米澤穂信

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米澤 穂信
(よねざわ ほのぶ)
ペンネーム 米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
誕生 1978年 (35–36歳)
日本の旗 日本岐阜県
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士
最終学歴 金沢大学文学部卒業
活動期間 2001年 -
ジャンル ミステリ
推理小説
日常の謎
学園小説
ライトノベル
代表作 〈古典部〉シリーズ
さよなら妖精
主な受賞歴 角川学園小説大賞奨励賞(2001年
日本推理作家協会賞2011年
山本周五郎賞2014年
処女作 氷菓
公式サイト 汎夢殿
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米澤 穂信(よねざわ ほのぶ、1978年 - )は、日本小説家推理作家岐阜県出身。2007年現在、東京都に在住している。岐阜県立斐太高等学校金沢大学文学部卒業。男性。陸上日本記録保持者の小林史和とはクラスメイト。

略歴[編集]

物心ついた頃から漠然と作家業を志すようになり、中学2年生あたりからオリジナルの小説を書き始めた。金沢大学文学部の2年生から、ウェブサイトでネット小説サイト「汎夢殿」(はんむでん)を運営し、作品を発表し始める(デビューが決まった後「汎夢殿」は一旦閉鎖され、これら作品は現在読むことが出来ない[1])。様々な種類のエンターテイメント作品を書いていたが、大学時代に北村薫の『六の宮の姫君』(東京創元社1992年)を読み、ミステリーへの方向性を決める[1]

大学卒業後は、「2年間だけ小説の夢にチャレンジしたい」と両親を説得して、岐阜県高山市で書店員をしながら[2]執筆を続ける。そして2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してデビュー。この賞に応募した理由として、ライトノベルとミステリーの組合せに未来を感じたこと[3]と、そして別の賞の締切りに遅れてしまったこと、の二つをあげている。『〈古典部〉シリーズ』である『氷菓』が角川スニーカー文庫内に新たに立てられた「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第1回配本として、続いて『愚者のエンドロール』が刊行されるも、〈古典部〉シリーズ三作目にして完結編として執筆されていた『さよなら妖精』の出版がレーベルの傾向との違いにより困難となった。[4]

苦境に陥ったが、推理作家の笠井潔の推薦もあって[5]、推理小説に強い東京創元社から『さよなら妖精』が出版される運びとなる。架空の国から実在した国であるユーゴスラヴィアへと舞台を変え、ノンシリーズ作品として出版された本作は、2005年版の『このミステリーがすごい!』(以下「このミス」、宝島社)の国内部門で20位となり、米澤穂信の名を広く世に広める結果となった。また、『このミス』2010年版では、作家別投票第1位にランクインした。2013年よりミステリーズ!新人賞の選考委員を務めている。

作風[編集]

推理小説の中でも青春ミステリと呼ばれるジャンルにおいて、「日常の謎」を扱った作品を主に発表している。作風が地味だという声もあったが、その端正な文体と登場人物に対する巧みなキャラクター設定により、特に若い世代に支持を広げている[要出典]。米澤は自著について、これらの作品群に通底するテーマは「全能感」であり、思春期における全能感の揺れ動き、変化していく過程を書いてきたと述べている[6]。このテーマは八冊目となる長編『ボトルネック』で一次決算をむかえることになる。

九冊目である「不穏当かつ非倫理的な」事件が起こる長編『インシテミル』を皮切りに、『儚い羊達の祝宴』『追想五断章』など青春小説の枠を外した作品も発表するようになった。

文学賞受賞・候補歴[編集]

太字が受賞したもの

  • 2001年 - 『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞。
  • 2007年 - 『心あたりのある者は』で第60回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。
  • 2008年 - 『インシテミル』で第8回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
  • 2010年 - 『追想五断章』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、第10回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
  • 2011年 - 『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第11回本格ミステリ大賞(小説部門)候補、第24回山本周五郎賞候補。
  • 2014年 - 『満願』で第27回山本周五郎賞受賞、第151回直木三十五賞候補。

ミステリ・ランキング[編集]

週刊文春ミステリーベスト10[編集]

このミステリーがすごい![編集]

本格ミステリ・ベスト10[編集]

ミステリが読みたい![編集]

作品[編集]

〈古典部〉シリーズ[編集]

〈小市民〉シリーズ[編集]

その他の小説[編集]

  • さよなら妖精(2004年2月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2006年6月 創元推理文庫)
    • 本作の派生として、作中人物の太刀洗万智を探偵役に据えた〈ベルーフ〉シリーズが発表されている。
  • 犬はどこだ(2005年7月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2008年2月 創元推理文庫)
    • 本作は〈S&R〉シリーズの1作目として位置づけられている。
  • ボトルネック(2006年8月 新潮社 / 2009年9月 新潮文庫
  • インシテミル(2007年8月 文藝春秋 / 2010年6月 文春文庫
  • 儚い羊たちの祝宴(2008年11月 新潮社 / 2011年7月 新潮文庫)
  • 追想五断章(2009年8月 集英社 / 2012年4月 集英社文庫
  • 折れた竜骨(2010年11月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2013年7月 創元推理文庫【上・下】)
  • リカーシブル(2013年1月 新潮社)
  • 満願(2014年3月 新潮社)
    • 夜警 / 死人宿 / 柘榴 / 万灯 / 関守 / 満願
      • 「夜警」は「一続きの音」を改題したものである
  • E85.2(仮題)(2014年予定 東京創元社)- 〈ベルーフ〉シリーズ

アンソロジー(編纂)[編集]

  • 世界堂書店(2014年5月 文春文庫)

アンソロジー(収録)[編集]

「」内が米澤穂信の作品

  • 本格ミステリ06(2006年5月 講談社)
    • 【改題】珍しい物語のつくり方(2010年1月 講談社文庫)「シェイク・ハーフ」
  • ザ・ベストミステリーズ2006(2006年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 セブンミステリーズ(2009年4月 講談社文庫)「シャルロットだけはぼくのもの」
  • 犯人は秘かに笑う(2007年1月 光文社文庫)「Do you love me?」
  • 本格ミステリ07(2007年5月 講談社)
    • 【改題】法廷ジャックの心理学(2011年1月 講談社文庫)「心あたりのある者は」
  • ザ・ベストミステリーズ2007(2007年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 ULTIMATE MYSTERY 究極のミステリー、ここにあり(2010年4月 講談社文庫)「心あたりのある者は」
  • 不思議の足跡(2007年10月 光文社 カッパ・ノベルス)「Do you love me?」
  • Story Seller(2008年4月 新潮社『小説新潮』別冊 / 2009年1月 新潮文庫)「玉野五十鈴の誉れ」
  • 本格ミステリ08(2008年5月 講談社)
    • 【改題】見えない殺人カード(2012年1月 講談社文庫)「身内に不幸がありまして」
  • きみが見つける物語 休日編(2008年7月 角川文庫)「シャルロットだけはぼくのもの」
  • Story Seller Vol.2(2009年4月 新潮社『小説新潮』別冊 / 2010年1月 新潮文庫)「リカーシブル――リブート」
  • 蝦蟇倉市事件2(2010年2月 東京創元社ミステリ・フロンティア)「ナイフを失われた思い出の中に」
  • Story Seller Vol.3(2010年4月 新潮社『小説新潮』別冊 / 2011年1月 新潮文庫)「満願」
  • 暗闇を見よ(2010年10月 光文社 カッパ・ノベルス)「身内に不幸がありまして」
  • オールスイリ(2010年11月 文藝春秋) 「軽い雨」
  • きみが見つける物語 あこがれのハイスクールライフ!(2011年6月 角川つばさ文庫)「手作りチョコレート事件」
  • ザ・ベストミステリーズ2011(2011年7月 講談社)
    • 【分冊・改題】 Guilty 殺意の連鎖(2014年4月 講談社文庫)「満願」
  • Mystery Seller(2012年1月 新潮文庫)「柘榴」
  • 探偵Xからの挑戦状! 3(2012年5月 小学館文庫)「怪盗Xからの挑戦状」
  • いつか、君へ Boys(2012年6月 集英社文庫)「913」
  • ザ・ベストミステリーズ2012(2012年7月 講談社)「死人宿」
  • 驚愕遊園地(2013年11月 光文社)「913」
  • Story Seller annex(2014年1月 新潮文庫)「万灯」
  • ミステリマガジン700 国内篇(2014年4月 ハヤカワ・ミステリ文庫)「川越にやってください」
  • 時の罠(2014年7月 文春文庫)「下津山縁起」

単行本未収録作品[編集]

〈古典部〉シリーズ[編集]

  • 連峰は晴れているか(角川書店『野性時代』2008年7月号)
  • 鏡には映らない(角川書店『野性時代』2012年8月号)
  • 長い休日(角川書店『野性時代』2013年11月号)

〈ベルーフ〉シリーズ[編集]

  • 失礼、お見苦しいところを(青土社ユリイカ2007年4月号)
  • 恋累心中(東京創元社『ミステリーズ!』2007年12月号)
  • ナイフを失われた思い出の中に(『蝦蟇倉市事件2』2010年2月 東京創元社ミステリ・フロンティア)
  • 名を刻む死(東京創元社『ミステリーズ!』2011年6月号)

〈甦り課〉シリーズ[編集]

  • 軽い雨(『オールスイリ』2010年11月 文藝春秋)
  • 黒い網(文藝春秋『オール讀物』2013年11月号)

〈シモンズ〉シリーズ[編集]

  • 913(集英社『小説すばる』2012年1月号)
  • ロックオンロッカー(集英社『小説すばる』2013年8月号)
  • 金曜に彼は何をしたのか(集英社『小説すばる』2014年11月号)

その他の連載[編集]

  • 11人のサト(毎日新聞社
    • フリーペーパー『まんたんブロード』で連載されていた連作ショートショート。全12回。挿絵をTAGROが担当した。
    • 左利きのLady(まんたんブロード23号 2006年4月)
    • 脊髄少女(まんたんブロード24号 2006年5月)
    • それが非常識(まんたんブロード25号 2006年6月)
    • 夏爆弾(まんたんブロード26号 2006年7月)
    • Back-up you(まんたんブロード27号 2006年8月)
    • Blue sky as if drawn picture(まんたんブロード28号 2006年9月)
    • 供犠(まんたんブロード29号 2006年10月)
    • パロボファ記念館(まんたんブロード30号 2006年11月)
    • 予言者(前編)(まんたんブロード31号 2006年12月)
    • 予言者(後編)(まんたんブロード32号 2007年1月)
    • Red sky as if drawn picture(まんたんブロード33号 2007年2月)
    • 11人のサト(まんたんブロード34号 2007年3月)

その他の作品[編集]

  • Do you love me?(東京創元社『ミステリーズ!extra《ミステリ・フロンティア》特集』2004年11月)
    • 本作の登場人物の一部は「ボトルネック」にも登場している。
  • 音楽がなければ生きられない(『読売新聞夕刊』2007年11月10日発行号)
    • ショートショート。挿絵を西島大介が担当した。
  • 川越にやってください(早川書房『ミステリマガジン』2008年1月号)
  • 青田買い(『ビッグイシュー日本版』2009年1月15日発行号)
    • ショートショート
  • リカーシブル――リブート(『Story Seller Vol.2』2009年4月 新潮社『小説新潮』別冊)
    • 本作は、『リカーシブル』(2013年1月 新潮社)の一部を短編として凝縮したものとなっている。
  • 馬辺里探訪(新潮社『小説新潮』2011年1月号)
    • ショートショート
  • 茄子のよう(文藝春秋『オール讀物』2011年7月号)
  • 怪盗Xからの挑戦状(『探偵Xからの挑戦状! 3』2012年5月 小学館文庫)
  • 下津山縁起(文藝春秋『別册文藝春秋』2012年7月号)
  • ほたるいかの思い出(新潮社『小説新潮』2014年7月号)

映像化作品[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

テレビアニメ[編集]

参考文献[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 「Long Interview:豊穣の地で学びたい」『野性時代』7月号(vol.56)、角川書店2008年6月、p.18
  2. ^ “「ボトルネック」を書いた:米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん”. 北海道新聞 (北海道新聞社). オリジナル2007年2月19日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20070219232207/http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20061105/visit.html 2013年6月14日閲覧。 
  3. ^ 畢生の十周年企画 100の質問「Q25:ミステリの第一線で活躍なされている米澤先生ですが、なぜライトノベル系列の新人賞に応募されたのですか?」
  4. ^ 「米澤穂信のできるまで」、『ユリイカ』2007年4月号、青土社2007年3月、 143頁。
  5. ^ 同時に、桜庭一樹も推薦された。「米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」、『ユリイカ』2007年4月号、青土社2007年3月、 92頁。
  6. ^ 「米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」、『ユリイカ』2007年4月号、青土社、2007年3月、 77頁。

外部リンク[編集]