加古川青流戦
加古川青流戦 | |
---|---|
棋戦の分類 | 一般棋戦(新人・若手棋戦) |
開催概要 | |
開催時期 | 10月(決勝) |
初回開催 | 2011年(第1期) |
持ち時間 | 1時間(チェスクロック使用) |
番勝負 | 三番勝負 |
優勝賞金 | 未公表 |
主催 |
加古川市 加古川市ウェルネス協会 |
公式サイト | 加古川青流戦:日本将棋連盟 |
記録 | |
現青流 | 藤本渚(第13期) |
加古川青流戦(かこがわせいりゅうせん)は、加古川市、加古川市ウェルネス協会主催で行われる将棋の棋戦。2011年創設。名称は一般公募より選考にて決定された[注 1]。
概要
[編集]日本将棋連盟所属の棋士四段・奨励会三段リーグ成績上位者、選考委員会で推薦選出する女流棋士2名、アマチュア3名(加古川青流戦アマチュア選抜大会の各ブロックの優勝者2名と兵庫県アマ名人[注 2][注 3])によるトーナメント戦で行われる。
棋士に原則として26歳以下の年齢制限がある新人王戦と異なり、本棋戦では開催年の4月1日付で四段の棋士であれば何歳でも参加可能である。
2015年開催の第5期では、アマチュア選手の稲葉聡が、日本将棋連盟のプロ公式戦において初となる、アマチュア選手の優勝を達成した。
新人王戦と異なり、奨励会三段・女流棋士・アマチュアが優勝した場合の特典は明記されていない。
方式
[編集]初戦から準決勝までは一番勝負、決勝は三番勝負。
持ち時間は各1時間(チェスクロック使用)で、使い切ると1手1分の秒読みとなる。
第1期から5期まで四段棋士の初戦は原則として対奨励会三段、対女流棋士、対アマチュアいずれかで行われていた。
第6期以降の現行の方式では四段棋士は原則2回戦からの登場となり、四段同士での初戦も組まれるようになっている。勝ち上がりによっては「非プロ棋士(奨励会三段・女流棋士・アマチュア)が非プロ棋士のみと対局してプロ棋戦で優勝」となる可能性も存在する[注 4]。
決勝は加古川市内の会場(加古川市立青少年女性センターや鶴林寺など。ただし第1期の第1局のみ関西将棋会館)で1日目を第1局、2日目を午前第2局・午後第3局のスケジュールで開催される。三番勝負が第2局で終了した場合は、第3局の予定時間は決勝進出者とファンとの交流会に充てられる。
歴代決勝結果
[編集]開催年は三番勝負が行われた年。○●は優勝者から見た勝敗、千は千日手。段位、称号は対局当時のもの。
最年少優勝は藤本渚 18歳(第13期)。最年長優勝は稲葉聡 30歳(第5期)、プロ棋士では池永天志 26歳(第9期)。
奨励会三段棋士としては2023年(第13期)までに5名が決勝に進出しているが、いずれもプロ棋士を相手に敗れ、準優勝となっている。このうち2024年現在奨励会に在籍する斎藤優希を除いた4名はいずれも後にプロ棋士となっており、服部慎一郎はプロ入り後にリベンジする形で優勝を果たしている。
複数回(2回以上)の優勝をした者は、2023年現在までいない(井出隼平と服部慎一郎が2度の決勝進出をしているが、両者ともに優勝と準優勝を1回ずつという結果になっている)。
期 | 年度 | 優勝者 | 勝敗 | 準優勝者 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2011 | 船江恒平 四段 | ●○○ | 宮本広志 三段 | |||
2 | 2012 | 永瀬拓矢 五段[注 5] |
|
伊藤真吾 四段 | |||
3 | 2013 | 佐々木勇気 四段 | ○●○ | 千田翔太 四段 | |||
4 | 2014 | 石田直裕 四段 | ○○- | 藤森哲也 四段 | |||
5 | 2015 | 稲葉聡 アマ | ●○○ | 増田康宏 四段 | |||
6 | 2016 | 井出隼平 四段 | ○●○ | 石川優太 三段 | |||
7 | 2017 | 西田拓也 四段 | ●○○ | 井出隼平 四段 | |||
8 | 2018 | 大橋貴洸 四段 | ○○- | 梶浦宏孝 四段 | |||
9 | 2019 | 池永天志 四段 |
|
服部慎一郎 三段 | |||
10 | 2020 | 新型コロナウイルス感染症により中止[1] | |||||
11 | 2021 | 服部慎一郎 四段 |
|
井田明宏 四段 | |||
12 | 2022 | 徳田拳士 四段 | ○○- | 斎藤優希 三段 | |||
13 | 2023 | 藤本渚 四段 | ◯◯- | 吉池隆真 三段 | |||
14 | 2024 | 段 | --- | 段 |
記録
[編集]- 最年少優勝 19歳3ヶ月 藤本渚(第13期)
期 | 合計(人) | 四段 | 三段 | 女流 | アマ |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | 20 | 20 | 2 | 2 |
2 | 44 | 18 | 22 | 2 | 2 |
3 | 44 | 17 | 22 | 2 | 3 |
4 | 44 | 18 | 21 | 2 | 3 |
5 | 44 | 16 | 23 | 2 | 3 |
6 | 40 | 18 | 16 | 2 | 4 |
7 | 40 | 17 | 18 | 2 | 3 |
8 | 40 | 15 | 20 | 2 | 3 |
9 | 40 | 17 | 18 | 2 | 3 |
10 | 40 | 16 | 20 | 2 | 2 |
11 | 40 | 15 | 21 | 2 | 2 |
12 | 40 | 14 | 21 | 2 | 3 |
13 | 40 | 15 | 20 | 2 | 3 |
14 | 40 | 15 | 20 | 2 | 3 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 若手新人を表す『青』という漢字と加古川の清流を表す『流』。[1]
- ^ 第6期は前期に優勝した稲葉聡アマが4人目のアマチュアとして出場した。“第6期 加古川青流戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月23日閲覧。
- ^ 兵庫県アマ名人戦の優勝者は、全日本アマ名人戦の出場権と加古川青流戦の出場権を得られる。(神戸新聞囲碁・将棋)
- ^ 四段棋士が非プロ棋士のみとの対局で優勝した例としては第1期で船江恒平四段が1回戦を女流棋士と、2回戦から決勝までを奨励会三段と対局し優勝している。
- ^ 第2期開幕当時は四段で、開催途中の4月24日に竜王戦連続昇級により五段昇段。なお、現在に至るまで唯一の五段優勝者でもある。
出典
[編集]- ^ “第10期加古川青流戦 開催中止のお知らせ”. 日本将棋連盟. 2020年5月9日閲覧。