異人たちとの夏

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異人たちとの夏』(いじんたちとのなつ)は、山田太一の小説。これを基にして同名の映画演劇作品も製作された。

妻子と別れた人気シナリオライターが体験した、既に亡くなった筈の彼の家族、そして妖しげな年若い恋人との奇妙なふれあいを描く。新潮社によって設立された山本周五郎賞の第1回受賞作品。

小説新潮1987年1月号に発表され、同年12月に新潮社より上梓。1991年11月に新潮文庫に収録され、解説を田辺聖子が担当した。

あらすじ[編集]

壮年のシナリオライターの原田は妻子と別れ、マンションに一人暮らし。ある日原田は幼い頃に住んでいた浅草で、彼が12歳のときに交通事故死した両親に出会う。原田は早くに死に別れた両親が懐かしく、少年だった頃のように両親の元へ通い出す。 同じマンションに住む桂という女性にも原田は出会う。不思議な女性だと感じながら彼女と愛し合うようになる。 しかし二つの出会いと共に、原田の身体はみるみる衰弱していく。

映画[編集]

異人たちとの夏
監督 大林宣彦
脚本 市川森一
製作 杉崎重美
出演者 風間杜夫
片岡鶴太郎
秋吉久美子
名取裕子
永島敏行
音楽 篠崎正嗣
撮影 阪本善尚
編集 太田和夫
配給 松竹
公開 日本の旗 1988年9月15日
上映時間 110分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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1988年に映画化され、松竹系で公開された。

桂が宙に浮き形相が変わるシーンでは、500万円を費やしてハイビジョンが使用された[1]

あらすじ(映画)[編集]

壮年の人気シナリオライターの原田は妻子と別れ、マンションに一人暮らし。ある晩、若いケイという女性が飲みかけのシャンパンを手に部屋を訪ねてきた。「飲みきれないから」という同じマンションの住人である彼女を冷たく追い返す。数日後、原田は幼い頃に住んでいた浅草で、彼が12歳のときに交通事故死した両親に出会う。原田は早くに死に別れた両親が懐かしく、少年だった頃のように両親の元へ通い出す。「ランニングになりな」とか「言ってる先からこぼして」などという言葉に甘える。

ケイにも原田は出会う。チーズ占いで木炭の灰をまぶしたヤギのチーズを選ぶと、「傲慢な性格」だといわれる。不思議な女性だと感じながら彼女と愛し合うようになる。父とキャッチボールをしたり、母手作りのアイスクリームを食べたり、徐々に素直さを取り戻して行く。両親を失ってから一度も泣いたことはなく、強がって生きてきたのだった。

しかし二つの出会いと共に、原田の身体はみるみる衰弱していく。ケイもまたあの日にチーズナイフで自殺していたのだった。「たとえ妖怪、バケモノでもかまわない。あの楽しさ、嬉しさは忘れられない」というが、別れの時がくる。最後は浅草の今半別館ですき焼きを食べることになるが、「たくさん食べてよ」というのに両親は微笑むだけ。

スタッフ[編集]

出演[編集]

エピソード[編集]

  • 主人公の父親役は、監督の大林が片岡の江戸弁を気に入り抜擢したもの[2]。ところが原作者の山田太一が「あんな太ったヤツの寿司は食えない」と反対した。それを聞いた片岡は必死のトレーニングをして減量し撮影に間に合わせた[2]
  • 大林は父親役にエノケンをイメージし、主題曲はエノケンの浅草オペラから「リオ・リタ」を起用した[3][4]
  • 大林映画には珍しく名取裕子扮する魔女と風間杜夫の大胆なベッドシーンがある。最初はこの魔女役は秋吉久美子が演じる予定だった[3]

舞台[編集]

俳優春田純一が所属する劇団SCARECROWSの第2回公演として、中野光座にて上演。

声優関智一が座長を務める劇団ヘロヘロQカムパ二―によって、シアターサンモールにて上演。

俳優椎名桔平が主演、シアタークリエにて上演。

スタッフ[編集]

  • 1997年版:脚本・演出:上田ボッコ
  • 2007年版:脚本・演出:関智一
  • 2009年版:劇作・脚本・演出:鈴木勝秀

出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 石井博士ほか 『日本特撮・幻想映画全集』 勁文社、1997年、315頁。ISBN 4766927060
  2. ^ a b 週刊現代2010年10月9日号p86-88
  3. ^ a b 大林宣彦/PSC監修 『大林宣彦ワールド 時を超えた少女たち』 近代映画社1998年、79頁。ISBN 4-7648-1865-5
  4. ^ 大人のためのファンタジーホラー『異人たちとの夏 All About

外部リンク[編集]