三重県

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みえけん ウィキデータを編集
三重県
伊勢神宮内宮の参道口である宇治橋
三重県旗
三重県旗
日本の旗 日本
地方 東海地方近畿地方
団体コード 24000-1
ISO 3166-2:JP JP-24
面積 5,774.48km2
(境界未定部分あり)
総人口 1,721,312[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 298人/km2
隣接都道府県 愛知県岐阜県滋賀県京都府
奈良県和歌山県
県の木 神宮杉
県の花 ハナショウブ
県の鳥 シロチドリ
他のシンボル 県の魚:伊勢えび
県の獣:カモシカ
県の歌:三重県民歌
県民の日:4月18日
三重県庁
知事 一見勝之
法人番号 5000020240001 ウィキデータを編集
所在地 514-8570
三重県津市広明町13番
外部リンク http://www.pref.mie.jp/ 三重県
三重県の位置

三重県行政区画図

― 市 / ― 町

ウィキポータル 日本の都道府県/三重県
ウィキプロジェクト

三重県(みえけん)は、日本都道府県の一つで、日本最大の半島である紀伊半島の東側に位置する。県庁所在地は県中部の津市

概要

シャープ亀山工場
近鉄四日市駅周辺のふれあいモール

の豊富な自然に恵まれ、農業漁業が盛んである。また観光で江戸時代(御伊勢参り)から現在(F1日本グランプリや、8耐など)に至るまで、観光を産業として成り立たせており、京都府奈良県と並び稀有な県である。

北勢伊賀中勢南勢伊勢志摩東紀州の5地域で構成されている。江戸時代から、お伊勢参り(お蔭参り)の名で知られる伊勢神宮を擁する地域として発展した。令制国では、伊勢国志摩国伊賀国の全域と、紀伊国(当初は熊野国)の一部より構成される。包括する旧律令国の数は5国を包括している兵庫県につぐものであるが、このことは地域間の文化の違いや習慣が多様であることを物語る証左のひとつと考えられる。

人口は22番目で、面積は25番目、人口密度は23番目である。1人当たりのGDP県民経済計算は上位であり、5位~15位の間で推移している。三重県内で最大人口を持つ市町村四日市市の約31万人で、国から特例市に指定されている。県庁所在地である津市は、平成の大合併前の時点で、約16万人で県庁所在地のなかで人口が一番少なかったが、合併により現在の人口は約28万人である。三重県は東紀州を中心に過疎地域があり、津市や松阪市の一部も過疎地域に指定されている。三重県の総人口は約180万人であり、熊本県鹿児島県岡山県等と同規模である。しかしそれらの県と比較して、三重県には人口の規模が大きな都市が存在しない。今日でこそ、平成の大合併で、人口が10万を超える市も全国的に珍しくなくなったが、以前から三重県には人口10万人以上の規模の市が、伊勢湾沿いに6市も存在している。大都市圏を含む都道府県以外では珍しいことである。このことから三重県の都市人口の特徴として、中規模の都市が複数存在し、人口が比較的分散していることがうかがえる。

三重県の北中部は中京工業地帯であり、主要企業が多い。四日市市では自動販売機が年間で約12万台生産されており、自動販売機の生産量が全国で最も多い。また全国的に有名な石油化学コンビナート四大公害病の一つである四日市ぜんそくの原因となり問題になったが、現在は法整備や汚染防止技術向上などの対策が格段に進み、工業地帯周辺の大気状態は良好になっている。亀山市にはカメヤマローソク(本社は大阪市に移転)や、三重県のハイテク企業誘致策により建設されたシャープ亀山工場がある。なお、三重県はローソクの生産量との生産量が全国一である。

伊勢神宮伊賀上野二見浦世界遺産熊野古道などの観光地やナガシマスパーランドなばなの里志摩スペイン村鈴鹿サーキットなどのテーマパークがある。特に伊勢・志摩地区は観光地としても名高い。三重県は、関西圏中京圏の中間に位置しているため、両地域からの観光客が多い。なお、伊勢・志摩地区にも路線を有する近畿日本鉄道(近鉄)は大阪や名古屋から伊勢・志摩地区への観光客向けに「まわりゃんせ」という企画乗車券を販売している。

桑名郡木曽岬町は、愛知県と地続きになっていることから、郵便配達などは愛知県弥富市にある弥富支店が行っている。また、町内の郵便番号は三重県のものではなく、愛知県のものが使われ、市外局番も愛知県のものを使用する。

方言三重弁が話されており、その中でも伊勢弁伊賀弁志摩弁紀州弁に分けることができる。三重弁は近畿方言に属しており、大部分の地域が京阪式アクセントまたはその変種である。三重県は特に北部において、愛知県と経済面・物流面での関係が深いが、方言は揖斐川を境界として愛知県・岐阜県との間に大きな違いがある。揖斐川の東側に位置する桑名市長島町および桑名郡木曽岬町は東京式アクセントで、愛知県と同じ方言圏に属している。

三重県は、滋賀県福井県岐阜県とともに「日本まんなか共和国」を設立し、知事サミットや文化交流事業などを行っている。

名古屋名物になっている天むすは元々は三重県発祥のものである。他に、ひつまぶしも三重発祥との説がある(大阪発祥説もある)。

地理

三重県は南北の長さは約180km、東西の幅は108kmと、非常に細長い形をしているため、地形も、伊勢平野をはじめとする平野部から、山脈、青山高原などの高地、盆地、低地など様々な地形を有する。伊勢湾から松阪市飯高町にかけて中央構造線が通っており、飯高町月出では大規模な露頭が見つかっている。2002年に「月出の中央構造線」として国の天然記念物に指定された。2007年には、長野県大鹿村とともに日本の地質百選に選定された(「中央構造線(月出)」)。

位置

位置
三重県庁(津市) 東端(鳥羽市) 西端(熊野市) 南端(紀宝町) 北端(いなべ市)
経度 東経136度30分31秒 東経136度59分15秒 東経135度51分12秒 東経135度58分29秒 東経136度31分42秒
緯度 北緯34度43分49秒 北緯34度32分53秒 北緯33度51分33秒 北緯33度43分22秒 北緯35度15分28秒

行政区分

隣接都道府県とその市町村

括弧内はその市町村に隣接する三重県の市町村。

三重県の分類

一般的には、近畿地方または東海地方に含まれる[1][2]。国土整備行政上は、福井県滋賀県と同様、近畿圏中部圏のいずれにも含まれている[3][4]

合併済みの市町村

市町村合併
新行政名 旧行政名 合併期日
いなべ市 員弁町北勢町大安町藤原町 2003年12月1日
志摩市 阿児町浜島町磯部町大王町志摩町 2004年10月1日
伊賀市 上野市阿山町伊賀町青山町大山田村島ヶ原村 2004年11月1日
桑名市 桑名市、多度町長島町 2004年12月6日
松阪市 松阪市、嬉野町三雲町飯南町飯高町 2005年1月1日
亀山市 亀山市、関町 2005年1月11日
四日市市 四日市市、楠町 2005年2月7日
大紀町 大宮町紀勢町大内山村 2005年2月14日
南伊勢町 南勢町南島町 2005年10月1日
紀北町 海山町紀伊長島町 2005年10月11日
伊勢市 伊勢市、小俣町二見町御薗村 2005年11月1日
熊野市 熊野市、紀和町 2005年11月1日
津市 津市、久居市芸濃町安濃町河芸町香良洲町一志町白山町美里村美杉村 2006年1月1日
多気町 多気町、勢和村 2006年1月1日
大台町 大台町、宮川村 2006年1月10日
紀宝町 紀宝町、鵜殿村 2006年1月10日

地形

主な川

主な山

その他:

主な島

この他にも、志摩半島南部から熊野市にかけての海岸は、リアス式海岸になっているので、多数のがある。

半島

山脈・山地

  • 鈴鹿山脈
  • 布引山地
  • 養老山地
  • 台高山脈
  • 紀伊山地

気候

三重県は南北に長いため、各地域によって気候がさまざまである。東紀州(南部)は、潮岬からの台風の直撃を受ける事が多く、「台風銀座」と呼ばれている。伊勢湾沿岸から熊野灘沿岸が太平洋側気候(伊勢湾沿岸は東海型に、熊野灘沿岸は南海型に属する)で、伊賀は内陸性気候瀬戸内海式気候に含める場合もある。)である。

  • 鈴鹿山麓(北部 - 鈴鹿山脈の麓に位置するこの地域(四日市市桑名市など)は、は乾燥した晴天の日が多く、強い冬型の気圧配置になると日本海から流れてくる雪雲の影響で局地的な大雪に見舞われることがある。山間部を除けば、県内で最も雪の多い地域で、いなべ市では、1mの降雪記録もある。
  • 上野盆地(伊賀 - 山地を除くと1月の平均気温が約3℃で、県内では最も寒さの厳しい地域。逆に夏の暑さは場所によっては40℃を超えたという記録がある。鈴鹿山麓地域(北部)と同様、強い冬型の気圧配置になると大雪に見舞われることがある。年降水量は1300〜1500mmで県内で最も雨の少ない地域である。年間を通じて霧が多く発生する。
  • 伊勢平野(中部伊勢志摩 - 基本的に温和な気候であるが、中南部はしばしば洪水にみまわれる。(宮川豪雨や津市で記録した時間雨量98mmなど)又、津市では夏になると最低気温が25℃を下回らない熱帯夜の日が多くなる。
  • 熊野灘沿岸(紀勢東紀州 - 三重県で最南に位置するため、非常に温暖な地域になっている。又、県内はもとより、全国的にも雨の多い地域として有名で、上記でも説明したとおり、台風がよく通過する。南四国(高知平野を除く)や九州南東部と似ており、志摩半島海岸では年平均気温は約16℃、年降水量は2000〜2500mmとなっている。特に、尾鷲から大台ヶ原山までの一帯は多雨地帯であり、尾鷲市の年降水量の平均は4000mm程度に達する。

気象区分

三重県内各地の平年値(統計期間:1979年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
北部 伊賀 中部 伊勢志摩 紀勢東紀州
いなべ市
北勢
桑名 四日市 亀山 伊賀市
上野
名張 松阪市
粥見
伊勢市
小俣
鳥羽 志摩市
阿児
南伊勢 大台町
宮川
紀北町
紀伊長島
尾鷲 御浜
平均
気温
()
最暖月 27.3
(8月)
26.2
(8月)
26.1
(8月)
25.8
(8月)
27.1
(8月)
25.4
(8月)
26.6
(8月)
26.7
(8月)
26.2
(8月)
26.0
(8月)
26.1
(8月)
最寒月 4.5
(1月)
4.0
(1月)
4.0
(1月)
3.0
(1月)
5.1
(1,2月)
3.8
(1月)
4.5
(1月)
5.4
(1,2月)
5.7
(1月)
6.0
(1月)
6.2
(1月)
降水量
(mm)
最多月 308.5
(9月)
240.0
(9月)
266.7
(6月)
289.0
(6月)
213.6
(6月)
201.0
(6月)
286.6
(9月)
387.5
(9月)
329.1
(9月)
406.5
(9月)
328.7
(9月)
395.4
(9月)
625.0
(9月)
462.3
(9月)
717.6
(9月)
575.0
(9月)
最少月 55.1
(12月)
34.5
(12月)
37.6
(12月)
37.9
(12月)
37.0
(12月)
36.8
(12月)
34.4
(12月)
35.8
(12月)
39.0
(12月)
47.9
(12月)
40.4
(12月)
45.0
(12月)
59.7
(12月)
52.6
(12月)
91.6
(12月)
77.3
(12月)
降水
日数
(日)
最多月 14.4
(7月)
13.3
(6月)
12.8
(6月)
13.5
(6月)
12.6
(6月)
12.7
(6月)
12.2
(6月)
14.2
(6月)
12.9
(6月)
12.9
(6月)
13.1
(6月)
13.9
(6月)
14.5
(6月)
14.4
(6月)
14.8
(6月)
14.9
(6月)
最少月 8.7
(11月)
6.3
(12月)
5.1
(12月)
6.9
(12月)
5.6
(12月)
7.0
(12月)
4.5
(12月)
5.9
(12月)
5.0
(12月)
5.5
(12月)
5.4
(12月)
5.1
(12月)
6.7
(12月)
4.8
(12月)
5.2
(12月)
6.0
(12月)

歴史

明治維新以前の伊勢国伊賀国志摩国の全域、それに紀伊国牟婁郡熊野国)の一部よりなる。

原始

大陸と陸続きであった頃、鳥羽市の恐竜化石、伊賀市の大山田地方で発見されたゾウワニの足跡などが知られている。3万年前から1万年前頃の後期旧石器時代の三重県内の南勢地方、鈴鹿川北岸、鈴鹿市南部、英虞湾や伊雑浦(いぞううら)などの河岸段丘や台地での遺跡からナイフ形石器が出土している。遺跡は50カ所ほど知られているが、遺跡の内容は分かっていない。その中では出張(でばり)遺跡(度会郡大紀町)で発掘調査が行われ、ナイフ形石器・削器尖頭器状石器・細石刃などが出土している。石材の多くは県内のチャートであるが、讃岐岩(サヌカイト)は二上山産のものである[5]

縄文時代草創期の土器押型文土器が県内100カ所近くの遺跡から出土している。また、早期以降の遺跡は、伊勢湾岸、志摩半島、熊野灘沿岸、伊賀盆地の内陸部にまで広がり、600を超える。 押型文土器に伴う石器群は、有茎尖頭器・石鏃などがあり、この二つの石器には時期的差がみられる。この期の住居は竪穴式住居で、直径4メートルほどの平面形は不整円形で、地表面から80センチほど掘り下げ、垂木(たるき)を立てかけて円錐状の屋根を葺いたものと推定される。他には長楕円形または隅丸の二等辺三角形の平面形で、最大長2.6メートル、最大幅65センチの「煙道付炉穴」と呼ばれる野外炉が併存している。このことは半定住生活していたことを裏付ける[5]

中期から後期前葉にかけて遺跡数が最も増加し、およそ200カ所の所在が確認されている。中期前半には関東系や瀬戸内系の土器に北陸系や東海系の土器も認められ、海岸沿いに人々の行き来が行われたことを示している。この期の住居は平面形が円形で、住居内には石囲みや土器敷の屋内炉も確認されている。後期には、近畿系の強い影響にありながら、東北・中部・北陸などの土器が見られ、広範に交流が行われていたことが推定できる。津市一志町にある天白遺跡に東西も南北も約50メートルの範囲に広がった、西日本には数少ない配石遺構がある。土器棺墓、60点を超える土偶・岩偶、石棒・石剣など祭祀遺物も多く確認され、葬送儀礼の行われた遺構であると考えられている。晩期に入っては、小規模遺跡が多く、沖積平野部に進出している。後半の土器には粘土紐を肩部や口辺部に貼り付ける東海系の突帯文土器が主流を占めるようになる。住居では、名張市にある下川遺跡から柄鏡形住居が確認されている。遺体を土器に埋葬する25基の土器棺墓郡が集落と離れた場所で見つかっている。[5]

古代

672年、古代最大の内乱である壬申の乱が起こった。この内乱は律令国家形成の主導権をめぐる争いであり、三重県域に属する伊勢と伊賀は巻き込まれ、重要な役割を果たした。

7世紀の終わり頃に班田収授法が実施されたが、三重県下でも条里制の遺構が圃場整備事業が実施されるまで、志摩の英虞郡を除いて各郡で確認されている。なかでも伊賀では服部川右岸の扇状地、伊勢では安濃川櫛田川の下流域に、それぞれ広範囲にわたって連続した地割りが認められた。

国分僧寺・尼寺は全国に建立された。伊賀では上野市(現伊賀市)西明寺字長者屋敷に寺跡があり、東西210メートル、南北約250メートルの方形に土塁が残っている。南から中門・金堂・講堂跡の土壇が並び、西南の隅に塔跡とみられる土壇もある。尼寺はその東200メートルにある長楽山廃寺が想定されている。伊勢の僧寺は鈴鹿市国分町の台地の南端にあったとみられる。寺域は築地で囲まれ、東西178メートル、南北184メートルであった。志摩では阿児町国府の台地上にある護国山国分寺が僧寺であるとみられている。

近世

江戸時代に置かれた藩には伊勢国には、桑名藩長島藩伊勢亀山藩神戸藩菰野藩久居藩津藩、志摩国の鳥羽藩、津藩の支城の伊賀上野城、津藩の一族の名張陣屋紀州藩の支城の田丸城松阪城がある。

近・現代

度会府設置

  • 1868年8月23日(慶応4年7月6日) - 度会府が設置される。
  • 1869年7月25日 - 10月24日(明治2年6月17日 - 9月20日) - 版籍奉還により桑名藩・亀山藩・長島藩・神戸藩・菰野藩・津藩・久居藩・鳥羽藩の8藩が設置される。
  • 1869年8月24日(明治2年7月17日) - 度会府が度会県に改称される。
  • 1871年8月29日(明治4年7月14日) - 廃藩置県により桑名県亀山県長島県神戸県菰野県津県久居県鳥羽県の8県が設置される。
  • 1872年1月2日(明治4年11月22日) - 第1次府県統合により安濃津県(桑名県・亀山県・長島県・神戸県・菰野県・津県)と度会県(久居県・鳥羽県・度会県)に統合される。安濃津県は県庁安濃郡津大門町(現在の津市大門町)、度会県は県庁を度会郡山田岩淵町箕曲(現在の伊勢市岩渕)に置いた。
  • 1872年3月17日(明治5年4月24日) - 安濃津県は、倒幕の論功行賞に不満を持つ旧津藩士らの住む県南端の安濃津から県中央の三重郡四日市(現在の四日市市北町2-23、四日市市立中部西小学校)の四日市陣屋に県庁を移設し、郡名を取って三重県へ改称する。
  • 1873年(明治6年)12月10日 - 三重県庁舎が手狭となり、且つ、度会県との合併を見越して、県庁を安濃津へ戻す。県名はそのままであった。そのことについては1875年(明治8年)に「他郡ノ称ヲ以テ県名トナスハ則名ノ正シキモノニ非ス」と県名改称を申し立てる者が現れたが、他県にも類似の問題があり、そのままになってしまった[6]

三重県発足

三重県の名称の由来

ヤマトタケルが東方遠征を終えて尾津前(尾津浜)(桑名市)から能褒野(亀山市)へ向かう途中の三重郡(四日市市)で、『古事記』に「『吾が足は三重の勾がりの如くして甚だ疲れたり』とのりたまいき。故、其地を號けて三重と謂ふ」とあることに由来するとされている。

人口


三重県の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

政治

行政

  • 知事 - 鈴木英敬(公選第6代。現在1期目。2011年4月21日就任)

歴代知事については「三重県知事一覧」を参照のこと。

財政

  • 2007年 - 財政力指数 0.59、Iグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)、17自治体中9位
  • 2006年 - 財政力指数 0.54、Iグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)、16自治体中10位
  • 2005年 - 財政力指数 0.49、IIグループ(財政力指数0.4以上、0.5未満)、8自治体中1位
  • 2004年 - 財政力指数 0.47、IIグループ(財政力指数0.4以上、0.5未満)、10自治体中4位

議会

姉妹友好提携

経済

農業

  • 伊勢茶 - 緑茶の栽培面積、生産量、生産額は、静岡県鹿児島県に次いで全国第3位。『京都産』とされている抹茶は、実際には京都市が産地ではなく、大半が三重県で生産されていて、それを宇治市製茶している事が多い、伊勢茶も、行政支援の対象製品として三重ブランドに認定されている。
  • - 伊勢平野を抱えているため、米の栽培も盛んである。
  • 蜜柑 - 東紀州では栽培が盛んである。

畜産

  • 松阪牛 - 松阪市近郊で生産される和牛。日本を代表する高級肉として有名。
  • 伊賀牛 - 伊賀地方で生産される和牛。
  • 加茂牛 - 鳥羽市加茂地区で生産される肉牛[7]

酪農

  • 大内山牛乳 - 大紀町(旧大内山村)で牛乳が生産されている。

水産業

林業

  • - 主に東紀州地域
  • - 主に奥伊勢地域

工業

工場を置く主要企業

電力

三重県のほとんどが中部電力のエリアになっており、熊野市以南(一部を除く)の地域が関西電力のエリアになっている。

伝統工芸

インターネット

ケーブルテレビによるブロードバンドネットワークを、国内では最も早く県全ての市町村に普及させた[8]。これにより、2004年8月には全国で初めて全市町村で、パススルー方式等によるケーブルテレビでの地上デジタル放送の視聴が可能となった。

海底光ケーブルの陸揚げ本数は世界一(2002年現在)。

インターネット普及以前にも県営のパソコン通信「Mieネット」があり、大手のニフティへも市内料金でゲートウエイのパソコン通信ができた。2000年問題で廃止された。

地域

三重県の地域区分
伊賀 / 北勢 / 中勢 / 東紀州 / 南勢(伊勢志摩)

県庁は、三重県を北勢伊賀中勢南勢東紀州の5つの地域に区分している。

自治体は、以下の14715(29市町)がある[9]。「町」の読み方は全て「ちょう」。2006年1月10日の紀宝町と鵜殿村の合併により、三重県内から村がなくなった。

北勢

伊勢国北部に当たる地域で、国道1号の沿線。鈴鹿川の流域で、緑茶の大産地として有名である。

四日市以北

江戸時代には東海道(現在の国道1号)の沿線であった。江戸時代には東海道の架橋が禁止されており、かつ洪水も多かった為、木曽三川を越えた尾張国への往来は今程の多さではなかった。しかし、明治以後に架橋が進められて以降は、名古屋の影響も強く受けている。

鈴鹿ナンバーエリア

ホンダの鈴鹿市や、シャープ古河電気工業の亀山市での工業集積が著しい。名阪国道の物流が大きい。古代には椿大神社や伊勢国府が置かれるなど、重要拠点であり続けた。鈴亀地区とも言う。

伊賀

伊賀国に当たる上野盆地の一帯で、国道25号国道165号の沿線。伊賀市と名張市のこと。

木津川流域で、布引山地加太峠よりも西側に位置する地域。京阪神との人的・経済的・文化的な結びつきが極めて強く、奈良県京都府南部、滋賀県南部、大阪への通勤者もいる。

中勢

旧伊勢国中部に当たる地域で、国道23号の沿線。津市には県庁があり商工業が集積しているが、鉄道が市街地から郊外に移転して以降一時期郊外化が進み、大型ショッピングセンターの郊外への進出、逆に中心部からの撤退などで中心商店街は寂れた。しかし、「アスト津」と呼ばれる高さ94メートルの高層ビルが津駅前に完成して以来、再び活性化しつつある。現在、津と松阪の両市から、中部国際空港への高速船でのアクセスがある。

なお、松阪市と多気郡を南勢地域に入れる場合もある。

南勢

旧伊勢国南部に当たる地域と旧志摩国の総称で、志摩を省略せず「南勢志摩」と呼ぶ場合がある。三重県以外や観光ガイドでは「伊勢志摩」と呼ばれる事が多く、大部分が伊勢志摩国立公園に指定されている。国道23号の沿線。

伊勢神宮二見浦といった大観光地を抱えており、真珠の養殖でも有名である。

東紀州

紀伊国牟婁郡(当初の熊野国)、当初は度会県、後に三重県となった地域。東紀州熊野牟婁と呼ばれることも多い。国道42号の沿線。

日本では屋久島と並ぶ多雨地帯として知られ、熊野古道の伊勢路南部である。

主な学校

大学

短期大学

高等専門学校

高等学校

特別支援学校

国立
県立
私立

交通

交通史

律令時代五畿七道では、三重県のうち伊勢国志摩国伊賀国東海道として、東紀州のある紀伊国南海道として区分された。江戸時代にも、太平洋岸の伊勢国は、東海道伊勢街道の沿線で、日永追分四日市郊外)で東海道と伊勢街道が分岐した。

鉄道

明治初期に建設された東海道本線は、当初は東海道ルートに沿って、亀山経由で鈴鹿山脈をトンネルで貫通して草津に抜ける予定だったが、米原経由に変更され、代わって三重県の東海道ルートには関西本線奈良経由大阪方面)と草津線京都経由大阪方面)が建設された。そして、第二次大戦後に建設された東海道新幹線も、名古屋以西は工期の都合で米原経由に変更され、新幹線は建設されていないが、リニア新幹線は東海道沿いに計画予定である。

更に、三重県から唯一の東京直通列車だった寝台特急「紀伊」も、1984年2月に廃止された。

近鉄が特急運転の頻度が高いのに対し、JRは他県に比べてその頻度が極端に低く、本数の多い特急として一時は全国に普及した「エル特急」も、JR特急の走らない沖縄県奈良県を除くと、三重県だけが今日まで一度も設定された事が無い。2007年10月、近鉄は三重県内の伊賀線養老線(岐阜県に跨がる)の別会社化が行われた。

道路

国道1号は、江戸時代の東海道に沿ったルートとなっている。一時は旧東海道に対し、新東海道と呼ばれる事もあった。その為、現在でも地図上は国道一号が東海道という表記になっている事がある。高速道路は東名阪自動車道伊勢自動車道紀勢自動車道があり、また、新名神高速道路亀山JCTから開通し、2015年に四日市北JCTまで開通する予定である。奈良県の西名阪自動車道につながる名阪国道がある。

空港

三重県内に空港はない。なお、近隣の空港は中部国際空港愛知県)または関西国際空港大阪国際空港(いずれも大阪府)がある。

鉄道

近畿日本鉄道東海旅客鉄道西日本旅客鉄道によって、県内各地と名古屋大阪京都神戸が結ばれている。

※駅名記載の無い路線は全線県内通過

東海旅客鉄道

西日本旅客鉄道

道路

東名阪自動車道上り(亀山JCT付近)の渋滞
県内を通過する新名神高速道路
(池山高架橋付近より名古屋方面を望む)

高速自動車国道NEXCO中日本が、名阪国道国土交通省が、伊勢二見鳥羽有料道路三重県道路公社が管理している。

新名神高速道路2008年2月23日に開通したことにより、東京と大阪間を関ヶ原経由で行くより短時間で行くことができるようになったが、接続する東名阪自動車道四日市IC付近を先頭に渋滞するようになった。

近畿自動車道尾鷲多気線紀伊長島ICから尾鷲北ICは、高速道路会社によらない国と地方自治体の負担による新たな直轄事業である新直轄方式で計画されているので、開通すれば通行料金が無料である。

2010年2月2日に伊勢自動車道津IC-伊勢IC紀勢自動車道の全線が高速道路の無料化社会実験の対象区間に指定され、2010年6月28日から2011年6月19日まで実施された。

名阪国道では、雪が降るとチェーン規制を実施することがある。

高速自動車国道

営業中:

事業中:

  • 伊勢湾岸自動車道(四日市JCT-四日市北JCT
  • 紀勢自動車道(紀勢大内山IC-尾鷲北IC)(紀伊長島IC-尾鷲北IC間は新直轄方式で建設中)
  • 新名神高速道路(四日市北JCT-亀山西JCT

自動車専用道路

営業中:

事業中:

一般有料道路

無料開放された道路

一般国道

県道

冬季閉鎖区間

  • 国道306号 いなべ市藤原町山口~鞍掛峠~滋賀県界犬上郡多賀町 (6.9km)
  • 国道421号 いなべ市大安町石榑南~石榑峠~滋賀県東近江市黄和田町 (6.5km)
  • 国道477号 三重郡菰野町千草~武平峠~滋賀県甲賀市土山町大河原 (5.9km)
  • 三重県道25号南濃北勢線 いなべ市北勢町二之瀬~三重・岐阜県境~岐阜県海津市南濃町庭田 (3.5km)

バス

三重交通などが運行する高速バスによって、県内各地と東京、北勢地域・伊賀地域・東紀州地域と名古屋、伊賀地域と大阪、北勢・中勢・南勢地域と京都、そして北勢地域と中部国際空港が結ばれている。その他にも、各自治体が運行するものもある。

伊勢湾フェリーによって鳥羽と伊良湖愛知県田原市)を結ぶカーフェリー航路が運航されており、また、津エアポートラインにより、津・松阪と中部国際空港を結ぶ高速船が運航されている。伊勢と中部国際空港を結ぶ航路も計画・準備中だったが、現在はその目途が立っていない。

自動車登録番号標

  • 三重ナンバー - 下記を除く三重県全域
  • 鈴鹿ナンバー - 鈴鹿市亀山市

有形文化財建造物

重要伝統的建造物群保存地区

観光

概要

江戸時代のお伊勢参りに始まり、現在も鈴鹿サーキットで行われるF1日本グランプリや8耐、風光明媚な志摩のリゾート地、松阪牛伊賀地方の忍者関連(外国人に人気が高い)、東紀州地方最南端の「日本一面積の小さかった鵜殿村(現:紀宝町)」など、観光資源に恵まれている。「観光したい都道府県」では北海道京都奈良沖縄と並び、毎年上位5位以内に入るほどである。

公園・自然遺産

観光地

  • 伊勢神宮 - 天照大神を祭る。神社本庁傘下の全国神社からは、本宗と仰がれている。
  • 椿大神社 - 全国の猿田彦神社の総社。伊勢国一之宮。
  • 高田本山専修寺 - 浄土真宗高田派の総本山。
  • 伊賀上野 - 天守閣が日本一高い石垣の上に立つ上野城を初めとした城下町で、町並みは碁盤目に如く整備されている。城を中心に史跡が点在。伊賀忍者の郷・松尾芭蕉の故郷としても知られる。

景勝

民謡

テーマパーク・レジャーランド

メディア

新聞

地方紙

全国紙

  • 読売新聞については読売新聞中部支社の発行版が県内の大部分で販売されているが、伊賀市・名張市は読売新聞大阪本社の発行版である。南牟婁郡紀宝町では、中部支社発行版と大阪本社発行版が併売されている。
  • 朝日新聞については朝日新聞名古屋本社の発行版が県内の大部分で販売されているが、伊賀市・名張市・熊野市・南牟婁郡の御浜町・紀宝町は朝日新聞大阪本社の発行版である。
  • 毎日新聞については毎日新聞中部本社の発行版が県内の大部分で販売されているが、伊賀市・名張市・熊野市・南牟婁郡の御浜町・紀宝町は毎日新聞大阪本社の発行版である。
  • 日本経済新聞については日本経済新聞名古屋支社の発行版が県内の大部分で販売されているが、伊賀市・名張市・熊野市・南牟婁郡の御浜町・紀宝町は日本経済新聞大阪本社の発行版である。
  • 産経新聞については、県内全域が産経新聞大阪本社の発行版である。一部地域には産経新聞の直売所が存在するが、多くの地域では中日新聞の販売店に委託している。

放送

TV・ラジオ放送は中京広域圏に属し、名古屋市に本社を置く各局(県域局のテレビ愛知を除く)が本県に中継局を設けている。また在名AM局のCBCラジオは本県の桑名市に親局(主幹送信所)を置いている[10]

テレビ

テレビは地上波の放送に加え、県内全市町村でケーブルテレビの視聴が可能である。またケーブルテレビの多くは地上デジタル放送を再送しているため、三重県内の全域でケーブルテレビ加入することにより、地上デジタル放送も視聴可能となっている。

地上波テレビ

県域放送局
全国系列局

県内各地(いなべ市伊勢市鳥羽市名張市伊賀市尾鷲市熊野市など)に中継局を持っている。

ケーブルテレビ

エリア外受信が可能な局

中京圏のテレビ局
  • NHK名古屋放送局 - 北勢・中勢のほぼ全域、および南勢の一部地域で受信可能。
  • テレビ愛知(TVA) - 北勢・中勢のほぼ全域、および南勢の一部地域(TVAの放送区域は桑名市・朝日町・川越町のみ)で受信可能。また、デジタル波の再送信によって、ZTVを始めとする津以北(伊賀地方は除く)のケーブルテレビで視聴可能。コミュファ光テレビではサービスエリア外の名張市を除く県内全域で視聴可能である。
  • 岐阜放送(ぎふチャン) - 桑名市の一部地域で受信可能。
近畿広域圏のテレビ局
  • その他
    • びわ湖放送(BBC) - 伊賀地方のごく一部地域で受信可能。
    • 京都放送(KBS京都) - 伊賀地方のごく一部地域で受信可能。

TVAはケーブルテレビを通じて視聴できるところが多いが、将来は日本民間放送連盟の方針により、三重県内のケーブルテレビを通じてのTVA視聴ができなくなる可能性がある(関連記事)。

テレビ大阪は親局の送信所自体が生駒山の大阪府側に設置されている事と、中京広域圏の地上デジタル放送の物理チャンネルと重なる為受信不可能。その他、鳥羽市など志摩半島では、浜松中継局の電波を通じて静岡県のテレビも受信できる地域がある。

このことからも分かるように、新聞のテレビ番組表も本来のカバーエリアである「中京広域圏」と地元の三重テレビ放送がメインであるが、伊賀・東紀州地方(大阪本社版の発行地域)では大阪府を中心とした「近畿広域圏」を主とし、中京広域圏やMTVなどはハーフサイズ以下(サブ扱い)での掲載、TVA、TVOは前述の通り受信不能であることから未収録になっている。

ラジオ

AMラジオ

名古屋本局を直接聴取できる地域が大半だが、当県内の上野尾鷲熊野にも中継局を持っている。かつては、県域放送の近畿東海放送(開局当初はラジオ三重)があったが、ラジオ東海(旧岐阜放送)と合併して東海ラジオになり、消滅した。現在三重県のみを公式放送区域とするAM局はNHK・民放を含め皆無(NHKに到っては中波中継局が存在しない)で在名民放の放送支局・中継局が存在するのみである。

その他

  • 岐阜放送(ぎふチャン) - 桑名市など北勢近辺の一部で受信可能。また、radikoでは三重県を含む東海3県内でぎふチャンをサイマル配信している。
  • 和歌山放送(WBS)新宮局 - 熊野市以南の東紀州地方の一部で受信可能。

この他、熊野市から紀宝町沿岸部で、千葉県に送信所があるニッポン放送が受信できる地域が存在する。

FMラジオ

県域放送局
コミュニティFM局

FMパイレーツ(伊勢まつり博開催時)などの臨時FM局はコミュニティFM局に成長できなかった。

エリア外受信が可能な局

愛知県県域放送である次の2局は、伊賀地方南部・東紀州地方南部を除いた大部分で受信できる。

上記2局はradikoを通じて三重県内全域で聴取可能。
以前はRADIO-iもあったのだが2010年9月30日をもって廃局となった。

次の2局は伊賀地方の一部地域で受信可能。

その他

作品

脚注

  1. ^ 三重県は中部地方?近畿地方?、NHK『週刊こどもニュース』(2007年10月6日放映)
  2. ^ 三重県は近畿地方?中部地方?、三重県庁サイト
  3. ^ 近畿圏整備法第2条第1項、中部圏開発整備法第2条第1項
  4. ^ 公式に2つの地域に跨って分類されているのは三重県と山梨県のみである
  5. ^ a b c 駒田利治「三重のあけぼの」、稲本紀昭他『三重県の歴史』、山川出版社、2000年
  6. ^ 西川洋「近代三重の成立」 橋本紀昭・駒田利治・勝山清次・飯田良一・上野秀治・西川洋『三重県の歴史』山川出版社 2000年7月 260頁
  7. ^ 生活協同組合コープみえ"産直牛(加茂牛)"(2012年1月2日閲覧。)
  8. ^ 参考資料:あの県がブロードバンド日本一!? ネットレイティングス調査から(インプレス INTERNET Watch)
  9. ^ 平成の大合併前は、13市16郡47町9村の69市町村であったので、自治体数としては40減った。
  10. ^ 以前は名古屋市緑区鳴海町に親局があったが、施設の老朽化と周辺の都市化進行により1978年11月23日に現在地へ移転。CBCは在名AM局で唯一三重県に主幹送信所を置いている(東海ラジオ、NHK名古屋の主幹送信所は愛知県)

関連項目

外部リンク

行政
観光
先代
長島県桑名県菰野県
亀山県神戸県津県
度会県
行政区の変遷
1871年 -
(安濃津県→三重県)
次代
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