米澤穂信
| 米澤 穂信 (よねざわ ほのぶ) |
|
|---|---|
| 誕生 | 1978年 岐阜県 |
| 職業 | 推理作家 |
| 国籍 | |
| 活動期間 | 2001年 - |
| ジャンル | 日常の謎 |
| 代表作 | 『〈古典部〉シリーズ』(2001年 - ) 『さよなら妖精』(2004年) |
| 主な受賞歴 | 第64回日本推理作家協会賞 |
| 処女作 | 『氷菓』(2001年) |
| 公式サイト | 汎夢殿 |
米澤 穂信(よねざわ ほのぶ、1978年 -)は、岐阜県生まれの推理作家。2007年現在、東京都に在住している。岐阜県立斐太高等学校、金沢大学文学部卒業。男性。陸上日本記録保持者の小林史和とはクラスメイト。
目次 |
[編集] 略歴
物心ついたころから漠然と作家業を志すようになり、中学二年生あたりからオリジナルの小説を書き始めた。金沢大学文学部の二年生から、ウェブサイトでネット小説サイト「汎夢殿」(はんむでん)を運営し、作品を発表し始める(デビューが決まった後「汎夢殿」は一旦閉鎖され、これら作品は現在読むことができない[1])。様々な種類のエンターテイメント作品を書いていたが、大学時代に北村薫の『六の宮の姫君』(東京創元社、1992年)を読み、ミステリーへの方向性を決める[1]。
大学卒業後も、「2年間だけ小説の夢にチャレンジしたい」と両親を説得して、岐阜県高山市で書店員をしながら[2]執筆を続ける。そして2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してデビュー。この賞に応募した理由として米澤は、ライトノベルとミステリーの組合せに未来を感じたこと[3]と、そして、別の賞の締切りに遅れてしまったこと、のふたつをあげている。〈古典部〉シリーズである『氷菓』が角川スニーカー文庫内に新たに立てられた「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第一回配本として、続いて『愚者のエンドロール』が刊行されるも売上げが延びず、それ以上本が出せない状態となった。この売上不振は、スニーカー・ミステリ倶楽部の「戦略ミス」との見方が一般的である。[誰によって?]
苦境に陥ったが、推理作家の笠井潔の推薦もあって[4]、推理小説に強い東京創元社から『さよなら妖精』が出版される運びとなる。2005年版の『このミステリーがすごい!』(以下「このミス」、宝島社)の国内部門で20位となり、米澤の名を広く世に広める結果となった本作は、現在なお米澤の代表作であると目されている。
他にも「このミス」では、2006年版では『犬はどこだ』で8位、2007年版では『夏期限定トロピカルパフェ事件』で10位・『ボトルネック』で15位、2008年版では『インシテミル』で10位、2010年版では『追想五断章』で4位・『秋期限定栗きんとん事件』で10位と、近年では毎年、トップ20以内に作品がランクインしている(2009年版では、対象期間内に新作が無かったためランクインせず)。また、「このミス」2010年版では、作家別投票第1位にランクインした。2007年、〈古典部〉シリーズの短篇作品『心あたりのある者は』(短編集『遠まわりする雛』に所収)が第60回日本推理作家協会賞短編部門の候補作となり(受賞該当作なし)、2008年にはノンシリーズの『インシテミル』が第8回本格ミステリ大賞小説部門の候補作となった。2011年、『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞受賞、第24回山本周五郎賞候補。
[編集] 作風
殺人事件などではなく、北村薫を潮流とする「日常の謎」を扱った、青春ミステリと呼ばれるジャンルの作品を主に発表している。作風が地味だという声もあったが、その端正な文体と登場人物に対する巧みなキャラクター設定により、特に若い世代に支持を広げている。作品群に通底するテーマは「全能感」である、と米澤は述べる。米澤は、思春期における全能感の揺れ動き、変化していく過程を書いてきた[5]。
近年では、「青春ミステリ」の語から連想される「爽やかさ」とは遠い作品も発表している(作者自身読者の反応が「結構不安」だったという『ボトルネック』や、「不穏当かつ非倫理的な」事件が起こる『インシテミル』など)。
[編集] 作品
[編集] 〈古典部〉シリーズ
詳細は「〈古典部〉シリーズ」を参照
文化系部活動が活発なことで有名な進学校、神山高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女四人が、学校生活に隠された謎に挑む。推理小説の「日常の謎」と呼ばれるジャンルに属す。角川書店刊。2011年11月29日に、『氷菓』が「京都アニメーション」によりアニメ化されTVシリーズで放映されることが製作発表された。
既刊
- 氷菓
- 愚者のエンドロール
- クドリャフカの順番「十文字」事件
- 遠まわりする雛
- ふたりの距離の概算
[編集] 〈小市民〉シリーズ
詳細は「〈小市民〉シリーズ」を参照
「ぼく」こと小鳩常悟朗と「小佐内さん」は、互恵関係を結び、「小市民」をめざす。中学生までの「ぼくら」とは違う、平和な高校生活を求めるはずが、小市民にあるまじき、ちょっとした事件に巻き込まれてしまう。〈古典部〉シリーズと同じく、推理小説の「日常の謎」と呼ばれるジャンルに属す。東京創元社刊。
既刊
- 春期限定いちごタルト事件
- 夏期限定トロピカルパフェ事件
- 秋期限定栗きんとん事件
[編集] 〈S&R〉シリーズ
| 〈S&R〉シリーズ | |
|---|---|
| ジャンル | 私立探偵もの |
| 小説 | |
| 著者 | 米澤穂信 |
| 出版社 | 東京創元社 |
| レーベル | 創元推理文庫 |
| 刊行期間 | 2005年 - |
| 巻数 | 既刊1巻 |
| ■テンプレート使用方法 ■ノート | |
犬探しを専門として開業した探偵事務所「紺屋S&R」(S&Rは、Search and Rescueの略)、しかし舞い込んできた依頼は、想定したものとはかけ離れたものだった。
[編集] 登場人物
- 紺屋 長一郎(こうや ちょういちろう)
- 東京で銀行員をしていたが、病が原因で職を辞し、故郷の八保市で犬探しを専門とした探偵事務所「紺屋S&R」を開業する。高校時代は剣道部部長。当時はかなりの切れ者だったとも。喫茶店「D&G」の河村友春・梓夫妻は妹夫婦。25歳。
- 半田 平吉(はんだ へいきち)
- 通称ハンぺー。紺屋の剣道部時代の後輩。現在はフリーターで、宅配便の集荷場の夜間バイトをしている。「探偵」という仕事に憧れを持っており、「完全歩合制」で紺屋の事務所に助手として雇われる。
- GEN(げん)
- 紺屋のチャット仲間。コンピュータ・インターネット関連では、少なくとも紺屋を圧倒する知識を持ち、時に重要な示唆を与える。
[編集] 既刊
- 犬はどこだ(東京創元社)
- <ミステリ・フロンティア>、2005年、ISBN 4-488-01718-5
- 創元推理文庫、2008年、ISBN 978-4-488-45104-2
[編集] ノンシリーズ
- さよなら妖精(東京創元社)
- 日本を舞台に、ユーゴスラビア紛争をからめて書いた作品。元々は〈古典部〉シリーズの一つとして書かれる予定だった。この作品から登場人物を引き継いだ短編シリーズ(「ベルーフ」[1])も発表されている。
- <ミステリ・フロンティア>、2004年、ISBN 4-48-801703-7
- 創元推理文庫、2006年、ISBN 4-48-845103-9
- ^ 下記の著者公式ホームページにおいて、シリーズ凡例として使われている。2007年までは主要登場人物の一人の頭文字であろう〈t〉が使われていたが変更された。「ベルーフ」とはドイツ語で「職業」の意。また、もともとは「天の思し召し」の意のある言葉であったことから、「天職」の意でも使われるという。
- ボトルネック(新潮社)
- SFミステリーともいうべき作品。題名にもなっている「ボトルネック」という語をキーワードに、物語はすすむ。舞台の金沢市は、米澤が大学生活を送った場所である。
- 2006年、ISBN 4-10-301471-7
- 新潮文庫、2009年10月1日発売、ISBN 978-4-10-128781-2
- インシテミル(文藝春秋)
- クローズド・サークルを舞台にした殺人ゲーム。単行本の装画は西島大介。2010年に『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』として、ホリプロ50周年記念で映画化された。
- 2007年8月、ISBN 978-4-16-324690-1
- 文春文庫、2010年6月10日発売、ISBN 978-4-16-777370-0
- 儚い羊たちの祝宴(新潮社)
- 「ラスト一行の衝撃(フィニッシングストローク・どんでん返し)」にこだわった短編集。
- 2008年11月21日発売、ISBN 978-4-10-301472-0
- 身内に不幸がありまして(小説新潮2007年6月号、新潮社、2007年5月22日発売)
- 北の館の罪人(小説新潮2008年1月号、新潮社、2007年12月22日発売)
- 山荘秘聞(小説新潮2008年2月号、新潮社、2008年1月22日発売)
- 玉野五十鈴の誉れ(小説新潮2008年5月号別冊「Story Seller」、新潮社、2008年4月10日発売)
- 儚い羊たちの晩餐(書き下ろし)
- 2008年11月21日発売、ISBN 978-4-10-301472-0
- 折れた竜骨(東京創元社)
-
- ミステリフロンティア 2010年11月27日発売 ISBN 978-4-488-01765-1
[編集] 単行本未収録作品・連載中作品
連載
読切
- 音楽がなければ生きられない(『読売新聞夕刊』2007年10月10日)
- 川越にやってください(『ミステリマガジン』2008年1月号)
- 連峰は晴れているか(『野性時代』2008年7月号)
- 青田買い(『ビッグイシュー日本版』2009年1月15日)
- 柘榴(『小説新潮』2010年9月号)
- 軽い雨(『オールスイリ』)
- 死人宿(『小説すばる』2011年1月号)
- 馬辺里探訪(『小説新潮』2011年1月号)
- 万灯 まんとう(『小説新潮2011年5月号)
- 茄子のよう(『オール讀物』2011年7月号)
- 913(『小説すばる』2012年1月号)
[編集] アンソロジー
- Do you love me?(『犯人は秘かに笑う』に収録)
- リカーシブル―リブート(『Story Seller 2』に収録)
- 満願(『Story Seller 3』に収録)
[編集] 刊行予定
[編集] 脚注
- ^ a b 「Long Interview:豊穣の地で学びたい」『野性時代』7月号(vol.56)、角川書店、2008年6月、p.18
- ^ 「ボトルネック」を書いた:米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん
- ^ 畢生の十周年企画 100の質問「Q25:ミステリの第一線で活躍なされている米澤先生ですが、なぜライトノベル系列の新人賞に応募されたのですか?」
- ^ 同時に、桜庭一樹も推薦された。米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」『ユリイカ』第39巻第4号、2007年、p.92
- ^ 米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」『ユリイカ』第39巻第4号、2007年、p.77
- ^ a b 著者公式サイト『汎夢殿』予定情報一覧
[編集] 参考文献
- 笠井潔、滝本竜彦、斎藤環他「特集*米澤穂信」『ユリイカ:詩と批評』第39巻第4号、青土社、2007年
- おーちようこ、恩田陸、よしだもろへ他「ぼくたちの米澤穂信」『野性時代』第6巻第7号通巻第56号、角川書店、2008年6月
[編集] 外部リンク
- 著者
- 汎夢殿 - 公式サイト
- きららfrom book shops 米澤穂信インタビュー - 「WEBきらら」の一ページ、書店員によるインタビュー記事
- 作家の読書道:第70回 米澤穂信さん - 「WEB本の雑誌」の一ページ、2007年8月31日に掲載されたインタビュー記事
- 【B.J. Interview】米澤穂信 小市民、とはいいつつ強烈な自意識をもった高校生のカップル。この先、いったいどうなるのだろう。【Book Japan】 - Book Japan、2009年7月13日
- 『折れた竜骨』刊行記念インタビュー - 「Webミステリーズ!」内のページ、2010年11月に掲載されたインタビュー記事
- 米澤穂信 (honobu_yonezawa) - Twitter
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