佐藤俊介 (ヴァイオリニスト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
佐藤 俊介
ポール・シロクマン撮影(2005年)}
ポール・シロクマン撮影(2005年)
基本情報
出生 1984年6月10日(30歳)
出身地 日本の旗 日本 東京都
血液型 B型
学歴 ミュンヘン音楽・演劇大学
ジャンル クラシック音楽
バロック音楽
職業 ヴァイオリニスト古楽器奏者
担当楽器 ヴァイオリン
事務所 KAJIMOTO(日本)
Musicaglotz(フランスほか)
Tivoli Artists(北欧)
公式サイト http://www.shunskesato.com/
著名使用楽器
ストラディバリウス「ウィルヘルミ」(1725年製)

佐藤 俊介(さとう しゅんすけ、1984年6月10日 - )は日本ヴァイオリン奏者

略歴[編集]

2歳でスズキ・メソード の松戸教室でヴァイオリンを始める。きっかけは「母親が流していたFM放送から流れるクラシック音楽のヴァイオリンによく反応していたことと、母親と散歩中にたまたま才能教育教室から出てきた親子から教室の見学を勧められたこと」。[1][2]

3歳より松戸の教室で、日本のヴァイオリン界草分けの鷲見四郎の門下生となる。4歳から父親の経済学研究のために、家族で米国ペンシルベニア州フィラデルフィアへ移住。幼稚園から高校までをアメリカの徹底した個人主義の下におくる間、ジュリアード音楽院プレカレッジ部門でドロシー・ディレイ川崎雅夫の下で研鑽。

ジュリアード入学以前は、二ノ宮夕美、および韓国系アメリカ人チン・キム(Chin Kim)に師事。1994年、フィラデルフィア管弦楽団の学生コンクール小学生の部門で優勝。オーケストラとのデビューは同楽団とのエドゥアール・ラロのスペイン交響曲。

チン・キムの招待により、2005年に参加した韓国のグレートマウンテン音楽祭で佐藤の演奏を聞いていたのが、Dittoのリーダーである、ヴィオラ奏者のリチャード・オニールだった。これが、「オニールが2010年のDITTO音楽祭に(佐藤を)新メンバーとして抜擢するというきっかけ」になった。[3]

ジュリアード在学中、12歳でヤング・コンサート・アーティスツのディレクター、スーザン・ワーズワースにスカウトされる。この組織を通じてリサイタル、オーケストラの共演の他、室内楽、あるいは地元学校でのマスタークラスでの指導を含むコンサート活動を始める。[4]同時期に、3MのテレビCMのオーディションで主役に選ばれ、Comfort Strips(絆創膏)を指につけてフランツ・ワックスマンによるカルメンファンタジーを弾く。このコマーシャルは1996年から1998年にかけてアメリカ、ブラジルで流れる。

1995年より2002年までコロラド州アスペン音楽祭に参加し、リサイタルの他、ミクロス・ロージャウィリアム・ウォルトンといったヤッシャ・ハイフェッツに縁の深い協奏曲も演奏(アスペン音楽祭演奏録音は、アスペン音楽祭アーカイブおよび、ピットキン区公立図書館に保存)。

2000年10月にはニューヨーク・リサイタルデビューを果たし、10月24日付のニューヨークタイムスで「(佐藤の)リサイタルに仰天。驚くべき冷静さと音楽的レベルを既に持っている。舞台上では完全にリラックスしており、全てのプログラムを譜面なしで演奏。これは音楽が誰かに教え込まれたものではなく自分から湧き出ている。…音楽作りの流暢さに感嘆した。」と絶賛される。[5]

ドロシー・ディレイと川崎雅夫による歴史的考証まで掘り下げたスコア分析、さらに演奏活動の間に何度か共演したクリストファー・ホグウッドのピリオド奏法研究が、佐藤のバロック音楽および古楽器奏法への関心につながる。

また、アスペン音楽祭で聞いた川崎雅夫のヴィオラの演奏や、ウィリアム・ウォルトンのヴィオラ協奏曲に刺激され、14歳よりヴィオラを学びはじめる。のちに、佐藤のヴィオラを聞いた西村朗が触発され、「ヴィオラ無伴奏ソナタ」を作曲し。「西村朗:旋回舞踊超絶技巧ソロ 佐藤俊介プレイズ西村朗〜西村朗作品集(12) WHIRL DANCE - SHUNSUKE SATO PLAYS AKIRA NISHIMURA」(全音楽譜出版社)として発表することになった。[6]

ジュリアードプレカレッジ最終学年の2001年の夏に、マヨルカ等のマスタークラスでジェラール・プーレに出会う。2002年3月、長年の恩師ディレイが死去し、プレカレッジ卒業に際した佐藤は、フィラデルフィアのカーティス音楽学校のハイメ・ラレドのクラスに入学。しかし翌2004年、ジェラール・プーレの指導を仰ぐためにパリに渡り、4年間研鑽を積む。

ジェラール・プーレが東京芸術大学教授として日本へ渡りパリを離れたこと、すでに古楽器奏法への傾倒が高まり自分自身で学び始めていたことが重なり、正式にミュンヘン音楽・演劇大学のメアリー・ウティガーの下で研鑽するために2009年にドイツへ移住。

2010年7月、ライプツィヒで行われたヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールで、バロック奏者として初めての国際コンクールに挑戦し、ヴァイオリン部門(バロックとモダン楽器奏者を合わせて審査)で2位と聴衆賞(聴衆各人が投票できるシステムで票を集計して決定する賞)[7]を獲得。

2010年12月21日、文化庁主催第65回芸術祭で2010年10月29日に東京で行われたバロックリサイタルが評価され音楽部門で新人賞を受賞。[8]

2011年10月、リチャード・エガー率いるエンシェント室内管弦楽団と共にニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲2番をガット弦、ピリオド楽器で演奏、ケンブリッジロンドンでUKデビュー公演を行う。[9]

2011年11月28日発売の古楽器専門誌 アーリー・ミュージック・アメリカ(Early Music America) が IN CONCLUSION: hats Off, Gentle People! Is the Revolution Over? (by Anthony Martin) の見出しで世界初のガット弦による「パガニーニ:24のカプリース」の録音(2009年、ユニバーサルクラシックス)を紹介。

2011年1月、オランダのバッハ協会 De Nederlandse Bachvereniging 所属オーケストラのコンサートマスターに抜擢される。[10]
また2012年に若手バロック奏者をサポートするオランダ、アムステルダム所在のジャンプスタートジュニア財団の選考で選ばれ、2013年1月に財団所有のジョヴァンニ・グラチーノ作の楽器 (ミラノ、1695年頃の製作)を貸与される。[11]

佐藤は演奏家として、モダン奏法と古楽器奏法、現代音楽バロック音楽、室内楽と協奏曲を手がける一方、自ら協奏曲カデンツァの作曲、編曲、CDのライナーノーツ執筆および英訳も手がけているほか、ウェブデザインも趣味で手がけている。

音楽教育[編集]

  • テンプル大学付属音楽プレップ(室内楽:メータ・ワッツ、オーランド・コール)
  • ジュリアード音楽院・プレカレッジ部門(ドロシー・ディレイ、川崎雅夫)
  • カーティス音楽学校(ハイメ・ラレド)
  • パリ地方音楽院(ジェラール・プーレ)
  • エコールノルマル音楽院(ジェラール・プーレ)
  • ミュンヘン音楽・演劇大学(古楽器奏法:メアリー・ウティガー)

受賞[編集]

録音[編集]

  • 「イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ集」(2005年、ナミレコード)
    • 読売新聞《特選盤》(2005年2月)、朝日新聞《推薦盤》(2005年2月)、毎日新聞《今月私の3枚》(2005年2月)
    • 収録曲(作曲:ウジェーヌ・イザイ
    1. ソナタ第1番 ト短調 作品27の1
    2. ソナタ第2番 イ短調 作品27の2
    3. ソナタ第3番 ニ短調 作品23の3[バラード]
    4. ソナタ第4番 ホ短調 作品27の4
    5. ソナタ第5番 ト短調 作品27の5
    6. ソナタ第6番 ホ長調 作品26の6
  • 「グリーグ:ヴァイオリンソナタ全3曲」(2007年、ナミレコード)
    1. ソナタ 第1番 ヘ長調 作品8
    2. ソナタ 第2番 ト長調 作品13
    3. ソナタ 第3番 ハ短調 作品45
  • 「西村朗:旋回舞踏・超絶技巧ソロ」(2008年、カメラータ・トウキョウ)
    • 「レコード芸術」2008年5月号特選盤
    • 収録曲(作曲:西村朗
    1. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ I 〈呪文〉(2005年)
    2. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ II 〈冷媒〉(2005年)
    3. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ III 〈炎の文字〉(2007年)
    4. モノローグ西村朗:ヴァイオリン・ソロのための(1995年)
    5. 無伴奏ヴィオラ・ソナタ I 〈旋回舞踏〉(2005年)
    6. 無伴奏ヴィオラ・ソナタ II 〈C線のマントラ〉(2007年)
    7. [鳥の歌]による幻想曲(2005年)
    8. 〈悲歌〉(1999年)
  • 世界初のガット弦による「パガニーニ:24のカプリース」(2009年、ユニバーサルクラシックス
    • 読売新聞《特選盤》(2009年5月)、毎日新聞《今月私の3枚》(2009年5月)、CDジャーナル《今月の推薦盤》(2009年5月)、レコード芸術《特選盤》(2009年6月)、アメリカ古楽器協会季刊誌(Early Music America Magazine) (Volume 17, Number 4, Winter 2011): IN CONCLUSION Hats Off, Gentle People! Is the Revolution Over? (Anthony Martin)
    1. 第1番 ホ長調
    2. 第2番 ロ短調
    3. 第3番 ホ短調
    4. 第4番 ハ短調
    5. 第5番 イ短調
    6. 第6番 ト短調
    7. 第7番 イ短調
    8. 第8番 変ホ長調
    9. 第9番 ホ長調
    10. 第10番 ト短調
    11. 第11番 ハ長調
    12. 第12番 変イ長調
    13. 第13番 変ロ長調
    14. 第14番 変ホ長調 
    15. 第15番 ホ短調
    16. 第16番 ト短調
    17. 第17番 変ホ長調
    18. 第18番 ハ長調
    19. 第19番 変ホ長調
    20. 第20番 ニ長調
    21. 第21番 イ長調
    22. 第22番 ヘ長調
    23. 第23番 変ホ長調
    24. 第24番 イ短調
  • ハイドン:『オックスフォード』、ヴァイオリン協奏曲第1番、ベートーヴェン:交響曲第2番 鈴木秀美&オーケストラ・リベラ・クラシカ、佐藤俊介(2011年、Arte Dell'arco Japan)
    1. ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIa:1
    2. ハイドン:交響曲第92番ト長調 Hob.I:92『オックスフォード』
    3. ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 op.36


  • ゲオルク・フィリップ・テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲(2012年、ライブノーツ)
    • 朝日新聞《推薦版》(2012年8月)、読売新聞《特選盤》(2012年8月)、CDジャーナル《今月の推薦盤》(2012年9月)、レコード芸術《特選盤》(2012年10月)、音楽の友《今月の注目版》(2012年9月)
    • 収録曲(作曲ゲオルク・フィリップ・テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲)
    1. 第1番 変ロ長調
    2. 第2番 ト短調
    3. 第3番 ヘ短調
    4. 第4番 ニ長調
    5. 第5番 イ長調
    6. 第6番 ホ短調
    7. 第7番 変ホ長調
    8. 第8番 ホ長調
    9. 第9番 ロ短調
    10. 第10番 ニ長調
    11. 第11番 ヘ長調
    12. 第12番 イ短調


脚注[編集]

外部リンク[編集]