桐野夏生
| 桐野 夏生 | |
|---|---|
| 誕生 | 1951年10月7日(60歳) 石川県金沢市 |
| 職業 | 小説家 |
| 国籍 | |
| 活動期間 | 1993年 - |
| ジャンル | 小説 |
| 代表作 | 『顔に降りかかる雨』(1993年) 『OUT』(1997年) 『柔らかな頬』(1999年) 『東京島』(2008年) 『ナニカアル』(2010年) |
| 主な受賞歴 | 江戸川乱歩賞(1993年) 日本推理作家協会賞(1998年) 直木三十五賞(1999年) 泉鏡花文学賞(2003年) 柴田錬三郎賞(2004年) 婦人公論文芸賞(2005年) 谷崎潤一郎賞(2008年) 紫式部文学賞(2009年) 島清恋愛文学賞(2010年) 読売文学賞(2011年) |
| 処女作 | 『顔に降りかかる雨』(1993年) |
桐野 夏生(きりの なつお、1951年10月7日 - )は、石川県金沢市生まれの小説家。別のペンネーム野原野枝実(のばら のえみ)や桐野夏子の名でロマンス小説、ジュニア小説のほか、森園みるくのレディースコミック原作も手がけている。
妊娠中に友人に誘われ、ロマンス小説を書いて応募し佳作当選。以後、小説を書くのが面白くなって書き続けたという。ミステリー小説第一作として応募した『顔に降りかかる雨』で第39回江戸川乱歩賞を受賞。ハードボイルドを得意とし、新宿歌舞伎町を舞台にした女性探偵、村野ミロのシリーズで独自の境地を開く。また、『OUT』では平凡なパート主婦の仲間が犯罪にのめりこんでいくプロセスを克明に描いて評判を呼び、日本での出版七年後にも米国エドガー賞にノミネートされ、国際的にも評価が高い。代表作に『顔に降りかかる雨』(1993年)、『OUT』(1997年)、『柔らかな頬』(1999年/直木賞受賞作)、『東京島』(2008年)など。
目次 |
[編集] プロフィール
建設会社でエンジニアをしていた父をもち、両親と兄、弟のリベラルな家庭に育つ。父の転勤が多く、三歳で金沢を離れ、仙台、札幌、さらに中学校二年生で東京都武蔵野市へと引っ越しを重ねた。武蔵野市立第四中学校、桐朋女子高校(東京都調布市)から、成蹊大学法学部へと進学。卒業後はオイルショックの時代で就職先があまりなく、映画館に務め、のち広告代理店で医者向け雑誌の編集に従事。いずれも一、二年で退社して24歳で結婚。
仕事は結婚後も続けていたが、しばらく仕事をやめたこともあった。脚本家の向田邦子のファンだったこともあって、経済的自立を求め、シナリオ学校(日本脚本家連盟ライターズスクール)に通ったりアルバイトをしたりするようになる。子どもが生まれたため、家でできる仕事として、マニュアルの文章を書くフリーライターをし、30歳代の始めに第2回サンリオロマンス賞に応募して佳作入選した『愛のゆくえ』で小説家としてデビュー。ロマンス文学やジュニア小説、森園みるくのマンガの原作などを手がけるようになった。
1993年に、日本における女性ハードボイルドの先駆けになったとされる第39回江戸川乱歩賞受賞作『顔に降りかかる雨』で本格デビューを果たし、出版業界用語でいわれる「万年初版作家」の域を脱出。ミステリーの発注が続いて多忙になったため、10年間続いた森園みるくとのレディースコミックの共作は、途絶となってしまった。しばらくスランプ状態が続いたが、新宿歌舞伎町で活躍する女性探偵「村野ミロ」シリーズを掘り下げ、独自の境地を切り開いたり、女子プロレスを舞台にした『ファイヤーボール・ブルース』で読者層を広げていく。1998年の日本推理作家協会賞受賞作『OUT』が小説家としてブレイクスルーとなる作品となった。
[編集] ペンネーム
ペンネーム「桐野夏生」は、司馬遼太郎の小説『翔ぶが如く』の桐野利秋、大庭みな子の『浦島草』の夏生という女性の名前から取った名前で1984年のロマンス小説デビュー作から使っているが、男性と混同する名前は困ると言われ「桐野夏子」というペンネームを使った時期があった。また、作家・銀色夏生がいるから夏生はやめて欲しいと言われて使ったペンネーム「野原野枝実」は、森茉莉の『甘い蜜の部屋』の登場人物の名前から拝借したものである。これらの別ペンネームに関して桐野自身は「屈辱の歴史」と述懐している。
[編集] エピソード
[編集] 年譜
- 1951年 - 金沢市で出生
- 成蹊大学法学部卒業
- 1984年 - 『愛のゆくえ』が第2回サンリオロマンス賞に佳作となりデビュー。
- 1993年 - 『顔に降りかかる雨』で第39回江戸川乱歩賞の受賞がいわゆる文壇デビューとなる。
- 1998年 - 『OUT』が第51回日本推理作家協会賞を受賞し、映画化。
- 1999年 - 『柔らかな頬』で第121回直木賞を受賞。
- 2003年 - 『グロテスク』で第31回泉鏡花文学賞を受賞。
- 2004年 - 『OUT』がエドガー賞最優秀作品賞にノミネート(最終候補)。
- 2004年 - 『残虐記』で、第17回柴田錬三郎賞を受賞。
- 2005年 - 『魂萌え!』で、第5回婦人公論文芸賞受賞。
- 2005年11月~2006年12月 朝日新聞にて現代のフリーター、ニートや偽装請負を扱った『メタボラ』を連載。
- 2008年 - 『東京島』で谷崎潤一郎賞受賞
- 2009年 - 『女神記』で紫式部文学賞受賞
- 2010年 - 『ナニカアル』で島清恋愛文学賞受賞
- 2011年 - 『ナニカアル』で読売文学賞受賞
[編集] 著書
[編集] ロマンス小説
- 愛のゆくえ(1984年12月 サンリオニューロマンス)
- 熱い水のような砂(1986年2月 サンリオニューロマンス)
- 真昼のレイン(1986年7月 サンリオニューロマンス)
- 夏への扉(1988年1月 双葉社) ※桐野夏子名義
- 夢の中のあなた(1989年3月 双葉社) ※桐野夏子名義
[編集] ジュニア小説(野原野枝実名義)
- 恋したら危機!(1989年8月 MOE文庫)
- あいつがフィアンセだ!(1989年8月 MOE文庫)
- 小麦色のメモリー(1989年8月 MOE文庫)
- トパーズ色のband伝説(1989年10月 MOE文庫)
- 恋したら危機! パート2(1989年12月 MOE文庫)
- 媚薬(1990年3月 MOE文庫)
- 恋したら危機! パート3(1990年5月 MOE文庫)
- 急がないと夏が… プールサイドファンタジー(1990年7月 MOE文庫)
- セントメリークラブ物語1 セントメリーのお茶会にどうぞ(1990年10月 MOE文庫)
- セントメリークラブ物語2 銀の指輪は冷たく輝く(1991年1月 MOE文庫)
- ガベージハウス、ただいま5人(1991年3月 コバルト文庫)
- 涙のミルフィーユボーイ(1992年1月 コバルト文庫)
- ルームメイト薫くん 1-3(1993年-94年 偕成社)
[編集] 小説
[編集] 村野ミロシリーズ
- 顔に降りかかる雨(1993年9月 講談社 / 1996年7月 講談社文庫)
- 天使に見捨てられた夜(1994年6月 講談社 / 1997年6月 講談社文庫)
- 水の眠り灰の夢(1995年10月 文藝春秋 / 1998年10月 文春文庫)
- ローズガーデン(短編集)(2000年6月 講談社 / 2003年6月 講談社文庫)
- ダーク(2002年10月 講談社 / 2006年4月 講談社文庫【上・下】)
[編集] その他
- ファイアボール・ブルース―逃亡(1995年1月 集英社)
- 【改題】ファイアボール・ブルース(1998年5月 文春文庫)
- OUT(1997年7月 講談社 / 2002年6月 講談社文庫【上・下】)
- 錆びる心(短編集)(1997年11月 文藝春秋 / 2000年11月 文春文庫 / 2006年1月 大活字文庫【上・下】)
- ジオラマ(短編集)(1998年11月 新潮社 / 2001年10月 新潮文庫)
- 柔らかな頬(1999年4月 講談社 / 2004年12月 文春文庫【上・下】)
- 光源(2000年9月 文藝春秋 / 2003年10月 文春文庫)
- 玉蘭(2001年3月 朝日新聞出版 / 2004年2月 朝日文庫 / 2005年6月 文春文庫)
- ファイアボール・ブルース2(2001年8月 文春文庫)
- リアルワールド(2003年2月 集英社 / 2006年2月 集英社)
- グロテスク(2003年6月 文藝春秋 / 2006年9月 文春文庫【上・下】)
- 残虐記(2004年2月 新潮社 / 2007年8月 新潮文庫)
- 週刊アスキー連載、連載時タイトルは「アガルタ」、桃源郷としての「アガルタ」を全く知らないままタイトルとして採用したとのこと)
- I'm sorry, mama(2004年11月 集英社 / 2007年11月 集英社文庫)
- 白蛇教異端審問(2005年1月 文藝春秋 / 2008年1月 文春文庫)
- 魂萌え!(2005年4月 毎日新聞社 / 2006年2月 新潮文庫【上・下】)
- 冒険の国(2005年10月 新潮文庫)
- アンボス・ムンドス(2005年10月 文藝春秋 / 2008年11月 文春文庫)
- メタボラ(2007年5月 朝日新聞社 / 2010年7月 朝日文庫【上・下】 / 2011年8月 文春文庫)
- 東京島(2008年5月 新潮社 / 2010年5月 新潮文庫)
- 女神記(2008年11月 角川書店)
- IN(2009年5月 集英社)
- ナニカアル(2010年2月 新潮社)
- 優しいおとな(2010年9月 中央公論新社)
- ポリティコン(2011年2月 文藝春秋【上・下】)
- 緑の毒(2011年8月 角川書店)
[編集] アンソロジー
- はじめての文学 桐野夏生(2007年8月 文藝春秋)
[編集] コミック原作
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- (いずれも漫画は森園みるく)
- カクテル・ストーリーズ(1989年10月 祥伝社 / 2005年12月 あおば出版)
- ハイ・ライフ(1992年1月 祥伝社【上・下】)
- キアラ(1992年1月 祥伝社)
- ボンデージ・ファンタジー(1993年8月 祥伝社)
- ワイルド・フラワーズ(1993年1月 祥伝社【上・下】)
- ロンリー・ハーツ・クラブ(1995年5月 祥伝社)
- モンロー伝説―ただ愛が欲しいだけ(1996年6月 祥伝社【上・下】)
- マンガ マリリン・モンロー 愛に飢えた魂の伝説(2003年11月 講談社+α文庫)
[編集] 外国語訳
- Disparitions : roman(柔らかな頬、フランス語)Silvain Chupin, Rocher, c2002
- Le quattro casalinghe di Tokyo(Out、イタリア語)Lydia Origlia, Neri Pozza, c2003
- OUT(英語)Steven Schneider 講談社インターナショナル、ISBN 4770029055
- Die Umarmung des Todes : Roman (Out, ドイツ語) Annelie Ortmanns Goldmann, c2003
- Morbide Guance (柔らかな頬, イタリア語) Antonietta Pastore, Neri Pozza, 2004
- Out : thriller(フランス語)Ryôji Nakamura et René de Ceccatty Éditions du Seuil c2006
- Out : bebas(インドネシア語)alih bahasa Lulu Wijaya、Gramedia Pustaka Utama, 2007
- Grotesque(英語)Rebecca Copeland Harvill Secker 2007
- Grotesque (イタリア語) Gianluca Coci, Neri Pozza, 2008
- Real World(英語)- Philip Gabriel, 2009
- Real World (イタリア語)Gianluca Coci, Neri Pozza, 2009
- L'isola dei naufraghi (東京島, イタリア語)Gianluca Coci, Giano/Neri Pozza, 2010
- Grotesk (ドイツ語)2010
- Una storia crudele (残虐記, イタリア語)Gianluca Coci, Giano/Neri Pozza, 2011
[編集] 関連書
- 2005年9月 『The cool! 桐野夏生スペシャル』(小説新潮別冊 - Shincho mook)、新潮社、ISBN 4107901483
- 書き下ろし作「朋萌え!」、未発表作「プール」を収録
[編集] 映画化作品
- 1999年 廣木隆一監督『天使に見捨てられた夜』日活、出演: かたせ梨乃 、西山水木 、嶋田博子 、大杉漣 、永澤俊矢
- 2001年 長崎俊一監督『柔らかな頬』オフィス・シロウズ=BS-i、出演: 天海祐希、三浦友和、松岡俊介、渡辺いっけい、中村久美
- 2002年 平山秀幸監督『OUT』ムービーテレビジョン=サンダンス・カンパニー、出演: 原田美枝子、倍賞美津子、室井滋、西田尚美、香川照之
- 2007年 阪本順治監督『魂萌え!』シネカノン、出演: 風吹ジュン、三田佳子、寺尾聰、常盤貴子、豊川悦司、加藤治子
- 2010年 篠崎誠監督『東京島』ギャガ、出演:木村多江、鶴見辰吾、窪塚洋介、福士誠治
[編集] テレビ出演
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
[編集] 公式サイト
[編集] オンライン記事
- Yahoo!ブックス - 桐野夏生インタビュー1|桐野夏生インタビュー2(2004年3月25日掲載、構成・中沢明子)
- e-NOVELS特集: 桐野夏生
- JUSTICE Library: 「書くことの快楽」(1|2|3|4|5、2001年5月28日、インタビュー・福田和也)
- [1]: 桐野夏生インタビュー(bk1・朝日新聞社『一冊の本 2001.3』より)
[編集] データベース
- CinemaScape - 映画批評空間: 桐野夏生
- JMDb: 桐野夏生
- IMDb: Natsuo Kirino