行人

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行人
(あやつじ ゆきと)
ペンネーム 行人
(あやつじ ゆきと)
誕生 内田 直行
(うちだ なおゆき)
1960年12月23日(53歳)
日本の旗 日本京都府京都市
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 京都大学大学院教育学研究科博士課程修了
活動期間 1987年 -
ジャンル ミステリ推理小説ホラー小説
エッセイ
文学活動 新本格派ミステリー
代表作 十角館の殺人
霧越邸殺人事件
殺人鬼
時計館の殺人
暗黒館の殺人
Another
主な受賞歴 日本推理作家協会賞1992年
処女作 十角館の殺人
配偶者 小野不由美
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行人(あやつじ ゆきと、1960年12月23日 – )は、日本小説家。本名は内田 直行(うちだ なおゆき)。京都府京都市出身の男性。「館シリーズ」などの代表作により、新本格派ミステリー作家として知られる。

本格ミステリ作家クラブ執行会議。日本推理作家協会会員。元本格ミステリ作家クラブ事務局長。

経歴[編集]

作風[編集]

  • 作品の多くに見られる大きな特徴としては、ストーリーの構図をどんでん返しによって転換させるようなパズラー的ストーリー構成である。物理トリックの構成よりも叙述トリックを得意とし、心象描写が非常に多く、叙情的な風韻を色濃くもった幻想文学的な文体を用いる。これは本人の愛好するエラリー・クイーンらの精巧かつ緻密な本格推理の文体とは趣を異にするもので、幻想小説やホラーなどの傍流にもおいても作品を著したほか、それらの意匠を本領のミステリにおいても好んで用いる。
  • 作中で活躍する探偵役は、島田潔明日香井兄弟など。デビュー作『十角館の殺人』に登場する島田潔の名前は、島田荘司とその作品に登場する名探偵、御手洗潔を合わせたものである。この命名については綾自身も後悔したらしく、「こんなに長く続くシリーズになるとわかっていたら、もっとちゃんと考えてつけたのに」と述べている。

エピソード[編集]

  • 楳図かずおを「わが心の師」で、一番大きな影響を受けたと表明している[4]
  • エッセイなどで語っているが、かなりのゲーム好きである。
  • ALI PROJECTとは懇意で、『Another』をアニメ化する際の唯一のリクエストが、主題歌をALI PROJECTが担当すること[5]であった。後に実現し、『凶夢伝染』発売記念ライブ『凶夢伝染カルナバル』にてゲストとして出演を果たすとともに、『昭和恋々幻燈館』『阿芙蓉寝台』『共月亭で逢いましょう』をリクエスト[6]した。なお本人はカラオケでは、ALI PROJECTを知らない人の前でALI PROJECTの曲を歌う、アリハラ(アリプロ・ハラスメント)を愉しんでいる[7]
  • PlayStation用のゲーム『ナイトメア・プロジェクト YAKATA』・『黒ノ十三』製作にも深く関与する。
  • 麻雀歴も長く、双葉社主催の「麻雀名人戦」第30期で名人位に就くなど、麻雀関係での交友も広い[8]

関連人物[編集]

  • 小野不由美 − 妻、同じく小説家。誕生日は1日違い。『迷路館の殺人』などの館シリーズや『霧越邸殺人事件』の図面は、概要図は綾が描いて、正式な図面は小野が引く[2]
  • 我孫子武丸 − 友人でもあり、ゲームライバルでもある。
  • 宮部みゆき − 生年月日・デビュー年月がおなじであり、同じミステリー作家として交流がある。
  • 辻村深月 − 小学生の頃から綾作品の大ファンであり、大学時代には連絡先を教えあい交流がある。ペンネームの「」も綾から取った。メフィスト賞受賞は、綾が、打ち合わせの編集者に聞いて了解を得て携帯電話で連絡した[9]

文学賞受賞・候補歴[編集]

ミステリ・ランキング[編集]

週刊文春ミステリーベスト10[編集]

  • 1987年 - 『十角館の殺人』8位
  • 1990年 - 『霧越邸殺人事件』1位
  • 1991年 - 『時計館の殺人』4位
  • 1999年 - 『どんどん橋、落ちた』18位
  • 2004年 - 『暗黒館の殺人』3位
  • 2009年 - 『Another』4位
  • 2012年 - 『奇面館の殺人』7位

このミステリーがすごい![編集]

  • 1988年 - 『迷路館の殺人』7位
  • 1991年 - 『霧越邸殺人事件』7位
  • 1992年 - 『時計館の殺人』11位
  • 2005年 - 『暗黒館の殺人』7位
  • 2010年 - 『Another』3位
  • 2013年 - 『奇面館の殺人』9位

本格ミステリ・ベスト10[編集]

  • 2000年 - 『どんどん橋、落ちた』3位
  • 2005年 - 『暗黒館の殺人』2位
  • 2007年 - 『月館の殺人』21位、『びっくり館の殺人』21位
  • 2010年 - 『Another』3位
  • 2013年 - 『奇面館の殺人』3位

ミステリが読みたい![編集]

文学賞選考委員[編集]

数々のミステリー系文学賞の選考委員を歴任している。

作品リスト[編集]

小説[編集]

館シリーズ[編集]

囁きシリーズ[編集]

  • 緋色の囁き(1988年10月 祥伝社ノン・ノベル / 1993年7月 祥伝社文庫 / 1997年11月 講談社文庫)
  • 暗闇の囁き(1989年9月 祥伝社ノン・ノベル / 1994年7月 祥伝社文庫 / 1998年6月 講談社文庫)
  • 黄昏の囁き(1993年1月 祥伝社ノン・ノベル / 1996年7月 祥伝社文庫 / 2001年6月 講談社文庫)

殺人方程式シリーズ[編集]

殺人鬼シリーズ[編集]

  • 殺人鬼(1990年1月 双葉社 / 1994年10月 双葉ノベルス / 1996年2月 新潮文庫)
    • 殺人鬼―覚醒篇 【改訂決定版】(2011年8月 角川文庫
  • 殺人鬼II 逆襲篇(1993年10月 双葉社 / 1995年8月 双葉ノベルス / 1997年2月 新潮文庫)
    • 殺人鬼―逆襲篇 【改訂決定版】(2012年2月 角川文庫)

深泥丘シリーズ[編集]

  • 深泥丘奇談(2008年2月 メディアファクトリー幽ブックス / 2011年12月 MF文庫ダ・ヴィンチ / 2014年6月 角川文庫)
    • 収録作品:顔 / 丘の向こう / 長引く雨 / 悪霊憑き / サムザムシ / 開けるな / 六山の夜 / 深泥丘魔術団 / 声
  • 深泥丘奇談・続(2011年3月 メディアファクトリー幽ブックス / 2013年2月 MF文庫ダ・ヴィンチ / 2014年9月 角川文庫)
    • 収録作品:鈴 / コネコメガニ / 狂い桜 / 心の闇 / ホはホラー映画のホ / 深泥丘三地蔵 / ソウ / 切断 / 夜蠢く / ラジオ塔

Anotherシリーズ[編集]

その他[編集]

  • 霧越邸殺人事件(1990年9月 新潮社 / 1995年2月 新潮文庫 / 2002年6月 祥伝社ノン・ノベル)
    • 改訂版(2014年3月刊行予定 角川文庫【上・下】)
  • 眼球綺譚(1995年10月 集英社 / 1998年1月 祥伝社ノン・ノベル / 1999年9月 集英社文庫 / 2009年1月 角川文庫)
    • 収録作品:再生 / 呼子池の怪魚 / 特別料理 / バースデー・プレゼント / 鉄橋 / 人形 / 眼球綺譚
  • フリークス(1996年4月 光文社カッパ・ノベルス / 2000年3月 光文社文庫 / 2011年4月 角川文庫)
    • 収録作品:夢魔の手-三一三号室の患者- / 四〇九号室の患者 / フリークス-五六四号室の患者-
  • どんどん橋、落ちた(1999年10月 講談社 / 2001年11月 講談社ノベルス / 2002年10月 講談社文庫)
    • 収録作品:どんどん橋、落ちた / ぼうぼう森、燃えた / フェラーリは見ていた / 伊園家の崩壊 / 意外な犯人
  • 最後の記憶(2002年8月 角川書店 / 2006年1月 カドカワ・エンタテインメント / 2007年6月 角川文庫)

書籍未収録短編[編集]

  • 洗礼(光文社『ジャーロ』2006年秋号・冬号)
  • タマミフル(メディアファクトリー『幽』Vol.16)
  • 忘却と記憶(メディアファクトリー『幽』Vol.17)
  • 減らない謎(メディアファクトリー『幽』Vol.18)
  • 死後の夢(メディアファクトリー『幽』Vol.19)

アンソロジー(収録)[編集]

「」内が綾辻行人の作品

  • 日本ベストミステリー「珠玉集」 中(1992年7月 光文社カッパ・ノベルス)「四〇九号室の患者」
    • 【改題】秘密コレクション 日本ベストミステリー選集23(1996年7月 光文社文庫)
  • ミステリーの愉しみ5 奇想の復活(1992年8月 立風書房)「どんどん橋、落ちた」
  • 亀裂(1993年7月 角川ホラー文庫)「再生」
  • 見知らぬ私(1994年7月 角川ホラー文庫)「バースデー・プレゼント」
  • 「傑作推理(ベスト・オブ・ベスト)」大全集 上(1995年6月 光文社カッパ・ノベルス)「赤いマント」
    • 【改題】仮面のレクイエム 日本のベストミステリー選集25(1998年6月 光文社文庫)
  • 短編で読む 推理傑作選50 下(1995年11月 光文社)「どんどん橋、落ちた」
  • 幻想ミッドナイト 日常を破壊する恐怖の断片(1997年10月 カドカワ・エンタテインメント)「四〇九号室の患者」
  • 最新「珠玉推理(ベスト・オブ・ベスト)」大全 中(1998年9月 光文社カッパ・ノベルス)「特別料理」
    • 【改題】怪しい舞踏会 日本ベストミステリー選集29(2002年5月 光文社文庫)
  • 悲劇の臨時列車 鉄道ミステリー傑作編(1998年12月 光文社文庫)「鉄橋」
  • 事件現場に行こう 最新ベスト・ミステリーカレイドスコープ編(2001年11月 光文社カッパ・ノベルス)「崩壊の前日」
    • 【改題】事件現場に行こう 日本ベストミステリー選集33(2006年4月 光文社文庫)
  • 短編復活(2002年11月 集英社文庫)「特別料理」
  • 鉄路に咲く物語(2005年6月 光文社文庫)「鉄橋」
  • 川に死体のある風景(2006年5月 東京創元社 / 2010年3月 創元推理文庫)「悪霊憑き」
  • 京都魔界地図(2009年10月 PHP研究所)「深泥丘三地蔵」
  • Anniversary 50(2009年12月 光文社カッパ・ノベルス)「深泥丘奇談─切断」
  • 量子回廊(2010年7月 創元SF文庫)「心の闇」
  • ミステリ・オールスターズ(2010年9月 角川書店/ 2012年9月 角川文庫)「かえれないふたり 第3章 増殖する影」
  • 0番目の事件簿(2012年11月 講談社)「遠すぎる風景」

アンソロジー(編纂)[編集]

  • 綾辻行人が選ぶ! 楳図かずお怪奇幻想館(2000年11月 ちくま文庫)
  • 贈る物語Mystery(2002年11月 / 2006年10月 光文社文庫)
  • 行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー1(2008年7月 講談社)
  • 行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー2(2009年11月 講談社)
  • 行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー3(2012年4月 講談社)

エッセイ・対談他[編集]

  • 本格ミステリー館にて(1992年10月 森田塾出版 / 1997年12月 角川文庫) - 共著:島田荘司
  • セッション 綾行人対談集(1996年11月 集英社 / 1999年11月 集英社文庫)
  • アヤツジ・ユキト1987-1995(1996年5月 講談社、1999年6月 講談社文庫 / 2007年8月 講談社)
  • アヤツジ・ユキト1996-2000(2007年8月 講談社)
  • アヤツジ・ユキト2001-2006(2007年8月 講談社)
  • ナゴム、ホラーライフ 怖い映画のススメ(2009年6月 メディアファクトリー幽ブックス) - 共著:牧野修
  • アヤツジ・ユキト2007-2013(2014年8月予定 講談社)

メディア・ミックス[編集]

漫画[編集]

ビデオゲーム[編集]

テレビ番組原作[編集]

海外への翻訳[編集]

中国(簡化字)[編集]

  • 館シリーズ
    • 十角馆杀人预告 (2004年4月、珠海出版社)-十角館の殺人
    • 水车馆幻影 (2004年4月、珠海出版社)-水車館の殺人
    • 迷宫馆的诱惑 (2004年4月、珠海出版社)-迷路館の殺人
    • 偶人馆之谜 (2004年4月、珠海出版社)-人形館の殺人
    • 钟表馆幽灵 (2004年4月、珠海出版社)-時計館の殺人
    • 黑猫馆手记 (2004年4月、珠海出版社)-黒猫館の殺人
    • 黑暗馆不死传说 (2005年10月、珠海出版社)-暗黒館の殺人
  • 囁きシリーズ
    • 绯色杀人耳语 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-緋色の囁き
    • 黑暗杀人耳语 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-暗闇の囁き
    • 黄昏杀人耳语 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-黄昏の囁き
  • 殺人方程式シリーズ
    • 肢解尸体之谜 (2010年5月、珠海出版社)-殺人方程式 切断された死体の問題
    • 尸体长发之谜 (2010年5月、珠海出版社)-鳴風荘事件 殺人方程式II
  • 殺人鬼シリーズ
    • 杀人鬼 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
    • 杀人鬼Ⅱ (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
  • 雾越邸杀人事件 (2007年11月、珠海出版社)
  • 咚咚吊桥 坠落 (2007年11月、珠海出版社)-どんどん橋、落ちた
  • 替身 (2012年3月、人民文学出版社) -Another
  • 怪胎 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-フリークス

脚注[編集]

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  1. ^ 『セッション 綾行人対談集』P.128、1999年 集英社文庫
  2. ^ a b c d e 『セッション 綾行人対談集』1999年 集英社文庫
  3. ^ 本格ミステリ・ベスト10 2008年版』探偵小説研究会編・著 原書房
  4. ^ 『セッション 綾行人対談集』P.61、1999年 集英社文庫
  5. ^ 2012年2月18日のALI PROJECTライブ、『凶夢伝染カルナバル』のトークショーより。
  6. ^ https://twitter.com/ayatsujiyukito/status/170925234378129408
  7. ^ http://aliproject.jp/blog/archives/20.html
  8. ^ 『セッション 綾行人対談集』P.257-258、273-274、1999年 集英社文庫
  9. ^ 作家の読書道 第130回:辻村深月2013年8月13日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]