Ryzen

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AMD Ryzen
AMD ryzen stylized.svg
生産時期 2017年2月から現在まで
販売者 AMD
設計者 AMD
生産者
CPU周波数 2.0 GHz から 5.0 GHz
プロセスルール 14 nm から 6 nm
マイクロアーキテクチャ Zen
命令セット AMD64/x86-64
拡張命令 MMX(+), SSE1, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4a, SSE4.1, SSE4.2, AES, CLMUL, AVX, AVX2, FMA3, CVT16/F16C, ABM, BMI1, BMI2, SHA
コア数 2 - 64
ソケット
コードネーム
  • Summit Ridge
  • Raven Ridge
  • Pinnacle Ridge
  • Picasso
  • Matisse
  • Renoir
  • Licienne
  • Vermeer
  • Cezanne
  • Barcelo
  • Rembrandt
前世代プロセッサ AMD FX
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AMD Ryzen 5 2600
Zen

Ryzen (ライゼン[1][2]) はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) が開発したZenアーキテクチャーを採用するAMD64マイクロプロセッサのシリーズに用いられるブランド名である。「Ryzen」の名前は2016年12月13日のAMD New Horizon サミットで正式に発表された[3][4]

製品ラインナップ[編集]

マルチGPU

Zen アーキテクチャー[編集]

デスクトップ向けラインナップ[編集]

Summit Ridge および Whitehaven[編集]

"Summit Ridge" (サミットリッジ) [5]は、2017年3月2日 (日本では日本時間の3月3日) に発売された初代Ryzen CPUである[6][7]2015年5月から2016年にかけて段階的に発表[8][9][10]されていたZenアーキテクチャを搭載したCPUであり、GPUは統合していない。「Ryzen」の名前は2016年12月13日[4]、各モデルの詳細は2017年の2月22日に発表された[6]

Ryzen PROは、2017年6月29日(アメリカ時間)に発表された法人向けCPUのブランド名である。18ヶ月間のプラットフォーム安定性、24か月のプロセッサ提供保証、システム製造元向けの36か月間限定保証などの法人向けサポートに加え、通常のRyzenでは無効化しているセキュリティ関連機能を有効にして差異化を図っている[11]

"Whitehaven" は、2017年7月13日(アメリカ時間)に「Ryzen Threadripper」として発表されたハイエンド・デスクトップ (HEDT) 向けのCPUである[12]。Summit RidgeのシリコンダイをMCM技術により1つのパッケージに2基搭載しており、各ダイそれぞれメモリーコントローラーが存在するNUMA構造のプロセッサとなっている[13]

  • 対応ソケット - Socket AM4[14]、ただし Threadripper 1000シリーズはSocket TR4
  • 対応メモリ - DDR4-2666×2、DDR4-2400×2、DDR4-2133×4、DDR4-1866×4などの組み合わせ[注 1][14][15]、Non-ECC/ECC対応[注 2][16]
  • GPU - 非搭載
  • 対応マザーボード[注 3][注 4] - AMD 300シリーズ、AMD 400シリーズ
  • 命令セット拡張 - MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, AES, CLMUL, AVX, AVX2, FMA, CVT16/F16C, ABM, BMI1, BMI2, SHA.
  • トランジスタ数:48億[17]
  • ダイサイズ:212.97 mm2[18]
  • 「AMD SenseMIテクノロジー」として総称される次の機能をサポートする[14]
    • Pure Power - 軽負荷時のCPU電圧とクロックを調整する。
    • Precision Boost - 負荷がかかっているCPUコアが2個以下の場合にCPU電圧やクロック周波数を増加させる[15]
    • Extended Frequency Range (XFR) - CPU温度に応じて、Precision BoostからさらにCPU電圧とクロック周波数を増加させる。XモデルはPrecision Boostからさらに100 MHz、Xなしモデルは50 MHzまで引き上げられる[19]
    • Neural Net Prediction / Smart Prefetch - ワークフローやキャッシュ管理を最適化する内蔵AI
  • Ryzen PROのみ「AMD GuardMIテクノロジー」として総称される次の機能をサポートする。
    • 内蔵AES 128ビット暗号化エンジン
    • Windows 10エンタープライズ・セキュリティー・サポート
    • fTPM/TPM 2.0機能サポート
  • Ryzen PROを除いたモデルで、オーバークロック対応チップセットと組み合わせてクロック倍率を変更可能[14]
  • 一部のモデルはWraith 標準クーラーのアップグレード版にあたる Wraith Spire、Wraith Stealth、Wraith Max が付属する。オリジナルのWraith Coolerは2016年中頃にリリースされた[20]。Wraith Stealth以外の新しいクーラーはRGB LEDで光る[注 5]。Wraith MaxクーラーはXモデルにオプションで用意される。
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト XFR L2 L3

(MB)

USD JPY
Threadripper 1950X 16 (32) 3.4 4.0 4.20 512 KB
×コア数
32 なし なし 180 2017年8月10日 $999 128000円 [注 7][21][22][23][24][25]
1920X 12 (24) 3.5 $799 102800円
1900X 8 (16) 3.8 16 2017年8月31日 $549 75060円
Ryzen 7 1800X 3.6 4.10 95 2017年3月2日 $499 59800円 [14][19]
PRO 1700X 3.4 3.8 なし 2017年6月29日 OEM OEM [26]
1700X 3.90 2017年3月2日 $399 46800円 [14][19]
PRO 1700 3.0 3.7 なし Wraith Spire 65 2017年6月29日 OEM OEM [26]
1700 3.75 2017年3月2日 $329 38800円 [14][19]
Ryzen 5 1600X 6 (12) 3.6 4.0 4.10 なし 95 2017年4月11日 $249 30800円 [27][28]
PRO 1600 3.2 3.6 なし Wraith Spire 65 2017年6月29日 OEM OEM [26]
1600 3.70 2017年4月11日 $219 27800円 [27][28]
1500X 4 (8) 3.5 3.7 3.90 2017年4月15日 $189 23800円 [27][28]
PRO 1500 なし 2017年6月29日 OEM OEM [26]
1400 3.2 3.4 3.45 8 Wraith Stealth 2017年4月15日 $169 21000円 [27][28]
Ryzen 3 1300X 4 (4) 3.5 3.7 3.90 2017年7月27日 $129 16500円 [29][30]
PRO 1300 なし 2017年6月29日 OEM OEM [26]
PRO 1200 3.1 3.4 なし OEM OEM [26]
1200 3.45 2017年7月27日 $109 13800円 [29][30]
Raven Ridge[編集]

"Raven Ridge" (レイヴンリッジ) は、「Ryzen Desktop Processors with Radeon Vega Graphics」として2018年1月のCES 2018で予告され[31]、同年2月12日 (日本時間では日本時間2月13日) に発売された[32]ZenアーキテクチャのAPUである 。先に発表されていたモバイル版をベースとしており、Summit Ridgeと異なり、Radeon GPUを統合している。一方でPCI Expressのレーン数やL3キャッシュの容量はSummit Ridgeより低い[32]。モデル名は2000番台で、発売時期も"Zen+"世代のPinnacle Ridgeの直前だが、CPUのアーキテクチャ自体は一世代古い。このためRyzen 2000GシリーズなどPinnacle RidgeのRyzen 2000シリーズとは区別して表記される場合もある。

  • 対応ソケット - Socket AM4
  • 対応メモリ - DDR4-2933 (最大)
  • GPU - Radeon Vega
  • 対応マザーボード[注 3] [注 4]- AMD 300シリーズ、AMD 400シリーズ
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

USD JPY
Ryzen 5 2400G 4 (8) 3.6 3.9 512 KB
×コア数
4 11 704 1250 Wraith Stealth 65 2018年2月13日[33] $169 19800円 [34]
Ryzen 3 2200G 4 (4) 3.5 3.7 8 512 1150 $99 12800円

モバイル向けラインナップ[編集]

Raven Ridge[編集]

"Raven Ridge" (レイヴンリッジ) は、デスクトップ版より早い2017年10月26日に「Ryzen Mobile」として発表されたZenアーキテクチャのAPUである。これもSummit Ridgeと異なり、Radeon GPUを統合している[35]。モデル名は2000番台で、同じアーキテクチャのデスクトップ版とはズレがある。BGA版のみの提供で、交換可能なソケットでは提供されていない。 2018年第二四半期には、法人向けモデルであるRyzen PRO Mobileも投入された[36]

  • パッケージ - FP5
  • 対応メモリ - DDR4-2400 (最大)
  • GPU - Radeon Vega
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU TDP

(W)

cTDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

Ryzen 7 2700U 4 (8) 2.2 3.8 512 KB
×コア数
4 10 640 1300 15 12 - 25 2017年10月26日 OEM [36]
PRO 2700U 不明
Ryzen 5 2500U 2.0 3.6 8 512 1100 2017年10月26日
PRO 2500U 不明
Ryzen 3 2300U 4 (4) 3.4 6 384 2018年1月8日
PRO 2300U 不明
2200U 2 (4) 2.5 3 192 2018年1月8日

Zen+ アーキテクチャー[編集]

デスクトップ向けラインナップ[編集]

Pinnacle Ridge および Colfax[編集]

"Pinnacle Ridge" (ピナクルリッジ) は、現地時間2018年4月19日9:00に「2nd Generation AMD Ryzen Desktop Processor[37][注 8]として発表されたSummit Ridgeの後継CPUである[38]。日本では「第2世代Ryzen」[39]やモデル名から「Ryzen 2000 (シリーズ)」[40]などと呼ばれている。

約2か月前に発売されたGPU搭載のRaven Ridgeが代替する格好となったため、Summit Ridgeで用意されていたRyzen 3等の下位クラスは一般販売では用意されない[38]

内部構造は前世代であるSummit Ridgeの"Zen"から基本的には変わっていないが、プロセスルールがGLOBAL FOUNDRIESの14 nmから12 nmに変更され、動作クロックが大きく向上し、対応するメモリーもDDR4-2933へと拡大された。また、APUに先行して採用されていた自動オーバークロック機能"Precision Boost 2"への対応も行われている。これに併せ上位クラスのTDPがこれまでの95 Wから105 Wに上昇している[38]

対応マザーボードはPinnacle Ridgeと同時に投入されたX470などの400シリーズと、メーカーがBIOSアップデートを提供すれば従来の300シリーズチップセットを搭載したマザーボードも使用可能である。実際に自作PC市場向けとして発売されたマザーボードは全てのメーカー・機種で対応している。

"Colfax" は、2018年8月6日に「2nd Gen Ryzen Threadripper」として発表されたハイエンド・デスクトップ (HEDT) 向けのCPUである[41]。前世代と同様に"Zen+"のPinnacle RidgeのダイをMCMにより1つのパッケージに搭載しており、4基搭載で32コア・64スレッドまでの製品がラインアップされている。4基構成のWXシリーズはその構造上の特性から、当初はLinuxでの運用が推奨されていたが[42]、ソフトウェアを導入することで有効となる「Dynamic Local Mode」を使う事でWindows環境でもパフォーマンスが向上するようになった[43][44]

2020年5月ごろ、Ryzen 5 1600AFが日本市場にて発売された (米国では2019年10月中旬より発売開始) 。モデル名は旧世代の1000番台ではあるが、コアは12 nmの"Zen+"であり、わずかに低いクロックを除けばRyzen 5 2600とほぼ同等のスペックとなる。正式なモデル名はRyzen 5 1600のままであり、パッケージのシール及びCPUの刻印に記載されたOPNの末尾が従来の"AE"から"AF"に変更されているため便宜的に1600AFと呼ばれる。

  • 対応ソケット - Socket AM4、ただし Threadripper 2000シリーズはSocket TR4
  • 対応メモリ - DDR4-2933 (最大)
  • GPU - 非搭載
  • 対応マザーボード[注 3][注 4] - AMD 300シリーズ、AMD 400シリーズ、AMD 500シリーズ
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

USD JPY
Ryzen Threadripper 2990WX 32 (64) 3.0 4.2 512 KB
×コア数
64 なし なし 250 2018年8月13日 $1799 214800円 [45]
2970WX 24 (48) 2018年10月30日 $1299 159800円 [46]
2950X 16 (32) 3.5 4.4 32 180 2018年9月1日 $899 107800円 [47]
2920X 12 (24) 4.3 2018年10月30日 $649 79800円 [46]
Ryzen 7 PRO 2700X 8 (16) 3.6 4.1 16 105 2018年9月6日 OEM OEM [48]
2700X 3.7 4.3 Wraith Prism 2018年4月19日 $329 37980円 [39]
PRO 2700 3.2 4.1 なし 95 2018年9月6日 OEM OEM [48]
2700 Wraith Spire With RGB LED 65 2018年4月19日 $299 35980円 [39]
Ryzen 5 2600X 6 (12) 3.6 4.2 Wraith Spire 95 $229 25980円 [39]
PRO 2600 3.4 3.9 なし 65 2018年9月6日 OEM OEM [48]
2600 Wraith Stealth 2018年4月19日 $199 22980円 [39]
1600AF 3.2 3.6 2020年5月16日 $85 9980円 [49]
2500X 4 (8) 3.6 4.0 8 なし 2018年9月11日 OEM OEM [50]
Ryzen 3 2300X 4 (4) 3.5 [50]
Picasso[編集]

"Picasso" (ピカソ)[51]は、AMD Next Horizon Gaming E3 2019にて、現地時間2019年6月10日 (日本時間 2019年6月11日) に発表されたRaven Ridgeの後継APUである。先行して発表されたモバイル版と同様に、Zen+アーキテクチャ・12 nmプロセスルールで製造されている。GPUは前世代と同じくVega世代を内蔵している[52]。Raven Ridgeと同じく、モデル名は3000番台で発売日はMatisseと同日であるが、CPUアーキテクチャは"Zen+"世代のため1世代古い。Athlonブランドに3000Gが存在するためか、個別の製品名で呼ばれる事が多い。

  • 対応ソケット - Socket AM4
  • 対応メモリ - DDR4-2933 (最大)
  • GPU - Radeon Vega
  • 対応マザーボード[注 3][注 4] - AMD 300シリーズ、AMD 400シリーズ、AMD 500シリーズ
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

cTDP

(W)

発売日 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

USD JPY
Ryzen 5 3400G 4 (8) 3.7 4.2 512 KB
×コア数
4 11 704 1400 Wraith Spire 65 45 - 65 2019年7月7日 $149 18800円 [53][54][55]
Ryzen 3 3200G 4 (4) 3.6 4.0 8 512 1250 Wraith Stealth $99 11800円 [56][54][55]

モバイル向けラインナップ[編集]

Picasso[編集]

"Picasso" (ピカソ) はデスクトップ版より早い2019年1月7日に「2nd Gen. Ryzen Mobile Processor with Radeon Vega Graphics」として発表されたRaven Ridgeの後継APUである[57]。Zen+アーキテクチャ・12 nmプロセスルールで製造されている。日本では「第2世代Ryzenモバイル」[58]などと呼ばれる。これもPinnacle Ridgeと異なり、Radeon GPUを統合している[58]。前世代ではTDP 15 W版しか用意されていなかったが、ゲーミングノートPC向けにTDP 35 W版の「Ryzen 7 3750H/Ryzen 5 3550H」が追加された。2019年10月に発表された、Microsoft Surface Laptop 3 15インチの一般モデルにカスタマイズ版第2世代Ryzen Mobile APUプロセッサーが搭載されている[59]

また、法人向けモデルのRyzen PRO 3000シリーズも2019年4月に発表された[60]

  • パッケージ - FP5
  • 対応メモリ - DDR4-2400 (最大)、Surface Edition (Ryzen 7 3780U / Ryzen 5 3580U) のみDDR4-3733
  • プロセスルール - 14 nm (Ryzen 3 3200Uのみ) または12 nm
  • GPU - Radeon Vega
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU TDP

(W)

cTDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

Ryzen 7 3780U 4 (8) 2.3 4.0 512 KB
×コア数
4 11 704 1400 15 12 - 35 2019年10月 OEM [59][61]
3750H 10 640 35 2019年1月7日 [58][60]
3700U 15
PRO 3700U 2019年4月8日
Ryzen 5 3580U 2.1 3.7 9 576 1300 2019年10月 [59][62]
3550H 8 512 1200 35 2019年1月7日 [58][60]
3500U 15
PRO 3500U 2019年4月8日
3450U 3.5 2020年Q2
Ryzen 3 3300U 4 (4) 6 384 2019年1月7日
PRO 3300U 2019年4月8日
3250U 2 (4) 2.6 3 192 2020年1月7日 [63]
3200U [58][60]

Zen 2 アーキテクチャー[編集]

デスクトップ向けラインナップ[編集]

Matisse および Castle Peak[編集]
AMD Ryzen 7 3700Xの、表面 (上) と裏面 (下)

"Matisse" (マティス) は、COMPUTEX TAIPEI 2019開幕前日の2019年5月26日にComputex 2019 Keynoteにて、AMDのCEOリサ・スー氏により「3rd Gen AMD Ryzen Desktop Processor」として発表されたPinnacle Ridgeの後継CPUである[64]。日本では前世代同様に「第3世代Ryzen」[55]や「Ryzen 3000 (シリーズ)」[65]と呼ばれている。

"Zen+"のPinnacle Ridgeからの最大の変更点は、CPUとI/Oの2種類のChipletを組み合わせる設計になったことである。CPU Chiplet「CCD (CPU Complex Die)」は最大8コア16スレッドのプロセッサを搭載しTSMC 7 nm FinFETで製造されており[66]、最大2つのCCDがパッケージングされる[67]。アーキテクチャの改良によりAMDはシングルスレッドで15%の性能(IPC)向上を果たしたと発表している[64]。I/O Chiplet「cIOD (Client I/O Die)」はDDR4-3200をサポートしたメモリコントローラ[66]PCI Express 4.0コントローラなどが集積されGLOBAL FOUNDRIESの12 nmプロセスルールで製造されている[68][69][70][71][72]。これによって世界初のPCI Express4.0対応プロセッサになった[73]

新たなブランドとしてRyzen 9シリーズが新設され、Ryzen Threadripperや競合のIntel Core Xなどソケットチップセットの変わるハイエンド・デスクトップ (HEDT) 向けではないメインストリーム向けCPUでは初めてとなる12コア24スレッドを搭載するRyzen 9 3900Xが2019年7月7日に[64][74]、さらに2019年6月に開催されたAMD Next Horizon Gaming E3 2019では上位モデルとなる16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xが発表された。このうち3950Xは9月に発売予定であったが[75]、11月に発売延期された[76]

対応マザーボードは、Matisseと同時投入のX570ほか500シリーズの他、従来のSocket AM4対応マザーボードでもメーカーからのBIOSアップデートが提供されれば対応可能であるが、A320搭載マザーボードは対応しない[73]。また、2020年5月現在も未対応、あるいはβ版のみの提供となっているマザーボードも存在するため、よく確認する必要がある。

"Castle Peak" は、2019年11月7日 (アメリカ時間)に「3rd Gen Ryzen Threadripper」として発表されたハイエンド・デスクトップ向けのCPUである[77]。第2世代ThreadripperのWXシリーズと比べ、Zen 2アーキテクチャによるシングルスレッドの性能向上と、メモリーコントローラーが独立したチップになった事ですべてのダイから均等にアクセスできるようになり処理速度が改善された[78]。最大8コアのCCDを最大8基搭載し64コア128スレッドまでの製品が用意されているが、前述の通りメインストリーム向けCPUに新設されたRyzen 9が12コア及び16コアを搭載しているため、第2世代WXシリーズに相当する24コア以上の製品しか存在しない[注 9]。プラットフォームとしてはチップセットとCPUとの接続がPCI Express 3.0のx4レーンからPCI Express 4.0 x8レーンと強化されたため4倍の速度となった。一方でソケット及びチップセットが変更になったため前世代までのマザーボードとの互換性は無い。当初、このソケットおよびチップセットの変更は「将来の開発とスケーラビリティ」のためとAMDから説明されていたが[79]Zen3世代で後述のThreadripper PROに一本化されたため、Castle Peak以外の製品が出ないまま1世代で製品展開は終了した。

2020年4月21日 (アメリカ時間)、下位モデルであるRyzen 3シリーズが発表された[80]。前世代ではAPUがその役割を担うとしてリテール向けには登場しなかったため、約3年ぶりの復活となる。

2020年6月16日 (アメリカ時間)、クロックを向上させた3000XTシリーズが発表された[81]。ブースト時のクロックを除きCPU本体のスペックに差はないものの、3600XTを除きクーラーが同梱されていない。米国では7月7日より販売され、国内での販売は7月18日開始の予定だったが[82]、7月23日に変更された[83]

2020年7月14日 (アメリカ時間)、Threadripper初の法人・ワークステーション向けCPUである Ryzen Threadripper PROシリーズが発表された[84]。既存のRyzen Threadripper 3000シリーズをベースに、企業向けの「AMD PRO」技術を搭載しており、メモリはECC UDIMMに加えてRDIMMLRDIMM(つまりDIMMの全種類)をサポート、従来の倍となる8ch接続にも対応し容量の上限は2 TBまでとなっている。また、既存のThreadripperには存在しない16コア及び12コアのモデルも用意され、コア数よりもメモリやPCI Expressのレーン数を重要視するニーズにもこたえている。ソケットはsWRX8となり従来のThreadripper 3000シリーズと互換性は無い。当初はレノボのワークステーションに搭載される形で発売されていたが、後に一般消費者向けにCPUとマザーボードの単品販売もされた[85]

  • 対応ソケット - Socket AM4。Threadripper 3000シリーズはSocket sTRX4、Threadripper PRO 3000シリーズはSocket sWRX8
  • 対応メモリ - DDR4-3200[66]
  • GPU - 非搭載
  • 対応マザーボード[注 3] - AMD 300シリーズ[注 10]、AMD 400シリーズ、AMD 500シリーズ。Threadripper 3000シリーズはTRX40、Threadripper PRO 3000シリーズはWRX80のみ
  • トランジスタ数
    • CCD:約39億[86]
    • cIOD:約20億9000万[86]
  • ダイサイズ
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

USD JPY
Ryzen Threadripper PRO 3995WX 64 (128) 2.7 4.3 512 KB
×コア数
256 なし なし 280 2020年7月14日 N/A N/A [87]
3990X 2.9 2020年2月7日 $3990 449800円 [88][89]
PRO 3975WX 32 (64) 3.5 4.35 128 2020年7月14日 N/A N/A [90]
3970X 3.7 4.5 2019年11月25日 $1999 233800円 [91]
3960X 24 (48) 3.8 $1399 164800円 [92]
PRO 3955WX 16 (32) 3.9 4.3 64 2020年7月14日 N/A N/A [93]
PRO 3945WX 12 (24) 4.0 4.4 N/A N/A [94]
Ryzen 9 3950X 16 (32) 3.5 4.7 105 2019年11月25日 $749 89800円 [95][75]
3900XT 12 (24) 3.8 2020年7月23日 $499 59800円 [96]
3900X 4.6 Wraith Prism 2019年7月7日 [66][64][55]
3900 3.1 4.3 Wraith Spire 65 2019年9月24日 OEM OEM [97]
Ryzen 7 3800XT 8 (16) 3.9 4.7 32 なし 105 2020年7月23日 $399 46800円 [96]
3800X 4.5 Wraith Prism 2019年7月12日 46980円 [66][64][55][98]
3700X 3.6 4.4 65 2019年7月7日 $329 39800円 [66][64][55]
Ryzen 5 3600XT 6 (12) 3.8 4.5 Wraith Spire 95 2020年7月23日 $249 29200円 [96]
3600X 4.4 2019年7月7日 29800円 [66][64][55]
3600 3.6 4.2 Wraith Stealth 65 $199 23980円 [66][64][55]
3500X 6 (6) 4.1 2019年9月24日[注 11] OEM OEM [97]
3500 16 2020年2月22日 N/A 14680円 [99]
Ryzen 3 3300X 4 (8) 3.8 4.3 2020年5月21日 $122 13980円 [100][101]
3100 3.6 3.9 $99 8980円
Renoir[編集]

"Renoir" (ルノワール)[102]は、日本時間2020年7月21日22:00に「Ryzen 4000 Series Desktop Processor with Radeon Graphics」として発表されたPicassoの後継APUである[103]。先行して発表されたモバイル版と同様に、Zen 2アーキテクチャ・7 nmプロセスルールで製造されており、GPUはPicassoと同様にVegaアーキテクチャのRadeon Graphicsを内蔵している[104]。モデル名が4000番台となり、Zen 3アーキテクチャのCPUが5000番台となったため当初はAPU専用のシリーズであった。

GPUのCU数が減っているものの、下位モデルを除きクロックが大幅に向上しており結果的にグラフィック性能が向上している。Mattiseで特徴的であったチップレット構成は採用されておらず、先行して投入されたモバイル向けのRenoirと同じくモノリシックダイである。Mattiseとは異なりPCI ExpressはGen3までの対応となっているが、これまでのAPUの8レーンから16+4レーンに拡張されており、グラフィックカードとNVMe SSDをレーン数に制限される事無く同時に搭載可能となった。

OEM向けの出荷が中心で単品販売は想定されていないが、日本を含め数か国ではPROシリーズのみバルク品として販売されることになった[105]

対応マザーボードは公式には500シリーズチップセット搭載のマザーボードのみ。

2022年3月15日、デスクトップ向け5000シリーズの下位モデルとして新たな製品がリテール向けに追加された[106]。APUからGPUを無効化した製品も含まれているため、4000番台はAPU専用ではなくなっている。

  • 対応ソケット - Socket AM4
  • 対応メモリ - DDR4-3200 (最大)
  • GPU - Radeon Graphics
  • 対応マザーボード - AMD 500シリーズ
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

cTDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

USD JPY
Ryzen 7 PRO 4750G 8 (16) 3.6 4.4 512 KB
×コア数
8 8 512 2100 なし 65 45 - 65 2020年7月21日
2020年8月8日 (日本)
N/A 43978円 [107]
Ryzen 5 PRO 4650G 6 (12) 3.7 4.2 7 448 1900 29678円 [108]
4600G Wraith Stealth 2022年4月4日 $154 [106]
4500 3.6 4.1 なし Wraith Stealth 2022年4月4日

2022年6月10日 (日本)

$129 17200円 [106]
Ryzen 3 PRO 4350G 4 (8) 3.8 4.0 4 6 384 1700 なし 2020年7月21日
2020年8月8日 (日本)
N/A 21978円 [109]
4100 なし Wraith Stealth 2022年4月4日

2022年6月10日 (日本)

$99 14200円

モバイル向けラインナップ[編集]

Renoir[編集]

"Renoir" (ルノワール) は、デスクトップ版より早い2020年1月7日に「AMD Ryzen 4000 Series Mobile Processor with Radeon Graphics[110]として発表されたPicassoの後継APUである[111]。Matisseと異なり、Radeon GPUを統合している。 Zen 2アーキテクチャ・7 nmプロセスルールで製造されており、前世代のPicassoから倍となる最大8コア16スレッドと8 MBのL3キャッシュを搭載したCPUと、改良版Vegaグラフィックスを搭載。デスクトップ向けCPUで大きな特徴であったチップレット構成は特に低消費電力が要求されるAPUでは実現することが困難なため採用されておらず、シングルダイのプロセッサとなっている[112]。プロセッサーナンバー末尾のHシリーズのTDPは前世代のPicassoでは35 Wだったが、Renoirからは45 Wに変更された。

新しい熱設計制御としてCPUとGPUの熱設計枠を共有し、CPUのパワーが必要なときにはGPUのほうに必要な熱設計の枠をCPUに共有、その逆にゲームなどでGPUが重要なときは、CPUの熱設計の枠をGPUに共有する「AMD SmartShift」がRyzen 4000シリーズとRadeon RX 5000Mシリーズに導入された。

  • パッケージ - FP6
  • 対応メモリ - DDR4-3200、LPDDR4-4266 (最大)
  • トランジスタ数 - 98億[113]
  • ダイサイズ - 156 mm2[113]
  • GPU - Radeon Graphics
  • Ryzen 4900HSプロセッサーのみ、発表後半年間はASUSに独占供給され[114]、Ryzen 7 Extreme Editionプロセッサーのみ、NEC PCのみに独占配給[115]される。
ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU TDP

(W)

cTDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

Ryzen 9 4900H 8 (16) 3.3 4.4 512 KB
×コア数
8 8 512 1750 45 35 - 54 2020年3月16日 OEM [116]
4900HS 3.0 4.3 35 不明
Ryzen 7 4800H 2.9 4.2 7 448 1600 45 35 - 54 2020年1月7日 [111]
4800HS 35 不明 [114]
4980U 2.0 4.4 8 512 1950 15 10 - 25 2021年4月13日 [117]
Extreme Edition 1.8 4.2 1750 不明 2020年7月8日 [115]
4800U 10 - 25 2020年1月7日 [111]
PRO 4750U 1.7 4.1 7 448 1600 2020年5月7日
4700U 8 (8) 2.0 2020年1月7日
Ryzen 5 4680U 6 (12) 2.2 4.0 1500 15 10 - 25 2021年4月13日 [118]
4600H 3.0 6 384 45 35 - 54 2020年1月7日 [111]
4600HS 35 不明
PRO 4650U 2.1 15 10 - 25 2020年5月7日
4600U 2020年1月7日
4500U 6 (6) 2.3
Ryzen 3 PRO 4450U 4 (8) 2.5 3.7 4 5 320 1400 2020年5月7日 [111]
4300U 4 (4) 2.7 2020年1月7日
Lucienne[編集]

"Lucienne" (リュシエンヌ) は、2021年1月13日にCezanneと共に発表されたモバイル版APUである[119]。モデル名は5000番台であるが、Zen 3アーキテクチャではなくZen 2アーキテクチャである[注 12]。ただしRenoirのリブランド品ではなく、電力管理機構の改善などCPUコア以外がLucienne相当に改良された異なる設計のダイによる製品である[120]。プロセスルールの据え置きでダイサイズが肥大化したCezanneの下位モデルをより小規模な"Zen 2"コアでカバーするために用意された。

ブランド・モデル CPU GPU TDP

(W)

メモリ速度

(MHz)

発売日[注 6] 価格 出典
コア数 (スレッド数) クロック (GHz) キャッシュ (MB) CU数 SP数 周波数

(MHz)

ベース ブースト L2 L3 DDR4 LPDDR4
Ryzen 7 5700U 8 (16) 1.8 4.3 4 8 8 512 1900 15 3200 4266 2021年1月12日 OEM [120]
Ryzen 5 5500U 6 (12) 2.1 4.0 3 7 448 1800
Ryzen 3 5300U 4 (8) 2.6 3.8 2 4 6 384 1500

Zen 3 アーキテクチャー[編集]

デスクトップ向けラインナップ[編集]

Vermeer および Chagall[編集]

"Vermeer"(フェルメール)は、2020年10月8日にYouTube上でのオンラインイベントで「AMD Ryzen 5000 Series Desktop Processors」として発表された、Matisseの後継CPUである[121][122][123][124]。モデル名は4000番台がスキップされ5000番台となり、世代と数字にズレが生じたため「第4世代Ryzen」とは呼ばれず専ら「Ryzen 5000 (シリーズ)」と呼ばれている。

先代と同じ7 nmプロセスルールを採用しながら、内部構造の改良によって、同じクロックで19%のIPCの向上を実現している。特に、初代から続くL3キャッシュ周りの構造が一新されており、大きな改良点とされる。

各モデル共、ベースクロックは低下したものの、ブーストクロックは向上している。TSMCの7 nmプロセスルールで製造されるCPUチップレット「CCD」とGLOBAL FOUNDRIESの12 nmプロセスルールで製造される「cIOD」を組み合わせるというチップレット構造は変化しておらず、まだcIODは前世代と同一のものとされている[125]

Matisseでは後からの発表であった16コアモデルが初めからラインナップに加わっている一方、当初は8コア・6コアの下位モデルが存在していなかった。また価格も前世代に比べて50ドル、下位モデルが無くなった8コア・6コアモデルは同じコア数で約100ドルの値上げとなっており、CPUクーラーも前世代のXTシリーズと同様に最下位モデルの5600Xを除き付属せず、5600X付属のCPUクーラーもTDPが65 Wとなった事で下位グレードのWraith Stealthとなっており、CPU単体のコストパフォーマンスは低下した。

対応マザーボードは発売時点では500シリーズ (X570・B550・A520) チップセット搭載のマザーボードのみで、メインストリーム向けのプラットフォームとしては珍しく、CPUの世代交代と同時に新チップセットのマザーボードは投入されなかった。前世代である400シリーズ (X470・B450) チップセット、特にB550が発表された2020年4月 (発売は6月) まで現行の製品であったB450での非対応は非難を浴びたため[126]、後に対応する事が発表され[127]、500シリーズからは遅れるもののメーカーからBIOSの提供があれば対応可能となった。300シリーズ(X370・B350・A320)は長らく非対応であったが、後述の下位モデル発表時に併せて対応する事が発表され、400シリーズ同様にメーカーからBIOSの提供があれば対応可能となった[106]

"Chagall"(シャガール)は、2022年3月8日 (アメリカ時間) に「Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズ」として発表されたZen 3アーキテクチャを採用したワークステーション向けCPUである[128]。ソケットは前世代にあたるRyzen Threadripper PRO 3000シリーズと同じsWRX8で、従来の16コアと32コアの間となる24コアの製品もラインアップされている。前世代と同様に当初はレノボのワークステーションに搭載された形で販売され、一般向けには後から販売される[129]。"PRO"の付かないRyzen Threadripperより先に発表された形であったが、2022年6月21日、ThreadripperとThreadripper PROは「統合」され、"PRO"のソケット・チップセットがThreadripper唯一のプラットフォームになる事を (つまり、PROの付かないThreadripperが廃止される事を) AMDは発表した。この発表は複数の海外のニュースサイトを通じて行われており[129][130][131]、AMD公式サイトおよび国内のニュースサイトでは特に発表は行われていない。

当初の発表から1年半後の2022年3月15日、L3キャッシュ容量を従来の3倍に引き上げた5800X3Dと、従来品の下位モデルとなる製品群が発表された[132][106]。5800X3Dは2021年の6月に技術的なプロトタイプの発表を行っていたもので[133]シリコン貫通ビアにより追加のL3キャッシュを積層(スタッキング)する「3D V-Cache」と呼ばれる技術を用いている[134]。当初は2021年末までに発売予定とされていたが[135]、後に2022年に発売するとしていたものである[136]。従来製品の下位モデルは前世代であるRyzen 3000シリーズのラインナップに相当するものが追加されているが、Zen 3アーキテクチャのAPU(Cezanne)からGPUコアを無効化した製品と、Zen 2アーキテクチャのAPU(Renoir)とそのGPUを無効化した4000シリーズの製品も同時に追加されている[137]

  • 対応ソケット - Socket AM4。Threadripper PRO 5000シリーズはSocket sWRX8
  • 対応メモリ - DDR4-3200
  • GPU - 非搭載
  • 対応マザーボード[注 3] - AMD 300シリーズ[注 10]、AMD 400シリーズ、AMD 500シリーズ。Threadripper PRO 5000シリーズはWRX80のみ
ブランド・モデル コア数 (スレッド数) クロック周波数 (GHz) キャッシュ

(MB)

GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日[注 6] 価格 出典
ベース ブースト L2 L3 USD JPY
Ryzen Threadripper PRO 5995WX 64 (128) 2.7 4.5 512 KB
×コア数
256 なし なし 280 2022年3月8日 OEM OEM [128]
PRO 5975WX 32 (64) 3.6 128
PRO 5965WX 24 (48) 3.8
PRO 5955WX 16 (32) 4.0 64
PRO 5945WX 12 (24) 4.1
Ryzen 9 5950X 16 (32) 3.4 4.9 105 2020年11月5日 $799 96800円 [138]
5900X 12 (24) 3.7 4.8 $549 64980円
5900 3.0 4.7 65 2021年1月12日 OEM OEM [139]
Ryzen 7 5800X3D 8 (16) 3.4 4.5 96 105 2022年4月20日 $449 [132]
5800X 3.8 4.7 32 2020年11月5日 53480円 [138]
5800 3.4 4.6 65 2021年1月12日 OEM OEM [139]
5700X 2022年4月4日

2022年4月15日 (日本)

$299 42800円 [106]
Ryzen 5 5600X 6 (12) 3.7 Wraith Stealth 2020年11月5日 35800円 [140]
5600 3.5 4.4 2022年4月4日

2022年4月15日 (日本)

$199 28800円 [106]
Cezanne[編集]

"Cezanne"(セザンヌ)は、2021年4月13日に「AMD Ryzen 5000 G-Series Desktop Processor」として発表 (公開) されたRenoirの後継APUである[141][142]。日本では「Ryzen 5000G (シリーズ)」と呼ばれる。

先行して発表されたモバイル向けCezanneと同じくZen 3アーキテクチャのCPUコアにVega世代のGPUを内蔵しており、アーキテクチャの改良とL3キャッシュの倍増によりCPU性能が大きく向上している。当初はOEM向けとされており、あまり大々的な発表ではなかったものの、同年6月1日のCOMPUTEX TAIPEI 2021における基調演説において8コア及び6コアモデルがリテール向けに8月5日に発売される事が発表された[143][144]。前世代のRenoirはバルクのみでリテールは発売されなかったため、デスクトップのリテール品としては2世代ぶりのAPUとなる。

当初は価格と性能の両方において"X"付きのVermeerの下位モデルとしてラインナップをカバーする事となっていたが、後にVermeerの下位モデルは別で追加されている。

2022年3月には、CezanneからGPUを無効化したRyzen 5 5500が既存の5000シリーズの下位モデルとして発表された[137]。競合のIntel Coreプロセッサでは2019年から行われているが[145]、RyzenシリーズのAPUからGPUを無効化した製品は初となる。

ブランド・モデル コア数
(スレッド数)
クロック周波数 (GHz) キャッシュ GPU 同梱クーラー TDP

(W)

発売日 価格 出典
ベース ブースト L2 L3

(MB)

CU数 SP数 周波数

(MHz)

USD JPY
Ryzen 7 5700G 8 (16) 3.8 4.6 512 KB
×コア数
16 8 512 2000 Wraith Stealth 65 2021年8月5日 $359 51800円 [146]
Ryzen 5 5600G 6 (12) 3.9 4.4 7 448 1900 $259 36800円 [146]
5500 3.6 4.2 なし 2022年4月4日

2022年4月15日 (日本)

$159 23300円 [106]


モバイル向けラインナップ[編集]

Cezanne[編集]

"Cezanne" (セザンヌ) は、2021年1月13日にLucienneと共に「AMD Ryzen 5000 Series Mobile Processors」として発表された、Renoirの後継APUである[119][147]。デスクトップ向けのVermeerと同じく、Zen 3アーキテクチャの採用により性能が大きく向上している。コア数は変わらないものの、L3キャッシュは前世代の2倍となる16 MBを搭載し、CCXの改良を合わせると実質4倍と大幅に増量された。一方でプロセスルールは前世代と同じTSMC 7 nmで据え置きかつモノシリックダイのため、ダイサイズは肥大化している。また、統合されるGPUはVega世代で据え置かれている。

  • パッケージ - FP6
  • 対応メモリ - DDR4-3200、LPDDR4-4266 (最大)
  • トランジスタ数 - 107億[120]
  • ダイサイズ - 180 mm2[120]
  • GPU - Radeon Graphics
ブランド・モデル CPU GPU TDP

(W)

メモリ速度

(MHz)

発売日[注 6] 価格 出典
コア数 スレッド数 クロック (GHz) キャッシュ (MB) コア数 SP数 クロック (GHz)
ベース ブースト L2 L3 DDR4 LPDDR4
Ryzen 9 5980HX 8 16 3.3 4.8 512 KB
×コア数
16 8 512 2.1 45+ 3200 4266 2021年1月12日 OEM [148]
5980HS 3.0 35
5900HX 3.3 4.6 45+
5900HS 3.0 35
Ryzen 7 5800H 3.2 4.4 2.0 45
5800HS 2.8 35
PRO 5850U 1.9 15 2021年3月16日 [149]
5800U 2021年1月12日 [148]
Ryzen 5 5600H 6 12 3.3 4.2 7 448 1.8 45
5600HS 3.0 35
PRO 5650U 2.3 15 2021年3月16日 [149]
5600U 2021年1月12日 [148]
5560U 4.0 8 6 384 1.6 2021年1月12日 [150]
Ryzen 3 PRO 5450U 4 8 2.6 4.0 2021年3月16日 [149]
5400U 2021年1月12日 [148]
Barcelo[編集]
  • パッケージ - FP6
  • 対応メモリ - DDR4-3200、LPDDR4-4267 (最大)
  • トランジスタ数 -
  • ダイサイズ -
  • GPU - Radeon Graphics
ブランド・モデル CPU GPU TDP

(W)

メモリ速度

(MHz)

発売日 価格 出典
コア数 スレッド数 クロック (GHz) キャッシュ (MB) コア数 SP数 クロック (GHz)
ベース ブースト L2 L3 DDR4 LPDDR4
Ryzen 7 PRO 5875U 8 16 2.0 4.5 4 16 8 512 2.0 15 3200 4267
5825U
Ryzen 5 PRO 5675U 6 12 2.3 4.3 3 16 7 448 1.8
5625U
Ryzen 3 PRO 5475U 4 8 2.7 4.1 2 8 6 384 1.6
5425U

Zen 3+ アーキテクチャー[編集]

モバイル向けラインナップ[編集]

Rembrandt[編集]

"Rembrandt" (レンブラント) は、2022年1月3日に「Ryzen 6000 Series Mobile Processor」として発表された、Cezanneの後継APUである。7nmで製造されていた"Zen 3"をTSMCの6nm FinFETプロセス向けに改良したZen3 +アーキテクチャが採用されており、CPUの基本的な構造は"Zen 3"を踏襲しているが、対応メモリーはLPDDR5/DDR5となっている。モバイル向けながらPCI Express 4.0に対応し、USB4が統合されるなど"足回り"も強化されている。CPU部分は改良レベルに留まるが、GPU部分には長らく採用され続けていたVegaからRDNA2へと大幅に刷新された。これ伴いメディアエンジンや出力パイプラインも強化され、AV1のハードウェアデコード、HDMI 2.1DisplayPort 2.0への対応も行われている[151][152]

  • パッケージ - FP7
  • 対応メモリ - DDR5-4800、LPDDR5-6400 (最大)
  • トランジスタ数 -
  • ダイサイズ -
  • GPU - Radeon 680M、660M
ブランド・モデル CPU GPU TDP

(W)

メモリ速度

(MHz)

発売日[注 6] 価格 出典
コア数 スレッド数 クロック (GHz) キャッシュ (MB) コア数 SP数 クロック (GHz)
ベース ブースト L2 L3 DDR5 LPDDR5
Ryzen 9 6980HX 8 16 3.3 5.0 512 KB
×コア数
16 12 768 2.4 45 4800 6400 2022年1月3日 OEM [152]
6980HS 35
6900HX 4.9 45
6900HS 35
Ryzen 7 6800H 3.2 4.7 2.2 45
6800HS 35
6800U 2.7 15-28
Ryzen 5 6600H 6 12 3.3 4.5 6 384 1.9 45
6600HS 35
6600U 2.9 15-28


Zen 4 アーキテクチャー[編集]

デスクトップ向けラインナップ[編集]

RYZEN7 7800x

互換性[編集]

Ryzenはx86/x86-64プロセッサとしてはAMD FXと多くの互換性があるが、その一方でサポートするOSが異なる[153]。2016年1月15日にマイクロソフトは「RyzenをサポートするWindowsWindows 10のみである」と発表した[154][155]。また、今後のプロセッサについても「その時点でリリースされている最新バージョンのWindowsにおいてのみサポートする」と発表した[154]。このサポートはプロセッサに起因する不具合を修正するか否かの意味ではなく、非サポートOS (例としてWindows 7) に当該プロセッサが搭載されている場合、Windows Updateによるアップデート配信の一切をマイクロソフト側がブロックする措置となるため注意が必要である。

ただし、ハードウェアデベロッパー向けのドキュメントである「Windows ハードウェア互換性プログラム」においては、Windows Server 2012R2、Windows Server 2016、Windows Server 2019についてRyzenファミリのCPUがサポートされる旨の記述がある[156]

2021年6月24日に発表されたWindows 11では、Zen+アーキテクチャ以降のRyzenが必須とされており[40][157]、デスクトップ向けCPUでは2000番台、APUでは3000番台以降のプロセッサが必要となる。この要件は将来的に必須要件が引き下げられる可能性もあるとされたが[158]、結局当初から変更はなかった[159]

既知の問題[編集]

Spectre[編集]

Ryzenを含む今日のほぼ全ての高性能マイクロプロセッサで、新種の投機的実行に関する脆弱性「Spectre」の影響を受けることが判明している。この脆弱性はマイクロコードのアップデートやオペレーティングシステムの問題回避策により軽減することができるが、この方法ではパフォーマンスが低下する代償を負うことになる[160]。AMDのプロセッサはMeltdown脆弱性に関連する回避策が不要なため[161]、AMD RyzenやEpycはSpectre軽減策をとることによって負荷次第で0%から9%のパフォーマンスが低下するが、Intel CoreXeonプロセッサでは50%を超える場合があることに比べれば優位である[162][163]

AMDは、2019年に発売する"Zen 2"でハードウェアの修正を含んでいることを発表した[164]

セグメンテーション違反[編集]

Ryzen 1000シリーズプロセッサの初期出荷分には、特にGCCでコードをコンパイルしている最中に、Linux上で特定の負荷においてセグメンテーション違反を引き起こすものがある[165]。AMDは該当のプロセッサを問題のない新しいプロセッサに交換するサービスを開始した[166]

CTS Labsによって発見された問題[編集]

2018年初め、イスラエルのサイバーセキュリティコンサルタント会社 CTS Labs は、Ryzenにいくつかの重大な欠陥を発見したと主張した[167]。それらは後に2つの別々のセキュリティ会社によって事実と確認されたものの[168]、CTS LabsはAMDに主張の正当性に関する懸念や質問、リアクションに24時間だけ猶予を与えた後、情報を公開した[169][170][171]。AMDは欠陥を事実と認め、ファームウェアのアップデートによって修正される予定であることを発表した[171][172]。攻撃者がそれらを悪用するには物理的なアクセスと管理者権限を必要とする[170][171][172]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ システムやメモリモジュールの設計によってはこれらと異なる。
  2. ^ AMDはコンシューマ向け製品でECCの動作を検証していないが、CPUでの機能自体は有効であり、マザーボードとBIOS次第で対応可能。
  3. ^ a b c d e f BIOSの更新が必要な場合がある。
  4. ^ a b c d BIOSを格納するROM容量の関係から、BIOSアップデートにより互換性が失われる場合がある。
  5. ^ Ryzen 5 1600など、LEDが搭載されていないリテールクーラーが付属する場合もある。
  6. ^ a b c d e f g h i j k OEM向けは発表日
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外部リンク[編集]