吉田精一

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吉田 精一(よしだ せいいち、1908年明治41年〉11月12日 - 1984年昭和59年〉6月9日)は、日本国文学者近代文学専攻

人物[編集]

1940年(昭和15年)の処女作『近代日本浪漫主義研究』で頭角を現し、1951年(昭和26年)より日本近代文学会の中心となる。『自然主義の研究』『現代文学論体系』で1956年(昭和31年)芸術選奨文部大臣賞受賞、1959年(昭和34年)にはやはり『自然主義の研究』で日本芸術院賞受賞[1]1979年(昭和54年)勲二等瑞宝章、また1983年(昭和58年)近代日本文学の分野で初めて日本学士院会員となる。

文献学批判の立場から、独自の美学的根拠にたつ実証研究を確立したが、芥川龍之介永井荷風谷崎潤一郎といった現代作家を研究対象とすることは当時のアカデミズムでは異例のことである。東大教授だった時期が短く、名誉教授ではない。著作集25巻があるが、多作な学者を軽視する日本的伝統もあり、その研究の価値が十全に認められているとは言えない。

年譜[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『春の口笛 歌集』 明星発行所, 1927
  • 『近代日本浪漫主義研究』 東京武蔵野書院, 1940
  • 『明治大正文学史』 東京修文館, 1941
  • 『芥川竜之介』 三省堂, 1942
  • 『古典と教養』 郁文社, 1943
  • 『日本文芸学論攷』 目黒書店, 1945
  • 『永井荷風』 八雲書店, 1947
  • 『新日本文学史序説』 巌松堂書店, 1947
  • 『近代詩鑑賞 明治篇』 天明社, 1948
  • 『日本近代詩鑑賞 昭和篇』 天明社, 1948
  • 『日本近代詩鑑賞 大正編』 天明社, 1949
  • 『日本抒情詩の鑑賞』 宝文館, 1949
  • 『現代文の研究』 旺文社, 1950
  • 『国文の研究』 旺文社, 1950
  • 『日本文学新史』 不昧堂書店, 1951
  • 『近代日本文学入門』 要書房, 1952
  • 『日本近代詩入門』 要書房, 1953
  • 『藤村名詩鑑賞』 河出書房(河出新書), 1954
  • 『自然主義の研究 上巻』 東京堂, 1955
  • 『自然主義の研究 下巻』 東京堂, 1958
  • 『随筆入門』 河出書房新社, 1961
  • 『現代文学と古典』 至文堂, 1961
  • 『鑑賞と批評』 至文堂, 1962
  • 『源氏物語の旅』 人物往来社, 1964
  • 『古典文学入門』 新潮社(新潮選書), 1968
  • 『源氏物語の世界』 秋田書店, 1969
  • 『浪漫主義の研究』 東京堂出版, 1970
  • 『近代文芸評論史 明治篇』 至文堂, 1975
  • 『吉田精一著作集』 全25巻 別巻2 桜楓社, 1979-1981
  • 『近代文芸評論史 大正篇』 至文堂, 1980

共著[編集]

  • 『現代文の研究』 旺文社(塩田良平と共著)
  • 『現代国語の研究』 旺文社(塩田良平と共著。「現代文の研究」の改題改訂版1968年に再度改訂を行っている)
  • 『新研究現代国語』 旺文社(森島久雄と共著。「研究現代国語」の森島氏による全面改訂版。)

脚注[編集]

  1. ^ 『朝日新聞』1959年2月26日(東京本社発行)朝刊、1頁。