キャセイパシフィック航空

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キャセイパシフィック航空
國泰航空
Cathay Pacific
IATA
CX
ICAO
CPA
コールサイン
Cathay
Cathay Pacific Logo.svg
設立日 1946年
ハブ空港 香港国際空港
マイレージサービス ザ・マルコポーロクラブ
アジアマイル
会員ラウンジ 寰宇堂、玉衡堂、爾雅堂、逸連堂、賞心堂、G16ラウンジ(香港国際空港内のウイング並びにピア)
同盟 ワンワールド
保有機材数 135機(92機発注中)
就航地 112都市(コードシェア含め)
親会社 スワイヤー・グループ
本拠地 香港
外部リンク http://www.cathaypacific.com/jp/
國泰航空有限公司
Cathay Pacific Airways Ltd.
本社ビル
本社ビルなどがあるキャセイシティ(Cathay City、國泰城)
種類 株式会社
市場情報
SEHK 00293 1986年5月15日上場
略称 國泰航空
本店所在地 香港の旗 香港
設立 1946年9月24日
業種 空運業
事業内容 航空運送事業
旅行事業
代表者 John Slosar (会長)
朱國樑 (CEO)
資本金 7億87百万香港ドル
売上高 993億7,600万香港ドル[1]
(2012年12月期、グループ連結)
純利益 9億1,600万香港ドル[1]
(2012年12月期、グループ連結)
総資産 1,371億33百万香港ドル(2011年12月期)
決算期 12月末日
主要株主 スワイヤー・グループ42.97%
中国国際航空29.99%
外部リンク 公式サイト
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キャセイパシフィック航空 ボーイング 747-400型機

キャセイパシフィック航空(キャセイパシフィックこうくう、國泰航空Cathay Pacific Airways, HKSE:0293)は、香港香港特別行政区)を拠点とする航空会社。香港のフラッグ・キャリアである。

IATA航空会社コード及び略称は、CX。なお、同じCXでもフジテレビジョンの略称(JOCX-DTV)とは無関係である。

概要[編集]

香港国際空港(HKG:HongKong International Airport:香港國際機場)をベースとし、空港周辺には機材整備施設や本社機能、訓練施設などを持つキャセイシティ(Cathay City:國泰城)を形成している。イギリス系で香港の財閥『スワイヤー・グループ』 (Swire Group) が40%の株式を保有しており、事実上スワイヤーのグループ企業である。また、世界第3位の航空連合(アライアンス)であるワンワールドに加盟している。

1994年にランドーアソシエイツ社でCIを実施。ブラッシングウイングと呼ばれる中国伝統の書道をモチーフにしているのが特徴である。またCIを実施当初のテーマソングは坂本龍一が担当した。日本ではCI導入以前のCMでは、バリー・ホワイト作曲の「愛のテーマ」をBGMに広川太一郎のナレーションにて「着きごこち、さわやか。」というキャッチフレーズでも有名となった。

2006年6月9日に、香港第二の航空会社香港ドラゴン航空(Dragon Air:港龍航空公司)を買収し、100%子会社とした。イギリス植民地時代からの取り決めにより、中国への路線網は、北京とアモイしかなかったが、買収により中国全土へのネットワークが形成された。

キャセイパシフィック航空は中国国際航空と戦略的に相互資本提携をしている。しかし、中国国際航空はスターアライアンスに加盟しているので、ワンワールドに加盟しているキャセイパシフィック航空とアライアンス上ではライバルである。

名称[編集]

社名にあるキャセイ (Cathay) とは、マルコ・ポーロによって有名になり、欧米の陸路貿易国を中心に使われていた、契丹に由来する中国の名称「カタイ」の英語訳で、英語では中国の旧称となっている。現地中国語名は國泰航空公司と表記されている。

歴史[編集]

設立[編集]

キャセイパシフィック航空 ダグラスDC-3型機"ベッツイ"

中華民国で航空運送業を営んでいたアメリカ人のロイ・ファレルと、第二次世界大戦中にインドと中華民国を結ぶ航路のパイロットであったオーストラリア人のシドニー・カンツォが、ダグラスDC-3でカルカッタ重慶間の路線の運航を開始した。

その後国共内戦の激化に伴い上海から移り住んだイギリスの植民地香港にて、1946年9月24日に正式にキャセイパシフィック航空として創立し、香港からマカオマニラバンコクシンガポール、上海への旅客便の運航を始める。

急成長[編集]

その後、国共内戦に勝利した中国共産党により1949年に中華人民共和国が設立され、その後中国共産党の支配を嫌った多くの難民が香港へ流れてきた事や、1950年代初頭にイギリスが中華人民共和国を承認し国交を樹立した事から、香港の地位が「中国大陸への窓口」として高まったことにより事業は急速に拡大する事になる。

乗客数の急激な伸びに対応するために、より大型なダグラスDC-4BやDC-6を導入するとともに、イギリス系財閥スワイヤー・グループの資本を受け財務体制を強化させた。その後1959年には英国海外航空ジャーディン・マセソンの合弁会社で、最大のライバルであった香港航空(後のエア・ホンコンや香港航空(元CRエアウェイズ)とは別会社)を吸収し規模を拡大した。

日本への就航は1959年7月羽田空港へダグラスDC-6で乗り入れ開始、1960年代には大阪福岡名古屋へも乗り入れ、その後ターボプロップ機のロッキードエレクトラやジェット機のコンベア880などを投入するなど日本への路線を充実させていった。

世界へ[編集]

キャセイパシフィック航空のロッキードL-1011型機〔旧塗装〕

1970年代に入り香港がアジア地域の貿易、金融センターとしての地位を確実なものとするとともに、より大型なボーイング707を導入しアジア地域の主要都市に直行便を就航させた他、初のワイドボディ機であるロッキード・トライスターを導入する。

1979年には、ボーイング747-200型機の導入により宗主国首都であるロンドンへの乗り入れを週1便で開始した。まもなく同便は1日1便に増強され、キャセイパシフィック航空有数のドル箱路線となる。

その後1980年代にかけてパリフランクフルトアムステルダムローマをはじめニューヨークバンクーバーと言った北米路線、ブリスベン等のオーストラリア路線を開設し、世界的にネットワークを拡げていった。

現在[編集]

ボーイング 747-400型機
ボーイング 777-200型機
エアバス A330-300型機

2006年には、香港の第2の航空会社である香港ドラゴン航空を買収し傘下に収めた。現在は香港のフラッグキャリアとして、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要都市への路線を運航している他、ワンワールドの主要メンバーとなり多数のコードシェア便を運航している。またそのサービスは世界的に高い評価を受け、世界各国の様々な賞を受賞している。また、日本と香港の航空自由化が締結されたことから羽田再国際化後に羽田に1日2便で開設が決まり、2010年に32年ぶりに羽田再就航となった[2][2]

最近ではボーイング777-300ERと新規に発注したエアバスA330-300を契機に全てのクラスのシートや新型のAVODパナソニックアビエーション社製eX2(StudioCX)にリプレースしている2年〜3年にかけて更新する予定。2010年にはエアバスA350-900を30機確定発注をした。更に保有機の全機材にパナソニックアビエーション製の「eXConnect」を導入する事を決め2012年以降機材でのブロードバンド接続が可能となる予定である。

就航都市[編集]

香港国際空港拠点とし、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要85都市へ就航している。特にアジアオセアニア路線が充実している。 また、上記以外の都市へも他社とのコードシェアで就航している便もある。

サービス[編集]

ボーイング 777-300型機
ボーイング 777-300ER型機

キャセイパシフィック航空は、2005年、2006年と続けて2年連続、さらには2009年にもイギリススカイトラックス社のランキングで最高賞であるエアライン・オブ・ザ・イヤー賞を獲得するなど世界でもシンガポール航空と並びトップクラスのサービスで定評がある。日本に就航している外資系航空会社の中では、日本人客室乗務員の在籍人数が最も多く、日本人乗務員も香港発着の同社就航路線全てに乗務しているため、どの路線においても日本語が通じるケースが多い。

また同社の安全性は非常に高いことでも知られ、重大事故は1972年以降一件も起こしていない。最新鋭の技術を常に取り入れ、例えば機内エンターテイメントに関してはStudioCXと呼ばれるパーソナルテレビがかなり早い段階からエコノミークラスにも装備された。

2007年からボーイング777-300ERを導入を機に機内エンターテイメントやシートをリニューアルするプロジェクトが進んでいて2009年度までにほとんどの機体でリニューアルが完了される予定。改修後はビジネスクラスがフルフラット化やエコノミークラスにはPC電源とリクライニングしても後部座席に影響を与えないデザインになっている。更にStudioCXの最新版としてパナソニックアビエーション社製eX2のAVOD対応のシートテレビを全機材にリプレースしている。2年〜3年にかけて更新する予定。

マイレージプログラム[編集]

マイレージプログラムとして、「アジアマイル」と上級組織にあたる「ザ・マルコポーロクラブ」の2種類がある。どちらもワンワールド加盟航空会社でマイルを獲得できる。数あるマイレージプログラムの中でも「ザ・マルコポーロクラブ」は他社のように年間で規定のマイルを貯めて入会できるというものではなく、入会金の支払により入会できる珍しいシステムを採用している(入会後は年間最低4セクター以上搭乗しないと会員資格を喪失する)。ただし、初期のレベルではワンワールドのステータスはなく、ルビークラス以上になるためにはやはり規定のマイルを貯めなくてはならない。また、アジアマイルにはランクが存在しないので、いくらマイルを貯めても、アジアマイル会員のままでは上級会員とならない。

ワンワールド加盟各社以外に、下記の航空会社と提携している。

その他[編集]

  • BBC WORLDで放送している「アジア・ビジネスレポート」のスポンサーである。
  • CIは、アメリカ合衆国の大手デザイン事務所ランドーアソシエイツの手によるものである[7]コーポレートカラーは翡翠色とも呼ばれる深い緑色である。
  • 現拠点空港であるチェク・ラップ・コク空港が開港するまでは、世界で最も着陸が難しい空港と謳われた啓徳空港(閉港)を拠点空港で使用していた為、香港カーブにより訓練されたパイロットの技術レベルは他社と比較して高いと言われる。
  • コーポレートイメージソングとして「愛のテーマ」(作曲:バリー・ホワイト、演奏:ラブ・アンリミテッド・オーケストラ)があり、テレビコマーシャルなどで使用されていた。
  • 1998年に同社の機内で泥酔して暴言を吐く、喫煙するなどしたオアシスのボーカル、リアム・ギャラガーを永久利用禁止にしている。
  • 2011年、機内で乗務員が猥褻な行為に及んでいるとされる写真が流出、同社が始める予定だったキャンペーンが延期となった。
  • 2012年、客室乗務員組合が労使交渉が妥結しない場合、乗客に「笑顔」でのサービスを拒否すると通告した。[8]

保有機材[編集]

航空機サイズによる現在の機材
2013年4月現在)
航空機 機数 ノート
エアバス A330-300(330) 13 新短中距離用ビジネスクラス、エコノミークラスへの改造予定
エアバス A330-300(33Z) 0(8機改造予定) 新短中距離用ビジネスクラス、エコノミークラス
エアバス A330-300(33G) 23(3機発注中) 新長距離用ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス
エアバス A340-300(34B) 11 長距離用ビジネスクラス
エアバス A340-300(34J) 0(2013年内改造予定) 新長距離用ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス
ボーイング 747-400(74A) 4 ファーストクラス、長距離路線用座席仕様
ボーイング 747-400(74K) 11 ファーストクラス、長距離路線用座席仕様、プレミアムエコノミークラス
ボーイング 747-400F(74F) 14
ボーイング 747-400ERF 6
ボーイング 747-400BCF 1 旅客転用型貨物機(ノーズカーゴドアなし)
ボーイング 747-8F 8(5機発注中)
ボーイング 777-200(772) 5 新短中距離用ビジネスクラス、エコノミークラスへの改造予定
ボーイング 777-300(773) 9 新短中距離用ビジネスクラス、エコノミークラスへの改造予定
ボーイング 777-300(77Z) 3(9機改造予定) 新短中距離用ビジネスクラス、エコノミークラス
ボーイング 777-300ER(77G) 7 新長距離路線用座席仕様、プレミアムエコノミークラス
ボーイング 777-300ER(77H) 24 ファーストクラス、新長距離路線用座席仕様、プレミアムエコノミークラス

使用される機体年齢は若いものが多く、最新鋭の機材を積極的に導入している。国内線運航は提供しておらず、国際線が専らであることでワイドボディ機のみによるフリート構成となっている。同社は最新鋭のボーイング777-300ERも30機導入予定で747-400と置き換えられる。また同機導入に伴い、運用上制限のあったエアバスA340-600を退役させフリートを統一した[9]。また、これ以前には米国イースタン航空から購入したロッキードトライスターL-1011やボーイング707なども存在した。

香港イギリスの植民地であった事等が理由からか、エンジンはエアバス A340-300ボーイング777-300ERボーイング 747-8F等エンジンが選択できない機種を除いてロールス・ロイス社製のエンジンを搭載する。これは香港ドラゴン航空が運航しているエアバスA330も同様である。なおボーイング747-400の一部にプラット・アンド・ホイットニーPW4000のエンジンが搭載された機材があるが、これはシンガポール航空で使用されていた機材でありエアバスA340-300の一部にもシンガポール航空で使用されていた機材がある。

一方で貨物部門でもボーイング 747-400BCF 2機とボーイング 747-400ERF 6機、最新型のボーイング 747-8F[10]を10機発注しており、2011年より受領を開始した。2010年にはエアバスA350-900を30機確定発注をした。

カラーリングについては、エメラルドグリーンの背景に赤いストライプと、白い筆文字で翼をイメージしたブラッシュ・ストロークと呼ばれるロゴが入ったものになっており、これは機体にも描かれている。

過去の使用機材[編集]

特別塗装機[編集]

  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 97 香港精神号(初代)[11] ""」[12]
ボーイング747-200(B-HIB[13])[14]
  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(2代目)"SAME TEAM, SAME DREAM.,積極進取 飛越更高理想"[15]
ボーイング747-400(B-HOX)[16]
  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(3代目)」
ボーイング777-300ER(B-KPB)
  • 「Asia's world city」
ボーイング747-400(B-HOY)[17]
ボーイング777-300ER(B-KPF)
  • 「Progress Hong Kong 100th Aircraft[18]
エアバスA330(B-LAD)[19]
  • 「member of oneworld」
ボーイング777-300ER(B-KPL)
エアバスA330(B-HLU)
エアバスA340(B-HXG)
ボーイング747-8F(B-LJA)

なお、キャセイパシフィック航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は67で、航空機の形式名は747-467, 747-467F, 777-267, 777-367, 777-367ER などとなる。また、機体のレジ記号について香港では中国返還以前英国租借当時はVR-H**で登録されていたが、中国(台湾を含む)本土との混乱を避けるべくB-H**としていた[22]。しかし香港航空香港エクスプレス航空、運航停止済みのオアシス香港航空、子会社に当たる香港ドラゴン航空までもが使用してきた関係上B-H**だけでは手一杯となってしまったなどの背景から最近の登録機材ではB-K**、B-L**などで対処している。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b “Cathay Pacific announces 2012 annual results” (英語) キャセイパシフィック航空が発表した2012年12月期の業績概要に関するプレスリリース。2013年3月13日発表、2013年3月14日閲覧。
  2. ^ 香港 - 羽田線は2往復ともB777-300ERで就航する場合が多く、繁忙期には一部B747-400に変更される。この他、羽田を夜に到着し翌朝出発となる便については、B777-200・B777-300・A330-300が充てられることもある。
  3. ^ キャセイパシフィック、香港からモルディブに就航-10月から週4便 YAHOO! JAPAN ニュース 2013年7月24日付
  4. ^ 【香港】キャセイ、10月にモルディブ便就航 YAHOO! JAPAN ニュース BUSINESS 2013年7月24日付
  5. ^ キャセイパシフィック航空とカタール航空 香港/ドーハ線における戦略的業務提携に合意 2014年2月28日付プレスリリース
  6. ^ キャセイパシフィック航空 ニューヨークへの玄関口、ニューアークへ新規就航を発表 2013年8月14日付プレスリリース
  7. ^ http://landor.com/#!/work/case-studies/cathay-pacific-airways/
  8. ^ キャセイパシフィック航空、「笑顔」の無い機内サービスを回避、労使交渉合意[1]
  9. ^ 月刊「エアライン」(2008年6月号,イカロス出版)
  10. ^ 日本貨物航空が会社都合により納入を先送りしたため、カーゴルックス航空と共に、同型機のローンチカスタマーとなった。
  11. ^ ポートサイド側は「繁榮進歩 更創新高」、スターボード側は「THE SPIRIT OF HONG KONG 97」
  12. ^ 同社初の特別塗装で、1997年の香港の中国返還を記念して施された。なお、旧塗装から現行塗装になる際に特別塗装となり、そのまま退役したため、通常の現行塗装に戻ることは無かった。また、現在の香港国際空港に歴史上、初めて着陸した機体である(開港前の地形慣熟飛行)。
  13. ^ 英国籍(~1997年6月30日)のときは、VR-HIB。
  14. ^ 現在は、機体そのものが同社から退役している。
  15. ^ ポートサイド側は「SAME TEAM, SAME DREAM.」、スターボード側は「積極進取 飛越更高理想」
  16. ^ 現在は、機体そのものが同社から退役している。
  17. ^ 現在は、機体そのものが同社から退役している。
  18. ^ 同社発注の航空機として100機受領したことを記念して施された。
  19. ^ 現在は、通常塗装による運航である。
  20. ^ Cathay Pacific Cargo 747-867F B-LJA
  21. ^ 同社の貨物機として初の特別塗装となる。
  22. ^ 中国本土・台湾ではB-0000(4ケタ数字)を使用しているため。

外部リンク[編集]