Simutrans

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
Simutrans
Simutrans logo.png
Simutrans Transport Simulator
作者
  • Markus Pristovsek (現在)
  • Hansjörg Malthaner (~2005)
開発元 Simutrans Community
最新版 120.1.3 / 2016年2月3日(13か月前) (2016-02-03
リポジトリ servers.simutrans.org
対応OS
対応言語 15言語対応
ライセンス Artistic License 2.0
公式サイト Simutrans - Transport Simulator Game
テンプレートを表示

Simutrans(シムトランス)は、Simutrans CommunityによってArtistic License 2.0(オープンソースソフトウェア)で開発・公開されている、交通機関を運営し安定した経営を目指すことを目標とする経営シミュレーションゲームである。 コンピューターゲームで、Microsoft WindowsmacOSiOS(非公式)・LinuxBeOSで動作する。

概要[編集]

元々は、1997年よりハンスイゥルク・マルトハナー("Hajo")によってクローズドソースで製作が始まり、ハンスイゥルクが退いた2004年12月以降は、マルクス・プリストフゼク("prissi")を中心とするチームが開発を引き継ぎ、オープンソースプロジェクトとなった。マルクスらは様々な新機能の追加やバグフィックスを精力的に行っており、更新版が頻繁にリリースされる。漢字対応や地下スロープツールは彼らの功績である。

また、現在では有志のプログラマーが公式Forumを通じてバグの修正や新機能追加といった様々な作業を手伝っている。全てのユーザーはバグの報告やアドオンの製作を通して、ゲームの開発に貢献することが可能である。開発開始からおよそ10年以上が経過した現在でも新機能の追加が行われている。

ゲーム内容[編集]

プレイヤーは、ゲーム開始時にマップを作成し、工場などの需要に応じて各種の交通機関を建設して、収益を挙げていく。マップ作成時には起伏や街のなどの様々な設定を変更できるため、自分好みのマップを作成できる。また、セーブ機能が搭載されており、以前遊んでいたマップをロードすることで同じマップで引き続き遊ぶことができる。

ゲーム内で使用できる交通機関には、鉄道路面電車(トラム)・軽便鉄道モノレールリニアモーターカー自動車船舶航空機がある。旅客貨物輸送することができ、その収入によって利益を得られる。輸送にはコストがかかるため、その採算が取れるように建設・運営していかなければならない(フリープレイモードではない場合には)。3ヶ月以上連続して収益を挙げられない状態が続くと破産となる。破産となった場合は破産したプレイヤー会社が所有する道路や線路、車両は全て売却される。

ある程度の年月や季節が実装され、設定された時期になると新しい乗り物が登場する(また、になれば雪景色も楽める)。ただし、その設定を無効に設定した場合とパックセット側で登場年月を指定していない場合については最初から登場する。収益はその時点で利用可能な車輛によって決定されるため、古い車輛のまま運行していると収益が減ってしまうという仕組みになっている。

シナリオと呼ばれる、一定の条件を達成するとクリアとなるものも存在する。シナリオはプレイヤー自身が作成することができるが、作成には相応の知識が必要である。

プレイヤーは、プレイヤーカラー(車輛の色に反映される、公共事業を除く)によって分けられた13個までのNPCと競えるが、NPCのAIはまだ発展途上である。プレイヤーカラーは30種類から選択させられ、設定ファイルからRGBで指定することも可能である。NPCを追加する場合、旅客または貨物専業から選ぶ。公共事業では産業の設置・撤去や都市の人口の増減など、言わばマップの編集ツールに近い機能を使うことができる。

また、ネットワーク機能が搭載され、オンラインでの最大14人(公共事業を除く)までオンラインマルチプレイが可能である。

交通機関[編集]

simutransでは鉄道、自動車、船舶、飛行機の中からその性質に応じて適切な乗り物を選ぶ必要がある。 目的に対して不適切な乗り物で運用した場合、利益の低下や渋滞など様々な問題を起こしてしまうことがある。

鉄道[編集]

一般的な鉄道と同じく、線路を敷設することで運行することが可能。輸送力に対してコストが他の交通機関よりも低く、輸送力を確保しやすいことから利用の頻度は多い。似たようなものに路面電車・軽便鉄道が有り、こちらは道路の上に軌道を敷設できる。地下鉄モードが搭載された後は、市街地での自動車輸送を補完・代替する目的で地下鉄を敷設することがある。

道路を跨ぐ際に自動で踏切が設置されるが、踏切が自動車の渋滞を招くことがある。高架の実装後は道路を跨ぐか道路橋の建設を行う(立体交差)ことで踏切通過中の渋滞を解消することができる。

モノレール・リニアモーターカーは別のカテゴリとして扱われているが、基本的な動作は鉄道と同様である。ただしモノレール・リニアモーターカーの両方ともコストが高いが速度もそれに比して高い。

自動車[編集]

自動車は主に市街地での旅客輸送に使われる手段である。維持を含めたコストが比較的安く、輸送量も程々あるので鉄道の次によく使われる交通機関である。鉄道のように信号機を敷設することも無い。また、道路を敷くだけで運行が可能となるため、柔軟性が各交通機関の中で最も高い。輸送力が最も低く、他の交通機関と組み合わせなければ効率の良い輸送網は構築しにくい。

高架の実装後では道路の柔軟性がより活かされるようになったため、高速自動車道のような高速交通の整備が可能となった。

船舶[編集]

船舶は水郷地帯の様に湖沼が多くを占めるマップで主に使われる交通機関である。積載量は他の交通機関に比べて格段に多いが、速度が遅いことから迅速かつ大規模な輸送能力を要求される輸送を提供できない。

経営が軌道に乗った後では比較的手軽に利用できる交通手段であるため、マップによっては航空機よりも柔軟性が高くなることがある。

航空機[編集]

他の交通機関を差し置いて速度が最も速く、輸送できる量も多い。ただし、購入価格や運航費用が高く、上手く使いこなすには車両によって異なるコストパフォーマンスの吟味が必要。paksetによっては飛行船も含まれているが、動作自体は航空機と変わらない。

スロープツール[編集]

スロープツールは所謂整地や山を作るためのツールであり、盛土や切土などで線路や道路を立体交差させる時に使う。しかし、隣接した土地より二段以上高低差が付けられないなどの制約が存在する。地下スロープと呼ばれる地下の線路や道路の高さを変える機能を併せ持っており、地下で高さを変えつつ立体交差をさせることも可能となっている。

アドオンとパックセット[編集]

このゲームで最も重要な存在となっているのがアドオンと呼ばれる車輛や建物といったオブジェクトごとの追加データである。

これは、テキストで記述された性能データと画像データから成り、それらはグラフィックソフトウェアテキストエディターでオブジェクト毎に製作される。このDATファイルとPNGファイルの一組をmakeobjでパック(PAKフォーマット)にコンパイルする[1]ことで、Simutransで使用可能となる。そして、この複数種のパックとマップやシナリオを集めて一纏めに圧縮(パック)した物はパックセットまたはグラフィックセットと呼ばれる。

このパックセットの作成・編集支援ツールPakHelperが有志によって作成・公開されている[2]

ユーザー自身もアドオン・シナリオ・マップを製作できる。ウェブサイトなどで公開されている多数のアドオン・パック・パックセットをダウンロードし、自分のSimutransに追加することもできる。

パックセットの種類[編集]

simutransには様々なパックセットが存在する。代表的なものはpak64pak128の2つである。

pak64は、simutransにおいて最も基本的なパックセットである。最も基本のパックセットであるため、難易度は比較的低い。pak128は、pak64よりも後に公開されたが、現在ではpak64と並ぶ代表的なパックセットの1つとなっている。pak64よりも難易度が高いが、グラフィックが細密であるためこちらのパックセットで遊ぶユーザも多い。

pak64、pak128以外にもpak.nipponやpak.germanなどの様々なパックセットが公開されている。パックセットによっては難易度やグラフィックが異なり、その個性も様々である。

simutransにはデフォルトで「初心者モード」と呼ばれる初心者向けにゲームバランスを調整する機能が標準で搭載されている。そのため、初心者が様々なパックセットで遊びやすいようになっている。

シナリオ[編集]

マップ毎に予め決められた一定の条件をシナリオと呼ぶ。パックセットと同様に多種多様のものが公開されている。

これは予めパックセットとセットになっているが、シナリオはパックセット間で自由に入れ換えられる。入手したシナリオを、圧縮されている場合は解凍した後に、組み込みたいパックセット内にある"scenario"ディレクトリに移せばいい。

なお、シナリオにはAPIが用意され、それはSquirrelで記述されている[3]

マップ[編集]

プレイする舞台となる場所の一帯のデータをマップと呼び、地形などを規定する。

これもパックセットと同様に多種多様のものが公開されており、シナリオと同様に、パックセット間で自由に入れ換えられる。 ユーザが自作することも可能で、公式のマップ公開サイトも存在している[4]

多言語化[編集]

SimutransUnicodeへの対応によって多言語化されており、現在では15言語翻訳されている。日本語への翻訳に関しては、ゲームの基本的な部分は完了しているが、ゲーム内の一つ一つの建物に関するユーモア溢れる逸話は未だ完了していない。

各国語への翻訳に関しては、SimuTranslatorと呼ばれるWebサイトによって行われている[5]

日本における動向[編集]

日本ではSimutransが広まり始めてからある程度の年数が経ち、simutransに含まれているほとんど全てのテキストが日本語に翻訳された。

また、有志によりWikiが開設され、公式webサイトなどに掲載されているコンテンツが翻訳、提供されている。有志の中には動画共有サービスSNSを利用して、自分のマップをプレイ・解説する動画を公開している人も存在する。

主なイベント[編集]

Simutransでは主に以下のイベントが主流となっている。

Battle Simutrans[編集]

対戦型で複数人が参加しセーブデータをやりとりして遊ぶイベント

決められた一定の期間プレイし、そのデータを次の人へ渡して進めていく。

Net Simutrans[編集]

本体に搭載されているネットワークゲーム機能を利用した、最大12人までのリアルタイムマルチプレイ。

Simutrans セーブデータ審査会[編集]

決められたマップでプレイしたセーブデータを審査しそれに投票してもらうイベント(似たようなものにスクリーンショットコンテストが存在する)。

ギャラリー[編集]

  • Simutrans 101 マップ
 
  • 太陽光発電所
 
  • 建物
 
  • 列車 (pak64)
 

注釈[編集]

  1. ^ Tutorial/Makeobj”. 2015年5月30日閲覧。
  2. ^ http://minami-fukuoka.simutrans.net/?PakHelper
  3. ^ Simutrans-Squirrel-API”. 2015年5月30日閲覧。
  4. ^ simutrans maps”. 2016年4月19日閲覧。
  5. ^ http://simutrans-germany.com/translator/

関連項目[編集]

外部リンク[編集]