道尾秀介

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道尾 秀介
(みちお しゅうすけ)
誕生 1975年5月19日(39歳)[1][2]
日本の旗 日本兵庫県芦屋市[2]
職業 小説家推理作家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士
最終学歴 玉川大学農学部卒業
活動期間 2004年 -
ジャンル 推理小説
代表作 向日葵の咲かない夏』(2005年)
カラスの親指』(2008年)
主な受賞歴 ホラーサスペンス大賞特別賞(2004年)
本格ミステリ大賞(2007年)
日本推理作家協会賞(2009年)
大藪春彦賞(2010年)
山本周五郎賞(2010年)
直木賞(2011年)
処女作 背の眼』(2004年)
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道尾 秀介(みちお しゅうすけ、1975年5月19日[1][2] - )は、日本小説家推理作家兵庫県芦屋市生まれ[2]、後に千葉県東京都北区へ引越し[2]、現在は茨城県在住。血液型はO型。玉川大学農学部卒業。道尾はペンネームで、都筑道夫に由来する[1]。秀介は本名である。

経歴[編集]

作家デビュー前[編集]

17歳のときに、当時付き合っていた彼女の影響で小説を読み始める[4]。当時は太宰治川端康成を好んで読んでいた[5]テレビ放送された映画『獄門島』をきっかけに横溝正史を読み始める[5]。19歳のときに作家になろうと思い[4]、大学1年で小説を書き始める[2]

1998年、大学を卒業し住宅機器メーカーに就職する[2]1999年、「どうして犬は」が『小説現代』の「ショートショートコンテスト」に入選し掲載される。審査員の阿刀田高は「とてもよいできだ」「内容はたわいないが、技術的にはショートショートの合格ラインをみごとにクリアしている」と評した[6]2002年、「手首から先」で第9回日本ホラー小説大賞短編賞の最終候補作になる[2]。この頃、ホームページ「シロウト作家の訴え」を作り「オグロアラダ」「手首から先」などの自作小説を公開していた。

作家デビュー後[編集]

オフィス用品の商社営業職として勤める傍ら[2]2004年、『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し小説家デビュー。ホラーサスペンス大賞に応募した理由は、この回から選考委員に綾辻行人が加わったからだと語っている。2005年、商社を退職し専業作家になる[2]

2006年に発表した4作目の長編『シャドウ』など3長編が『このミステリーがすごい!』などのミステリー・ランキングで上位にランクインする。この頃からレベルの高い推理小説の書き手として注目を集め、相次いで文学賞にノミネートされるようになる。

2008年に発表したふたつの長編『ラットマン』『カラスの親指』が共に高く評価され、『このミステリーがすごい!』2009年版で作家別投票第1位に選ばれる。

2009年、『向日葵の咲かない夏』の新潮文庫版が年間83万部を売り上げ、オリコン年間本ランキングの文庫部門で第1位になる[7]。その後も売上を伸ばし続け、2011年には100万部を超えるベストセラーになった[8]

デビュー以来一貫してミステリー作品を発表し続けてきたが、2009年に刊行された10作目の長編『球体の蛇』は、初めて「ミステリーではない」ことを意識して執筆された。

2011年、初めて取材旅行をした[9]『月と蟹』で第144回直木賞を受賞(木内昇『漂砂のうたう』と同時受賞)。5回連続で直木賞の候補になったのは戦後最多記録である。直木賞の副賞である賞金は、東日本大震災の被災者に全額寄付された[10]

作風[編集]

初期は純然たる本格ミステリが主流であったが、文学賞レースの常連となってから、それまで同様にトリックを使いながらも人間を描くことを意識し出し、以後、『カラスの親指』のような娯楽に徹したものから、『光媒の花』のような陰惨なもの、更には『月の恋人〜Moon Lovers〜』のようなメロドラマと、多種多様な作品を発表し続けている。どの作品にも概ね共通しているのは、子どもや女性、老人を登場人物に多用し、虐待や性的暴行などの重い問題を扱いながらも、叙述トリックでパズル的などんでん返しをはかる手法である。

受賞・候補歴[編集]

ミステリー・ランキング[編集]

週刊文春ミステリーベスト10[編集]

このミステリーがすごい![編集]

本格ミステリ・ベスト10[編集]

ミステリが読みたい![編集]

作品リスト[編集]

真備シリーズ[編集]

ホラー作家の道尾秀介と霊現象探求所を構える真備庄介のホラーシリーズ。

  • 背の眼(2005年1月 幻冬舎 / 2006年1月 幻冬舎ノベルス / 2007年10月 幻冬舎文庫【上・下】) - 書き下ろし
  • 骸の爪(2006年3月 幻冬舎 / 2008年10月 幻冬舎ノベルス / 2009年9月 幻冬舎文庫) - 書き下ろし
  • 花と流れ星(2009年8月 幻冬舎 / 2011年5月 幻冬舎ノベルス / 2012年4月 幻冬舎文庫)
    • 流れ星のつくり方(初出:『小説新潮』2005年4月号)
    • モルグ街の奇術(初出:『ポンツーン』2005年9月号、10月号)
    • オディ&デコ(初出:『papyrus』2009年6月号 vol.24)
    • 箱の中の隼(初出:『ポンツーン』2006年11月号、12月号)
    • 花と氷(初出:『papyrus』2008年6月号)

ノン・シリーズ[編集]

作品は個々に独立しているが、同じ名前の登場人物が何度も登場しており、複雑にリンクしている。

「片眼の」・「ソロモンの」・「ラットマン」・「カラスの親指」(カラス=)・「神の雨」・「球体の」・「鬼の跫音」(の角との腰布)は、タイトルに十二支が組み込まれていることから“十二支シリーズ”と位置づけられている。

  • 向日葵の咲かない夏(2005年11月 新潮社 / 2008年7月 新潮文庫) - 書き下ろし
  • シャドウ(2006年9月 東京創元社 / 2009年8月 創元推理文庫) - 書き下ろし
  • 片眼の猿(2007年2月 新潮社 / 2009年7月 新潮文庫) - 初出:『新潮ケータイ文庫』2006年3月20日 - 9月13日配信
  • ソロモンの犬(2007年8月 文藝春秋 / 2010年3月 文春文庫) - 初出:『別冊文藝春秋』2007年1月号 - 2007年9月号
  • ラットマン(2008年1月 光文社 / 2010年7月 光文社文庫) - 初出:『ジャーロ』2007年夏号・秋号
  • カラスの親指(2008年7月 講談社 / 2011年7月 講談社文庫) - 初出:『メフィスト』2007年9月号、2008年1月号、5月号
  • 鬼の跫音(2009年1月 角川書店 / 2011年11月 角川文庫
    • 鈴虫(初出:『野性時代』2007年9月号)
    • 犭(ケモノ)(初出:『野性時代』2008年5月号)
    • よいぎつね(初出:『野性時代』2007年5月号)
    • 箱詰めの文字(初出:『野性時代』2006年12月号)
    • 冬の鬼(初出:『野性時代』2008年4月号)
    • 悪意の顔(初出:『野性時代』2007年11月号)
  • 龍神の雨(2009年5月 新潮社 / 2012年2月 新潮文庫)- 初出:『小説新潮』2008年4月号 - 8月号
  • 球体の蛇(2009年11月 角川書店 / 2012年12月 角川文庫) - 初出:『野性時代』2009年3月号 - 8月号
  • 光媒の花(2010年3月 集英社 / 2012年10月 集英社文庫
    • 隠れ鬼(初出:『小説すばる』2007年4月号)
    • 虫送り(初出:『小説すばる』2007年10月号)
    • 冬の蝶(初出:『小説すばる』2008年9月号)
    • 春の蝶(初出:『小説すばる』2008年10月号)
    • 風媒花(初出:『小説すばる』2009年1月号)
    • 遠い光(初出:『小説すばる』2009年3月号)
  • プロムナード【エッセイ】(2010年5月 ポプラ社 / 2013年4月 ポプラ文庫 / 2014年7月 文春文庫[11]
  • 月の恋人〜Moon Lovers〜(2010年5月 新潮社 / 2013年2月 新潮文庫) - 木村拓哉主演の同名テレビドラマのための書き下ろし
  • 月と蟹(2010年9月 文藝春秋 / 2013年7月 文春文庫) - 初出:『別冊文藝春秋』2009年11月号〈284号〉 - 2010年7月号〈288号〉
  • カササギたちの四季(2011年2月 光文社 / 2014年2月 光文社文庫)
    • 鵲の橋(初出:『小説宝石』2008年5月号)
    • 蜩の川(初出:『ジャーロ』2008年夏号〈32号〉)
    • 南の絆(初出:『ジャーロ』2009年春号〈35号〉)
    • 橘の寺(初出:『ジャーロ』2010年冬号〈38号〉)
  • 水の柩(2011年10月 講談社 / 2014年8月 講談社文庫) - 初出:『小説現代』2010年11月号 - 2011年7月号
  • 光(2012年6月 光文社)
    • 夏の光(初出:『Anniversary50』)
    • 女恋湖の人魚(初出:光文社『ジャーロ』2010年秋冬号)
    • ウィ・ワァ・アンモナイツ(初出:光文社『ジャーロ』2011年春号)
    • 冬の光(初出:光文社『ジャーロ』2011年夏号)
    • アンモナイツ・アゲイン(初出:光文社『ジャーロ』2011年秋冬号)
    • 夢の入口と監禁(初出:光文社『ジャーロ』2012年春号)  
    • 夢の途中と脱出(初出:光文社『ジャーロ』2012年春号)
  • ノエル: a story of stories(2012年9月 新潮社)
    • 光の箱(初出:新潮社『Story Seller』2008年5月号)
    • 暗がりの子供(初出:新潮社『小説新潮』2011年5月号)
    • 物語の夕暮れ(初出:新潮社『小説新潮』2012年5月号)
  • 笑うハーレキン(2013年1月 中央公論新社) - 初出:『読売新聞夕刊』2012年1月4日 - 10月26日
  • 鏡の花(2013年9月 集英社)
    • やさしい風の道(初出:集英社『小説すばる』2011年3月号)
    • きえない花の声(初出:集英社『小説すばる』2013年1月号)
    • たゆたう海の月(初出:集英社『小説すばる』2013年2月号)
    • つめたい夏の針(初出:集英社『小説すばる』2012年11月号)
    • かそけき星の影(初出:集英社『小説すばる』2013年4月号)
    • 鏡の花(初出:集英社『小説すばる』2013年7月号)
  • 貘の檻(2014年4月 新潮社)- 書き下ろし
    • 『小説新潮』『yom yom』で発表した短編連作「貘」シリーズをもとに書き下ろし長編として刊行[12][13]
  • 透明カメレオン(2015年1月 角川書店 ) - 学芸通信社を通じて『信濃毎日新聞』など地方新聞七誌で連載

単行本未収録・未刊行作品[編集]

  • ゆがんだ子供(集英社『小説すばる』2007年8月号)- 掌編小説
  • 駄洒落好きな義父の六つのネタ(『新潮ケータイ文庫』)
  • 潮だまり(角川書店『野性時代』2009年11月号)
  • 弓投げの崖を見てはいけない(東京創元社『蝦蟇倉市事件1』2010年2月)
  • 静物/Still Life(新潮社『小説新潮』2011年1月号)
  • すいかさん(MF文庫ダ・ヴィンチ『怪談実話系6』2011年6月)
  • 「貘」シリーズ
    • 盲蛾(新潮社『小説新潮』2008年12月号)
    • 夕霞(新潮社『yom yom vol.11』2009年5月号)
    • 病葉(新潮社『yom yom vol.15』2010年5月号)
    • 埋火(新潮社『小説新潮』2010年7月号)
    • 貘の檻(新潮社『yom yom vol.19』2011年3月号)
  • 口笛鳥(『朝日新聞夕刊』2014年11月4日 - )

アンソロジー[編集]

「」内が道尾秀介の作品

  • ショートショートの広場13(2002年2月 講談社文庫)「どうして犬は」
  • 本格ミステリ06(2006年5月 講談社)
    • 【改題】珍しい物語のつくり方(2010年1月 講談社文庫)「流れ星のつくり方」
  • ザ・ベストミステリーズ2006(2006年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 曲げられた真相(2009年11月 講談社文庫)「流れ星のつくり方」
  • 不思議の足跡(2007年10月 カッパ・ノベルス / 2011年4月 光文社文庫)「箱詰めの文字」
  • Story Seller(2008年4月 新潮社 / 2009年1月 新潮文庫)「光の箱」
  • 七つの死者の囁き(2008年12月 新潮文庫)「流れ星のつくり方」
  • 眠れなくなる夢十夜(2009年5月 新潮文庫)「盲蛾」
  • Anniversary50(2009年12月 カッパ・ノベルス)「夏の光」
  • ザ・ベストミステリーズ2009(2009年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 Spiral めくるめく謎(2012年11月 講談社文庫)「犭(ケモノ)」
  • 蝦蟇倉市事件1(2010年2月 東京創元社)「弓投げの崖を見てはいけない」
  • ザ・ベストミステリーズ2010(2010年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 BORDER 善と悪の境界(2013年11月 講談社文庫)「夏の光」
  • 暗闇を見よ(2010年11月 カッパ・ノベルス)「冬の鬼」
  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2011(2011年6月 徳間文庫)「病葉」
  • 怪談実話系6(2011年6月 MF文庫ダ・ヴィンチ)「すいかさん」
  • ザ・ベストミステリーズ2011(2011年7月 講談社)「橘の寺」
    • 【分冊・改題】Shadow 闇に潜む真実 ミステリー傑作選(2014年11月 講談社文庫)
  • あの日、君と Girls(2012年5月 集英社文庫)「やさしい風の道」
  • 短編工場(2012年10月 集英社文庫)「ゆがんだ子供」
  • 奇想博物館 最新ベスト・ミステリー(2013年12月 光文社)「暗がりの子供」
  • Story Seller annex(2014年1月 新潮文庫)「暗がりの子供」

文庫解説・巻末エッセイ[編集]

上記の文庫解説・巻末エッセイは、『プロムナード』(文春文庫版)にも収録されている。

  • 京極夏彦『数えずの井戸』(2014年8月 角川文庫)

メディア・ミックス[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

ラジオドラマ[編集]

漫画[編集]

  • 背の眼1(画:小池ノクト、2009年1月 幻冬舎コミックス
  • 背の眼2(画:小池ノクト、2009年7月 幻冬舎コミックス)
  • 背の眼3(画:小池ノクト、2010年1月 幻冬舎コミックス)
  • 光媒の花1(画:斉藤倫、2012年3月 集英社
    • 隠れ鬼(初出:集英社『Cookie』2011年9月号)
    • 虫送り(初出:集英社『Cookie』2011年12月号)
  • 光媒の花2(画:斉藤倫、2012年11月 集英社)
    • 冬の蝶(初出:集英社『Cookie』2012年4月号 - 5月号)
    • 春の蝶(初出:集英社『Cookie』2012年7月号 - 8月号)
  • 光媒の花3(画:斉藤倫、2013年7月 集英社)
    • 風媒花(初出:集英社『Cookie』2012年11月号 - 2013年1月号)
    • 遠い光(初出:集英社『Cookie』2013年3月号 - 5月号)

絵本[編集]

  • 緑色のうさぎの話(イラスト:半崎信朗、2014年6月 朝日出版社

メディア出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 会員名簿 道尾秀介|日本推理作家協会
  2. ^ a b c d e f g h i j 阿川佐和子他 『作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法』 角川書店、2014年、142頁
  3. ^ 阿川佐和子他 『作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法』 角川書店、2014年、148頁
  4. ^ a b 阿川佐和子他 『作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法』 角川書店、2014年、143頁
  5. ^ a b 作家の読書道:第78回 道尾秀介さん | WEB本の雑誌
  6. ^ 阿刀田高・編 『ショートショートの広場13』 講談社〈講談社文庫〉、2002年
  7. ^ 年間本ランキング特集『オリコン2009年 年間“本”ランキングを大発表!』 | ORICON STYLE
  8. ^ 新潮社 (2011年11月2日). “道尾秀介著『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)100万部突破” (日本語). 2011年11月30日閲覧。
  9. ^ 著者インタビュー|道尾秀介 『月と蟹』|文藝春秋 |特設サイト
  10. ^ 『月と蟹』で直木賞受賞の道尾秀介氏 賞金全額寄付 - NEWS | 太田出版ケトルニュース
  11. ^ Twitter / michioshusuke: 絵本と同じタイミングで、『プロムナード』も文春文庫から再刊行されます。 ...
  12. ^ Twitter / michioshusuke: 「yomyom」3月号に短編「貘の檻」が載っています。「貘」 ...
  13. ^ Twitter / michioshusuke: 本日、長編『貘の檻』を書き上げました。 『シャドウ』以来の書 ...
  14. ^ 女子力アップ塾 2011年6月11日:株式会社NHKグローバルメディアサービス(G-Media)
  15. ^ これまでの放送「2012年4月29日放送分」/NHK ラン×スマ 街の風になれ

外部リンク[編集]