Simutrans

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Simutrans Transport Simulator
作者
  • Markus Pristovsek (現在)
  • Hansjörg Malthaner (~2005)
開発元 Simutrans Community
最新版 120.0.1 / 2014年11月15日(7か月前) (2014-11-15
対応OS
対応言語 15言語対応
ライセンス Artistic License 2.0
公式サイト Simutrans - Transport Simulator Game
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Simutrans(シムトランス)は、Simutrans CommunityによってArtistic License 2.0(オープンソースソフトウェア)で開発・公開されているコンピューターゲームで、Microsoft WindowsMac OS XiOS(非公式)・LinuxBeOSで動作する

具体的には、これは交通機関を運営し安定した経営を目指すことを目標とする経営シミュレーションゲームで、トランスポートタイクーン並びにそのオープンソース派生のOpenTTDなどと同じジャンルのゲームである。

Simutransは、元々は、1997年よりハンスイゥルク・マルトハナー("Hajo")によってクローズドソースで製作が始まり、 ハンスイゥルクが退いた2004年12月以降は、マルクス・プリストフゼク("prissi")を中心とするチームが開発を引き継ぎ、オープンソースプロジェクトとなった。 マルクスらは様々な新機能の追加やバグフィックスを精力的に行っており、更新版が頻繁にリリースされる。漢字対応や地下スロープツールは彼らの功績である。

また、現在では様々なプログラマーがバグ修正や新機能追加を手伝っている。全てのユーザーはバグの報告やアドオンの製作を通して、ゲームの開発に貢献することが可能である。これによって、本作は世界中の輸送シミュレーションゲームのプレイヤーの間に広まった。

インストールとアンインストール[編集]

Simutransではモジュール構造が採用されている。詰まり、プログラム自身(ネイティブ)とゲームデータは分離されている。よって、本ソフトウェアの導入は、Simutrans本体とモジュールの順にインストールを行う必要が有る。

(Simutransをインストールしても、パックセットが無ければ、ゲームを起動することができない。)

まず、使用するコンピュータープラットフォームに応じたSimutrans本体のアーカイブ("simu[プラットフォーム]-[バージョン].zip")と導入したいゲームデータであるパックセットを入手する。

インストールについては下記の通りにする。

  • Simutrans本体のアーカイブを解凍する
  • インストールしたいパックセットの中で圧縮されている物を全て解凍する
  • パックセットを毎に生成されたディレクトリを丸ごとSimutransがインストールされたディレクトリに移す

なお、Windows向けにはオンラインインストーラーも用意されており、公式パックセットのインストールについては生成された"simutrans"ディレクトリにある"download-paksets.exe"を実行することでも可能である。

アンインストールについては、上記ののインストーラーはシステムレジストリにアンインストール情報を登録しない[1]ため、Simutransディレクトリを削除すれば好い。

ゲーム内容[編集]

プレイヤーは、ゲーム開始時にマップを作成し、工場などの需要に応じて各種の交通機関を建設して、収益を挙げていく。マップ作成時には起伏や街のなどの様々な設定を変更できるため、自分好みのマップを作成できる。

ゲーム内で使用できる交通機関には、鉄道路面電車(トラム)・軽便鉄道モノレールリニアモーターカー新交通システム自動車船舶飛行機がある。旅客貨物輸送することができ、その収入によって利益を得られる。ただ、闇雲で良い訳ではなく、採算が取れるように建設・運営していかなければならない。(フリープレイモードではない場合には)3ヶ月以上連続して収益を挙げられない状態が続くと破産となる。

或る程度の年月や季節が実装され、設定された時期になると新しい乗り物が登場する。(また、になれば雪景色も楽める。)ただし、その設定を無効に設定した場合とパックセット側で登場年月を指定していない場合については最初から登場する。収益はその時点で利用可能な車輛によって決定されるため、古い車輛のまま運行していると収益が減ってしまうという仕組みになっている。

予め決められた一定の条件を達成するとクリアとなる。プレイヤーはシナリオを指定してプレイすることも可能である。

プレイヤーは、プレイヤーカラー(車輛の色に反映される)によって分けられた11個までのコンピューターと競えるが、そのAIはまだ発展途上である。プレイヤーカラーは30種類から選択させられ、RGBで指定することも可能である。

また、ネットワーク機能が搭載され、オフラインプレイに有る一部の機能が制限されるが、オンラインでの共同プレイが可能である。

交通機関[編集]

現在までに実在する物は勿論であるが、実在しない架空のそれも多々作成されている。

鉄道[編集]

鉄道は本作においては最も交通機関である。現実とは違って、旅客・貨物輸送どちらでも基本的には花形となる交通機関である。 似たようなものに路面電車・軽便鉄道が有り、こちらは道路の上に軌道を敷設できる。 そのアドオンの数は非常に多い。

自動車[編集]

自動車は市街地での旅客輸送に一番使われる手段である。鉄道よりも小回りが効き、輸送量も程々有るので鉄道の次に好く使われる交通機関である。 利用の頻度と比例するように、そのアドオンの数も鉄道程ではないが多い。 鉄道のように信号機を敷設することも無く、そのために柔軟性が高い。また、高速道路を敷設すれば柔軟性をより活かせる。

船舶[編集]

船舶は水郷地帯の様に湖沼が多くを占めるマップで主に使われる交通機関である。 鉄道や自動車程ではないが、特徴が非常に分かり易く、サイズに因る制限を受け難いことから航空機と併せて精密なアドオンが作られることが多い。

航空機[編集]

他の交通機関を差し置いて速度が最も速く、輸送できる量も多い。 ただし、購入価格や運航費用がその分高く、上手く使いこなすには時間や或る程度の知識を必要とされる。 パックセットによっては、飛行船も含まれており、空を飛ぶものであれば船舶と同様に殆ど制約が無い。

スロープツール[編集]

スロープツールは所謂整地や山を作るためのツールであり、盛土や切土などで線路や道路を立体交差させる時に使う。 しかし、隣接した土地より二段以上高低差が付けられないなどの制約が存在する。 地下スロープと呼ばれる地下の線路や道路の高さを変える機能を併せ持っており、地下で高さを変えつつ立体交差をさせることも可能となっている。

アドオンとパックセット[編集]

このゲームで最も重要な存在となっているのがアドオンと呼ばれる車輛や建物といったオブジェクトごとの追加データである。

これは、テキストで記述された性能データと画像データから成り、それらはグラフィックソフトウェアテキストエディターでオブジェクト毎に製作される。 このDATファイルとPNGファイルの一組をmakeobjでパック(PAKフォーマット)にコンパイルする[2]ことで、Simutransで使用可能となる。 そして、この複数種のパックとマップやシナリオを集めて一纏めに圧縮(パック)した物はパックセットと呼ばれる。

このパックセットの作成・編集ツールPakHelperが有志によって作成・公開されている。

なお、ユーザーも翻訳・シナリオ・パックセットを製作できるが、自分で作成せずとも、ウェブサイトなどで公開されている多数のアドオン・パック・パックセットをダウンロードし、自分のSimutransに追加できる。

パックセットの種類[編集]

パックセットの名称に法則が有る。例えば、名称の数字部分はアドオンの画像データの解像度を表す。公式のパックセットとしてpak64pak128が挙げられる。前者より後者の方が画像が大きく、オブジェクトがよりリアルに描かれている。 前者のpak64は、Simutransにおいて、最も基本的なパックセットとなっており、Microsoft Windows 95などのレガシーな環境でも起動できるほどである。その軽さが故にユーザーが非常に多い。 また、解像度だけでなく、pak128pak64では各々にのみ存在するオブジェクトが有り、その作者ごとオブジェクトのデザインに違いが在る。 pak128や更に高解像度のpak192pak64には無い高精密なグラフィックが特徴で、このユーザーも多い。

解像度の異なるPAKファイル間での変換ユーティリティresizeobjが有志によって公開されている。

更に、パックセットによって、オブジェクトの解像度以外にも、難易度(シナリオ)が異なる。 近年では「初心者モード」と呼ばれる初心者向けにゲームバランスを調整する機能が標準で搭載されており、知識が全くない場合でも楽しめるような配慮が為されている。

シナリオ[編集]

マップ毎に予め決められた一定の条件をシナリオと呼ぶ。パックセットと同様に多種多様のものが公開されている。

これは予めパックセットとセットになっているが、シナリオはパックセット間で自由に入れ換えられる。 入手したシナリオを、圧縮されている場合は解凍した後に、組み込みたいパックセット内に在る"scenario"ディレクトリに移せば好い。

なお、シナリオにはAPIが用意され、それはSquirrelで記述されている[3]

マップ[編集]

プレイする舞台となる場所の一帯のデータをマップと呼び、地形などを規定する。

これもパックセットと同様に多種多様のものが公開されており、シナリオと同様に、パックセット間で自由に入れ換えられる。

多言語化[編集]

SimutransUnicodeへの対応によって多言語化されており、現在では15言語翻訳されている。日本語への翻訳に関しては、ゲームの基本的な部分は完了しているが、ゲーム内の一つ一つの建物に関するユーモア溢れる逸話は未だ完了していない。

各国語への翻訳に関しては、SimuTranslator Teamによって行われている。彼らが運営するウェブサイトSimuTranslatorのアカウントを取得すれば、誰もがゲーム内に登場する全てのテキストが編集可能である。

日本における動向[編集]

日本ではSimutransが広まり始めてからある程度の年数が経ち、略全てのテキストが日本語に翻訳された。 一方で、操作が複雑であったり、システムが異なったりと知名度は他の経営シミュレーションゲームよりも低いという現状である。

しかし、有志によりWikiが開設されて集まった情報がかなり網羅されたり、日本語ユーザーによってかなりの数アドオンが作成・公開されたりしている。 また、動画共有サービスSNSを利用して、自分のマップをプレイ・解説する動画を公開している人も多い。

主なイベント[編集]

日本語ユーザー間で盛んにオンラインプレイが行われている。

Battle Simutrans[編集]

対戦型で複数人が参加しセーブデータをやりとりして遊ぶイベント

決められた一定の期間プレイし、そのデータを次の人へ渡して進めていく。 他社の競合路線と乗客の奪い合いをしたり、直通運転を行い協力したりと、一人ではできないことが楽しめる。 オフラインでの個人プレイとは全く性質が異なっているため、こちらを主としてプレイしている人も多い。 最近ではNet Simutransに取って代わられつつある。

Net Simutrans[編集]

ネットワークゲーム機能を利用した複数人プレイ

近年ではSNSで参加者を募ることが多い。

Simutrans セーブデータ審査会[編集]

決められたマップでプレイたセーブデータを審査しそれに投票してもらうイベント (似たようなものにスクリーンショットコンテストが存在する。)

ギャラリー[編集]

  • Simutrans 101 マップ
 
  • 太陽光発電所
 
  • 建物
 
  • 列車 (pak64)
 

注釈[編集]

  1. ^ インストール”. 2015年5月30日閲覧。
  2. ^ Tutorial/Makeobj”. 2015年5月30日閲覧。
  3. ^ Simutrans-Squirrel-API”. 2015年5月30日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]