日立金属

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日立金属株式会社
Hitachi Metals, Ltd
Hitachi logo.svg
Seavansn.jpg
日立金属本社(シーバンスN館)
種類 株式会社
市場情報
東証1部 5486 1961年10月2日上場
大証1部(廃止) 5486 1967年3月8日上場
本社所在地 日本の旗 日本
105-8614
東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
設立 1946年昭和21年)3月2日(※)
業種 鉄鋼
事業内容 金属製品・電子部品などの製造
代表者 藤井 博行
代表執行役 執行役社長)
資本金 262億84百万円
発行済株式総数 428,904,352株
売上高 連結:5,357億79百万円
単独:3,164億68百万円
営業利益 連結:210億79百万円
単独:3億86百万円
純利益 連結:129億55百万円
単独:57億90百万円
純資産 連結:2,598億65百万円
単独:1,521億39百万円
総資産 連結:5,412億86百万円
単独:3,737億96百万円
従業員数 連結:17,308名 単独:4,675名
決算期 3月31日
主要株主 日立製作所 52.80%
日本トラスティ・サービス信託銀行 6.42%
ノーザン トラスト カンパニー 3.65%
主要子会社 日立機材(株) 64.9%
日立ツール(株) 100%
日立金属アドメット(株) 100%
外部リンク http://www.hitachi-metals.co.jp/
特記事項:各種経営指標は2013年3月期のもの(日立電線合併前)
1967年(昭和42年)1月に株式の額面変更及び社名変更のために合併を行い、1956年(昭和31年)4月に設立された日立金属工業株式会社は消滅している。
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日立金属株式会社(ひたちきんぞく、Hitachi Metals, Ltd.)は、1956年(昭和31年)4月日立製作所が全額出資して日立グループ鉄鋼業金属部門を統合分立させた会社である。2013年(平成25年)7月、同じく1956年(昭和31年)に日立製作所から電線部門を分離して設立された日立電線株式会社を吸収合併した。

概要[編集]

2013年に日立電線と合併したことにより日立グループで日立製作所に次ぐ規模となった。委員会設置会社みどり会の会員企業である。

主力製品は刃物金型に用いられる先端固体材料の高級工具鋼(YSSヤスキハガネ)、その他電子製品で使用されるインバー合金等の高級金属製品、高級自動車部材、磁性材料、鉄鋼用ロール配管製品、電子部品などを擁する特殊鋼・エコ製品を核とした総合素材メーカーである。2013年には旧・日立電線の製品である送電線LANケーブル光ファイバーケーブル・自動車用ブレーキホース・イーサネットスイッチ・化合物半導体なども製品群に加わった。

売上高鉄鋼メーカー第4位、時価総額第3位、高性能鉄鋼材料に特化している。特殊鋼マレブル鋳鉄ダクタイル鋳鉄の開発、製造に関し最も古い歴史を持つ、伝統と最先端技術の調和の取れた融合体となっている。メセナの一環として、日本美術刀剣保存協会が行う玉鋼(マルテンサイト化する日本刀の素材)製造法たたら吹きの支援も行っている。

沿革[編集]

戦前[編集]

  • 1899年(明治32年) - 安来工場前身の雲伯鉄鋼合資会社(後、安来鉄鋼合資会社、及び、安来製鋼所)設立
  • 1910年(明治43年) - 鮎川義介により、日立金属の前身および日産自動車のルーツとなる戸畑鋳物株式会社設立
  • 1917年(大正6年) - 戸畑鋳物、帝国鋳物(若松)を吸収合併
  • 1918年(大正7年) - 日立製作所内に日立電線の前身となる電線製造工場を新設
  • 1922年(大正11年) - 戸畑鋳物、木津川製作所(桑名)を吸収合併
  • 1929年(昭和4年) - 戸畑鋳物は東京製作所(深川)を新設し自動車用マレブル鋳鉄製造開始。
  • 1934年(昭和9年) - 安来製鋼所を吸収合併(この後、ヤスキハガネ開発に成功し、すでに開発していた高速度工具鋼にも応用した)
  • 1935年(昭和10年) - 戸畑鋳物、国産工業に社名変更
  • 1937年(昭和12年) - 国産工業、日立製作所に吸収合併
  • 1944年(昭和19年) - 日本初国産ジェットエンジンネ-20搭載の推力軸受用Cr-W鋼イ513を開発し海軍技術廠より表彰を受けた(日立製作所安来工場の冶金研究所の小柴定雄による発明)

戦後[編集]

旧日立電線の沿革は日立電線を参照。

  • 1956年(昭和31年) - 日立金属工業株式会社設立(日立製作所全額出資にて分離独立)
  • 1961年(昭和36年) - 熊谷工場新設
  • 1962年(昭和37年) - 東京、大阪証券取引所一部上場
  • 1965年(昭和40年) - 米国に Hitachi Metals America, Ltd.を設立
  • 1967年(昭和42年) - 株式の額面及び社名変更の目的で日立金属株式会社に合併
  • 1970年(昭和45年) - ドイツに Hitachi Metals Europe GmbHを設立
  • 1972年(昭和47年) - 京都国際会議にて、清永欣吾が「鋼の強靭性」にて特殊鋼に初めて破壊力学の考え方を導入する発表を行い世界的反響を呼んだ
  • 1973年(昭和48年) - 1990年代まで続く、計算科学に基づいたいわゆる「合金設計」という手法を渡辺力蔵が発表し始める。
  • 1979年(昭和54年) - シンガポールに Hitachi Metals Singapore Pte. Ltd.を設立
  • 1995年(平成7年) - 日立フェライト(株)と合併
  • 2001年(平成13年) - 執行役員制および社内カンパニー制を導入
  • 2003年(平成15年) - 商法上の「委員会等設置会社」に移行
  • 2004年(平成16年) - 住友特殊金属に自社磁材事業を会社分割の上NEOMAXと商号変更。連結子会社とする。
  • 2005年(平成17年) - 米国アライド社の非晶質金属事業を買収し、日本非晶質金属株式会社を傘下に設立。
  • 2007年(平成19年) - NEOMAXを吸収合併
  • 2013年(平成25年) - 日立電線株式会社を吸収合併[1]。同時に旧日立電線のリードフレーム事業と伸銅事業を、住友金属鉱山株式会社との合弁会社に移行[2][3]

特徴[編集]

分野は、インフラ、自動車、エレクトロニクス、IT、半導体、環境エネルギー、鉄鋼、宇宙航空機、建機、工機、建築、医療用の材料及び部品で多角的でかつニッチな経営であるが、コア技術は鉄周辺の合金および製鋼鍛造熱処理などを主体とした製造技術と代表的トライボロジー材料である工具鋼やそれより発展した磁性材料、電子部品、非鉄金属や無機/有機材料の鋳造塑性加工、粉末冶金・射出成形品などの新素材および部品製造というまとまりがある。株式市場では鉄鋼部門に属するが、研究開発型企業を志向しているところも特徴的であり、トムソンサイエンティフィック社の調べによると1990年代のナノテク関連特許数で世界11位(国内5位)といったハイテク企業でもあり、Materials Magicをコーポレートブランドとして掲げている。鉄鋼メーカーであっても鉄鋼大手のような高炉を用いて製鉄をすることはなく、とくに鉄鋼材料においても最も合金設計が精密な高級特殊鋼分野に特化している。

またグローバル化展開も他の特殊鋼メーカーより先んじた体制を2004年(平成16年)の傘下商社の再編により構築している。 ひょうたん印の継手はガス用に関しては東京ガス都市ガス用継手やフレキシブル配管等納入しており、東京ガス指定部品となっている。特殊鋼の商標としてはYSSヤスキハガネが有名である(身近なところでは、日立製のシェーバーの刃に使用されている)。

製品ブランド[編集]

  • SLD-MAGIC(S-MAGIC:高性能冷間ダイス鋼)
  • DACシリーズ(アイソトロピィ熱間ダイス鋼)
  • YXRシリーズ(マトリックスハイス)
  • HAPシリーズ(高性能粉末ハイス)
  • GINB(グローバルカミソリ材料)
  • NEOMAX(ネオジ鉄ボロン磁石)
  • ファインメット(ナノ結晶磁性材料)
  • Metglas(鉄基アモルファス軟磁性材料)
  • ハーキュナイトシリーズ(自動車用耐熱特殊鋳鋼)
  • SCUBA(大口径・高意匠アルミホイール)
  • HINEXロール(鉄鋼圧延用ハイスロール)
  • エコグリーン(電力用エコ電線)
  • APRESIA(イーサネットスイッチ)

生産拠点[編集]

以下の他に国内子会社、海外生産拠点を多数擁している。

研究開発拠点[編集]

  • 素材研究所(栃木県真岡市;自動車エンジン部品、耐熱部品、軽合金)
  • 安来工場冶金研究所(島根県安来市;鉄鋼材料、特殊鋼、エネルギー、自動車用新素材、宇宙航空素形材、磁性電子素材)
  • 磁性材料研究所(大阪府三島郡島本町;マグネット素材、マグネット応用品、セラミックス、金属電子材料)
  • 電線材料研究所(茨城県日立市;電線材料)

グループ企業[編集]

国内[編集]

海外[編集]

  • HITACHI METALS EUROPE
  • HITACHI METALS AMERICA
  • HITACHI METALS SINGAPORE
  • 日立金属(東莞)特殊鋼有限公司
  • 輝伸科技股フン有限公司
  • 韓日特殊鋼(株)
  • 日立金属(上海)有限公司
  • 日立刀具(上海)有限公司
  • PHILIPPINE PRECISION TECHNOLOGY,INC.
  • NICHIEI PILIPINAS INCORPORATED
  • San Technology, Inc.
  • Hitachi Metals Hongkong Ltd.
  • HMF Technology Korea Co., Ltd.
  • Hitachi Metals (Thailand) Ltd
  • 日立金属(蘇州)科技有限公司
  • Hitachi Metglas(India) Private Ltd.
  • Metglas, Inc.
  • Hitachi Metals North Carolina, Ltd.
  • AAP St. Marys Corp.
  • Hitachi Metals Automotive Components USA, LLC
  • Ward Manufacturing, LLC
  • SinterMet, LLC
  • 宝鋼日立金属軋輥(南通)有限公司
  • PT. NX INDONESIA
  • 東莞住秀電子有限公司
  • Pacific Metals Co., Ltd.
  • Nam Yang Metals Co., Ltd.
  • 日立金属精密儀器(深圳)有限公司
  • HC Queretaro, S.A. de C.V.
  • Hitachi Cable Austria GmbH
  • Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd.
  • AHCL (Thailand) Co., Ltd.
  • Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd.
  • Hitachi Cable Philippines, Inc.
  • Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd.
  • Giga Epitaxy Technology Corporation
  • 上海日立電線有限公司
  • 日立電線(蘇州)有限公司
  • 深圳日立電線有限公司
  • 日立電線(中国)商貿有限公司
  • 大連保税区日立電線商貿有限公司
  • Hitachi Cable Asia Pacific (HCAP) Pte. Ltd.
  • HCAS Thai Trading Co., Ltd.

人材育成[編集]

  • 優秀な社員を兵庫県尼崎市の産業技術短期大学1962年一般社団法人日本鉄鋼連盟が設立)に派遣して、人材育成を行っている。具体的には、「製造現場における知識創造と人材の多機能育成政策・綿密な能力開発策のひとつとして、企業内選抜を経て中堅技術者への昇進に結びつく産業技術短期大学への派遣を行う政策の実行」であり、このような人材育成形態(教育訓練形態)を「オフ・ザ・ジョブ・トレーニング・OFF-JT」という。

参考文献[編集]

  • 渡辺ともみ著 「たたら製鉄の近代史」 吉川文庫(2006年)
  • 『メイド・イン・ジャパン-日本製造業変革への指針-』(ダイヤモンド社、1994年)
  • 『産業技術短期大学大学案内2011』(産業技術短期大学、2010年)
  • 『産業技術短期大学五十年のあゆみ』(学校法人鉄鋼学園 産業技術短期大学、2012.4.25)

ほか

関連項目[編集]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]