中部国際空港/log20230528

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中部国際空港
Chubu Centrair International Airport
IATA: NGO - ICAO: RJGG
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 愛知県常滑市
母都市 名古屋市
種類 商業
運営者 中部国際空港株式会社
運用時間 24時間
開港 2005年2月17日
拠点航空会社 ANAウイングス
敷地面積 471.3 ha
標高 5 m (15 ft)
座標 北緯34度51分30秒 東経136度48分19秒 / 北緯34.85833度 東経136.80528度 / 34.85833; 136.80528座標: 北緯34度51分30秒 東経136度48分19秒 / 北緯34.85833度 東経136.80528度 / 34.85833; 136.80528
公式サイト www.centrair.jp
地図
空港の位置
空港の位置
NGO/RJGG
空港の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
18/36 III/III b 3,500×60 舗装
統計(2014年度)
旅客数 9,650,827人
貨物取扱量 205,608 t
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中部国際空港の位置
中部国際空港の位置
NGO/RJGG
中部国際空港の位置

中部国際空港(ちゅうぶこくさいくうこう、: Chubu Centrair International Airport)は、愛知県常滑市沖の伊勢湾海上の人工島にある国際空港であり、空港法4条1項で法定された拠点空港。愛称はセントレアで、略称として中部空港[2]中部と言われることもある。時刻表や発着案内では名古屋名古屋空港(小牧)と明確に区別する必要があるときは名古屋(中部))と表示される。

概要

IATA空港コードNGOで、開港前に名古屋空港通称:小牧空港)で使われていたものを継承している。長距離国際線などにおける着陸前の機内アナウンスでは、乗客に対する英語での空港呼称は正式に限定されている訳ではない為、正式名称である「中部国際空港」と呼称してから着陸する。日本国内に籍を置く国内航空会社以外の路線では、それぞれの航空会社によって「NAGOYA」や「CHUBU International Airport」もしくは「Centrair International Airport」 などと乗客にアナウンスされる[要出典]。2015年夏ダイヤでは、定期国際線は旅客便週296便、国内線1日最大77便、貨物便は週28便が就航する。

愛称の「セントレア (Centrair)」 は、英語で「中部地方」を意味する"central"と「空港」を意味する"airport"を組み合わせた造語で、一般公募の中から選ばれた。商標として登録されており(商標登録番号:第4566713号)、空港内の施設の名称や空港島の地名にもなっている。また、英語での正式名にも使用されている(日本初)ことから、航空交通管制における当空港の呼出名称にも使用されている。

国際空港評議会 (ACI) による年間利用者数500万から1,500万人の国際空港評価では2005年から4年連続の世界1位。2009年は4位、2010年は2位となったが、2011年からは2年連続の1位となった[3]

年間利用客数は、国内5,399,296人、国際4,503,058人(2014年度)[4]愛知万博開催に合わせて開港し、開港景気もあった2005年度の年間利用客数1,200万人超をピークに、2008年のリーマン・ショックに加え、2010年に日本航空が会社更生法の適用を受ける等の影響による路線縮小・撤退が相次ぎ、底となった2011年度は900万人を割っていたが、LCCの就航や訪日外国人旅客の大幅増により回復傾向にある。

2014年度の実績では開港当初の80%水準となる990万人まで回復した[5][6][7][8][9][10][11][12][13][4]

セントレア年度別旅客数
セントレア年度別旅客数

愛知県の貨物については、約3割が中部空港利用[14]である。

2007年8月の関西国際空港二期工事限定供用後は、成田国際空港および関西国際空港がそれぞれ滑走路2本となっているのに対し、中部国際空港は滑走路1本であり競争条件として不利であると中部国際空港株式会社や地元財界は考えており[15]二本目滑走路整備事業の実現を強く求めている。2015年初頭から、中国からの日本観光ブームも追い風となって、複数の路線を新設及び再開した中国東方航空中国南方航空などの他、春秋航空などの海外LCC航空会社の本格進出が始まり、日本の中部北陸9県の自治体、観光関係団体、観光事業者等が協働して国内外への広報活動を行っており、徐々に認知度を高める事に成功している三重県伊勢神宮や、岐阜県飛騨高山への南北観光ルートをイメージした中部北陸圏広域観光プロジェクト「昇竜道」構想具体化の時期が重なり、この年からヘルシンキ線を増便したフィンランド航空などの欧米線も含めて、中部空港から日本に入国する外国人入国者数は前年比30%程の急増が続いており、建設工事着工が延期されているLCCターミナルと併せて、第2滑走路建設の早期建設の必要性を指摘する業界団体は存在する[16][出典無効]

歴史

旧名古屋空港(現・名古屋飛行場)に替わる中部新国際空港の建設及びアクセス道路の整備、周辺部の開発についての反対運動が行われており、過去に建設された他の日本国内における大規模空港新規建設時と同様に、周辺・近隣住民および漁業関係者を中心に支持を得ていたとは言い難いが、後述の環境対策等により騒音・漁場問題も比較的良好に解決されており、現在では観光スポットにもなっている。

今後は中部国際空港を拠点として近々[いつ?]運航を開始する予定のエアアジア・ジャパン(2代目)を中心としてLCC航空会社への対応を中心として、航空機を沖止めする際の駐機スポットの増設など、空港施設面からの設備投資を進めている段階である。また、2009年から2014年度まで5期連続黒字を達成している。

国際的評価

2011年11月にはACI(国際空港評議会)が選ぶ『エクセレントエアポート(Director General's Roll of Excellence)』賞をシンガポール・チャンギ空港などと共に受賞。

2015年3月には航空業界の代表的格付機関であるスカイトラックス社が、世界の空港トップ100を決める「ワールドベストエアポート2015」賞を発表し、中部国際空港が世界7位に入賞した[17]。さらに同時に発表された「WORLD'S BEST REGIONAL AIRPORT」賞で世界第1位に輝いた[18]

今後の整備計画・構想

新旅客ターミナル建設

中国や台湾のLCC就航やエアアジアジャパンの就航など格安航空会社の需要拡大を受け、新ターミナルを建設する計画があることが分かった[19]。計画では、現在のターミナルビル南側に新ターミナルや駐機場を新設する。建設費は100億円超で、2017年〜2018年の開業を目指すとしている[20]

2016/3/31に2019年上期にLCC向け新ターミナルの開業を目指すと発表がありました。 2016年度には新ターミナルの整備規模、平面計画等の施設計画に着手。

ボーイング787ドリームライナー飛行試験機(ZA001号機)の屋内展示を核とした新たな複合商業施設の整備

セントレア南側地区整備事業

2013年1月、同年がセントレアの本格的なLCC元年となることが予想される情勢を鑑み、中部国際空港(株)社長の川上博は「利用者の選択肢が広がり、セントレアの利便性も高まる」と歓迎し、LCCの新規就航に対応するためLCC向けターミナルの建設構想を固めたことが報道された[21]。その後、同年3月29日に公式サイトにて「セントレア南側地区整備事業」と称した計画を正式に公表した[22]

建設予定地は国際線ターミナル南側にある駐車場付近で、国内線と国際線を一体運用が可能なターミナルを建設するとしていたほか、LCFが駐機する付近へのスポット増設や新ターミナル利用者向けの駐車場もあわせて整備するとしていた。また、この設備増設に伴い、既存のターミナルビルを「第1ターミナル」とし、新ターミナルを「第2ターミナル」とする模様でもあった。なお、「第2ターミナル」は主にLCC向けではあるが、LCC以外の航空会社も使用するものとしていた[23]。コスト削減を徹底する「トヨタ方式」で利便性の高い安価な構造のターミナルとする構想で、ボーディング・ブリッジを使用せずタラップを用いた搭乗・降機となる。同社にはすでに「ターミナル企画チーム」が発足しており、社長の川上は報道機関に対し「関空、成田の後のターミナルとなるので独自性を出す。ただ関空の良いところは取り入れたい」と説明している[24]

ターミナルが完成すれば、施設使用料の低減が図られることから、航空会社および旅客にとってもメリットが大きいとする論評もなされている[24]。LCC各社は、新ターミナルが完成するまでは既存のターミナルを使用する予定だが、早ければ2013年夏に着工し2014年後半からの運用開始を予定していた。また、この時点で国内線に就航していたLCCは2社ともに当空港を拠点空港のひとつとする方針でもあった。

駐機スポット 現状 整備内容 整備後
26スポット - 28スポット 大型機3機 新ターミナル搭乗スポットとして整備 小型機5機駐機可能
401スポット - 403スポット LCF積込対応(大型機・中型機用3スポット) 旅客機駐機用スポットとして整備 大型機・中型機3機または小型機4機駐機可能
501スポット - 503スポット 未設 LCF積込対応スポットとして、新規整備 主LCFの積込スポット&大型機・中型機3機または小型機5機駐機可能

※大型機 : B747/B777/A380/A340他、中型機 : B767/B757/B787/A330他、小型機 : B737/A320/ERJ170/CRJ700他。A380については2014年に定期便で受け入れた実績がある。

2代目エアアジア・ジャパンの動向

エアアジア・グループが2度目の日本進出における本拠地として中部国際空港を選んだ事は、セントレアが日本国内の大規模ハブ空港のひとつとしてさらに発展していく上で、その大きな可能性を引き出す出来事であると地元財界では受け止められている。2015年4月には2代目エアアジアジャパン準備会社により、中部国際空港勤務(それに加え会社の指定する空港)という条件で客室乗務員やグラウンドスタッフなどの各種新規職員採用活動が実施しており、2015年10月以降に入社予定であると発表されている。各種準備を整えた上で、中部空港を拠点として2016/4に運航開始予定。路線は新千歳、仙台、台北に就航し、機材はA320で2機で、2016年末までに6機体制にし、その後は1年に5機ずつ増機し、就航から3年で16機体制を目指す計画。今後の路線展開は、国際線と国内線の割合を5.5割:4.5割とし、国際線を重視する。A320の航続距離である片道4時間程度で、エアアジアグループが就航している都市を中心に検討していく。国内線では、北日本や福岡を結ぶ路線、国際線は中国、韓国、フィリピン、グアム、サイパンなどの路線を検討している。また2015年2月から運休しているエアアジアXのクアラルンプール線の再開も検討されている。2020年までに機材を20機程度とし1日120便超の運航を目指している。[25]

2015年5月2日には、エアアジアグループ系列ホテルの「チューンホテル」が中部国際空港と土地賃借予約契約を結んだと発表され、2代目エアアジア・ジャパンによる中部空港の拠点化計画が具体的に動き出した。日本でチューン・ホテルズ(レッドプラネットホテルズ)を展開する、レッドプラネットジャパンは、中部国際空港と土地貸借予約契約を結んだとの発表があった。ホテル建設予定地は現在はタクシー・プールになっている部分で、広さは890平方メートル。空港のメインターミナルに隣接する。約180室のホテルを建設する予定で、2016年5月に正式契約の後、同年6月にも着工し、2017年度(平成29年度)にオープン予定。

滑走路の増設構想

2本目の滑走路を整備する、具体的な滑走路延長などの仕様は未定であるが、増設される空港島の造成作業には名古屋港浚渫土を有効活用する案が提起されている。

中部国際空港(株)の構想によると、埋め立てにより空港島の面積を約200ha増加したうえで現在の滑走路から300m沖合に3,500mの並行滑走路を1本新設するとしており、事業費は約2,000億円を見込んでいるとされる[26]。また、2007年6月21日に発表された国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申 [27]では、「完全24時間化を検討」という間接的な表現ながら二本目滑走路整備事業の必要性が示された。

中部国際空港は関西国際空港建設の教訓[28]を反面教師として十分に無駄を省いて建設されたため、関西空港と比べると大幅に安い建設費で同規模の空港島及び施設を造成する事が出来た。そのため例え2本目の滑走路を造成したとしても後述の浚渫土の有効活用も考えればかなりの低予算で2期空港島を建設できるとの声もある[誰によって?]。さらにこの構想に関連する話題として、名古屋港には浚渫土の問題が長年にわたり存在する。現在の浚渫土砂処分場であるポートアイランド(名古屋港中央防波堤)は既に処理量の限界を超えており、処分地が決まらない土砂は現地に山を築いて仮置きをする「緊急対応」がなされているが、その高さは16mにも達しており、新規の処分場の確保が喫緊の課題となっている。しかし、近年の環境意識の高まりや景気後退などから、権利や利害の関係者を除いて、処分場に街をあげて前向きな場所は非常に限られており、中部国際空港の拡張に利用する案を第一候補として、管轄する地方整備局は諸条件が整うよう進めているとされる[29][30]。この一環として2014年4月14日に、埋立の影響を調査するため常滑港周辺で漁業影響調査が開始される[31]

年表

計画から開港まで

開港後

  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)
    • 3月25日: 全日空が広州線を開設。
    • 8月10日: 立体駐車場P1のA棟・B棟を新規供用開始。駐車スペースは1300台分拡張されて約5800台となり国内空港最大級の規模となる。
    • 11月14日スカイマークが2008年度を目途に中部国際空港への就航を発表。
    • 12月15日: 安政元年創業の愛知県を代表する和菓子店「美濃忠」がターミナルビル3階銘品館に出店。
  • 2008年(平成20年)
    • 2月16日: 工事のため、2007年11月から休業していた日帰り温泉施設「宮の湯」がリニューアル。同時に、「風(フー)の湯」に改称し営業再開。
    • 2月25日: ACI(国際空港評議会)監修による顧客サービスに関する国際空港評価「ASQ(Airport Service Quality)」の旅客数規模別(年間500万人-1500万人カテゴリー)にて顧客満足度(CS)3年連続世界NO.1空港に選出される。
    • 10月18日: 空港見学ツアーの参加者が10万人に到達。
    • 10月29日: 中部国際空港免税売店(Centrair Duty Free)に、化粧品ブランド「ジルスチュアート」がオープン、空港免税店としての出店は世界初。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月20日: 中部国際空港免税売店(Centrair Duty Free)Cosmetics&Fashionコーナーに「kate spade NEW YORK」がオープン。
    • 4月10日: 2F到着ロビーに、中国料理店「西安刀削麺」がオープン。
    • 10月28日中国東方航空が南京線を開設。
    • 12月21日: 開港5周年記念商品として空港護岸で採取した天然の海藻「アカモク」の商品化が決定、以後名産品となる。
  • 2010年(平成22年)
  • 2011年(平成23年)
    • 4月26日: ターミナルビル4階ちょうちん横丁「買い食い味めぐり」内に創業80年を誇る老舗「飛騨高山 喜八郎」がテイクアウト専門店を出店。
    • 6月6日: セントレア直営外貨両替店舗がインドネシアルピア・フィリピンペソ・マレーシアリンギット・ブラジルレアル・UAE ディルハムの5通貨の取扱いを新たに追加し、取扱い通貨は合計で21通貨となる。
    • 7月1日アイベックスエアラインズが仙台、大分線を開設、CRJ700型機で当空港初のエプロン歩行搭乗と小型ジェット着陸料割引措置を実施。
    • 7月10日: 愛知県で主翼を生産しているボーイング787(ドリームライナー)が、「里帰り」記念の初飛来。さらに主翼を米国まで輸送しているB747LCF「ドリームリフター(Dreamlifter)」も、ドリームライナーのお披露目に合わせて同時飛来。
    • 11月10日: ACI(国際空港評議会)が選ぶ『エクセレントエアポート(Director General's Roll of Excellence)』賞をシンガポール・チャンギ空港などと共に受賞。
  • 2012年(平成24年)
    • 1月23日国土交通省中部運輸局及び、国土交通省北陸信越運輸局が主導し、中部北陸9県関連団体が共同参加する中華圏からの観光客誘致を狙った「昇龍道」プロジェクト共同記者会見を開催[36]その後の地道な広報活動により、プロジェクトの知名度を向上させる事に成功した。[要出典]2015年には海外からのインバウンドを推進するために、観光庁が全国で7つの主要観光ルートを選定した際に、中部地方からは伊勢神宮や世界遺産白川郷及び飛騨高山を含むこの「昇龍道」プロジェクトが選抜され、国から正式に認定[37]された。
    • 3月23日: チェジュ航空がソウル/仁川線を開設。
    • 8月14日: 開港以来の総来港者数が1億人を突破する。
    • 9月10日: セントレア旅客ターミナルビル及びアクセスプラザにおいて、無料Wi-Fiサービスを利用できるエリアが大幅に拡大される。新たにターミナルビル1階ウエルカムガーデン・2階到着エリア(国際、国内)・4階スカイタウンで無料Wi-Fiサービスを利用可能となる。
    • 10月1日名鉄バスによる中部空港と名古屋市内中心部(錦通り本町経由栄・伏見地区)のホテルを結ぶ直行リムジンバスが3ヶ月間試験運行される。
  • 2013年(平成25年)
    広告として設置された忍者のマネキン
    • 3月31日ジェットスター・ジャパンが札幌/新千歳、福岡、鹿児島の3路線を相次いで開設。ジェットスタージャパンは成田国際空港、関西国際空港に次ぐ第三のハブ空港として中部国際空港を位置づけている。
    • 4月22日ポーラーエアカーゴが上海/浦東線、シンシナティ線を開設[38]
    • 5月23日 - 10月30日: 三重県観光キャンペーンの広告の一環として、マネキン人形による伊賀流忍者が出発ロビー各所に設置。
    • 7月17日: ジェットスター・ジャパンが東京/成田線を運休。
    • 8月28日: 全日空が貨物専用機による成田-中部-沖縄/那覇線を開設。
    • 8月30日常滑市側埋立地に中部地区初のコストコでもある「コストコホールセール中部空港倉庫店」が開店。愛知県企業庁が造成を進める中部臨空都市の開発が本格化。
    • 8月31日: 旧 エアアジア・ジャパン(現・バニラ・エア)が一時的に撤退。
    • 11月1日JTBにより、国際拠点空港では日本初となる旅行会社による単独運営ラウンジがオープンする。(ルックJTB対象商品利用者に対して飲食サービスとして各種ドリンクや軽食類の提供、ビジネスサービスとして有線・無線LANサービスなどを提供している)
    • 12月18日スターフライヤーが2014年3月30日から中部国際空港へ進出すると発表。福岡線を1日3往復で運航。
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年)

空港島及び埋立地における施設

中部国際空港

空港の設置・運営は政府指定の特殊会社である「中部国際空港株式会社」 (Central Japan International Airport Co., Ltd., CJIAC) が行う。着工に入る前頃まで、「中部地域の新しい国際空港」の意味を込めて「中部新国際空港」と呼ばれていたこともあった。日本で初めて民間の主導で開発された。国内海上空港の先駆けである関空建設後に問題となった、空港島沈下の問題や建設費の高騰などの教訓を存分に考慮し、後発の強みを全面的に活かして建設された。現ターミナル南側付近にLCC向けの第二ターミナルの建設を予定している。現在の計画では2020年東京オリンピックまでの開業を予定されており、国内では成田国際空港及び関西国際空港に続き、日本三大都市圏の国際拠点空港すべてにLCC向けターミナルが整備される事となり、急増を続ける訪日外国人への受け入れ態勢を整える。

埋立地の面積は、5.80km2(南北4.3km、東西1.9km)、うち空港部分4.73km2。残り1.07km2愛知県企業庁が地域開発用地として、常滑対岸部の1.30km2とともに造成した「中部臨空都市りんくう常滑駅を含む)」である。

中部国際空港開港以来、前島と呼ばれる常滑市側の新規埋め立て地区は空き地が目立ったが、2013年8月に外資系大規模会員スーパーのコストコが進出したほか、2015年冬のオープンを目指して大規模小売店舗のイオンがりんくう常滑地区に大規模イオンモール(敷地面積は約20万2000m2、延床面積約8万9700m2、総賃貸面積約6万5000m2、店舗数は約200店を計画)の建設を発表している。長らくその開発方法が論議されてきた常滑市側埋立地は、2013年頃から本格的な開発ラッシュを迎えており、2015年末にも予定されている大規模イオンモール「りんくう常滑店」完成の際には免税店なども整備する予定であり、休日には買い物客で溢れかえっているコストコ(中部空港倉庫店)と共に「中部臨空都市」の発展の中心軸となるといわれている[誰によって?]。2015年下半期にはりんくう常滑地区へのイオンモールのオープンが実現し、外国人旅行者向けの免税店舗なども充実し、空港島地区ではLCCターミナルの建設決定や、深夜に発着するLCC航空路線の増加により名古屋駅前と結ぶ深夜バス運行開始などが決まり、空港周辺自治体と共に中部地方の空の玄関口としてさらなる発展が期待されている。

飛行場施設

  • 運用時間 : 24時間 / 利用時間 : 24時間
  • 滑走路 : 3,500m×60m
  • 誘導路 : 延長約10.2km 幅30m
  • エプロン : 約80ha 58スポット(増設工事が進行中)
  •  ボーイング社特殊貨物施設:787型機主翼などシアトルへ貨物輸送する大型航空機主要部位を保管・管理する専用施設「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)
  •  国土交通省航空局(JCAB)飛行検査センター:セスナ社製サイテーションCJ4機が常駐しており、全国の空港への各種検査を担当。2014年にそれまでの拠点であった東京国際空港(羽田空港)より中部国際空港貨物地区に移転し、発足した。

管制塔

国内初の[要出典]円形の管制塔ターミナルビルの北東に位置する。滑走路端まで見渡せる高さということから計算され、高さ86.75m(鉄筋5階建)となった。2009年時点で国内では東京国際空港、成田国際空港に次ぐ高さ。

また、中部国際空港における航空管制は、関西国際空港と同様に広域航空管制を実施している。

これは、中部発着の航空機のみならず、名古屋飛行場(愛知県西春日井郡豊山町他)・航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)・同浜松基地静岡県浜松市)・陸上自衛隊明野駐屯地(三重県伊勢市他)などの進入・出発機のターミナルレーダー管制業務を行っている。

従来、航空路管制とトラフィック調整して飛行高度を許可する必要があったが、中部管制にて12,000ftまでは、航空機に対して上昇許可が与えられるようになっている。

管制塔内には、最新のデジタル機器や液晶ディスプレイの導入を行い、従来よりも多彩な情報を提供できるようになったとともに、IFR室にあっては、レーダー画面に液晶ディスプレイを導入したことにより照明を落とさなくて済むようになっている。

旅客施設

中部国際空港ターミナルビルの概略配置図
  • 延べ床面積:約22万m²(南北約1,030m×東西約500m)
    センターピアをはさんで北ウイング(国内線)、南ウイング(国際線)が配置された折り鶴をイメージしたT字形の構成であり、旅客の移動距離の短さが特長である。到着は2階部分、出発は3階部分にまとめられている他、チェックインカウンターから搭乗ゲートまでおよそ300mと近い。T字型形状に合わせたスポット配置は、計画時に航空関係者を含めて検討を行い、入隅部の機材運用に若干の制約がある。2015年から国際線施設を南側へ拡大するため沖止めスポット増設工事が行われている。2016年末に完成予定。
  • 一般貨物専用地区:国内線ターミナルの北側に一般貨物専用地区があり、国際線ターミナルの南には愛知県で製造されたB787の主翼などを米国本土まで定期輸送しているB747LCF(ドリームリフター)専用施設「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)及び大型貨物機用スポットが整備されている。
  • 国際線施設は総2階建旅客機A380-800にも対応しており、2014年夏季スケジュールにおいて、シンガポール航空保有A380型機により定期国際便が運航された。
  • インラインシステム(In-Line System)
    保安検査は、チェックイン後の手荷物の搬送、仕分けの過程で検査を行うインライン方式を採用している。通常行われる検査方式では、チェックイン前の手荷物検査で検査場が混雑し、行列が出来てしまい、[要出典]出発時刻よりかなり早く空港に来る必要があった。インライン方式にすることで、旅客ターミナルビルをコンパクトにすることが出来、乗客は搭乗までの時間を食事や両替など、旅の準備に使うことができる。イギリスなどで行われている多段階の検査方式と同様なものである。
    ターミナルビル1階には、甲冑などが展示されている戦国武将資料館の他、コンビニ常滑郵便局セントレア分室[47]が置かれている。
  • センターピアガーデン : 木々が立ち並び、ガラス窓の天井から光が差し込む吹き抜けの全天候型の庭園。突き当りの内部空間はレストランになっている。
  • 展望デッキ: 滑走路に向けて大きく突き出した全長300mの屋外展望デッキ「スカイデッキ」が設けられている。ワイヤー方式を採用した日本初の空港である。
  • 冬期イルミネーション:毎年冬期には展望デッキにて趣向を凝らした大規模なイルミネーションが開催され、好評を博している。2014年冬期にはディズニー社が全面協力した「ディズニープリンセス/ドリームイルミネーションin 10th Anniversary セントレア」が開催され、多くの観光客が訪れた。夜間の離着陸時には旅客機内から夜景として眺める事も出来る。

商業施設

レンガ通り、天使が3体・猫が2体設置されている
ちょうちん横丁、天神様が1体安置されている

総店舗面積、10,600m²。他の空港では小規模な店舗が点在するのに対して、まるは食堂矢場とん、えびせんべいの里など100店舗以上の地元や東西の有名店、レストランが集合している。[48]ショッピング街としてスカイタウンには、開放的なヨーロッパ調の街並みの「レンガ通り」と、照明を落として古い日本の商店街の雰囲気を作り出している「ちょうちん横丁」があり、2012年度に開港以来となる商業店舗の新規出店、改装(約2割の規模)をした。[48]国際線出発ロビーにある免税店街には、国内最大級の免税店も存在する。 ショッピング街の中にはユニクロも営業しているため、海外旅行に出発する前に必用な衣料品を揃える事も出来る。

スカイタウン

4Fスカイタウンにある「くつろぎ処」では、日本の空港初の展望風呂「風(フー)の湯」(2008年2月16日のリニューアル再オープンで「宮の湯」から改称された)があり、浴場内や屋外の休息場所から滑走路および離着陸する飛行機を眺めることができる。[49]また「くつろぎ処」内にはリフレッシュサロン「グランラフィネ」やお食事処は「風々茶屋」が設置される。なお「くつろぎ処」のリニューアルは、2007年11月1日より2008年2月15日まで行われ、展望風呂の経営者が替わったほか、内容の充実が図られた。[50]

周辺行楽地と合わせ、セントレア見学のバスツアーなども催行されており、知多半島名物「えびせんべいの里」もスカイタウン内に支店を出店している。 スカイタウンにはイベント開催のためのスペースが用意されており、開港以来様々なイベントに活用されている。2015年春には開港10周年記念としてタレントのイモトアヤコによるスペシャルトークショーが開催され、特別会場となったスカイタウンは大盛況であった。

エアブロイ

セントレアはドイツバイエルン州にあるミュンヘン国際空港と姉妹空港提携をおこなっている。このミュンヘン空港内のレストラン「エアブロイ」で醸造されたビールルフトハンザ・カーゴで空輸し、セントレア内のレストランで期間限定販売している。

ドイツにはビールにコーンスターチ等の添加を禁止するビール純粋令という法律があった(現在は無効)。この法律に基づいて醸造されたビールを鮮度の高い状態で空輸している。製造から5日以内のビールをセントレアでは出しており、2006年は3万杯飲まれた[51]

この企画が好評を博したため、その後も毎年夏期を中心に継続して行われており、2010年も7月10日から8月31日までの間、レストランクイーンアリスアクアでラガービールの『フリーガークエル』と白ビール(ヴァイツェンビール)の『クムラス』の2種類を販売している[52]

イベント施設

センターピアガーデン

ターミナルビル1階、センターピアガーデンの先端に、結婚式が可能なスペース、施設が設けられており、週末を中心に挙式が行われている。披露宴は、3階の展望レストラン「クイーン・アリス」ブランドの「アリスダイニング(クイーン・アリス&歌舞伎)」で行われるのが一般的であり、参列者の参集から、挙式、披露宴、新婚旅行への旅立ちが、空港内だけで完結する。[53]

4階のイベントプラザ、1階のセントレアギャラリー、別館のセントレアホール等で各種展示会やショー、ミニコンサートなどのイベントが開催されている。オフィス棟の第2セントレアビルには、国際シンポジウム、セミナー、株主総会、室内楽、展示会、発表会、懇親会など、多目的に利用できる会議ホール「セントレアホール」が設けられている。

イベントプラザで有名人のトークショーなどを行う事も多い。開港10周年記念イベントではタレントのイモトアヤコがゲストとして登場し、立ち見客も出るほどの大盛況であった。

アクセスプラザ

ターミナルビル東側には、交通アクセスを集約した「アクセスプラザ」がある。アクセスプラザには名鉄空港線中部国際空港駅出入口と総合案内所(英語を含む3言語(英・中・韓)で対応可能な国際基準カテゴリー3の外国人観光案内所の認定取得済)、外貨両替(トラベレックス)及びATMコンビニエンスストアファミリーマート)などが完備されており、地上階のバス乗車場・高速船のりば・自動車駐車場タクシーのりばが、ターミナルビルおよびホテルへのアクセスが便利なようにまとめられている。ただし、路線バス貸切バスおよびタクシーでの空港到着時の降車場はアクセスプラザではなくターミナルビル本館1階にある。アクセスプラザからは出発・到着ロビーのある2階・3階へ段差なしで移動できる。

国内線及び国際線到着後、緩やかなスロープを上がるとアクセスプラザに到達する構造となっており、セントレアホテルとも直結している。

2012年5月には常滑市の観光案内所と常滑競艇場場外発売所を備えた「オラレセントレア」が開業した。

マスコットキャラクター

空港のオリジナルキャラクターとしてアランジアロンゾがデザイン[54]した「セントレアフレンズ」が設定されている[55]

当初は「なぞの旅人フー」「なぞの荷物持ち」「なぞのトリ」が発表され、2005年1月17日にどうぶつたち(いぬくん、ねこちゃん、かもめちゃん)、くもくんたち(クラウズ)(くもくん、くろくもくん)、ひこーきなかま(プレインズ)(ひこーきくん、ジェットくん)が追加発表された[56]。なお「なぞの旅人フー」は開港前の2003年10月に名前が一般公募され決まった。

衣類、玩具、お土産品、お菓子等セントレアフレンズのキャラクターグッズも多く販売されているほか、フーを中心にしたダンスやイベントが開催されるなど多方面に展開している。

拠点がある機関

貨物施設

荷役中のボーイング747-400LCF型

旅客ターミナルビルに隣接して、貨物ターミナルが設置される。国内線・国際線共用であり、トラック待機場の設置などリードタイムの短縮を図るとともに、保税地域の適用による税関手続きの簡素化を目指す。貨物路線としてはエア・ホンコンや全日空などが定期貨物路線を運航している。北米に本拠地を置くアトラス航空が、愛知県で製造されるボーイング787の主翼を米国・シアトルまで輸送するため、日本国内ではここでしか見ることができず、全世界に4機しか存在しないボーイング747-400LCFを使用して運航を行っている。

このほか、日本の海上空港で唯一の施設として大型貨物の荷役が可能な港湾施設「常滑港 空港地区」があり、空港との連携が図られている[57]。この設備の活用例として、愛知県内で製造され海上輸送したボーイング787の大型部品をアメリカの工場へ空輸するボーイング747-400LCF輸送機に積み替えている。このドリームリフター用特別貨物施設を利用する事で、他の日本の空港よりも特殊大型貨物機の受け入れ態勢に特化しているため、ヴォルガ・ドニエプル航空An-124を使ったチャーター便でセントレアに頻繁に飛来している。同社は中部国際空港の特殊貨物機用施設の充実を高く評価している。これらの特殊貨物運輸の為に飛来するAn-124はボーイング747-400LCFと並んで中部空港の名物機となっている。

日本の運輸業者としては2014年に鴻池運輸が、中部空港を起点とした中京地区の物流ネットワークの充実を図るため、愛知県大府市に「大府配送センター」を開設した。同施設は中部空港からから約25km(約30分)と交通アクセスの良い場所に所在するため、新たな中京地区の物流の拠点として対応が可能だという。中部空港より輸入された外国貨物のまま取り扱える保税蔵置場の認定を受ける予定で、KONOIKEグループの海外ネットワークとの連携により、海外からの製品輸入、通関、保管、加工、国内配送までワンストップでサポートする。

ホテルや併設施設

空港島内にはセントレアホテルコンフォートホテル中部国際空港東横INN中部国際空港がある。セントレアホテルは当初、別の企業が進出する予定であったが2003年に辞退したため、名古屋鉄道が進出した[要出典]

同時に造成された中部臨空都市にはりんくう常滑駅前に「Jホテルりんくう」(2棟)がある。

他に空港島内にはコンビニ(ファミリーマートセントレア店)があり、年中無休24時間営業している他、商船三井ロジスティクス名古屋支店中部国際空港営業所などが所在している。

駐車施設は24時間営業、収容能力は5800台。さらに年末年始など繁盛期のみ開場する臨時駐車場(国際線ウィングから南方向に開設)や電気自動車(EV)およびプラグイン・ハイブリッド車(PHV)用充電スタンドも完備している。[58]観光バス専用駐車場もターミナルビル近くに整備されている。[59]

ターミナルビルには遠州鉄道が運航を行っている浜松駅バスターミナル及び掛川インター駐車場からの空港直行バス「e-wing」中部国際空港線も乗り入れる。その他の地域からの定期バス・観光バスなども、旅客ターミナルビル1階に到着する。ターミナルビル1階にはコンビニも営業している他、「中部武将館・SAMURAI LAB」という戦国武将紹介施設も併設しており甲冑などを展示している。

天候・環境

新規に建設する空港島が周囲の海流に与える影響を小さくするため、空港島は専門家の意見を取り入れた上で伊勢湾の海流に与える影響を最小限とする形で設計され造成された。 空港島建設時には周辺の漁業に対する配慮の為、魚を棲み処となる漁礁が投入されたが、これが功を奏し造成から数年後には空港島周辺に投入されたテトラ・ブロックなども含めて空港島自体が巨大な漁礁として機能するようになったため、常滑市沖では空港建設以前より魚がよく釣れるようになったといわれている[要出典]

国土交通省交通政策審議会の資料によると、就航率は97.9%で全国86空港中44位である[60]

開港5周年を迎えた2010年3月からは、藻場を整備して建設された空港島に繁殖し、大量に生息するようになった海藻アカモクを加工し、名産品「天然あかもく セントレアの恵み」と銘打ち、中部空港内の店舗や地元地域の小売店で販売しており、思わぬ形で生まれた中部空港名物として定着している。

環境対策

騒音対策として空港を海上に建設することにより、市街地への航空機騒音を低減した。なお、離着陸時の騒音は市街地では騒音基準を下回るようになっている。

海流への配慮として、人工島である空港島によって伊勢湾を南下する海流を阻害しないように、空港島の平面形状をDの字のような形状としている。これにより対岸との最小海域幅を確保し、滞流を予防している。また直線部分についても、角を丸めることにより渦の発生を防止している。当初の狙い通り、空港島の周りに投入された大量のテトラポットが漁礁として機能したため、以前は常滑沖で釣れなかった魚介類も徐々に繁殖した事で、中部空港沖は新たな沖釣りポイントとして知られるようになった。

拠点・焦点都市としている航空会社

1社が当空港をハブ空港(拠点都市)としているほか2社が焦点空港(焦点都市)として運航している。

就航路線

国際線は40都市 351便/週、国内線は18都市 80便/日(最大)、貨物専用便は7都市 28便/週が就航している。(2016年夏ダイヤ)

国内線

日本航空や全日空などの大手航空会社及びLCCが国内にある主要空港との間で定期路線を運航している。国際線からの乗り換えに特化した機能的な構造のターミナルである。札幌(新千歳空港)・福岡(福岡空港)・沖縄(那覇空港)などの高需要路線は、安定して高い搭乗率を維持できるため、複数の航空会社が高頻度で運航している。東京の羽田空港及び成田空港への便もある。国内線利用客に対しては空港施設利用料が課されている。かつては航空会社が(航空運賃に含む体で)支払っていたが、2005年4月1日からは各利用者が1回あたり310円を、航空券購入時に上乗せして支払うことになった。この方式での利用料徴収は、国内では東京国際空港(羽田空港)についで2例目である。

航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)

※ 上記の記号は右記のとおり。SA : スターアライアンス、OW : ワンワールド

※ 語末の★は、格安航空会社 (LCC)

航空会社就航地
日本航空(JAL)(OW) たんちょう釧路空港(8月季節便)、とかち帯広空港(8月季節便)、新千歳空港東京国際空港(羽田空港)成田国際空港
日本トランスオーシャン航空(JTA)(OW) 那覇空港
ジェットスター・ジャパン(JJP)★・日本航空(JAL)(OW) 新千歳空港、福岡空港鹿児島空港、那覇空港
全日本空輸(ANA)(SA) 女満別空港旭川空港、新千歳空港、秋田空港仙台空港、東京国際空港(羽田空港)、成田国際空港、新潟空港松山空港、福岡空港、長崎空港阿蘇くまもと空港宮崎空港、鹿児島空港、那覇空港、新石垣空港
AIRDO(ADO)・全日本空輸(ANA)(SA) 新千歳空港、函館空港
スターフライヤー(SFJ)・全日本空輸(ANA)(SA) 福岡空港
ソラシドエア(SNJ)・全日本空輸(ANA)(SA) 那覇空港
アイベックスエアラインズ(IBX)・全日本空輸(ANA)(SA) 仙台空港、福岡空港、大分空港、宮崎空港
スカイマーク(SKY) 新千歳空港、那覇空港
エアアジア・ジャパン 新千歳空港(2016年夏運航開始予定)、仙台空港(2016年夏運航開始予定)

統計

(中部国際空港発)就航路線別旅客数/順位[61]
行き先 旅客数 国内線順位
新千歳空港 約122万人 上位15位
那覇空港 約 96万人 上位25位
福岡空港 約 79万人 上位36位

国際線

日本航空は東アジア・東南アジア及びハワイホノルル線を自社運航。全日空は香港など中国路線を中心に定期運航している。

また日本政府とのオープンスカイ協定に基づく以遠権を利用してユナイテッド航空デルタ航空が中部国際空港発着ミシガン州デトロイト線やグアム線・ホノルル線などの定期国際路線を開設している。

海外航空会社運航路線は中国大陸各地への定期便が特に充実している。特に中国東方航空中国南方航空が中国地方都市路線を増設傾向にある。シンガポール航空タイ国際航空が東南アジアの主要都市間への定期便を運航している。

2015年6月からは中国大手LCC春秋航空も本格的に乗り入れ開始し、上海浦東国際空港線を開設する他、日本から初の定期国際便となる内モンゴル自治区フフホト線及び石家庄線や合肥線など計9路線を開設し、中国地方都市からの直行便増加による中部北陸地方の関係機間が協働する中華圏向け「昇龍道」プロジェクトへの訪日観光客数増加が期待されている。

エティハド航空によるアラブ首長国連邦アブダビ線を利用して中東やアフリカ大陸各地へ乗り継ぐ事も可能である。

北米大陸線はデルタ航空アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトへ直行便を運航しており、欧州線はルフトハンザドイツ航空ドイツフランクフルトへ毎日直行便を運航し、北欧へはフィンエアーフィンランドヘルシンキへ毎日直行便を運航している。(2015年夏ダイヤ) 国際線出発にかかる旅客施設使用料は2,570円

※ 上記の記号は右記のとおり。SA : スターアライアンス、OW : ワンワールド、ST : スカイチーム

※ 語末の★は、格安航空会社(LCC)

航空会社就航地
日本の旗 日本航空(JL)(OW) 上海浦東国際空港上海)、天津浜海国際空港天津)、台湾桃園国際空港台北)、ホノルル国際空港ホノルル)、スワンナプーム国際空港バンコク
日本の旗 全日本空輸(NH)(SA) 上海浦東国際空港(上海)、香港国際空港香港
日本の旗 ジェットスター・ジャパン(GK)★ 台湾桃園国際空港(台北)、ニノイ・アキノ国際空港マニラ
日本の旗 エアアジア・ジャパン(DJ)★ 台湾桃園国際空港(台北)(2016年夏運航開始予定)
中華人民共和国の旗 中国国際航空(CA)(SA) 北京首都国際空港北京)、上海浦東国際空港(上海)
中華人民共和国の旗 中国東方航空(MU)(ST) 北京首都国際空港(北京)(青島経由)、上海浦東国際空港(上海)、青島流亭国際空港青島)、西安咸陽国際空港西安)(上海/浦東経由)、武漢天河国際空港武漢)(上海/浦東経由)、長沙黄花国際空港長沙)、昆明国際空港昆明)(長沙経由)、煙台蓬莱国際空港煙台)、太原武宿国際空港太原)(煙台経由)
中華人民共和国の旗 中国南方航空(CZ)(ST) 上海浦東国際空港(上海)、広州白雲国際空港広州)(上海/浦東経由)、瀋陽桃仙国際空港瀋陽)、大連周水子国際空港大連)、長春龍嘉国際空港長春)、武漢天河国際空港(武漢)、鄭州新鄭国際空港鄭州
中華人民共和国の旗 春秋航空(9C)★ 合肥新橋国際空港(合肥)、ハルビン太平国際空港ハルビン)、上海浦東国際空港(上海)、石家荘正定国際空港石家荘)、フフホト白塔国際空港フフホト)(石家荘経由)、常州奔牛空港常州)、銀川河東国際空港銀川)(常州経由)、貴陽龍洞堡国際空港貴陽)、寧波櫟社国際空港寧波
中華人民共和国の旗 雲南祥鵬航空(8L)★ 長沙黄花国際空港(長沙)、昆明国際空港(昆明)(長沙経由)、徐州観音空港徐州
中華人民共和国の旗 吉祥航空(HO) 上海浦東国際空港(上海)、福州長楽国際空港福州)(上海/浦東経由)
中華人民共和国の旗 深圳航空(ZH)(SA) 南通興東空港南通
中華人民共和国の旗 四川航空(3U) 済南遥墻国際空港済南)(2016年5月より就航開始予定)、成都双流国際空港成都)(済南経由)(2016年5月より就航開始予定)
香港の旗 キャセイパシフィック航空(CX)(OW) 香港国際空港(香港)、台湾桃園国際空港(台北)
香港の旗 香港エクスプレス航空(UO)★ 香港国際空港(香港)
大韓民国の旗 大韓航空(KE)(ST) 仁川国際空港ソウル)、金海国際空港釜山
大韓民国の旗 アシアナ航空(OZ)(SA) 仁川国際空港(ソウル)
大韓民国の旗 チェジュ航空(7C)★ 仁川国際空港(ソウル)
中華民国の旗 チャイナエアライン(CI)(ST) 台湾桃園国際空港(台北)、台中空港(台中)
中華民国の旗 V エア(ZV)★ 台湾桃園国際空港(台北)
中華民国の旗 タイガーエア台湾(IT)★ 台湾桃園国際空港(台北)
フィリピンの旗 フィリピン航空(PR) ニノイ・アキノ国際空港(マニラ)、マクタン・セブ国際空港セブ
フィリピンの旗 セブパシフィック航空(5J)★ ニノイ・アキノ国際空港(マニラ)
ベトナムの旗 ベトナム航空(VN)(ST) ノイバイ国際空港ハノイ)、タンソンニャット国際空港ホーチミンシティ
タイ王国の旗 タイ国際航空(TG)(SA) スワンナプーム国際空港(バンコク)
シンガポールの旗 シンガポール航空(SQ)(SA) シンガポール・チャンギ国際空港シンガポール
ドイツの旗 ルフトハンザドイツ航空(LH)(SA) フランクフルト空港フランクフルト
フィンランドの旗 フィンランド航空(AY)(OW) ヘルシンキ・ヴァンター国際空港ヘルシンキ
アラブ首長国連邦の旗 エティハド航空(EY) アブダビ国際空港アブダビ)(北京経由)、北京首都国際空港(北京)
アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド航空(UA)(SA) グアム国際空港グアム
アメリカ合衆国の旗 デルタ航空(DL)(ST) ホノルル国際空港(ホノルル)、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港デトロイト

貨物便

国際物流大手のDHLエクスプレスポーラーエアカーゴの日本における貨物拠点空港として、DHLの物流拠点である米国・シンシナティへの貨物便や、上海への定期貨物路線を運航している他、アジア各地への国際貨物便を増加させるため、仁川国際空港を経由して輸出入ができるセントレア・コネクションINCなどの国際貨物促進制度を導入している。また特徴的といえるのが、ボーイング787の製造関連業務のためアメリカと中京地区の間を頻繁に往復飛行している特別改造機ボーイング747LCF(ドリームリフター)の存在が挙げられる。747LCFはセントレアの名物機ともいえる貨物機で航空専門雑誌にも当空港展望デッキより撮影された写真が頻繁に掲載されており、主に愛知県で製造されたB787型機の主翼をシアトルまで運搬している。

利用促進のための施策「フライ・セントレア・カーゴ」がとられている。

航空会社就航地
日本の旗 ANAカーゴ(NH) 那覇空港(沖縄)、成田国際空港(東京)(到着便)
大韓民国の旗 アシアナ航空カーゴ(OZ) 仁川国際空港(ソウル)
香港の旗 エア・ホンコン(LD) 香港国際空港(香港)
アメリカ合衆国の旗 ポーラーエアカーゴ(PO) 仁川国際空港(ソウル)、台湾桃園国際空港(台北)、上海浦東国際空港(上海)、シンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港(シンシナティ)、成田国際空港(東京)(到着便)

ボーイング787用大型部品運搬定期便:ボーイング747LCF(中部空港 - ワシントン州シアトル・エバレット)

定期チャーター便:アントノフ社製大型貨物機An-124(ロシア連邦ウリヤノフスク・ヴォストーチヌイ空港を拠点とするヴォルガ・ドニエプル航空が国際チャーター貨物便として運航)

2015年前半にはエティハド航空カーゴやカタール航空カーゴなど大型貨物チャーター機が集中的に飛来するなど、南米諸国・中東各地や東ヨーロッパ(主にウクライナ)・ロシアなどに籍を置く航空会社の臨時大型貨物チャーター機の発着数が増加傾向にある。中部地方の航空需要に関しては、かつてヴァリグ・ブラジル航空が就航していた事に象徴されるように、トヨタ自動車工業などの自動車製造業に従事し東海3県に集住する中南米出身者や、中古車卸売業などに従事するロシア人も多く在住するなど、関東地方や関西地方とは異なる独特の外国人在住者構成との関連が指摘されている[誰によって?]

就航都市

国内線


現在、県営名古屋空港(小牧空港)を拠点として国内諸都市へのリージョナル9路線(出雲線、北九州線、青森線、いわて花巻線など小牧空港限定の就航地を含む)を運航し、名古屋都市圏を発着する国内線需要を補完しているFDAは、新たな機材を受領する2016年をめどに中部国際空港に新規就航する計画を発表しており、初の中部空港発着路線として、東京/成田線などが候補として挙げられている。

国際線

今後の運航計画

就航開始・運航再開予定
増減便・運休予定


撤退・休廃止の航空会社・目的地

国内線

航空会社就航地
日本航空 (JAL) 青森空港いわて花巻空港、福岡空港、那覇空港
JALエクスプレス (JEX) 仙台空港、長崎空港、阿蘇くまもと空港、鹿児島空港
日本トランスオーシャン航空 (JTA) 石垣空港
全日本空輸 (ANA) 稚内空港函館空港福島空港鳥取空港米子鬼太郎空港徳島阿波おどり空港
スカイマーク (SKY) 東京国際空港(羽田空港)、茨城空港
ジェットスター・ジャパン (JJP) 成田国際空港、阿蘇くまもと空港
エアアジア・ジャパン (WAJ) 新千歳空港、福岡空港

国際線

航空会社就航地
日本の旗 日本航空 (JL) 成田国際空港(東京)、仁川国際空港(ソウル)、金海国際空港(釜山)、北京首都国際空港(北京)、広州白雲国際空港(広州)、ニノイ・アキノ国際空港(マニラ)、グアム国際空港(グアム)、シャルル・ド・ゴール国際空港(パリ)
日本の旗 全日本空輸 (NH) 仁川国際空港(ソウル)、広州白雲国際空港(広州)、天津浜海国際空港(天津)、台湾桃園国際空港(台北)
日本の旗 エアアジア・ジャパン (JW) 仁川国際空港(ソウル)
大韓民国の旗 大韓航空 (KE) 済州国際空港(済州)
大韓民国の旗 チェジュ航空 (7C) 金浦国際空港(ソウル)
中華人民共和国の旗 中国東方航空 (MU) 南京禄口国際空港(南京)
中華人民共和国の旗 中国南方航空 (CZ) 深圳宝安国際空港(深圳 (上海浦東国際空港経由))
中華民国の旗 チャイナエアライン (CI) 高雄国際空港(高雄)
中華民国の旗 エバー航空 (BR) 台湾桃園国際空港(台北)
マレーシアの旗 マレーシア航空 (MH) クアラルンプール国際空港(クアラルンプール)
マレーシアの旗 エアアジア X (D7) クアラルンプール国際空港(クアラルンプール)
インドネシアの旗 ガルーダ・インドネシア航空 (GA) ングラ・ライ国際空港(デンパサール)
アラブ首長国連邦の旗 エミレーツ航空 (EK) ドバイ国際空港(ドバイ)
アメリカ合衆国の旗 コンチネンタル航空 (CO) グアム国際空港(グアム)
アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド航空 (UA) サンフランシスコ国際空港(サンフランシスコ)、台湾桃園国際空港(台北)
アメリカ合衆国の旗 デルタ航空 (DL) 成田国際空港(東京)、サイパン国際空港(サイパン)、ニノイ・アキノ国際空港(マニラ)、グアム国際空港 (グアム)
北マリアナ諸島の旗 フライ・ミクロネシア (5K) サイパン国際空港(サイパン)
グアムの旗 コンチネンタル・ミクロネシア航空 (CS) ホノルル国際空港(ホノルル)、グアム国際空港(グアム)
カナダの旗 エア・カナダ (AC) バンクーバー国際空港(バンクーバー)、トロント・ピアソン国際空港(トロント)
オーストラリアの旗 オーストラリア航空 (AO) ケアンズ国際空港(ケアンズ)
オーストラリアの旗 カンタス航空 (QF) ケアンズ国際空港(ケアンズ)
オーストラリアの旗 ジェットスター航空 (JQ) ケアンズ国際空港(ケアンズ)
ニュージーランドの旗 ニュージーランド航空 (NZ) オークランド国際空港(オークランド)、クライストチャーチ国際空港(クライストチャーチ)

貨物便

航空会社就航地
日本の旗 JALカーゴ (JL) 成田国際空港(東京)、仁川国際空港(ソウル)、天津浜海国際空港(天津)、香港国際空港(香港)、台湾桃園国際空港(台北)、スワンナプーム国際空港(バンコク)、ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)、ロサンゼルス国際空港(ロサンゼルス)、シカゴ・オヘア国際空港(シカゴ)、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(アトランタ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)
日本の旗 ANA&JPエクスプレス (9N) 成田国際空港(東京)、有明佐賀空港(佐賀)、仁川国際空港(ソウル)、大連周水子国際空港(大連)、青島流亭国際空港(青島)、廈門高崎国際空港(廈門)、天津浜海国際空港(天津)、香港国際空港(香港)、台湾桃園国際空港(台北)、スワンナプーム国際空港(バンコク)、シカゴ・オヘア国際空港(シカゴ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)
日本の旗 日本貨物航空 (KZ) 成田国際空港(東京)、上海浦東国際空港(上海)、香港国際空港(香港)、スワンナプーム国際空港(バンコク)、ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)、ロサンゼルス国際空港(ロサンゼルス)、シカゴ・オヘア国際空港(シカゴ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)、アムステルダム・スキポール空港(アムステルダム)、ミラノ・マルペンサ国際空港(ミラノ)
大韓民国の旗 大韓航空カーゴ (KE) 仁川国際空港(ソウル)、ロサンゼルス国際空港(ロサンゼルス)
大韓民国の旗 アシアナ航空カーゴ (OZ) シカゴ・オヘア国際空港(シカゴ)(到着便のみ)
中華人民共和国の旗 中国貨運航空 (CK) 上海浦東国際空港(上海)
中華人民共和国の旗 揚子江快運航空 (Y8) 上海浦東国際空港(上海)
中華民国の旗 チャイナエアライン・カーゴ (Cl) 台湾桃園国際空港(台北)
シンガポールの旗 シンガポール航空カーゴ (SQ) シンガポール・チャンギ国際空港(シンガポール)、ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)
マレーシアの旗 トランスマイル航空 (TH) クアラルンプール国際空港(クアラルンプール)
アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド・パーセル・サービス (5X) 上海浦東国際空港(上海)、ルイビル国際空港(ルイビル)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)
アメリカ合衆国の旗 フェデラルエクスプレス (FX) 成田国際空港(東京)、仁川国際空港(ソウル)、上海浦東国際空港(上海)、サンフランシスコ国際空港(サンフランシスコ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)、フランクフルト空港(フランクフルト)、アルマトイ国際空港(アルマトイ)
アメリカ合衆国の旗 エバーグリーン国際航空 (EZ) 香港国際空港(香港)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港(アンカレッジ)、ポート・コロンバス国際空港(コロンバス)
ロシアの旗 エアブリッジ・カーゴ (RU) 香港国際空港(香港)、フランクフルト空港(フランクフルト)、シェレメーチエヴォ国際空港(モスクワ)、イェメリャノヴォ空港(クラスノヤルスク)
ドイツの旗 ルフトハンザ・カーゴ (LH) フランクフルト空港(フランクフルト)、ランドヴェッテル空港(ヨーテボリ)、シェレメーチエヴォ国際空港(モスクワ)、アスタナ国際空港(アスタナ)

など

交通

中部国際空港駅

名古屋市街まで約40km、約40分の位置にある。

鉄道

空港連絡鉄道第三種鉄道事業者(線路を所有し運行事業者に貸与)の中部国際空港連絡鉄道が設置しており、名鉄がこれを借り受けて空港線として乗り入れている。

鉄道が1社しか乗り入れていないことから、輸送障害が発生した場合の冗長性については、公共交通機関による代替交通手段が路線バスと船舶しかないことから容量が限られており、比較的脆弱である[66]。なお、東海旅客鉄道(JR東海)による乗り入れ構想は断念されたが、地元などには武豊線の乗り入れを要望する意見[67]もある(「武豊線」も参照)。

中部国際空港駅から名鉄名古屋駅方面への最終列車は23時31分発の岐阜行き全車一般車特急であり、これ以降は路線バスなどの公共交通機関は設定されていない。なお、この時刻設定は全ての定期旅客航空便の到着に連絡可能だが、乗客や空港関連企業の従業員からは遅延時に備えて最終列車の発車時刻繰り下げを望む声が出ている(商業施設新聞による[出典無効])。

路線バス

愛知県名古屋市内や尾張地方及び三河地方各所、静岡県浜松市及び三重県四日市市などに向かう定期バス路線が運航されている[68]。その他、名古屋市郊外からは地下鉄東山線藤が丘駅前から空港連絡バスが出ている他、三河地方からは三河豊田駅から中部空港までのバス路線が存在する。

空港島内の路線としては名鉄グループの知多バスにより「セントレア貨物・総合物流地区循環バス(旅客ターミナルビル - 貨物北 - 貨物事務所棟前・総合物流中央 - 旅客ターミナルビル)」が運航されている。

近年は名鉄特急との競合や燃料費高騰等の影響によりリムジンバスの統廃合が相次いでいたが、最近は名古屋市内各所や三重県内への新路線も開業している。

航路

かつて運航されていた航路

  • 松阪高速船(松阪ベルライン):松阪港
    • 経営難により2009年8月31日限りで休止し、翌9月1日より津エアポートライン松阪航路として運航されている。
  • 四日市エアポートライン : 四日市浜園旅客ターミナル(四日市市)
    • 2008年10月4日限りで廃止。
  • NPO法人「神社みなとまち再生グループ」 : 神社港伊勢市
    • 2005年より夏期の土日祝日に運航したが、2007年以降は運航していない。

構想されていた航路

  • お伊勢サンライン(通称)
    • 宇治山田港伊勢市)(2008年4月20日より就航予定であったが、運航予定会社のセラヴィ観光汽船が同路線での運航から撤退した[69]

自動車

中部国際空港連絡道路セントレアライン愛知県道路公社

空港には5,800台分(開港時の4,000台から拡張(500台分は予約車専用)。他に臨時駐車場2,000台分有り)の駐車場が用意されている。駐車料金は300円/時間が基本(30分以内無料、1日最大1,500円 各種割引制度あり[70])。他に空港島内のホテルに1,164台分の有料駐車場があり、ホテルの宿泊客は割引サービスを受けられる。

タクシー

名鉄知多タクシー知多つばめタクシー安全タクシー大興タクシー鯱第一交通宝交通によって構成されている中部国際空港構内タクシー営業会の加盟会社のタクシーが乗り入れている。かつては、ひまわりも加盟していた。

定額タクシー

2015年3月現在は、フジタクシー、三重近鉄タクシー(三重県各所行き、)つばめタクシー、名古屋MKグループと遠鉄交通(静岡県各所行き)などがセントレアからの定額タクシーを運行しており、中部地方各所へ定額運賃にて利用者を運んでいる。中部国際空港から名古屋市中心部へ至る自動車ルートは、2011年に名古屋第二環状自動車道(名二環)の全線開通で、人口集中地域の名古屋市東部及び東南部隣接地域(日進市長久手市大府市など)からの高速交通網が整備されたことにより、セントレアまでの送迎がより早くなった事で、自動車による交通アクセスが大幅に改善した。

徒歩・自転車・原付

中部国際空港連絡道路は自動車専用道路であり、歩行者軽車両125cc以下の二輪車は通行できない。

上記理由から空港敷地内へ入るには有料道路を利用するか、電車やバスに乗るしか選択肢がなく、出費が『必ず』必要だった。しかしイオンモール常滑が2015年12月にオープンし、無料送迎バスが空港から発着することとなったため、開港10年目にして事実上無料で空港へ行けることとなった。

関連項目

脚注

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  2. ^ NHKではこの略称を使用している。
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  70. ^ 駐車場料金 - 駐車場のご案内 | セントレア
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参考文献

  • 溝口泰正『中部国際空港物語 建設の歩み』 中日新聞社出版開発局
  • 『日本のエアポート04 東海3空港』 イカロス出版

外部リンク