マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(英:Multiplayer online battle arena, 略称 MOBA)とはコンピューターゲームにおけるRTSのサブジャンルで、プレイヤーが2つのチームに分かれ、それぞれのプレイヤーがRTSゲームの要領でキャラクターを操作し、味方プレイヤーと協力しながら敵チームの本拠地を破壊して勝利を目指すスタイルのゲームのこと。 一般的なRTSとの違いは、軍勢を操作するのではなく、ゲーム開始時に選択した「ヒーロー(またはチャンピオン)」と呼ばれるたったひとつのキャラを操作する、その「ヒーロー」はレベルや多種多様なスキル、武器防具、所持金といったRPGのような概念を持ち、RTSのユニットよりも幅広く成長するなどがある。

歴史[編集]

Blizzard社から発売されたRTSゲームStarCraftにはAeon of Strife (en:Aeon_of_Strife) と呼ばれるカスタムマップが存在し、それは資源の発掘や基地の建設といった伝統的なRTSの中心要素が取り除かれ、プレイヤーはたった一つのユニットを操作して敵本拠地を破壊するというものであり、既存のRTSとは大きく異なったアクションRPGのようなプレイ感覚がもたらされた。

その後、同社から2002年に発売されたWarCraft3にはWarcraft3 World Editorというツールが付属しており、ユーザーがマップやシナリオを自由に作成できたため、Eul、Guinsoo (en:Steve_Feak)、IceFrog (en:IceFrog) らによって Aeon of Strife を基にし、より先進的なグラフィックやゲームシステムを持つWarCraft3のMODとしてDefense of the Ancients (略称DotA) が作られ、2003年にリリースされた。この時点でRTSのような操作インターフェースやゲーム展開、RPGのようなレベルや武器防具といった要素を持つ自キャラ、アクションRPGのような特殊能力を駆使して敵と戦うというプレイ感覚といったMOBAと呼ばれるジャンルの中心要素は完成し、DotAとその改良版であるDotA: Allstarsは大好評を博し、国際的な賞金トーナメントが開催されるまでになった。

2006年に設立されたRiot Games社 (en:Riot Games) はDotA製作者の一人であるGuinsooを雇用し、2009年にLeague of Legends (略称LoL) を発表した。LoLはDotAの中心要素はそのままに、複雑なルールの簡略化や変更、拡張を行い、プレイヤーの実力を数値化するレーティングシステムとそのレーティングが近いもの同士でプレイできるオートマッチングシステムを導入し、ゲームプレイの敷居を大幅に下げ、Free-to-playでゲーム運営を行った。その結果、それまで熱狂的なヘビーユーザーのものであったDotAのようなゲームをカジュアル化することに成功した。LoL発表以降は類似のゲームが多数作成され、それらは「DotA系」や「DotAクローン」と呼ばれ、一種の流行を形成し、LoLは2012年でヨーロッパと北米で最もプレー時間が長いゲームにまで成長した。

Valve社は2009年にIceFrogを雇用、2010年にDotA2の製作を発表した。これを受けてBlizzard社は裁判所に商標権使用の異議を申し立てたが、DotAはアマチュアクリエーターのMODであるという出自のためBlizzard社は商標登録をしておらず、最終的にValve社は商業的に「DotA」という名称を使用でき、その代わりにBlizzard社はファンコミュニティにおいて「DotA」を非商業的に使用できるが、開発中のBlizzard DotAをBlizzard All-Stars (en:Blizzard_All-Stars) に名称を変更するという和解に至った。

それ以降、商標権を侵すような場で「DotA」という用語は使用されなくなり、現在ではかつて「DotA系」と呼ばれたゲームやジャンルはMOBAと呼ばれるようになっている。

ゲーム内容[編集]

MOBAでの一般的なマップ。右上と左下に本拠地、黄色の直線がレーン(左上からトップ、ミドル、ボトム)、レーン上の緑の丸がタワー、グリーンの三角がジャングル

目的[編集]

プレイヤーは2つのチームに分かれ、敵チームの本拠地を破壊するか敵チームがギブアップすることで勝利となる。

ゲームの流れ[編集]

ヒーローの選択[編集]

ゲーム開始前にプレイヤーは自分の操作するヒーローを選択する。同一チームでヒーローの重複は認められないので、使いたいヒーローがある場合はチャットなどでチームメイトと相談をする。

ヒーローには攻撃が得意だったり、防御が優秀、補助スキルが豊富、早熟、大器晩成などの特徴があるので、チームとしてどのようなヒーローを選択したかで後のゲーム展開に大きな影響を及ぼす。

序盤[編集]

初期の所持金を使用してアイテムショップから回復アイテムや武器防具を購入し、味方プレイヤーはそれぞれトップレーン、ミドルレーン、ボトムレーンへ向かう。使用するキャラによって最初に購入するアイテムや向かうべきレーン、レーンごとの人数の割り振りなど様々な戦略が存在する。 序盤ではヒーローの体力や攻撃力が低いので、主に敵ミニオンや中立モンスターを倒すことでレベルアップを行ったり、所持金を増やしてより強力なアイテムを購入し、戦力を増強したり、敵プレイヤーのヒーローを牽制攻撃してゲーム展開を有利にしようとしたりする。

中盤[編集]

アイテムが一通り揃いはじめ、レベルアップによって強力なスキルも使えるようになってくると、早熟タイプのヒーローの場合敵ヒーローを倒すことができるので、大器晩成タイプの敵ヒーローを倒しに行ったり、敵陣のタワーを破壊することでゲームを有利に運ぼうとするため、1対1や2対2などといった小規模戦が発生する。チーム同士の技量差や相性差が大きい場合、この時点でゲームの勝敗が決する場合もある。

大器晩成タイプのヒーローを使用している場合、できるだけ死なずにレベルアップをして終盤に備える。

終盤[編集]

ヒーローの能力を最も発揮するアイテムが揃い、高レベルでヒーローの特徴もはっきりとするのでより有利に戦うためチームがまとまって行動する。そのため、5対5のような集団戦が発生し、結果どちらかのチームが全滅、復活までの待機時間中に本拠地が破壊されることで勝敗が決する。

主なゲーム[編集]

主な大会[編集]

2012[編集]

  • DreamHack Summer, DotA2 ドイツの旗 mTw 100,000 SEK
  • DreamHack Summer, Heroes of Newerth オーストラリアの旗 FnaticRC 200,000 SEK
  • DreamHack Winter, Heroes of Newerth アメリカ合衆国の旗 tdM 213,000 SEK
  • Electronic Sports World Cup, Dota 2 ウクライナの旗 Natus Vincere (en:Natus Vincere) $12,000[1]
  • World Cyber Games, DotA2 中華人民共和国の旗 Invictus Gaming $20,000[2]
  • Season 2 World Championship, League of Legends 台湾の旗 Taipei Assassins $1,000,000

2011[編集]

  • DreamHack Summer, League of Legends オーストラリアの旗 Fnatic (en:Fnatic) $50,000
  • DreamHack Winter, Heroes of Newerth スペインの旗 x6tence.ESET 6,000 SEK
  • Electronic Sports World Cup, Dota 2 ウクライナの旗 Natus Vincere (en:Natus Vincere) $12,000
  • World Cyber Games, League of Legends アメリカ合衆国の旗 Chicks Dig Elo $25,000

2010[編集]

  • World Cyber Games, League of Legends アメリカ合衆国の旗 Counter Logic Gaming $7,000[3][4]
  • Electronic Sports World Cup, Defense of the Ancients 中華人民共和国の旗 EHOME $14,000

2008[編集]

  • DreamHack Summer, Defense of the Ancients ドイツの旗 SK Gaming (en:SK Gaming) 27,000 SEK
  • DreamHack Winter, Defense of the Ancients ドイツの旗 MYM 27,000 SEK
  • Electronic Sports World Cup, Defense of the Ancients シンガポールの旗 Zenith $13,000[5]

2007[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [1]http://www.eswc.com/en/info/eswc-2012-prizes-1
  2. ^ [2]http://www.wcg.com/renew/fun/news/news_view.asp?keyno=C12111310000
  3. ^ [3]http://www.wcg.com/6th/tournament/2010/tm_match_single_2010.asp?sort=G100629100
  4. ^ [4]http://www.wcg.com/6th/fun/news/news_view.asp?keyno=C10093010010
  5. ^ [5]http://www.ign.com/articles/2008/08/13/eswc-2008-grand-final-the-regulations