979年にNECからPC-8001シリーズが発売されると、当然のように、パソコン愛好家たちは、ゲームの制作・ソースコードの打ち込み・購入・プレイなどに熱中した。

もちろんスペースインベーダーギャラクシアンムーンクレスタも移植されたし、ゼビウスも移植された。マージャンソフト複数本、制作された。

特筆すべきことに、このPC-8001用に『信長の野望』の初版(初代)も開発・販売された

Category:PC-8001用ゲームソフト

1981年にPC-8800シリーズが開発されると、当然のように、パソコン愛好家たちは、ゲームの制作・ソースコードの打ち込み・購入・プレイなどに熱中した。

Category:PC-8800用ゲームソフト
英語圏のみで発売されて日本では販売されなかったソフトも多いのでen:List of PC-88 gamesも参照のこと。

1982年に日本電気(NEC)がPC-9800シリーズを発売すると、パソコンの愛好家たちは、当然のように、ゲームソフトの制作・コードの打ち込み・購入・プレイなどに熱中した。

以下の一覧も参照のこと

PC-9800シリーズのゲームタイトル一覧
Category:PC-9800シリーズ用ゲームソフト
英語圏でのみ発売され日本では販売されなかったソフトも多いので)en:List of PC-98 gamesも参照のこと。

シャープX68000の登場[編集]

1987年にシャープからX68000が発売されるとじきに、コアなゲーマーたちは熱狂しはじめた。MPUとして、それまで日本のパソコンでは使われていなかったモトローラのMC68000(Macintoshに搭載されていたもの)が搭載されていたこともあるが、なによりも当時としては大容量を誇るVRAMと強力なグラフィックコントローラ群によって実現された65,536色の多色グラフィックとスプライト機能、FM音源8チャンネル+ADPCM1チャンネル、1MBのメインメモリ(最大12MB)などの周辺回路により、総合的に競合製品を凌駕するホビーマシンとしての性能を備えていたからである。このX68000はゲームクリエイターを育成するための専門学校の実習機としても採用された

このようにして、このX68000向けに多数の良質なパソコンゲームが開発された。

Category:X68000用ゲームソフトも参照のこと。

MS-DOS時代[編集]

パソコンは、パソコン愛好家たちによって、常にゲーム目的で使用されていた。

ネット対戦機能を搭載したゲームも発売されていた。ネット対戦はパソコンマニアの間で頻繁に行われていた。非公式にLANパーティーなども開催された。

この時代の代表的なパソコンゲームにはDOOMDuke Nukem 3DDESCENTMechWarrior 2MYSTニード・フォー・スピードレミングスなどがある。何れも初版はCPUのみでレンダリングを行っていた。画面解像度は640x480や800x600程度で、フレームレートも少なく、生ポリゴンの使用も多く、テクスチャマッピングは行われていても粗かった。高品質な描画でもフラットシェーディングの採用が多かった。

1990年代前半のアーケードゲーム基盤はメーカーの独自開発により複数のCPUや3Dアクセラレータが搭載可能になっていたため、当時のCGワークステーションに匹敵するような高品質な3Dを描画できた。アーケードゲームの流れを受け、パソコンゲームでも高品質なグラフィックを実現することを目標に3Dアクセラレータの開発が行われた。

3DアクセラレータとWindows95の登場以降[編集]

1995年、安価にパソコン用の3Dアクセラレータチップを作れるようになり、NVIDIANV1ATiの3D Rage,MatroxMystiqueS3 GraphicsのViRGE,RenditionのVérité V1000などが一斉に登場した。1996年には、一世を風靡した3dfxのVoodoo Graphicsや、影は薄かったもののNECPowerVR PCX1も登場した。この出来事によって、初めてパソコンゲームでハードウェア支援による高速な3D機能が利用可能となった。但し、技術の限界から限定的な描画プロセスしか扱えないため、透視変換やライティングなどの複雑なジオメトリ計算はCPUに一任されており、まだGPUとは呼べないものであった。また、グラフィックAPIについて統一規格と呼べるものは未だなく、各社が異なるグラフィックAPIを提唱していた。例えば、NVIDIAは曲面描画API,ATiはATI3DCIF,S3 GraphicsはS3d,3dfxはGlideを提唱していた。これらの規格の違いで各社のグラフィックカードで遊べるゲームソフトが各々限定的になってしまった。また、ユーザー自身が購入するゲームソフトに応じてグラフィックカードの差異を強く意識しなければならず、プレイ環境一式を揃えようとすると非常に高価であることから、一般からは時期尚早として敬遠された。

1995年8月にMicrosoftから完全なGUIを備えたOSであるWindows95が発売され、世界中で使いやすさが評価された。そして、1995年10月にMicrosoftから統一規格のグラフィックAPIであるDirectX 1.0が発表されると、グラフィックベンダーの独自規格は廃れていった。1999年ハードウェアT&Lを備えたGeForce256が、世界で初めて「GPU」と称して発売された。透視変換やライティングなどを行うジオメトリエンジンがハードウェア実装されたGeForce256の発売で、CPUが重い負荷から開放されたことで、グラフィック処理が劇的に高速化し、パソコンゲームのグラフィックは最先端のゲーム機と並ぶようになった。ハードウェアT&L以降はCPUとGPUというプロセッサの役割分担が明確化した。

1990年代後半は3Dグラフィックスの可能性を試すようなソフトが多数発売された。主にFPS,レース,フライトシミュレータが多数を占めた。数は少ないが、日本のゲームメーカーによるアーケードゲームの移植も行われ、特にセガはセガラリー,バーチャファイター,電脳戦機バーチャロンなど、最先端の3Dゲームを続々と移植した。メーカーの独自規格に依存したゲームも多く、自由にゲームパッドが選べなかったり、多少の環境差異でゲームが起動しなくなることも多かった。インストールや設定で不親切なゲームも多かった。デバイスドライバの問題によるパソコンのクラッシュも日常的に起きていた。

1997年MORPGディアブロが発売され、MMORPGウルティマオンラインも発売された。1998年には韓国製MMORPGリネージュが発売された。何れも当時のパソコンやネット回線では極めて負荷が高く、滑らかには動作しなかった。これらは今日では多人数参加によるRPGの先駆的なゲームソフトとして知られている。

1990年代後半に入りネット対戦機能を備えたゲームが増えたことで、LANパーティーも次第に隆盛し、1997年に世界初のプロゲーマー参加型のe-Sports大会である「サイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ」がアメリカで開催された。

この時代の代表的なパソコンゲームには、QuakeUnrealHalf-LifeFlight Simulator 95や、上記のオンラインRPGなどがある。

一般へのパソコン普及以降[編集]

2000年代以降、インターネットと常時接続の時代を迎え、日常生活でパソコンを使う便利さが認知されてきた。ECサイト動画共有サービスSNSなどが後押しし、パソコンは全世代において爆発的に普及した。

GPUの登場以降[編集]

その後、2000年代はプログラマブルシェーダーの実用化など、パソコンのGPUがグラフィックの牽引役を担ったが、ハイエンドパソコンでしか遊べないゲームが多くリリースされ、プレイ環境一式の価格を考えるとマニア向けの娯楽に留まっていた。ゲームソフトのネームバリューでもコンシューマゲーム機には大きく劣っていた。2000年代を通して、インターネットが一般人の生活にも浸透してくると、パソコンも性能需要に応えるべく全面的に劇的な進化を果たした。

パソコンの低価格化とネット回線の高速化と常時接続の普及で、ゲームマニアの間でネットゲームが流行し始めた。ネット回線が高速化したことで、MMORPGが実用的になった。

この時代の代表的なパソコンゲームは非常に数多くあるが、HALOHalf-Life 2Far CryDOOM3BattlefieldGrand Theft Auto 3Crysisニード・フォー・スピードなどである。

マルチコアCPUの登場以降[編集]

2010年代以降、際限のない性能向上でマルチコアCPUや、数GBの容量を持つメインメモリの搭載が当たり前になると、パソコンの性能は一般人にとって過剰になってきた。そして、ゲーミングパソコンが20万円程度で手に入るようになり、ECサイトSNSなどで一般人もパソコンやオンラインサービスの利用に慣れ、ユーザーフレンドリーなゲームインストール環境であるSteamなども完成度が上がってくると、ようやくパソコンゲームが一般人の娯楽の選択肢として現実的になった。また、ネットゲームも違和感なく受け入れられるようになった。ゲームメーカーのマルチプラットフォーム戦略の一環で、コンシューマゲーム機のみで展開していたソフトがSteamで大量に供給され始めると、パソコンゲームとコンシューマゲームの区別もなくなって行った。パソコン発のオンラインゲームとして、Minecraftは一般人からも大きな人気を集めた。オンラインでゲームが売買されることが当たり前になり、操作説明もゲーム内で用意されるようになり、ゲームのパッケージ自体がマニア向けになって行った。

2010年代も中盤に入ると、最早ゲームマシンの違いを問う意味もない程にマルチプラットフォーム化が進められた。また、パソコンゲームの対戦の大会に若者が熱中しはじめ、それがいろいろな意味で「金のなる木」になると気付いた企業もそれを後押しし、それを「e-Sports」と呼び始めた。2010年代末ころから、VRヘッドセットやVRコントローラが安価になってきたことにより、パソコンゲームは没入感を高める方向で進化を続けている。また他のサービスとの連携も模索している。

特徴[編集]

拡張性[編集]

ハイエンドなゲーミングPC[1]は、コンシューマーゲーム機(俗に言う家庭用ゲーム機)と比較して、より複雑かつ多量の処理をこなすことができる[2]。多くのパソコンゲームは、このようなハイエンドパソコンで動作させることを前提として開発されている。そのためコンシューマーゲーム機よりも視覚的なクオリティが高められていることが多い。主に挙げられるのは、FHDや4K、8K[3]などの高解像度、デュアルやトリプルディスプレイといった複数画面のサポート、120fpsを超える高速なフレームレート[4]、影や水反射、テクスチャなど精密なグラフィック、アンチエイリアス処理による見た目の向上などさまざまなものが利用できる[5]。またSSDなどの高速なストレージを搭載したPC構成においては、ゲームの起動やロード時間が短いなどの特徴をもつ。

キーボードやマウスを始めとして、より幅広い入力デバイスやバーチャルリアリティを含む周辺機器がサポートされている。ゲームパッドジョイスティック、ハンドルコントローラー、タッチパネル、3Dグラス、VRゴーグルなどがある。

一部のゲームではユーザー自身がゲームの拡張や修正、またはキャラクターをカスタマイズし、一種のDLCとしてそれらのデータを配布できる「MOD」と呼ばれる機能がある[6]

利点[編集]

自由度の高いソフトウェア頒布

パソコンプラットフォームの決定的な特徴は、ソフトウェア頒布方法がシステムに制御されないことである(iOS/AndroidでいえばApp Store/Google PlayPlayStationでいえばPlayStation Storeのような縛りが存在しない)。これによる利点は以下のソフトウェアコストの削減に繋がる。

ソフトウェアコストの削減
それぞれ独自のストア(ウェブサイトやクライアントソフトなど)で販売できるため、独自販売の場合はプラットフォームホルダーコストがかからないことや、価格競争も関係し安くなりやすい。あらゆるパソコンゲームは安価であり、無料で配布されているものも多くある[7][8]。代表的なPCゲームの大手ストアはsteamOriginUbisoftなどがあり、他にもHumble BundleIndieGalaFanaticalG2Aなど安価なマーケットプレイスもある。
対して販売ストアが限定的なスマートフォンでは、App StoreiPhone)とGoogle PlayAndroid)がほぼ独占状態のため、ゲームを開発したデベロッパーはAppleGoogleに売上の30パーセントのロイヤリティ(プラットフォーム税)を支払う必要がある。これに関して独占禁止法に抵触すると訴える訴訟例もある。(Epic Games対Apple訴訟を参照。)
新旧作問わずプレイできる柔軟性
長い年月を経た旧型プラットフォーム向けのゲームも、Windows向けに作られたものであれば大半は動作する。動作しない場合でも互換モードやデュアルブート、エミュレーター(仮想環境)の構築によってプレイできる場合が多い[9][10]。逆にハイエンドな環境を要求する新しいゲームでも、グラフィックの品質や解像度を落とすなどで多少古いシステム上でもプレイ可能になる[11]。グラフィックカードの交換など、ハードウェアのアップグレードで最適なプレイ環境を得ることもできる。
オンライン接続サブスクリプションの有無
PS4以降のPS Plusや、XboxのLive Gold、Nintendo Switch Onlineなど、近年のコンシューマーゲーム機にはオンラインマルチプレイに参加する際に、接続料金としてサブスクリプションへの加入が義務付けられているケースが多い。対してPC用ゲームの場合は接続料金が一律義務付けられていることはなく、料金徴収の有無はゲームタイトルの運営会社に委ねられている。またFPSゲームの場合は、サーバーを運営するユーザー(サーバー管理者)の有志に委ねられているケースが多く、一個人のプレイヤーがオンラインマルチプレイに参加する際に別途サブスクリプションへの加入が義務付けられるケースは比較的少ない。
クーリングオフ
Steamに限った例であるが、ゲームをダウンロードしてプレイした後でも、プレイ時間が2時間以内であれば「面白くなかった」など如何なる理由でも返金を受け付けるポリシーが運用されている。PlayStation Store[12][13]や、ニンテンドーeショップ[14][15]など他プラットフォームと比較して、返品および返金のハードルが低く、手厚いクーリングオフが運用されている[16]

欠点[編集]

複雑性の増加やセキュリティリスク
パソコンは本来ゲーム機ではなく、汎用的なものとして扱われている。自由度が高い故にパソコンやシステム内部の仕組みはとても複雑で、ひとつの設定やチューニングを間違えるだけで重大な問題が発生するリスクがある。ハードウェアやソフトウェアの互換性問題もそのひとつである。例えば、Windowsの旧バージョンを新バージョンに乗り換えてゲームが動かなくなる場合や、セキュリティソフトの相性問題、ハードウェアを制御するドライバのバージョンが古かったりなど何らかの理由で動かない場合がある。このような問題が起きた時には、さまざまな試行錯誤が強いられる。
パソコンはコンシューマー機と比較しても、セキュリティリスクに晒されやすい傾向にある。セキュリティ対策が脆弱なオンラインゲームにおいては、不正にゲーム進行を有利に進めるチートという行為が蔓延しやすい。
高額なハードウェアコスト
パソコンゲームを満足にプレイできるパソコンは、一般的な他プラットフォームよりも高価な傾向にあるが、家庭用コンシューマーゲーム機の場合は、単一のユニットで大量生産できるため安価にできる。しかし、パソコンではパーツ単体(事前に組み立てられた完成品も含む)は、パーツ個別のデベロッパー利益などが上乗せされるため高額になる。
ゲームタイトルの品揃え
PCゲームはコンシューマーにも劣らないほど数多くリリースされており、PlayStationXbox向けにリリースされたゲームの多くは、PC向けにもリリースされている。しかし、一部にはメジャーな人気タイトルにも拘らず、特定の国だけ発売しなかったり、コンシューマーゲーム機用しかリリースされていないものもある。特に日本製のゲームで顕著である(俗に「おま国」とも表現されているが、詳細はジオブロッキングを参照)。また任天堂が開発したゲームタイトルはほぼ「任天堂のハード」だけにしか対応しておらず、PC向けにはリリースされていない。
逆にPC版しかリリースせず、コンシューマー向けにはリリースされていないゲームタイトルも多くある。
中古マーケット
インターネット環境が普及してきた2000年代以降におけるPCゲームは、パッケージ販売よりもSteamなどを通じたDL販売が一般的になっているが、基本的にアクティベーションキーを一度有効化したキーは異なるアカウントで再使用できないため、中古で売ることができない。コンシューマーゲーム機と比較して、PCゲームのパッケージ販売は極少数となっている。

世界の状況[編集]

Windows向けが圧倒的[編集]

1995年にWindows 95が発売されて以降、PCにおけるゲームといえばWindows/DirectX向けが圧倒的で、1990年代前半までは存在したMS-DOSMacintosh間でのプラットフォームの違いがほぼなくなっている。DirectX向けのGPUにはNVIDIA GeForceAMD Radeonがある。2016年現在でもOpenGLmacOSLinuxAndroid向けにゲームは開発されているが、大手パブリッシャーから出ているゲームはWindowsからの移植がほとんどで、Windows以外のOS向けにゲームの開発を手がけるパブリッシャーはPangea Softwareなど非常に少数である。

Windows 10ではWindowsストアのアプリ基盤としてユニバーサルWindowsプラットフォームがあり、Xbox Oneなども対応している[17][18]

Steamの台頭[編集]

2002年に発表されたSteamは、ゲームのダウンロード販売と配信、著作権管理(アクティベーションによるコピーガード)、自動アップデート、そしてソーシャルネットワーク機能があり[19]、完全なダウンロード販売のため、パッケージや説明書の印刷コストや流通コストも必要なくなり、ゲームの低価格化を促進した[20]。さらに、Steamの特徴として常に何らかのセールを行い、年に数回の大規模セールでは4,000を超えるタイトルがセール対象となり、AAAタイトルでも50%引き〜75%引きなど高割引率での販売される。これは販売コストが低いダウンロード販売ならではの手法であり、セールによって売り上げの向上とさらなる利益をもたらしている[21]

これら、SteamやOriginUplayは単なるゲームのダウンロード販売サイトでなく、ゲーム配信プラットフォームであり、CDキーシリアル番号)の入力によって自社ストアからの購入でなくてもゲームをアカウントに追加することができる(購入したCDキーをアカウントの情報に登録する必要があるため、CDキーを2つ以上のアカウントで使い回す不正を防ぐことができる)。小売店においても在庫コストを要しないCDキーのみの販売とするメリットは大きく、2014年現在では世界のPCゲーム販売のほとんどがゲーム配信プラットフォームを介したものであり、パッケージソフトでの販売はごく少数にとどまっている[22]

高速インターネットの普及で大容量のPCゲームが数分~数時間でダウンロードし遊べる手軽さや、通信経由のため中間費用が一切かからないことによる低価格が市場を後押ししている[23]

PCゲーム市場の拡大[編集]

2010年以降、PC上でしかプレイできないマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ (MOBA) というジャンルの急激な普及と、エレクトロニック・スポーツTwitchなどのライブストリーミング配信プラットフォームで観戦して楽しむ人達の増大が、PCゲームの市場規模拡大を後押ししている[24][25][26]。今後もスマートフォンと並んでゲーム市場の成長の牽引役となることが予測されている[27][28]

久夛良木健によれば、PCでのゲーム開発環境ひいてはゲームプレイ環境の充実により、ゲームタイトル開発における家庭用ゲームとPCゲームのプラットフォームの融合も進んでいる[29]

日本の状況[編集]

低価格のスマートフォンの普及や(日本ではコンソールゲームやアーケードゲームの市場が衰退するほど進んでいる)、日本語表示に非対応などの理由により、Steam総ユーザ数のうち、日本ユーザは4 - 5%まで増えてはいるが[30]、依然ニッチ市場から脱するには至っていない。ニッチ市場ということもあり少数の人々から大きく利益を得ようとするため高価格な傾向にある[31]。 日本のPCゲーミング市場は3000万ドルの規模という[32]。ハイエンド指向が最も強い[33]

主なPCゲームストア[編集]

PCゲームをダウンロード販売している主なストア。総合的なストアは、幅広いデベロッパーのゲームを数多く揃えている傾向にある。ゲーム会社が独自に展開するストアは主に自社製品に特化したものであるが、サードパーティー製のゲームを取り扱っているものもある。その他のストアは、ゲームソフトの引き換えに必要なプロダクトキーを販売するストアであり、比較的安価に販売されているものが多い。(※括弧内はメーカーと、主な配信タイトル)

総合的なストア
ゲーム開発会社が独自に展開するストア
その他のストア

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ PCゲームのお作法”. 2014年6月6日閲覧。
  2. ^ Steam Hardware Survey”. Valve Corporation. 2012年2月24日閲覧。
  3. ^ NVIDIA、GeForce RTX 30シリーズを正式発表
  4. ^ Ivan, Tom (2011年6月20日). “Console Battlefield 3 is 720p, 30fps. DICE explains”. Computer and Video Games. 2016年6月28日閲覧。
  5. ^ Warner, Mark (2011年11月23日). “Tweaking Skyrim Image Quality”. HardOCP. 2016年6月28日閲覧。
  6. ^ PCゲームを彩るMOD文化について知っておきたいこと ゲームあるところにMODあり。面白いものはコミュニティで作られる!”. 2014年6月6日閲覧。
  7. ^ Sweeny, Tim (2007年). “Next-Gen podcast”. Next Generation Magazine podcast. 2012年2月23日閲覧。 “We've been developing games that are community-based for more than ten years now, ever since the original Unreal and Unreal Tournament. We've had games that have had free online gameplay, free server lists, and in 2003 we shipped a game with in-game voice support, and a lot of features that gamers have now come to expect on the PC platform. A lot of these things are now features that Microsoft is planning to charge for.”
  8. ^ Lane, Rick (2011年12月13日). “Is PC Gaming Really More Expensive Than Consoles?”. IGN. 2016年6月28日閲覧。
  9. ^ WINDOWS 10で前世代のゲームをプレイする - Ubisoft Support
  10. ^ About Us”. Good Old Games. 2012年2月23日閲覧。
  11. ^ 新しいゲームがどの程度の性能を要求し、使用するPCがどの程度の性能かによる。あまりにも古すぎる場合は、設定を変えても動作不可の場合がある。
  12. ^ PlayStation®Storeで購入したデジタルコンテンツのキャンセルについて - Sony Interactive Entertainment Inc.
  13. ^ 購入後でも14日以内は返品返金可能なものの、ダウンロード・プレイ後は返金できなくなる(重大なバグがある場合を除く)。
  14. ^ 【Switch/3DSシリーズ】ニンテンドーeショップや任天堂ホームページで購入したダウンロードソフトを、返品したり払い戻したりすることはできますか? - 任天堂サポート
  15. ^ 購入後の返品返金は一切不可。
  16. ^ Steamの新たな返金ポリシーが発表、購入2週間以内・プレイ2時間以内であれば「理由は何であれ」返金対応可能に
  17. ^ [E3 2016]西川善司の3DGE:E3 2016で見えたMicrosoftのXbox戦略(3)Xbox Play Anywhereがあれば,もうゲーム機はいらない!?”. 2016年6月28日閲覧。
  18. ^ 「FFXIV」の吉田直樹Pも登場。日本マイクロソフトが展開する「ゲーム開発者向け動画コンテンツ」は要チェックだ”. 2016年6月28日閲覧。
  19. ^ Steam Surpasses 13 Million Accounts”. 2014年8月21日閲覧。
  20. ^ 今のPCゲームは2度目の黄金時代―『Killing Floor』のTripwireボスが語る”. 2016年6月28日閲覧。
  21. ^ tobiuo (2011年10月25日). “Gabe Newell氏: セールは必ず利益を生む、海賊行為はサービスの問題”. Game*Spark. http://www.gamespark.jp/article/2011/10/25/30356.html 2015年6月25日閲覧。 
  22. ^ The Master of Online Mayhem”. 2011年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月21日閲覧。
  23. ^ 奥谷海人のAccess Accepted / 第277回:ダウンロード販売がついに“主流”に”. 2013年10月23日閲覧。
  24. ^ かたこり (2014年4月28日). “MOBAとF2Pの台頭著しいPCゲーム市場の売上げが遂にコンソールの市場規模を突破、米調査会社DFC Intelligenceが報告”. doope!. http://doope.jp/2014/0433224.html 2015年6月25日閲覧。 
  25. ^ 成長が著しいPCゲーム市場から学べるビジネスモデルとは?”. 2016年6月28日閲覧。
  26. ^ PC向けゲーミングハードウェア市場はコンソールハードウェアの倍に及ぶ215億ドル規模、JPRが興味深い調査結果を発表”. 2014年7月19日閲覧。
  27. ^ Yoshihiro Uchiyama (2015年3月4日). “北米PCゲーム業界団体が2019年までのゲーム市場予測を報告―PCゲームは350億ドル規模に成長か”. Game*Spark. http://www.gamespark.jp/article/2015/03/04/55302.html 2015年6月25日閲覧。 
  28. ^ 土本学 (2015年5月21日). “世界のゲーム市場、2018年には約14兆円に・・・中国が今年にも米国を逆転”. インサイド. http://www.inside-games.jp/article/2015/05/21/87813.html 2015年6月25日閲覧。 
  29. ^ 久夛良木健 (2016年). “プレイステーションの父が語る半世紀 第4回 リアルとサイバーが融合を始める、未来のコンピュータ・エンタテインメント”. ゲーム産業の系譜. コンピュータエンターテインメント協会. 2017年4月19日閲覧。
  30. ^ 小西利明 (2015年3月11日). “ゲームPC「GALLERIA」に「Steam」クライアントソフトが標準でプリインストールされることに”. 4Gamer.net. http://www.4gamer.net/games/029/G002975/20150311081/ 2015年6月25日閲覧。 
  31. ^ 「なぜロシアでは安く日本では高いのか」、Steamにおける地域毎の価格の決定方法とその理由
  32. ^ 100%ゲーミングデバイスメーカー、SteelSeries新CEOインタビュー”. 2016年6月28日閲覧。
  33. ^ 「日本はNVIDIAが最も優先しているハイエンド市場。ニコ生への対応も検討」”. 2016年6月28日閲覧。

関連項目[編集]