バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)

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バンクーバー市
City of Vancouver
Vancouver photo montage.jpg
Flag of Vancouver (Canada).svg
市旗
位置
バンクーバー市の位置(ブリティッシュコロンビア州メトロバンクーバー内)の位置図
バンクーバー市の位置(ブリティッシュコロンビア州メトロバンクーバー内)
座標 : 北緯49度16分00秒 西経123度07分00秒 / 北緯49.26667度 西経123.11667度 / 49.26667; -123.11667
歴史
市制 1886年4月6日
行政
カナダの旗 カナダ
  Flag of British Columbia.svg ブリティッシュコロンビア州
 行政区 メトロバンクーバー
 市 バンクーバー市
地理
面積  
  市域 114.71km2
  都市圏 2,877.36km2
標高 167m
人口
人口 2006年[1][2]現在)
  市域 578,041人
    人口密度   5,039.0人/km2
  都市圏 2,116,581人
  備考 カナダ国内8位
その他
等時帯 太平洋標準時UTC-8
夏時間 太平洋夏時間UTC-7
郵便番号 V5K ~ V6Z
市外局番 +1-604、+1-778
公式ウェブサイト : vancouver.ca

バンクーバー英語: Vancouver)は、カナダブリティッシュコロンビア州南西部にある都市。同州最大の都市である。ヴァンクーヴァーと表記されることもある[3]

概要[編集]

バンクーバーを中心とする都市圏人口は210万人とカナダ国内第3位の都市圏を形成している[4]。バンクーバー市のみの人口では同国内で第8位の約64万人[5]である。民族や言語が多様で、人口のおよそ52%は第一言語が同州の公用語にあたる英語ではない[6]

1867年に製材所ができ、これらを中心とする入植地であったギャスタウンは発展を続け、グランビルとして町は拡大した。東カナダから続く鉄道の終着駅が町まで敷かれることになった1886年に町はバンクーバーとして改名され市政となる。

林業が同市最大の産業で、都市部ながら自然に囲まれた都市として知られていることから、観光業が発達しており、同市第2の産業となっている[7]。同市にあるメトロバンクーバー港は同国最大の港であり、北米においても積載量で第4位の規模を持つ[8]。同市および隣のバーナビー市には、主要な各映画製作会社が拠点を置いており、ロサンゼルスニューヨークに続く北米第3位の規模となる映画製作拠点となっている。このため、通称ハリウッドノースとも呼ばれる[9][10]。国際会議や国際競技が数多く開催されており、2010年には第21回冬季オリンピックバンクーバーオリンピック)が開催された。

地名[編集]

バンクーバーの地名は18世紀後半、カナダ西海岸地域の測量を行ったイギリス探検家ジョージ・バンクーバーに由来する[11]

歴史[編集]

ロッキー山脈に発しジョージア海峡に注ぐフレーザー川河口地域にマスキーム(Xwméthkwyiem)といわれる先住民族が居住したのは、少なくとも3,000年以上前であった[12]。ただし、豊かな自然環境を考慮すると10,000年以上も前から人類が住んでいたとも考えられている。ヨーロッパから探検家が到着した頃には、マスキーム族(Musqueam)とスクワミッシュ族(Squamish)が既に村を形成していた。北バンクーバー地域にはツレイルワスス族(Tsleil'wauthuth)が居住していた。これらはサリシュ海岸(Coast Salish9先住民族と言われ、フレーザー渓谷から北部ワシントン地域を居住区としていた。

1791年スペインのホセ・マリア・ナルバエス(Jose Maria Narvaez)船長がジョージア海峡を探検した。翌1792年には、イギリス海軍ジョージ・バンクーバー提督がスペイン探検団とともにバンクーバー島西岸からジョージア海峡に入り、のちのシアトルのあたりまで到達した。

その後、毛皮の交易所がコロンビア川やフレーザー川に沿って設立され、ブリティッシュ・コロンビアの内陸部にもヨーロッパ人の入植が相次いだ。ハドソン湾会社などがますます進出した。1858年にはフレーザー川下流岸にも金鉱が発見され、ゴールドラッシュが始まった。1865年にはコロンビア川岸でも金鉱が発見されたが、すぐにゴールドラッシュは収束した。

バンクーバー港の中心であるバラード入り江にて林業が盛んになり、1863年には最初の製材所がムーディービル(のちのノースバンクーバー)に開業した。1865年にはオーストラリアへ輸出が開始された。同年までにはバンクーバー市街のあたりにも製材所が開業された。

カナダがイギリスより独立し、「カナダ自治領」(Dominion of Canada)が設立された4年後の1871年には、ブリティッシュ・コロンビアがカナダ自治領(カナダの連邦政府)に加盟した。 1885年、カナダ植民地政府のマクドナルド首相の指示の下、カナダ・パシフィック鉄道(CPR)がグランビルに大陸横断鉄道の西海岸側の終着駅を建設した。CPRは、おそらくバンクーバー島に因んで、終着駅の名前を「バンクーバー」とした。その後1886年4月6日、正式に「バンクーバー市」が施行され、間もなくモントリオールからの大陸横断鉄道定期便が開業された。1886年の大火事で町の大部分が焼失したが、鉄道での物資の補給等により間もなく復興した。1888年にはスタンレーパークが開園した。

大陸横断鉄道がバンクーバー港と接続し、カナダが太平洋岸からも世界各国へつながることとなった。1891年にCPR初の貨物船「"Empress of India"」が東洋から到着した。1914年にはパナマ運河が開業し、バンクーバーは北太平洋の重要な海港の一つとなった。

20世紀に入ってもギャスタウン周辺が市の中心として栄えた。1922年にバンクーバーの車両交通は、イギリス方式の左側通行から右側通行に切り替わり、1937年にはライオンズゲートブリッジが開通した。市制100周年に当たる1986年には国際交通博覧会(Expo 86)が開催され、それに合わせて新しい交通機関スカイトレインが運行開始した。

カナダの天然鉱物資源および工業製品、石油などを輸出する重要な港としての港湾業や、水産農林業、観光その他によって、バンクーバーの都市圏はその後も順調な成長を続け、周辺の都市と合わせると人口200万人を超え、カナダ第3位の大都市圏を形成している。自然環境と都市文化のバランスのいい発展を背景に、世界各国からの移民が急増した。特に1997年香港中華人民共和国返還に際し、共産主義化を恐れた香港系中国人の移民が急増した(詳細はチャイナタウン参照)。第二次世界大戦前から日系移民も多く以前は日本人街もあったが戦後急速に衰退していった(詳細はバンクーバーの日本人街参照)。

バンクーバー市街のパノラマ画像

地理[編集]

バンクーバーの行政区画

バンクーバーはブリティッシュコロンビア州の南西部、フレーザー川の河口に位置する。ジョージア海峡を挟んでバンクーバー島と向かい合っている。

周辺の20あまりの自治体と併せて州の地方行政区としてのメトロバンクーバーを形成している。

リッチモンドバーナビーバラード入り江を挟んでノースバンクーバーイングリッシュベイを挟んでウェストバンクーバーに隣接している。

気候[編集]

バンクーバーはカナダ国内で最も温暖な気候を持つ都市の1つである[13]海洋性気候に属し、夏は暑苦しくはなく乾燥する。7月から8月までは、5日中1日に降雨がある程度である。夏とは対照的に、11月から3月までは降水量が多く、平均で一日の半分が降雨である。そのためカナダで最も降雨量の多い都市の1つでもある。降雪は平均して年11日で、3日間で6cmかそれ以上の積雪がある。年間平均降雪量は38.1cmであるが、通常地上に長く積雪が残ることはない[14]

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最低気温 0.5 1.5 3.1 5.3 8.4 11.2 13.2 13.4 10.5 6.6 3.1 0.8
平均最高気温(℃) 6.1 8.0 10.1 13.1 16.5 19.2 21.7 21.9 18.7 13.5 9.0 6.2
最低気温(℃) -17.8 -16.1 -9.4 -3.3 0.6 3.9 6.7 6.1 0.0 -5.9 -14.3 -17.8
最高気温(℃) 15.3 18.4 19.4 25.0 30.4 30.6 31.9 33.3 29.3 23.7 18.4 14.9
平均降水量ミリ 154 123 114 84 68 55 40 39 54 113 181 176
平均積雪量 (cm) 17 10 3 0 0 0 0 0 0 0 3 16
月間平均日照時間 55 87 132 172 237 242 296 265 189 124 67 54
情報[1] はバンクーバー市の南にあるリッチモンド市のバンクーバー国際空港 (YVR) 用である。


人口動態[編集]

2006年の人口調査によるとバンクーバー都市圏の人口は211万6,581人。

バンクーバー都市圏の人種別構成は2006年国勢調査では下記の通り。( )内はバンクーバー市内

バンクーバー都市圏には中国系(402,000人)や韓国系(46,035人)および日系(30,230人)を始めとするアジア系が多く住む都市であり、北米有数の規模の中華街が形成されている。中国系人口はバンクーバー都市圏の2割近くを占め、これは北米の大都市では最も高い。中国系住民の多くは香港返還前後に移民してきた香港人で、バンクーバーならぬホンクーバーとも言われるほどである[15]。特に南部にあるリッチモンドは人口の大多数が中国系である。中華街には、孫文中国国民党を結成する前の亡命中に住んだ、中山庭園がある。かつては日本人街も存在したが第二次大戦中の日系人の収容所への連行などでブリティッシュコロンビア州内の日系人人口が激減し、廃退した。2011年現在、バンクーバー仏教会、バンクーバー日本語学校と日系会館を除き殆どが廃墟化している[要出典]。しかし、今でもトロントをしのぐカナダ最大の日系社会を形成し、日本人留学生も多く在住している。ダウンタウンには、日本人向けのコンビニや飲食店などが建ち並んでおり、一角では日本語だけでも生活が可能なほどである[要出典]。 その他にもフィリピン系やメキシコ系、ベトナム系やカンボジア系、クロアチア系など様々な民族が居住しているが、黒人は20,670人で北米の大都市では最も少ない。

経済[編集]

ハーバーセンターから見る中心市街地。バンクーバーはカナダ屈指の金融センターとして高い役割を持つ

太平洋岸に位置すること、トランスカナダハイウェイと鉄道の西の終点であることから、カナダで最大の産業都市の一つである。バンクーバー港はカナダ最大で、多岐にわたる貿易量が750億ドルに上り、GDPで105億ドルを占める。林業と鉱業の拠点でもあり、最近ではソフトウェア開発、バイオテクノロジー、映画産業の中心地になっている。毎年多くの観光客が集まり、アラスカやカナダ国内への重要な入り口でもある。一方、家賃の高さではカナダ一という面がある。アメリカワシントン州と接しており、毎日国境を越えて通勤する人も少なくない。通勤者や観光客の便宜を図るために、アメリカドルでの支払いも可能なところが少なくないが、この場合原則として、アメリカドルで支払う場合の金額がやや高めに設定されている。

2013年のアメリカのダウ・ジョーンズらの調査によると、世界22位の金融センターと評価されており、カナダではトロントに次ぐ2位である[16]

行政[編集]

警察[編集]

  • 交番(CPC:Community Policing Centres)
地域ごとに警察官とボランティアで構成された交番が配置されている。リタイヤ者から若者まで多くのボランティアが地域パトロールや盗難等の被害届の作成などを担当し、警察官たちがより重要な職務を遂行できるようサポートしている。24時間開いているわけではないが朝から夕方まで常時ボランティアが待機している。人のいない時間のある日本の交番でも地域参加型の防犯システムとして参考となり得るものである。

交通[編集]

空港[編集]

バンクーバーの南、リッチモンドにある国際空港で、年間の発着数(29万)、旅客数(1700万)ともにトロント・ピアソン国際空港に次ぐカナダ第2の空港。 国際空港としては珍しく、水上機定期便のためのターミナルを備えた空港でもある。
同地区から東部に位置するアボッツフォードにある国際空港で、設備面でもバンクーバー国際空港の代替機能を持つ空港。
ダウンタウンのウォーターフロント駅近くにあり、水上飛行機バンクーバー島ビクトリアナナイモなどとの間を短時間で結んでいる。離着陸数は約5万回で水上空港としてはカナダ1位。

BCフェリー[編集]

BCフェリー

島が多く存在するブリティッシュコロンビア州では多くの人がフェリーを交通手段として使っている。フェリーターミナルは、ウェストバンクーバーのホースシューベイ港とバンクーバー市南のデルタにあるツワッセン港から出港している。

公共交通機関[編集]

鉄道[編集]

スカイトレイン[編集]

バンクーバーのダウンタウンと、郊外都市や空港とを結ぶ軌道系の公共輸送機関。ダウンタウンでは地下を走り、郊外に出ると高架になる。初期の2路線では、無人のリニアモーターカーが運行している。

最新路線としては、2010年2月に開催されたバンクーバーオリンピックに合わせて、バンクーバーのダウンタウンと、南接するリッチモンドバンクーバー国際空港およびシティセンターとを結ぶカナダ・ラインの建設が2005年11月より進められ、2009年8月に営業を開始した。同路線は、ターミナル駅であるウォーターフロント駅からダウンタウン地下を南下し、キャンビー通りの地下を抜け、フレーザー川付近のブリッジポート駅からは、空港方面とリッチモンド方面に分岐する。

ウエストコーストエクスプレス[編集]

バンクーバーダウンタウンと東にある郊外ミッション市間約68kmを結ぶ通勤用特急列車。

長距離列車[編集]

バス[編集]

バンクーバーにはトロリーバスと普通のバスが走っているがどちらも料金などは変わらない。 バスは路線が充実しており、乗り継ぎをすれば大体はどこへでも行ける。また、ほとんどのバスが車椅子対応で、多くはノンステップバスである。

シーバス[編集]

バンクーバーのダウンタウンとノースバンクーバーを結ぶフェリー。

教育[編集]

大学[編集]

5万人が学ぶ西部カナダ最大の研究総合大学。常にカナダの大学のトップ3に入るカナダ屈指の名門大学の一つ。世界的にも高い評価を得て、国際的な知名度も高い。402ヘクタールの広大な敷地を持ち、敷地内に新渡戸記念庭園がある。
州立の総合大学で、環境学、ビジネス、犯罪学/刑事法学の名門校。SFU本部は隣接するバーナビー市にあるが、バンクーバー市内のウォーターフロント駅前にあるハーバーセンター内にもキャンパスを構える。

コミュニティカレッジ[編集]

図書館[編集]

  • バンクーバー公共図書館(VPL) - 市立図書館。本館以外に21の分館を抱え、40万人近くが利用者として登録し、年間800万点以上の貸し出しを行っている、カナダ第三の規模を誇る公共図書館ネットワーク。

観光[編集]

トランスリンクバススカイトレインなどの交通機関で移動することができる。

夏には花火大会が開催され、招待された数カ国の花火が日を替えて競い合う。

スポーツチーム[編集]

バンクーバーを本拠地とする主なプロスポーツチームは以下の通り。

サッカーは、2011年度からMLSに加盟。市内のBCプレイスを5年間限定で本拠地に戦う。新本拠地が開業するまでの暫定本拠地。なお、NBAメンフィス・グリズリーズはかつてバンクーバーを本拠地としていた。チーム名の由来はカナダに生息するグリズリーからきている。

国際イベント[編集]

姉妹都市[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 2006 Community Profiles | Community Highlights for Vancouver (City)”. 2008年5月13日閲覧。
  2. ^ 2006 Community Profiles | Community Highlights for Vancouver (Census Metropolitan Area)”. 2008年5月13日閲覧。
  3. ^ 地球の歩き方2011年版など
  4. ^ Demographia: World Urban Areas & Population Projections
  5. ^ BC Stats 2010” (2011年1月). 2011年10月10日閲覧。
  6. ^ City Facts 2004”. City of Vancouver (2004年). 2006年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月9日閲覧。 48.9% have neither English nor French as their first language.
  7. ^ Overnight visitors to Greater Vancouver by volume, monthly and annual basis (PDF)”. Vancouver Convention and Visitors Bureau. 2011年6月9日閲覧。
  8. ^ Port Metro Vancouver Mid-Year Stats Include Bright Spots in a Difficult First Half for 2009”. Port Metro Vancouver (2009年7月31日). 2011年6月9日閲覧。
  9. ^ Industry Profile”. BC Film Commission. 2011年6月9日閲覧。
  10. ^ Gasher, Mike (November 2002). Hollywood North: The Feature Film Industry in British Columbia. Vancouver: University of British Columbia Press. ISBN 978-0-7748-0967-2. 
  11. ^ The Voyage of George Vancouver 1791–1795, Volume 1, ed: W. Kaye Lamb, Hakluyt Society, 1984, p.247(英語)
  12. ^ Kathryn, Bernick (1998) (英語). Hidden dimensions: the cultural significance of wetland archaeology. Univ of British Columbia Pr. p. 233. ISBN 978-0774806329. 
  13. ^ Weather Winners - Warmest Year Round”. Environment Canada. 2013年2月23日閲覧。
  14. ^ Canadian Climate Normals 1971–2000”. Environment Canada. 2009年5月29日閲覧。
  15. ^ 館報「開港のひろば」 横浜開港資料館、2005年11月2日
  16. ^ Xinhua-Dow Jones International Financial Centers Development Index(2013) 2013年9月15日閲覧。

外部リンク[編集]

公式ウェブサイト
日本政府
観光
その他