メフィスト賞
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メフィスト賞(メフィストしょう)は、講談社発行の小説雑誌『メフィスト』から生まれた文学の賞である。
目次 |
[編集] 概要
未発表の作品に与えられる賞(新人賞)の一種だが、特に応募期間が設けられていないこと、枚数の上限が設定されていないこと、『メフィスト』の編集者が下読みから受賞の決定までをおこなうことが、他の公募文学賞とは異なっている。すなわち、編集者の目に留まった作品はすぐにでも出版される可能性がある。 いわば「持ち込み」を制度化したような賞であり、この賞の創設には、持ち込みによってデビューした京極夏彦の存在が大きい(このため、しばしば京極夏彦を「第0回メフィスト賞受賞者」とすることがある)。また、森博嗣を衝撃的にデビューさせるために設けた賞、とも言われる(だが、森の前に二人投稿者がいるので必ずしもそうは言えないだろう。詳しくは1996年1月号の『メフィスト』、あるいは『講談社ノベルス20周年記念密室本』を参照)。
受賞賞金などは与えられないが、受賞=出版であるため、規定の印税が賞金代わりとなる。受賞作は、講談社からノベルスの形態で出版されることが多いが、ハードカバーで出版される作品など若干の例外もある。
「究極のエンターテインメント」つまり面白ければ何でもありというキャッチフレーズで作品を募集しており、従来の推理小説やサイエンス・フィクションにはおさまりきらない個性的な作品が集まる。事実、この賞でデビューした小説家(「メフィスト賞作家」と呼ばれることがある)は「一作家一ジャンル」といってもよいほど個性的な作品を書くことが多い。第1回受賞者である森博嗣の受賞作『すべてがFになる』が本格ミステリであったのに対し、続く第2回受賞者清涼院流水の受賞作『コズミック 世紀末探偵神話』があまりに奇抜な作品であったこと、また第3回受賞者蘇部健一の受賞作『六枚のとんかつ』が下ネタなどのオンパレードであったことから、一時期「メフィスト賞はイロモノではないか」という噂が立ったことがある(その後、殊能将之、古処誠二 などの受賞により評価は再浮上する)。
最年少受賞者は浦賀和宏で、19歳にての受賞。それに、20歳で受賞した佐藤友哉、西尾維新、岡﨑隼人らが続いている。他の年少受賞者は21歳で受賞した清涼院流水や、22歳で受賞した北山猛邦、高里椎奈、23歳で受賞した辻村深月など。
最高年齢の受賞者は石黒耀の50歳。
[編集] 歴代受賞者一覧
- ()内は投稿時の題名
[編集] 1996年
- 第1回 - 森博嗣 - 『すべてがFになる』
- 第2回 - 清涼院流水 - 『コズミック 世紀末探偵神話』(1200年密室伝説)
[編集] 1997年
- 第3回 - 蘇部健一 - 『六枚のとんかつ』(FILE DARK L)
[編集] 1998年
- 第4回 - 乾くるみ - 『Jの神話』(失楽園J)
- 第5回 - 浦賀和宏 - 『記憶の果て』
- 第6回 - 積木鏡介 - 『歪んだ創世記』
- 第7回 - 新堂冬樹 - 『血塗られた神話』(神の戯れ)
- 第8回 - 浅暮三文 - 『ダブ(エ)ストン街道』
- 第9回 - 高田崇史 - 『QED 百人一首の呪』(玉ぞ散りける ――百人一首の呪――)
[編集] 1999年
- 第10回 - 中島望 - 『Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム』(フルコンタクト・ゲーム)
- 第11回 - 高里椎奈 - 『銀の檻を溶かして』
- 第12回 - 霧舎巧 - 『ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ』(十人そろったら)
- 第13回 - 殊能将之 - 『ハサミ男』
[編集] 2000年
- 第14回 - 古処誠二 - 『UNKNOWN』(アイアンゲート)
- 第15回 - 氷川透 - 『真っ暗な夜明け』
- 第16回 - 黒田研二 - 『ウェディング・ドレス』
- 第17回 - 古泉迦十 - 『火蛾』
- 第18回 - 石崎幸二 - 『日曜日の沈黙』
[編集] 2001年
- 第19回 - 舞城王太郎 - 『煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices』(煙か土か食い物か)
- 第20回 - 秋月涼介 - 『月長石の魔犬』
- 第21回 - 佐藤友哉 - 『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』
- 第22回 - 津村巧 - 『DOOMSDAY -審判の夜-』(SURVIVOR ――生存者)
[編集] 2002年
- 第23回 - 西尾維新 - 『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言使い』(並んで歩く)
- 第24回 - 北山猛邦 - 『『クロック城』殺人事件』(失われたきみ)
- 第25回 - 日明恩 - 『それでも警官は微笑う』(迎日)
- 第26回 - 石黒耀 - 『死都日本』
[編集] 2003年
[編集] 2004年
- 第30回 - 矢野龍王 - 『極限推理コロシアム』
- 第31回 - 辻村深月 - 『冷たい校舎の時は止まる』
[編集] 2005年
[編集] 2006年
- 第34回 - 岡﨑隼人 - 『少女は踊る暗い腹の中踊る』
[編集] 2007年
[編集] 2008年
[編集] 2009年
[編集] 関連書籍
- 受賞には至らなかったが、講談社から刊行された作品
- 立原伸行 - 『事件記者が死んだ夜』(1997年10月)
- 別の出版社から刊行された作品
- 門前典之 - 『唖吼の輪廻』(『死の命題』に改題、新風舎、1997年9月) - 第7回鮎川哲也賞最終候補作を投稿。のちに別作品で第11回鮎川哲也賞受賞。
- 柄刀一 - 『サタンの僧院』(原書房、1999年4月)
- メフィスト賞に投稿歴のある作家
- 山口芳宏 - のちに『雲上都市の大冒険』(2007年10月)で第17回鮎川哲也賞を受賞した。
[編集] 関連項目
編集者が応募作を審査するという共通点を持つ新人賞
[編集] 外部リンク
- 文芸書「メフィスト」(講談社BOOK倶楽部公式サイト)


