Hearts of Iron IV

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Hearts of Iron IV
ジャンル 歴史シミュレーションゲーム
対応機種 Microsoft Windows, macOS, Linux
開発元 パラドックスデベロップメントスタジオ
発売元 パラドックスインタラクティブ
ディレクター ピーター・アルレオ・ニコルソン
音楽 アンドレアス・ウォルデトフト
シリーズ Hearts of Iron
人数 シングルプレイ
マルチプレイ
発売日 2016年6月6日
エンジン クラウゼヴィッツエンジン
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『Hearts of Iron IV』(Hoi4)は、2016年6月6日、パラドックスインタラクティブから発売された歴史シミュレーションゲーム。

Hearts of Iron IVは発売開始から2週間で20万本を販売しており、これはパラドックスインタラクティブが販売した歴史ストラテジーゲームとしては過去最速であった[1]

ゲームシステム[編集]

過去のシリーズ作と比べ、システム面においては大規模な変更がなされ、今まで工業力(IC)として一纏めにされていた工場が軍需工場・民需工場・海軍造船所に分割されたり、生産ラインが廃止された代わりに小銃や野砲などの兵器を一つずつ生産して備蓄する形式となっている。さらには、石油以外の資源が備蓄できなくなるなど既存のシリーズのシステムの多くが大幅に変更されている。

National Focus(国家方針)[編集]

Hoi4におけるNational Focus(以後NF)はバフ付与やデバフ解除 新規ユニットの追加 資源増加 戦争目標の追加 歴史を大幅に変えるようなものがある。NFはDLCやMODを使い増やすことができ 様々な効果を得ることができる。 NFは約140日のもの(ギリシャの一部の固有NFなど)70日のもの(ほとんどのNF)35日のもの(DLCで追加された一部のもの)で獲得できる

DLCの対象外の国やMODの範囲外の国は先述の通り汎用NFとなっており 歴史を大きく変える、国内情勢を大きく変えることが困難である。(現時点ではロシア地域諸国 解放国 ルクセンブルク アフリカ諸国などが含まれる)

ディシジョン[編集]

ディシジョンは主にNFなどで解禁される。種類は多く、資源の追加などプレイに役立つものが多い。 中にはプレイにかかわる重要なものもある。

National Spirit(国民精神)[編集]

Hoi4におけるNational Spiritは 国へのバフやデバフ、特別な機能の解禁。歴史の説明等がある。

国民精神はゲーム開始時に獲得されていたりNFやイベントで追加したり解除できたりする。

NFによって効果変更もできる。

国際緊張度[編集]

最初は0%だが、National Focus(国家方針、NF)次第で増減する。ファシストや共産は無条件でNFを伴わない「戦争目標の正当化」からの「宣戦布告」が可能だが、確実に国際緊張度が増加する。国際緊張度が一定の割合以上になると、主に民主国家から独立保証を受ける国が現れるが、その状態の国に宣戦布告すると高確率で保証国が参戦する。民主国家は国際緊張度を引き上げた国に対して「戦争目標の正当化」からの「宣戦布告」が可能。

さらに、イデオロギーが「非同盟・中道主義」、「民主主義」の場合はこの国際緊張度が高くならないと基本的には「義勇軍の派遣」、「陣営加入」などができなくなる。

国際緊張度を高めすぎると他国や同盟国にマイナスの評価を与えたり陣営から追放されたりする。

イデオロギー[編集]

過去のシリーズから、HoI4では、この他に「Non-Aligned(非同盟/中道主義)」が追加され、主に君主主義が分類されているが、ファシズム・共産主義とはまた異なる権威主義、さらには無政府主義までもがこの分類に含まれる。

史実AI[編集]

この設定がオンの場合、基本的にはプレイヤー以外の国家は史実に従って行動する。ただし、プレイヤーの行動によってAIは行動が変わることもある。(ドイツが民主化すると、イギリスが共産化することがある。)オフの場合、他国の行動が予想しづらく、難易度が上がることが多い。

陣営[編集]

初期から存在する「枢軸国」、「連合国」、「コミンテルン」に加え、史実AIでは「大東亜共栄圏」、日中戦争時に結成される「中華統一戦線」(中華民国中国共産党・各軍閥が加盟)が存在する。(史実でもプレイヤーによってこれ以外の同盟が結成でき、非史実では「中央同盟国」「アフリカ連合」などといった過去・未来に存在したものなども結成される。)

国家形成[編集]

hoi4ではディシジョンやNFにて国家形成が可能である。形成できる国家は多岐にわたり過去に存在した国家(例:ロシア帝国オーストリア=ハンガリー帝国ポーランド=リトアニア共和国など)や、存在しない国(例:ヨーロッパ連合アフリカ連合・フィン・ウゴル)などもある。

特殊な国家形成[編集]

先ほども述べた通り国家形成は基本的にディシジョンによって行うものだが、中には複雑な方法や一定の条件下で作成するものもある。 例えば

  • 第三のローマ(ソビエトで帝政復古後、トルコ・イタリア・バルカン半島を直轄地にすることで作成可能。)
  • ヤンマイエン(ポーランドにて王政復古しヴォイテクを国王にした後特定のプロビ占領することで解放可能。)

DLC[編集]

Hoi4におけるDLC(ダウンロードコンテンツ)は一個約500円〜約2500円で、導入することで、非史実ルートや、中小国へのコンテンツ追加、システムの拡張を行うことができる。

以下に記す特定国家へのNF追加やシステムの拡張を行う拡張パックの他、楽曲パックやスキンパックが存在する。

Hearts of Iron IV - Expansion Subscription[編集]

2022年に開始された、Hearts of Iron IVにおける拡張パックのサブスクリプションサービス[2]。月額1,070円で、全てのDLCが利用可能となる。

Hearts of Iron IV: Together for Victory(TfV)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第1弾[3]。2016年12月15日発売。イギリス連邦カナダオーストラリアニュージーランド南アフリカイギリス領インド帝国に多くのイベントや固有のNational FocusとNational Spiritが与えられ、新たに従属国の独立・併合を可能にするシステムやContinuation Focusといった新システムが追加される。

Hearts of Iron IV: Death or Dishonor(DoD)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第2弾[4]2017年6月14日発売。欧州の中堅国家であるハンガリールーマニアチェコスロバキアユーゴスラビアに特化した拡張パックとなっており、多くのイベントや固有のNational FocusとNational Spiritが与えられている。また、ライセンス生産システム、装備の転用システム、ファシスト国家独自の従属国システムが追加されている。

Hearts of Iron IV: Waking the Tiger(WtT)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第3弾[5]2018年3月8日発売。中国中華民国中国共産党満州国、その他軍閥)に特化した拡張パックとなっており、多くのイベントや固有のNational Focusが追加された。その他に日本、ドイツに対してもNational Focusの追加が行われている。また、指揮系統の変更やディシジョン・ミッションシステム、駐在武官システムなどが追加された。

Hearts of Iron IV: Man the Guns(MtG)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第4弾[6]2019年3月1日発売。海軍関係に特化した拡張パックとなっており、船体モジュールを別々に研究し、従来の陸軍用兵器の様に改造を施せるシステムが実装された。海戦そのものも大きく変化しており、機雷敷設などの新任務追加や、艦隊編成システムの変更、提督への特性追加などがされた。また、米英へのNational Focus追加や、オランダメキシコへの独自National Focus実装、亡命政府の実装、National Spiritとしての海軍条約(ロンドン海軍軍縮条約)の追加などが行われた。 また、同時に実装されたv1.6.0で燃料の概念が追加され、燃料サイロの追加、石油資源の貯蔵などが可能になった。

Hearts of Iron IV: La Résistance(LR)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第5弾[7]2020年2月25日発売。占領政策や諜報機関のシステムなどが追加されるほか、フランススペインポルトガルにNational Focusの追加を行っている。

Hearts of Iron IV: Battle for the Bosporus(BfB)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第6弾[8]2020年10月15日発売。新しくトルコ共和国ギリシャ王国ブルガリア王国にNational Focusが追加されたほか、ルーマニア王国ユーゴスラビア王国にもNational Focusの追加が行われている。

Hearts of Iron IV: No step back(Nsb)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第7弾[9]2021年11月24日に発売。新しくバルト三国エストニアラトビアリトアニア)にNational Focusが追加されたほか、ポーランド共和国ソビエト連邦にNational Focusの追加が行われている。 また、新しく鉄道列車砲が要素として追加されたほか、戦闘正面幅の変更や戦車のモジュール設計化などのバランス調整が行われている。

Hearts of Iron IV: By Blood Alone(ByBA)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第8弾[10]。2022年9月28日に発売。新しくスイスエチオピア帝国イタリア王国にNational Focusの追加が行われ、また、エチオピア周辺にオーッサ・スルタン国が追加された。 システム面Nでも、航空機のモジュール化や講和会議の改良などのバランス調整が行われた。

Hearts of Iron IV: Arms Against Tyranny(AAT)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第9弾[11]。2023年10月11日発売。新たに北欧諸国(デンマークノルウェースウェーデンフィンランド)へのNational Focusの追加が行われる。また、兵器生産システムの改良(「軍需産業組織」の実装)や、「国際市場」システムの導入が行われ、フィンランド限定のスキー兵、特殊部隊用の新しいドクトリンなどが追加された。

Hearts of Iron IV:Trial of Allengiance(ToA)[編集]

Hearts of Iron IVの拡張パック第10弾。2024年3月7日発売。新たにブラジルアルゼンチンウルグアイパラグアイチリへのNational Focusの追加が行われる。他にも一部国家へのディシジョンの追加される。また、南米国家を中心に開放国家が増える。[12]

対応言語[編集]

長らく日本語でプレイするには有志のユーザーによる非公式日本語化MODを利用する必要があったが[13]、運営がMOD製作者と協力し、2022年にバージョン1.12にアップデートされたと同時に正式に日本語に対応した。

公式による日本語対応後も、海外製MODなどの日本語化MODが有志により作成されている。

MOD[編集]

本作はSteam Workshopに対応しており、ゲームの内部データはMOD開発を前提とした作りになっている。

MODの種類はゲームバランスの調整、シナリオ変更、ゲームシステムの追加、マップの変更、など多岐に渡る。 代表的なmodとしてはKaiserreich(カイザーライヒ)[14]The New Order:Last Days of Europe(ザ・ニュー・オーダー)[15]などの歴史改変系のmodがある。 一方、The Road to 56のような国家方針を追加したものもある。

コマンド[編集]

hoi4では、コマンドを使うことで世界をより改変することができる。具体的には、国家の強制併合もしくは解体・全技術の解放などである。

国際市場[編集]

AATにて追加された要素。このシステムを使うことで武器の売買が可能である。レンドリースとの違いは平時でも取引が可能・代償が民需工場ではなく建設力である点である。


脚注[編集]

  1. ^ Paradox Interactive Announces Grand Successes for Grand Strategy Titles” (英語). Paradox Interactive (2016年6月21日). 2016年6月22日閲覧。
  2. ^ Steam:Hearts of Iron IV - Expansion Subscription”. 2024年2月1日閲覧。
  3. ^ Steam:Together for Victory”. 2023年9月11日閲覧。
  4. ^ Steam:Death or Dishonor”. 2023年9月11日閲覧。
  5. ^ Steam:Waking the Tiger”. 2023年9月11日閲覧。
  6. ^ Steam:Man the Guns”. 2023年9月11日閲覧。
  7. ^ Steam:La Résistance”. 2023年9月11日閲覧。
  8. ^ Steam:Battle for the Bosporus”. 2023年9月11日閲覧。
  9. ^ Steam:No Step Back”. 2023年9月11日閲覧。
  10. ^ Steam:By Blood Alone”. 2023年9月11日閲覧。
  11. ^ Steam:Arms Against Tyranny”. 2023年9月11日閲覧。
  12. ^ 主な国家はイースター島インカ帝国パタゴニアなど
  13. ^ github”. Hearts of Iron IV. Steam. 2022年12月12日閲覧。
  14. ^ 「もし第一次世界大戦中央同盟国側が勝利していたら」というテーマで作られている
  15. ^ 「もし第二次世界大戦枢軸国側が勝利していたら」というテーマで作られている