実況プレイ

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実況プレイ(じっきょうプレイ)とは、プレイヤーが実況をしながらコンピュータゲームをプレイする行為である[1]

概要[編集]

主にニコニコ動画YouTube[1]などの動画投稿・共有サイト、ニコニコ生放送Twitch[2]などのライブ配信(ストリーミング)サイト、すなわちインターネット上の媒体において行われている。また、雑誌付録による配布[3]やイベント会場での実演[4]も行われている。一例として、ニコニコ動画においては、実況プレイを行なうプレイヤーは200人以上[1]にのぼり、主要なジャンルの一つとなっている[5][6]

主な話の展開の仕方としては実況説明の他に、(キャラクターの声がない場合)台詞を読みながら演じるスタイルや、プレイをしながら雑談をするスタイル[7]AquesTalk棒読みちゃんVOICEROIDなどの音声合成ソフトを使った「ゆっくり実況」やキャラ付けを取り入れた音声合成実況、バーチャルYouTuberなどがある。

ゲーム実況人気のベースとなったのは、よゐこ・有野がトークしながらレトロゲームをクリアに挑むテレビ番組『ゲームセンターCX』(2003年より放送)である。同番組の影響を公言している実況者は多く、自分のプレイを実況して視聴者に見てもらうスタイルがコンテンツとして成立することが多くの人に知られるきっかけになった[8]

問題[編集]

著作権[編集]

ゲーム映像や静止画(スクリーンショット)は、著作権法上「映画の著作物」として保護されており、ゲーム画面を録画・撮影する行為は「映画の著作物」の「複製」となるため、著作権者の許諾を受けていない場合は著作権侵害になる。私的複製の範囲内では問題ないが、実況プレイは動画投稿サイトに実況をアップして不特定多数に見せているので私的複製とはならない。また動画投稿サイトに実況をアップし不特定多数に見せることは、「公衆送信権」の侵害となり、改変ツールなどでデータを改ざんし、実況をアップするのは同一性保持権侵害となる[9]

権利者やゲームによっては非営利かつ一定の条件下であれば、実況を含めたプレイ動画の投稿を容認している場合もある。セガから発売されている『ぷよぷよ!!』では、「ひとりでぷよぷよ」のみ動画の投稿を容認している[10]。『グランツーリスモ5』ではプレイ動画をYouTubeにアップロード[11]する機能が備わっている[1]。また、アトラスは自社の作品『ペルソナ5』の公式ホームページで、オープニング以外を収録した動画やツイートの投稿はネタバレに当たるとし、禁止した。[6]しかし、海外では2017年4月4日に『ペルソナ5』が発売された際、実況動画の配信がゲーム内時間の7月7日までであることに対し、SNSを中心に批判が殺到した。これを受けてアトラスは、4月26日に配信可能な範囲をゲーム内時間の11月19日までに広げた。[12]一方、『王様物語[13]、『ディシプリン*帝国の誕生[14]、『レッドファクション:ゲリラ[15]など、メーカーが宣伝目的で公式に公開する事例も見られる。また、PlayStation 4Xbox Oneでは生配信機能が搭載されており、ゲームタイトルが対応していれば、視聴者側では「観戦」するだけなく「アクション」も可能となっている。任天堂は不適切なものを除いてYouTube上での動画投稿はContent IDで自社の収益になる広告を表示することで許可している[16][17]が、『ニンテンドークリエイターズプログラム』(Nintendo Creators Program)に登録すれば、動画の広告化が可能で有り、収益は一定の割合で任天堂と投稿者で分配される[18]。一方、ドワンゴは任天堂と任天堂の著作品を利用したニコニコ生放送に関連する包括許諾契約を2017年9月22日に締結した。これにより、生放送で任天堂のスプラトゥーン2などを利用した創作・配信活動が可能となった。[19] 明確に動画の投稿を禁止する態度を示すこともあり、2011年アダルトゲーム制作会社の「Aile」がニコニコ動画にプレイ動画を上げた人に対し「正規購入ユーザーのゲームを楽しむ権利を貶める、愚弄する行為には徹底交戦する」と徹底抗戦をしき、示談金で和解した[20]。宣伝になるという意見に対しデータの少なさを指摘しながらも、一本道のゲームは特に被害が大きいと語り、またアンケートで「ニコニコ動画を見て買った」と回答したのは一人だけだったという。著作権侵害の動画で経営をしているとも取れるニコニコ動画のあり方にも苦言を呈している[21]

また、ニコニコ動画内で「実況動画チャンネル」が新設され、公式な実況動画が配信されるような仕組みも設けられた。しかしこれを用いて実況ができるのも、それ以前に実況動画で人気を出さなくてはいけないという現状もある。

ゲーム実況やプレイ動画、ライブ配信が楽しめる動画サイトアプリ「OPENREC.tv」では、視聴者からの「エール機能」と動画の再生時に表示される広告など「OPENREC.tv」で発生した収益の一部を配信者が受け取ることができるので、これにより配信者は、利用するゲームメーカーの著作物を選択して収益化が可能になる。「OPENREC.tv」が国内で初めてライブ配信に限り任天堂のタイトルを使って収益を上げて良いという契約を結んだ。[22]

ステルスマーケティング[編集]

公式側が一部のゲーム実況者に宣伝を依頼し実況者がそのことを告げずに商品を紹介するケースもある[23]

マイクロソフトXbox Oneを使用した30秒以上の動画を投稿したユーザーに、再生回数1000回につき3ドルを支払うキャンペーンを実施。投稿者に報酬が支払われること自体に問題はないが、アメリカ合衆国連邦取引委員会のガイドラインでは「報酬を受け取って商品を宣伝する場合にはそのことを明示しなければならない」とされている[24]

参考文献[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d 日々是遊戯:ゲームも今や「ネットで見る」時代に? --動画共有サイトで広がる「実況プレイ」の波ITmedia Gamez2009年1月28日
  2. ^ テレビゲームをスポーツのように観戦できるTwitch TVが大人気
  3. ^ 【レポート】ニコ動発"ゲーム実況"がビジネスになるとか! - 実況プレイヤー・えどさん”&ふみいちがプロ転向マイコミジャーナル、2009年5月4日
  4. ^ 「えどっ娘 天下大変」公開録音イベント! SEVENの公開実況プレイ!入場無料!4Gamer.net、2009年8月12日
  5. ^ 【コラム】勝手に『ニコニコ動画』案内 21 あなたの好みにぴたりと合う「ゲーム実況プレイ動画」の探し方マイコミジャーナル、2009年9月11日
  6. ^ eスポーツ産業に関する調査研究報告書 p.49 総務省 2018年3月]
  7. ^ 【コラム】勝手に『ニコニコ動画』案内 12 いま一番熱いジャンル「実況プレイ動画」を誰でも楽しめるように紹介!」 マイコミジャーナル、2009年7月10日
  8. ^ 任天堂など大手企業からも熱い視線 知られざる“ゲーム実況”の世界 oricon news 2015-01-29[1]
  9. ^ 動画サイトで人気の「ゲーム実況」 法律的に気をつけるべき点は?」 弁護しドットコム、2014年10月4日
  10. ^ ぷよぷよ!! プレイ動画についての規約
  11. ^ 『グランツーリスモ5』発売日と最新情報を公開
  12. ^ 国内メーカーの「ゲーム実況配信の制限」に対する海外での反発続く。『ペルソナ5』『ダンガンロンパV3』が制限を緩和 automaton.am[2]
  13. ^ 伊集院光さんが『王様物語』を実況プレイする動画が公開中!電撃オンライン、2009年9月8日。
  14. ^ 日々是遊戯:実況? 宣伝? 「ディシプリン」実況プレイ動画が、「ニコニコ動画」から「zoome」へと“お引っ越し”したワケITmedia Gamez、2009年8月19日
  15. ^ 「レッドファクション:ゲリラ」新たな実況プレイ動画公開!GameSpot Japan、2009年7月17日
  16. ^ “任天堂株式会社 on Twitter” (日本語). Twitter. https://twitter.com/Nintendo/status/471260005702709248 2018年11月15日閲覧。 
  17. ^ “任天堂がYouTubeゲーム実況動画に強制的に広告を掲載 広告の収入は任天堂に | ガジェット通信 GetNews” (日本語). ガジェット通信 GetNews. (2013年5月20日). https://getnews.jp/archives/343764 2018年11月15日閲覧。 
  18. ^ Nintendo Creators Program[3]
  19. ^ ニコニコ生放送で任天堂指定の著作物を利用した創作・配信活動が可能に。ドワンゴと任天堂が新たな包括許諾契約を締結 4gamer.net[4]
  20. ^ 「プレイ動画」に「徹底抗戦」 あるゲームメーカーの宣言に波紋
  21. ^ Aileはなぜプレイ動画に「激怒」したのか? 「徹底交戦」ににじむゲームメーカーの怒り
  22. ^ [5]
  23. ^ 返信もどき KADOKAWAエンターブレインホビー書籍部デスク 岡本真一 2014年11月4日閲覧
  24. ^ ステマって何?|5分で分かるステマの意味と有名事例6選”. LISKUL. 2014年11月7日閲覧。

関連項目[編集]