ミシガン大学

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ラテン語: Universitas Michigania | |
モットー | Artes, Scientia, Veritas |
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モットー (英語) | Arts, Knowledge, Truth |
種別 |
州立、Sea grant Space grant、3学期制 |
設立年 | 1817年 |
資金 | 78億米ドル[1] |
学長 | メアリ・スー・コールマン |
教員数 | 6,419人[2] |
職員数 | 18,426人[2] |
学生総数 | 42,716人[3] |
学部生 | 27,407人[3] |
大学院生 | 15,309人[3] |
所在地 |
US ミシガン州アナーバー 北緯42度16分59秒 西経83度44分06秒 / 北緯42.2830度 西経83.7350度座標: 北緯42度16分59秒 西経83度44分06秒 / 北緯42.2830度 西経83.7350度 |
キャンパス |
3,177エーカー (12.86 km2) 総面積: 20,965エーカー (84.84 km2), including arboretum |
ノーベル賞受賞者数 | 25 |
スクールカラー |
トウモロコシ色(メイズ)及び青[4] |
ニックネーム | ウルヴァリンズ |
スポーツ関係の 提携関係・加盟団体 | |
公式サイト | umich.edu |
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ミシガン大学(ミシガンだいがく、英: University of Michigan)は、アメリカ合衆国ミシガン州立の研究型総合大学。略称はUM/U-M(U of M)、UMich、Michigan。(系列校としてディアボーン校、フリント校を同州に構えるが、一般に「ミシガン大学」という場合にはミシガン大学アナーバー校のことを指し、当ページの記述もアナーバー校に関するものとする)。理系・文系共に研究・教育の両面において国際的評価が高い。工学系は、全米TOP10で名高く、テキサス大学オースティン校(UT Austin)と共にアメリカの公立大学(州立大学)TOP5に位置し、アイビー・リーグのコーネル大学にも匹敵する。医学系のミシガン大学医学部(Michigan Medicine)は、ワシントン大学医学部(UWSOM)およびピッツバーグ大学医学部(Pitt Med)と並び、全米TOP15前後となっている。法学系のミシガン大学ロー・スクール(Michigan Law)は、全米TOP15かつアメリカの公立大学TOP5であり、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、テキサス大学オースティン校(UT Austin)、バージニア大学(UVA)と共に名門校として知られている。また、経営大学院のロス・スクール・オブ・ビジネス(Michigan Ross)と公共政策大学院のミシガン大学ジェラルドR.フォード公共政策大学院(Ford School)は、全米TOP15前後となっている。
アナーバー校はミシガン大学系列の中核となる旗艦校であり、その評価は俗にパブリック・アイビーと称されるアメリカ有数の名門大学の一つとなっている。QS世界大学ランキング2022年版では世界第23位(同ランキング東京大学23位、京都大学32位、UCバークレー32位、UCLA40位)[5]に、U.S. News & World Reportの世界大学ランキング(2022 Best Global Universities Rankings)では世界第19位(同ランキングUCバークレー4位、UCLA14位、東京大学77位、京都大学127位)[6]に位置している。また、Wall Street Journal誌はミシガン大学を全米第1位の公立大学と評しており(2位UCLA、3位ノースカロライナ大学チャペルヒル校、4位UCバークレー)[7]、公立大学の中ではまさに世界最高峰の大学の一つである。また、後述の通り、各種スポーツにおいても全米有数の強豪校である。
アナーバー市内にセントラル、ノース、ロス・アスレティックの3つのキャンパスおよびメディカル・センター、市の外れにイースト・メディカル・キャンパスを擁する。ミシガン大学アナーバー校は、1900年に結成されたアメリカ大学協会の創立メンバー14校内の一つであり、全米でも比較的長い歴史のある大学である。
なお、同州イーストランシング市にあるミシガン州立大学(Michigan State University)は、ミシガン大学より後に創立され、ミシガン大学とは異なる由来を持つ組織である(いずれも州立ではある)。
創設期[編集]
ミシガン大学は1817年にミシガン準州(現ミシガン州)デトロイトに創立された、米国で最も歴史のある名門公立大学である。1837年、同校のキャンパスは現在のアナーバーに移設された。同校最初の授業は1841年に1年生6名と2年生1名、2名の教授によって行われた。1845年には同校最初の卒業式が行われ、11名が卒業した。
学問分野[編集]
ミシガン大学アナーバー校はカリフォルニア大学バークレー校などと共に、米国トップの名門州立大学として全米で高い評価を得ている研究機関型総合大学である。世界での評価も極めて高く、どの様な世界大学ランキングでも概ね20位前後に位置される。特に社会科学分野における実績は目覚ましく、人工知能分野、言語学、政治学、心理学、社会学等の先駆的研究は、米国内のみならず世界の学会に大きな影響を及ぼしている。例えば、当大学サーベイリサーチセンターによって毎月発表されるミシガン大学消費者信頼感指数は、米国の主要な経済指標のひとつになっている。更に、米国の医療、コンピュータサイエンス・工学の分野における発展にも多大な貢献を続けている。
1935年に卒業したジェラルド・フォードは、アメリカ合衆国の第38代大統領である。1955年には、ポリオワクチンの開発に成功。また、宇宙飛行士も輩出しており、ジェミニ4号(1965年打ち上げ)とアポロ15号(1971年打ち上げ)は、乗員のすべてがミシガン大学または同大学院で学位を取得した宇宙飛行士であった。近年ではGoogle共同創業者のラリー・ペイジが著名な卒業生の筆頭として挙げられる。これまでに26名のノーベル賞受賞者を輩出している。
US NEWS誌のランキングでは、同校の200以上にわたるプログラムのうち、70%が全米ベスト10、90%がベスト20に入る高い評価を得ている(詳細はランキング項を参照)。州立大学中ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、UCバークレー、ジョージア工科大学、バージニア大学に次ぐ合格率の低さで、Princeton Review誌の合格難易度指数では97(最高99)と州立大学中第4位の難関とされている。(1位:UCLA/ 2位:UCバークレー、バージニア大学)同校の一年次入学生の平均GPA(評定)は3.72 (4.00 を満点とする)、高校在学時の成績が上位1割に属していた学生が全体の92%を占める。25%が全米共通テストSATにおいて1,400点以上を有しており、これは名門私立大学アイビーリーグ8校それぞれの上位25%の新入生の平均である1,430点に匹敵する。
教育の質が高く評価されている同校ではあるが、規模の大きさや学費の高さが多くの学生にとって悩みの種であるという問題が存在する。例えば、The Princeton Review誌によると、同校はTA(大学院生)による授業の割合が全米で7番目に高い大学とされており、十分な意欲がなければ学業面などにおいて満足のゆくサポートが受けられない場合がある。また授業料も私立の名門大学に匹敵するほどの額であり、学部によって差異はあるものの州外出身者の年間の授業料は48,000USドルに達する。(州内出身者は15,000USドル前後)。[8]
キャンパス[編集]

ミシガン大学アナーバー校は、主に、ノース・キャンパス、セントラル・キャンパス、ロス・アスレティック・キャンパス、メディカル・センター、イースト・メディカル・キャンパスの5つのキャンパスに分かれており、総敷地面積は3km2ほどである。これらのエリア間は、ブルー・バスと呼ばれる大学運営の無料バスにより行き来できる。大多数の学生はセントラル・キャンパスとノース・キャンパスにて授業を受け、ロス・アスレティック・キャンパスとメディカル・センターは実質的なセントラル・キャンパスの一部、イースト・メディカル・キャンパスは実質的なノース・キャンパスの一部として捉えられている。
US News誌の評価によると、アナーバーは全米でも屈指の住みやすい街とされている。近年再開発が進むデトロイト近郊に位置し、治安や雇用環境が良好であることに加えヒューロン川沿いを中心とした自然環境も豊かであることがその評判に寄与している[9]が、街の中核を占めるミシガン大学は街の発展に大きな影響を及ぼしていると言える。
セントラル・キャンパス[編集]

- セントラル・キャンパスは、アナーバーの中心部、ダウンタウンの東側に位置している。セントラル・キャンパスは、ミシガン大学のアナーバーにおける発祥の地であり、1841年に同校がアナーバーに移設された時から存在する。アナーバー市とミシガン大学は共に発展したため、大学とダウンタウンとのはっきりとした境界はなく、一部では、街と大学の施設が混在している。ビジネス・スクール(経営大学院)、ロー・スクール(法科大学院)、メディカル・スクール(医学大学院)などの多くの大学院やプロフェッショナル・スクールが、このセントラル・キャンパスを本拠としている。キャンパスの中心には、学生の多く集まる「ダイアグ」と呼ばれる広場があり、様々なイベントや学生の活動が毎日のように催されている。
ノース・キャンパス[編集]
- ノース・キャンパスは、セントラル・キャンパスの北東に新しく作られたキャンパスである。歴史が古く趣のある建物が多いセントラル・キャンパスとは対照的に、ノース・キャンパスには、緑に包まれた広大な敷地の中に近代的な建物が立ち並んでいる。主に、工学部と芸術系の学科が使用しており、そのほか、学部生、大学院生のための寮やアパートもある。
ロス・アスレティック・キャンパス[編集]
- ロス・アスレティック・キャンパスは、主に、ミシガン・スタジアムや、クライスラー・アリーナ、ヨースト・アイスアリーナなどのスポーツ施設がある。
メディカル・センター[編集]
- メディカル・センターはノース・キャンパスとセントラル・キャンパスの間にある、医療機関が立ち並ぶエリアのことを指す。
イースト・メディカル・キャンパス[編集]
- イースト・メディカル・キャンパスはノース・キャンパスからさらに北東に進んだ先に飛び地として存在する。放射線科、精神科、老人科などの医療機関及び研究施設がある。
ミシガン大学バイオロジカル・ステーション[編集]
- ミシガン大学バイオロジカル・ステーションはロウアー半島北端のシボイガン郡のダグラス湖の南岸にある北方広葉樹林である。水はけの良い土壌ではブナ属・カエデ属、ヤマナラシ属、コナラ属、マツ属、湿潤な土壌ではトウヒ属、モミ属、シダーの森林があり、一帯の湿地には沼地、フェン、沼および多数の湖がある。1979年にユネスコの生物圏保護区に指定された[10]。
- このサイトはシュガー島、アッパー半島最東部、ビーバー島、リーラノー半島などを含む「オブタワイング生物圏保護区」に拡大・改名する計画がある[11][12]。
ランキング[編集]
主要世界大学ランキング[編集]
- THE世界大学ランキング: 第24位(2022年度)[13]
- QS世界大学ランキング: 第23位(2022年度)[14]
- 世界大学学術ランキング: 第26位(2021年度)[15]
- CWUR世界大学ランキング: 第22位(2022年度)[16]
- Forbes世界大学ランキング: 第22位(2021年度)[17]
- US News世界大学ランキング: 第19位(2021年度)[18]
U.S.News & World Report大学ランキング[編集]
- 世界大学ランキング: 第17位(2018年度)[19]
- 全米大学総合ランキング:第28位(2018年度)[20]
- 全米州立大学ランキング: 第4位(2018年度)
US NEWS主要研究課程ランキング(2019)[21]
- 工学: 第4位
- 計算機科学: 第11位
- 物理学: 第13位
- 化学: 第15位
- 生物学: 第23位
- 数学: 第12位
- 統計学: 第12位
- 経済学: 第12位
- 政治学: 第4位
- 英語学: 第8位
- 歴史学: 第6位
- 心理学: 第3位
- 社会学: 第1位
- 社会福祉学: 第1位
- 地球科学: 第10位
- 図書館情報学: 第5位
- 看護学: 第8位
- 薬学: 第3位
- 純粋芸術: 第20位
専門大学院[編集]
- 経営学大学院(MBA): 第7位
- 公共政策大学院: 第5位
- 医科大学院: 第15位(研究部門)/ 第7位(一次医療部門)
- 法科大学院: 第8位
- 教育学大学院: 第14位
- 公衆衛生大学院: 第4位
- 臨床心理大学院: 第16位
- 社会福祉大学院: 第1位
スポーツ[編集]
ミシガン大学のスポーツチームは「ウルヴァリンズ」(Wolverines)と呼ばれている。Wolverineとは「クズリ」の意味で、ミシガン州を別名「クズリの州」(Wolverine State)と呼ぶことからこの名がついている。
アメリカンフットボール[編集]
同校はアメフトの名門チームを有することで知られる。同校はこれまで通算849勝(2005年12月29日現在)を挙げ、勝利数・勝率の両方において全米1位である。
セントラル・キャンパスの南方には全米で最大かつ世界で3番目に大きいスタジアムである「ミシガン・スタジアム」を有し、1試合当たりの観客動員数は110,000人を超える。ミシガン大学の学生はシーズン開始数ヶ月前に学生セクション専用のチケットを購入し、秋学期にはおよそ隔週で同スタジアムにスポーツ観戦に出かける光景が見られる。
同校のフットボールチーム応援歌は"Hail to the Victors"である。ゲーム開始時の入場行進をはじめ、チームが得点を挙げたとき、勝利したときにミシガン・マーチングバンドが曲を演奏し、ミシガン大学のファンが一丸となって歌うことが恒例である。同校の応援は、"Go Blue!"と叫ぶのが基本形である(青は同校のスクールカラーの一つで、ユニフォームも青が基調となっていることに由来する)。また、同校は特定のマスコットを持たない。
2021年度にはトップ25ランキング圏外からの快進撃を続け、プレイオフ(年明けに行われるトップ4間で争われる決勝トーナメント)に全米2位のチームとして進出を果たした。1997年以来となる全米制覇が期待されたが、強豪校ジョージア大学の前に敗れ実質的な最終ランキングは3位となった。
その他逸話等
- 1902年に第1回ローズボウルでスタンフォード大学に49-0で勝利した。
- 同校の実力は安定しており、1989年から2004年までの15年間、毎年最終ランキングにおいて25位以内を確保してきた(しかし2005年はアラモボウルでネブラスカ大学コーンハスカーズに32-28で敗れ、最終ランキングにおいてはトップ25圏外に転落している)
- フットボール激戦区のひとつであるビッグ・テン・カンファレンスに所属し、ミシガン州立大学スパルタンズやノートルダム大学ファイティング・アイリッシュ、そして特にミシガン州に隣接するオハイオ州の強豪校であるオハイオ州立大学バックアイズとは熾烈なライバル関係が存在する。同カンファレンスには、その他にもペンシルベニア州立大学ニタニー・ライオンズや、ウィスコンシン大学バッジャーズなど実力校が揃い、勝ち抜くのは困難である。
- 最近の優勝は1997年で、守備選手としては史上初のハイズマン賞(最優秀選手賞)を受賞したチャールズ・ウッドソン(元レイダース、パッカーズ)を擁し、ローズボウルでワシントン州立大学クーガーズを21-16で破った。
- 2007年9月1日、当時全米フットボールランキング5位にランクされていたミシガン大学ウルバリンズが、シーズン初戦でディビジョンAAのアパラチアン州立大学マウンテイナーズに32-34で敗れるという事態が起こった。アパラチアン州立大は、本来ならばミシガン大の属するディビジョン1-Aより一つ下の区割りに属すため、試合前は誰もがミシガン大の勝利を疑わなかった。しかしながら、ゲームが始まるや否や、アパラチアン州立大は強豪ウルバリンズのプレッシャーをも感じさせない気迫のプレーを見せ、試合中盤には一時7-14とリード許す場面もあった。そして互いにタッチダウンを奪い奪われながら進み、32-31で迎えた最終クォーター残り27秒で、アパラチアン州立大にフィールドゴールを決められ、史上稀に見る番狂わせを喫した。
- 公式の応援歌ではないものの、"en:Mr._Brightside"など一部のポップソングがハーフタイムにBGMとして流された際は、数万人規模の合唱が見られる。
アイスホッケー[編集]
同校はカレッジアイスホッケーの名門としても知られる。2013年からアイスホッケー激戦区のひとつであるビッグ・テン・カンファレンスに所属し、アメリカンフットボール同様長年のライバルであるミシガン州立大学スパルタンズをはじめとしてノートルダム大学ファイティング・アイリッシュなどと熾烈な試合を繰り広げている。同校は全米選手権の優勝を歴代最多の9回、フローズン・フォー(ベスト4)進出についても歴代最多の25回を果たしており、1991年から2012年までは歴代最長の22回連続全米選手権出場を果たしている。
2010年には、ビッグ・チルとして知られるミシガン州立大学との試合にて、アイスホッケー観客動員数のギネス記録となる11万3,000人を超える観客をミシガン・スタジアムに集めた[22]。同時に、ミシガン・スタジアムでの観客動員記録も更新した。
ホームアリーナは5800人を収容するヨースト・アイスアリーナ。
その他[編集]
そのほか、女子ソフトボールなどで全米チャンピオンの実績があるなど、強豪として知られている。
太陽光をエネルギーとする研究も早くから取り組んでおり、1990年から1993年にかけてソーラーカーレースで活躍した。

激戦を勝ち抜きソーラーエネルギーーの可能性を実証した彼らの活躍は今でも語り継がれている。
学生生活[編集]
ミシガン大学は三学期制を採用しており、秋学期、冬学期、春夏学期に三分される。 授業によっては一つの学期を前半と後半に2分割し、前半あるいは後半のみで授業を行う教授や講師もいる。
秋学期[編集]
8月末から12月中旬にかけての学期。 日本の大学における入学式に相当するCommencement Ceremonyが8月末又は9月の初頭に行われる。
冬学期[編集]
1月初頭から4月下旬にかけての学期。
春夏学期[編集]
5月初頭から8月下旬にかけての学期。 この期間は一般的に夏季休暇とされ、多くの学生は冬学期中に申し込んだインターンシップや研究に参加したり、地元に帰省してパートタイムで働いたりボランティア活動に参加したりする期間となる。学生によってはアナーバーに居残り、大学で授業を受け単位を取得する、あるいは(入門レベルの授業に限るが、学費を抑えるため)近くのWashtenaw Community Collegeに通うなどの選択肢も存在する。外国からの留学生は、ビザの条件上この期間に授業を取る必要はない。
大学では主に需要が高い一部の授業のみ行われ、一部の学生は授業を受けるため夏季も学費を支払いアナーバーに滞在する。この学期においては、大学の教職員の夏季休暇のため前半の「春学期」に2倍のペースで授業が行われる場合が多い。なお、ビジネススクール等においては6月から始まることの多いインターンシップに配慮し、5月中に約3〜4倍のペースで授業を行うこともある。 また、大学の学生寮も一つのみ営業(2022年現在)。学生寮は部屋数が限られている上に滞在費を節約することが困難であるため、夏季のみの賃貸契約を結んで滞在する学生も多数見られる。
日本人留学生[編集]
ミシガン大学における一番最初の日本人留学生グループは1870年代で、その中でも最も有名なのは、のちに東大総長、文部大臣となった外山正一である[23]。1871年に留学した外山は、学費・生活費が他の東部の大学などに比べて安く、自分の政府支給金で3人の日本人が学べるという理由からミシガン大学を選んだ[23]。1887年には、のちに日本興業銀行総裁となった小野英二郎がミシガン大学大学院に入り、経済学を学んだ[23]。1890年にミシガンに来た南方熊楠によると、当時ミシガン大学の日本人留学生は20人ほどおり、その後30、40人に増えたという。その中には粕谷義三、岡崎邦輔、川田鷹(川田甕江長男)、杉山三郊(川田甕江の娘婿)、三好太郎(子爵三好重臣長男)、福田友作、佐藤虎次郎などがいた。 2022年現在、日本から入学した留学生は一学年ごとに数人見られる程度である。
著名な卒業生[編集]
- ジェラルド・R・フォード - 第38代アメリカ合衆国大統領。
- アーサー・ミラー - 劇作家。トニー賞・ピューリッツァー賞受賞。代表作は『セールスマンの死』。
- スタンリー・コーエン - ノーベル生理学・医学賞。アメリカ合衆国の生物学者。
- マーシャル・ニーレンバーグ - ノーベル生理学・医学賞。アメリカ合衆国の遺伝子・生物学者。
- トーマス・ハックル・ウェーラー - ノーベル生理学・医学賞。ウイルス学者。ポリオウイルスの試験管内での培養法を考案。
- ジェローム・カール - ノーベル化学賞。ミシガン大学で博士号を取得。
- ステファン・スメイル - 数学者。フィールズ賞・ヴェブレン賞・ウルフ賞を受賞。
- クロード・E・シャノン - 電気工学者、数学者。情報理論の創始者。
- リチャード・スモーリー - ノーベル化学賞。天文学者・化学者。レーザー分光学の分野における先駆者。
- サミュエル・ティン - ノーベル物理学賞。ジェイプサイ中間子を発見。
- H. デビッド・ポリツァー - ノーベル物理学賞。アメリカ合衆国の理論物理学者。
- クリスティーン・ラーティ - 女優。
- マイク・ケリー - ミュージシャンとしても活動した現代美術家。
- シド・マイヤー - ゲームデザイナー
- クレイトン・リチャード - MLB(シカゴ・カブス)でプレーするプロ野球選手。
- トム・ブレイディ - NFL・元ニューイングランド・ペイトリオッツ、現タンパベイ・バッカニアーズのクォーターバック。
- マイケル・フェルプス - オリンピック・世界水泳選手権金メダリスト。オリンピック1大会で計8個の金メダルを獲得し前人未到の記録を樹立。
- ティファニー・ポーター - 陸上競技選手、2010年までアメリカ代表、以降イギリス代表。薬学博士号を取得。
- ジョー・ウォーレン - レスリング選手、総合格闘家。
- ラリー・ペイジ - Google の共同創立者。2011年4月4日付で最高経営責任者(CEO)に就任。
- トニー・ファデル - iPod を共同開発したコンピューター技術者。
- ジェイ・ウォーリー・ヒギンズ - アメリカ空軍軍人、後に鉄道愛好者として日本に永住。
- ラウル・ワレンバーグ - スウェーデンの外交官、実業家。第二次世界大戦末期のハンガリーで、迫害されていたユダヤ人の救出に尽力。
- セオドア・カジンスキー - 数学者。「ユナボマー」として知られる爆弾魔。1978年5月から1995年にかけて爆発物を送りつけ、3人を殺した。博士課程修了。
- エドガー・F・コッド - 情報工学者。リレーショナル・データベースの理論に多大な貢献をし、1981年にチューリング賞を受賞。
- H・H・ホームズ - 19世紀末のシカゴで、シカゴ万国博覧会に合わせ多数を殺害したとされる連続殺人犯。
- 坂西志保 - 大学院卒Ph.D.取得、学者、評論家、警察育英会理事長、国家公安委員会委員など
- 小野英二郎 - 日本興業銀行 第4代総裁。オノ・ヨーコの祖父。
- 本田謙 - 実業家、フリークアウト・ホールディングス創業者。
- 伊東眞幸 - 元浜銀総合研究所社長、神戸大学リサーチフェロー。
- 粕谷義三 - 政治家。第22・23代衆議院議長。
- 外山正一 - 東京大学総長。文学修士。
- 青木倫太郎 - 会計学者、経営学者 関西学院大学名誉教授。
- 浅野孝 - 環境工学者、カリフォルニア大学デービス校名誉教授。ストックホルム水賞受賞。
- 新井和広 - 歴史学者、慶應義塾大学教授。
- 一條和生 - 経営学者、一橋大学名誉教授。IMD教授。経営大学院博士課程修了。
- 江夏由樹 - 中国史学者、一橋大学名誉教授。
- 大久保敏弘 - 経済学者、慶應義塾大学教授。
- 竹内幹 - 経済学者、一橋大学准教授。
- 榊原英資 - 大蔵省財務官、経済学者、早稲田大学教授。博士課程修了。
- 田中章 - 環境学者、東京都市大学教授。
- 寺田賢二郎 - 計算科学者、東北大学教授、元日本計算工学会会長。博士課程修了。
- 遠山亮子 - 経営学者、中央大学教授。博士課程修了。
- 中原徹 - 弁護士、大阪府教育委員会教育長。
- 中野雅至 - 神戸学院大学教授。
- 山口智美 - 文化人類学者、モンタナ州立大学社会学・人類学部准教授。
- 長谷川祐弘 - 国際連合事務総長特別代表
- 萬行英二 - 経済学者、名古屋大学教授
- 山本吉宣 - 政治学者、東京大学教授、青山学院大学教授。フルブライト留学生。
- 大泉博子 - 政治家。衆議院議員。
脚注[編集]
- ^ “Coleman: University management similar to private institutions”. Michigan Daily (2011年). 2011年9月28日閲覧。
- ^ a b http://sitemaker.umich.edu/obpinfo/files/umaa_faculty_staff_11.pdf
- ^ a b c “University of Michigan-Enrollment by School and College, Gender, and Class Level For Term 1660 (Fall 2011)” (PDF). University of Michigan Office of Budget & Planning (2011年9月26日). 2011年3月10日閲覧。
- ^ “University of Michigan Identity Guidelines”. Logos.umich.edu. 2012年1月12日閲覧。
- ^ “QS World University Rankings 2022”. 2021 May 22閲覧。
- ^ “2022 Best Global Universities Rankings”. 2022 May 23閲覧。
- ^ https://www.wsj.com/articles/best-colleges-2021-explore-the-full-wsj-the-college-ranking-list-11600383830?mod=ig_collegerankings2021
- ^ https://finaid.umich.edu/cost-of-attendance/
- ^ https://realestate.usnews.com/places/michigan/ann-arbor
- ^ “University of Michigan Biological Station Biosphere Reserve, United States of America” (英語). UNESCO (2019年6月). 2023年2月18日閲覧。
- ^ “International biosphere program adds CMU Biological Station” (英語). The Morning Sun (2021年10月15日). 2023年2月26日閲覧。
- ^ “At the halfway place: U-M Biostation leads international recognition effort as UNESCO biosphere region | University of Michigan School for Environment and Sustainability”. seas.umich.edu (2021年10月12日). 2023年2月26日閲覧。
- ^ https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/university-michigan
- ^ https://www.topuniversities.com/universities/university-michigan
- ^ https://www.shanghairanking.com/rankings/arwu/2021
- ^ https://cwur.org/2022-23/University-of-Michigan,-Ann-Arbor.php
- ^ https://www.forbes.com/colleges/university-of-michigan/?list=top-colleges&sh=435662613c35
- ^ https://www-usnews-com.proxy.lib.umich.edu/education/best-global-universities/university-of-michigan-ann-arbor-170976
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- ^ https://www.usnews.com/best-graduate-schools/university-of-michigan-ann-arbor-170976/overall-rankings
- ^ 「アイスホッケーの試合に11万3411人、世界記録更新 米国」『』。2018年11月6日閲覧。
- ^ a b c 日本近代の歩みとミシガン大学筒井清輝、ニューズウィーク日本版、2019年9月24日