マーベル・コミック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
マーベル・コミック
Marvel Logo.svg
親会社 マーベル・エンターテインメント
ウォルト・ディズニー・カンパニー
現況 活動中
設立日 1939年 (82年前) (1939)(Timely Comicsとして)
1947年 (74年前) (1947)(Magazine Managementとして)
1961年 (60年前) (1961)(マーベル・コミックとして)
設立者 マーティン・グッドマン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
本社所在地 ニューヨーク州ニューヨーク市
流通範囲 ダイヤモンド・コミック・ディストリビューター
アシェット・クライアント・サービス[1]
主要人物
出版物 #代表的な出版作品
フィクション
公式サイト www.marvel.com
テンプレートを表示

マーベル・コミック(英名: Marvel Comics)は、アメリカ合衆国ニューヨークに本社を置く漫画出版社である。現在はウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下である。

カタカナ表記は「マーベル[2]で、1990年代は「マーヴル」が公式な綴りとされたが、揺れがあり「マーヴェル」も見られる。設立当初の商品はコミックのみであったが、現在ではメディアミックス路線で作品を売り出しており、映画、ゲームでも世界的な人気を誇っている。

歴史[編集]

タイムリーとアトラスのロゴ

タイムリー・コミックス[編集]

1939年マーティン・グッドマン英語版を社長に、その甥で当時十代のスタン・リーを編集に据え、「タイムリー・コミックス(Timely Comics)」としてグッドマンが所有していたニューヨーク42丁目(330 West 42nd Street)の事務所で[3] 発足した[4]第二次世界大戦中にヒューマントーチサブマリナーキャプテン・アメリカなどの人気キャラクターを生み出し、コミック雑誌やペーパーバック小説を発売していた。

アトラス・コミックス[編集]

第二次世界大戦後はヒーローものの人気が低下[5] しており、1949年には人気シリーズだった「マーベル・ミステリー・コミック」やヒューマントーチサブマリナーも中断、1950年にはキャプテン・アメリカを75号で中断した。そのためグッドマンはホラーウェスタンユーモア、動物もの、冒険活劇、モンスター、犯罪、戦争ものなどにジャンルを拡大した。さらにジャングルもの、恋愛ストーリー、スパイもの、中世や聖書がテーマのコミックもあった。

グッドマンは1951年より、自分が持っていた新聞販売流通会社「アトラス・ニュース(Atlas News Company)」の地球の形のロゴの使用を開始した。アトラスの戦略は、当時新しいものを生み出すと言うより、テレビや映画などで既に人気となっていたウェスタンドライブインシアターで流行ったモンスターもの、「ECコミック」など競合誌からもヒントを得ていた[6]

マーベル・コミックス[編集]

その後「アトラス・コミックス(Atlas Comics)」と名を変え、1957年に現在の「マーベル・コミックス」となる[4]。競合誌の「DCコミックス」とともに、アメリカン・コミックを代表する著名なスーパーヒーローのほとんどを生み出した[7]1982年には、日本の漫画「AKIRA」の原版を反転しカラー化して出版している[8]1992年には、アメコミ界初のゲイヒーローが登場する作品の連載も始めた[9]

1980年代後半から徐々に経営が悪化し、一時はマイケル・ジャクソンが買収に乗り出したこともあったが[10]1997年に倒産し、「マーベル・エンターテインメント」として再稼働するも振るわず、2009年ウォルト・ディズニー・カンパニーに買収された。

ウォルト・ディズニー・カンパニーによる買収[編集]

2009年8月31日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、40億ドルでマーベル・エンターテインメントを買収し、マーベル株主に対し、1株当たり30ドルとディズニー株0.745株を支払うことにした[11]。株主投票は2009年12月31日におこなわれ、数時間で[12]買収が決まった[13]

代表的な出版作品[編集]

映画化[編集]

マーベルキャラが出演するモバイルゲーム[編集]

マーベルキャラが出演するコンピュータゲーム[編集]

特に表記のない物はカプコン製。

東映との提携[編集]

1977年6月[14][15]東映アメリカ出版社・ケイデンス・パブリッシングとキャラクターに関するライセンス契約を結び[14][15]、同社の事業部門である米コミックス誌界の大手、マーベル・コミックス・グループ(Marvel Comics Group、略称:MCG)が発行するコミック誌のキャラクター全ての劇画権、出版権などを獲得した[14]。1978年5月15日に[16]東映本社で、マーベル・コミックス・グループと東映が業務提携すると発表され[16][17][18]、マーベル・コミックスが所有するスパイダーマンキャプテン・アメリカファンタスティック4ハルク等々多数の人気スーパーヒーロー・キャラクターの日本に於ける商品化[18]、テレビ番組の制作[18]出版遊園地及び劇場などでの実演等のマーチャンダイズを行い[16][18]、東映が所有するマジンガーZゲッターロボなどの人気キャラクターをマーベルを通してアメリカを始め世界各国に売り込む相互乗り入れ事業を行うと発表した[18]

1980年にマーベル・コミックス・グループがフィルム業界進出を狙い新たに「マーベル・プロダクション(Marvel Productions)」を設立したため[15][19]、東映は業務提携を強化することになり[15][19]、同年7月10日、東映本社で、同グループ社長・ジェームス・ゴードン、岡田茂東映社長、今田智憲東映動画社長による共同記者会見を行い[19]、同社と出版、キャラクター商品などの提携の他[19]、この提携で両社は共同でテレビ、劇場用アニメーションの企画・製作・販売を強化するとし[19]、製作に関しては岡田社長が「世界的に評価の高い東映動画が一手に引き受ける契約をした」と話した[15][19]。販売に関してはアメリカの三大ネットワークを始め、双方のルートを通じて、アメリカはマーベル、日本及び東南アジアは東映で、ヨーロッパは共同で世界のマーケットへ進出を企図した[15][19]

こうした提携を受け、1978年から1981年にかけて、『スパイダーマン』の実写化(スパイダーマン)やスーパー戦隊シリーズなどの作品に携わった[16]スタン・リーは東映の『スパイダーマン』を絶賛している[16]。1980年には、マーベルの怪奇コミックス「The Tomb of Dracula」を原作として東映動画が制作したテレビアニメ特番『闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ』が放送されている。一方、米国においてはマーベル・コミックスが『惑星ロボ ダンガードA』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』などの主役ロボットが宇宙で活躍するコミックス『ショーグン・ウォリアーズShogun Warriors)』を刊行している。

当時のほとんどの作品には「©(テレビ局名)・MCG・東映」と著作権表記されていたが、現在では版権切れに伴って表記が消えている。

この提携契約終了後はほとんど縁がなかったマーベルと東映だが、2014年から放送開始となるマーベルの日本ローカライズアニメ作品『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』は東映アニメーションが制作することになった。

ウォルト・ディズニー・ジャパンはディズニーXDの放送を2021年1月31日で終了し、一部の番組はディズニー・チャンネルに移行したため、現在マーベルの日本ローカライズアニメ作品『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』においては、Disney+へ移行している。そのため、MARVEL提携以外による東映アニメーション作品の放映権は、ディズニーXDから東映チャンネルアニマックスキッズステーションに移行された[注 1]

MCG提携による東映作品[編集]

MARVEL提携による東映アニメーション作品[編集]

マーベル75周年の軌跡 コミックからカルチャーへ![編集]

マーベル75周年の軌跡 コミックからカルチャーへ!』(原題:MARVEL75YEARS FROM PULP TO POP!)は、アメリカ合衆国のドキュメンタリー作品[22]。マーベル誕生75周年を記念して制作された[22]。映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にシャロン・カーター / ケイト / エージェント13役で出演したエミリー・ヴァンキャンプによるホストのもと、マーベル関係者へのインタビューを通じて歴史をたどっていく[22]

日本では映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の日本公開を記念し、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン公開記念 マーベル75年の軌跡 コミックからカルチャーへ!』のタイトルでDlifeにて2015年7月5日 22:00 - 23:00(JST)に放送された[22]。ヴァンキャンプの声は御沓優子によって日本語に吹き替えられ、関係者の部分は字幕放送となっている。

円谷プロダクションとのコラボレーション[編集]

2019年11月23日、マーベルが2020年にウルトラマンの新作コミックを出版することが、東京コミコン2019にてマーベル・コミックス編集長のC・B・セブルスキーと円谷プロダクション代表取締役会長兼CEOの塚越隆行により、発表された[23]昭和第1期ウルトラシリーズを、マーベルが新たなアートとストーリーで描く[23]

2020年2月29日、新作コミック『THE RISE OF ULTRAMAN』(ザ・ライズ・オブ・ウルトラマン)のカバーイラストが、セブルスキーによって披露された[24]。同年後半にアメリカで出版予定の第1巻は、カイル・ヒギンズとマット・グルームが脚本、フランチェスコ・マンナが作画をそれぞれ担当する[24]。全5巻を予定しており、6月17日にはアレックス・ロスによる第1巻のカバーアートが公開された[25]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 後に2021年4月1日に、ソニー株式会社(初代法人)がソニーグループ株式会社に商号を変更[20]。また、ソニー株式会社(初代法人)のエレクトロニクス事業と、ソニーエレクトロニクスソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツソニーモバイルコミュニケーションズが統合し、ソニー株式会社(二代目法人)が誕生[21]したため、マーベルの怪奇コミックス「The Tomb of Dracula」を原作として東映動画が制作したテレビアニメ特番『闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ』やMARVEL提携以外による東映アニメーション作品共にソニーグループ株式会社が関わるようになった。

出典[編集]

  1. ^ Hachette - Our Clients”. 2017年9月17日閲覧。
  2. ^ 日本国内の権利を有するディズニーは、ウェブサイトで「マーベル」と表記している。
  3. ^ History of Marvel Comics – MARVEL COMICS LIBRARY
  4. ^ a b スーパーヒーローとアメリカ社会 森田匡、慶応大学『政治学研究』49号(2013)
  5. ^ Wright, Bradford W. (2001). Comic Book Nation: The Transformation of Youth Culture in America. The Johns Hopkins University Press. p. 57. ISBN 978-0-8018-6514-5. https://archive.org/details/comicbooknationt00wrig/page/57 
  6. ^ Per Les Daniels in Marvel: Five Fabulous Decades of the World's Greatest Comics, pp. 67–68: "The success of EC had a definite influence on Marvel. As Stan Lee recalls, 'Martin Goodman would say, "Stan, let's do a different kind of book," and it was usually based on how the competition was doing. When we found that EC's horror books were doing well, for instance, we published a lot of horror books'".
  7. ^ アメリカン・コミックとアメリカ映画に見る原子力の姿 植竹大輔、日本大学工学部、国際文化表現学会東京大会シンポジウム「原子力をめぐる文化表象」2012年12月8日
  8. ^ ビジネスケース『ビズメディア〜北米マンガ市場の開拓者』 一橋大学イノベーション研究センター、東洋経済新報社, 2014
  9. ^ ディズニーアニメにおけるマイノリティ表象と社会的影響 神尾美咲、獨協大学、2013 年1月
  10. ^ MICHAEL JACKSON, INC.: マイケル・ジャクソン帝国の栄光と転落、そして復活へ ザック・オマリー・グリーンバーグ、Cccメディアハウス, 2014
  11. ^ Disney to Acquire Marvel Entertainment for $4B”. Marketwatch. 2009年8月31日閲覧。
  12. ^ Disney Completes Marvel Acquisition[リンク切れ], Fox Business, December 31, 2009
  13. ^ Marvel Shareholders OK Disney Acquisition, Marketwatch, December 31, 2009
  14. ^ a b c “東映、米誌のキャラクター権獲得―大手出版社と契約、同時に自社品輸出図る。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 9. (1977年5月19日) 
  15. ^ a b c d e f 「映画界の動き東映、米マーベル・プロと業務提携結ぶ」『キネマ旬報』1980年8月下旬号、キネマ旬報社、 164頁。
  16. ^ a b c d e “東映がアメリカのマーベル・コミック社と提携”. 週刊映画ニュース (全国映画館新聞社): p. 1. (1978年5月30日) 
  17. ^ 鈴木武幸『夢を追い続ける男』講談社、2018年、150 - 152頁。ISBN 978-4065137628
  18. ^ a b c d e 「映画界の動き 東映、米マーベル・コミックとジョイント」『キネマ旬報』1978年6月下旬号、キネマ旬報社、 180-181頁。
  19. ^ a b c d e f g 「東映、米マーベル・プロと業務提携結ぶ 企画・販売は両社、製作は東映動画で」『映画時報』1980年9月号、映画時報社、 16頁。
  20. ^ “ソニー、ソニーグループに商号変更。本社機能とエレキを分離・再定義”. Impress Watch. (2020年5月19日). https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1253359.html 2020年5月19日閲覧。 
  21. ^ 徳田ゆかり (2020年12月1日). “新生ソニーの経営体制固まる。セールス&マーケティング機能も全統合し国内エレキ事業を強化”. PHILE WEB (音元出版). https://www.phileweb.com/news/d-av/202012/01/51675.html 2020年12月21日閲覧。 
  22. ^ a b c d 「アベンジャーズ」最新作公開記念! 「エージェント・オブ・シールド」とマーベルのドキュメンタリー番組がDlifeにて7月放送”. TVグルーブ (2015年6月24日). 2015年9月27日閲覧。
  23. ^ a b “マーベル・円谷プロがコラボを発表 ウルトラマンの新作コミック出版へ”. ORICON NEWS (オリコン). (2019年11月23日). https://www.oricon.co.jp/news/2149281/full/ 2019年11月24日閲覧。 
  24. ^ a b “マーベル・コミックスでウルトラマンが描かれる!『THE RISE OF ULTRAMAN』カバーイラスト公開”. music.jpニュース (music.jp). (2020年3月2日). http://music-book.jp/comic/news/news/397363 2020年3月2日閲覧。 
  25. ^ “ド迫力!マーベル版ウルトラマン、伝説的アーティストによるカバーアート公開”. シネマトゥデイ (シネマトゥデイ). (2020年6月17日). https://www.cinematoday.jp/news/N0116743 2020年6月19日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]