トロント大学

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トロント大学
Hart House
Hart House
大学設置 1850年
創立 1827年
学校種別 州立
設置者 The Governing Council of the University of Toronto
本部所在地 オンタリオ州トロント
キャンパス セントジョージ(トロント)
ミシサガ
スカボロ
学部 教養学部、工学部、法学部、医学部等
研究科 教養大学院、経営大学院等
ウェブサイト トロント大学公式サイト
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トロント大学英語: University of Toronto又はU of T)は、オンタリオ州トロントに本部を置くカナダ州立大学である。1850年に設置された。 創立は、1827年のキングスカレッジに至る。カナダ屈指の名門大学で、世界的にも評価が高い大学である。主要キャンパスはダウンタウン地区のクイーンズ公園周辺に位置する。1853年のユニバーシティカレッジ設立以降、トリニティカレッジ、ビクトリア大学、セントマイケルズカレッジも運営している。キャンパス敷地内に美術館遺跡公園博物館、歴史的建造物などがあり、セントジョージ、スカボロミシサガに3つのキャンパスを持つ。

キャンパス[編集]

トロント大学は3つのキャンパスで構成されており、現在は3つのキャンパスとも拡張工事が進められている。近年、40以上の施設が完成または改善されており完成途上のものもある。

セントジョージ[編集]

ビクトリアカレッジ
ロバーツ図書館
コンボケイションホール

セントジョージ・キャンパス(ダウンタウン・キャンパス)は3つの連合大学からなる4つの学部大学と3つのカレッジによって構成されている。この大学連合はもともと独立した大学であったが、後にトロント大学へと組み入れられた。

ダウンタウン・キャンパスは豊かな歴史建造物があることから観光名所となっており、映画撮影にもよく使われている。最も有名なのは1853年設立のユニバーシティカレッジUniversity College)である。このキャンパスへは公共交通機関TTCでのアクセスが容易で、大学エリア内にはロイヤルオンタリオ博物館やオンタリオ州議事堂があるクイーンズ公園などが含まれる。

ミシサガ[編集]

セントジョージ・キャンパスから30kmほど西に位置しているトロント大学ミシサガ校(UTM)は、郊外のミシサガに位置する。クレジット川の浅瀬にあり、キャンパスの面積は0.9 km²。現代的なキャンパス様式で、エリンデール地区にあることからエリンデール・キャンパスと呼ばれることもある。 シャトルバスでセントジョージ・キャンパスと結ばれている。

現在キャンパス内は大規模な工事を行っており、プールを含む新しい競技用施設の建設が進められている。2006年 10月10日、新しい図書館「ヘイゼル・マッキャリオン・アカデミック・ラーニング・センター」(現ミシサガ市長の名にもとづく)がオープン。

近年UTMは医療研究の新しい拠点なることが決定し、トリリアム・ヘルス・センター(Trillium Health Centre)とクレジットバレー病院(Credit Valley Hospital)と提携した。

2007年夏には真新しい学生宿舎が完成予定。

スカボロ[編集]

ダウンタウン・キャンパスから30kmほど東にあるトロント大学スカボロ校(UTSC)は、トロント東部のスカボロ地区にあり、キャンパスの面積は1.2 km²。スカボロのハイランドクリーク地区にキャンパスの敷地があり経営学とコンピュータ学が著名。過去5年間で大規模なリノベーションが行われ、新図書館、学生宿舎、学生センター、校舎(経営、芸術)が刷新された。現在も工事が行われており、2009年には新しい校舎が完成予定。

歴史[編集]

19世紀のユニバーシティカレッジ

トロント大学は1827年3月15日、キングス・カレッジが英国王室の認可(Royal Charter)を受けたことに始まる。キングス・カレッジ(King's College)はトロント英国教会の主教ジョン・ストラッチャン(John Strachan)によって創立された。この地域の住民のほとんどは英国教会系ではなかったものの、当初は英国教会の色彩が強い学校であった。後にアッパーカナダの統治のもと、1848年にキングス・カレッジは無宗教の教育機関へと変わり、1850年1月1日に「トロント大学」へと名称が変更された。

旧キングス・カレッジの建物は現在の州議事堂にあったが、廃校され、1853年、州内でより高度な高等教育を提供する「州のカレッジ("The Provincial College")」として、新しくユニバーシティ・カレッジがオープンした。

ユニバーシティカレッジは無宗教・無宗派の大学として設立されたが、トロント地域にある他の宗派の大学やカレッジはトロント大学連合(Federated universities)としてトロント大学に組み入れられた。これらの宗派系の大学にはカトリック系のセントマイケルズ・カレッジメソジスト系のビクトリア大学、英国教会系のトリニティカレッジ大学がある。また、大学の体制はイギリスのロンドン大学連合をモデルとしている。

トロント大学が設立されてから20年の間に大学自体の建物が増え、トロント大学連合に加盟する小さな大学も増えた。オンタリオ州内には宗派の学校によるネットワークがあったが、これらの小さな私立学校は独自で運営するには困難を伴っていた。そして、多くの場合、不本意ながらもトロント大学連合に加盟する道を選んだ。トロント大学連合の「連合」はトロント大学内にあるそれぞれの大学やカレッジが自立性を維持したまま、トロント大学の施設をすべて利用できることを意味する。1892年にメソジスト系のビクトリア大学が、1904年には英国教会系のトリニティ・カレッジ、1910年にカトリック系のセントマイケルズ・カレッジがトロント大学連合に加盟しているが、今もそれぞれに独立性を維持している。現在、トロント大学は大学の法規則に相当する「"University of Toronto Act of 1971"」のもとに運営されている。

世界恐慌と世界大戦からの落ち込みの後、ベビーブーム期の1950年代から1960年代にかけてトロント大学は飛躍的な発展を遂げた。この期間に新しいカレッジがセントジョージ・キャンパス内に3つ、ニュー・カレッジイニス・カレッジウッズウォース・カレッジ、そのほかに郊外の西30kmほどの場所ミシサガにエリンデール・カレッジ(現在のトロント大学ミシサガ校)、東へ30kmほどのスカボロ地区にトロント大学スカボロ校の合わせて5つが設立された。

1980年代から1990年代にカナダの大学教育のあり方が大きく変わり、政府の年間予算から大学の助成金が削減された。これによって多くの大学が寄付やスポンサーによって成り立つ独立法人へと変わった。

トロント大学はカナダ経済の中心に位置し、商業地区へエリートを輩出する学校であったことから資金調達や寄付金を集めることに国内のどの大学よりも成功し、今日その額は15億カナダドルに上る。

1990年代から21世紀現在、今もなお、3つのキャンパスすべてにおいて拡大を続けている。

組織[編集]

プログラムの多様性があり、学部は300以上、大学院は80以上を数える。医学、工学、教育等多くの分野で、北米トップクラスであり、特にアルツハイマーの研究では世界最高水準である。現在までに多数のノーベル賞受賞者を出し、学生だけでなく教授のレベルも北米トップクラスである。 また、42の分野別の図書館を持ち、そのうち最大の図書館(ロバーツライブラリー)は、北米の大学全体で第3位の蔵書量を誇る。 さらに、William Lowell Putnam Mathematical Competition(北米大学数学コンテスト)では上位5位以内にランクインする事がよくあり、トップ5の入賞回数は18回とカナダでは最多、北米では5番目に多い。[1]

学生[編集]

フルタイムの学部生は約5万5千人と大学院生約1万4千名を合わせて6万9千名余り。他にパートタイムの学部生と院生4600名の在籍数はカナダ最多[1]。アメリカを含めた北米全体でも5番目の規模を有する。カナダ国内のみならず、世界中から優秀な学生を集めているため、留学生も多い。

トロント大学は英国式のカレッジ(オックスフォード大学ケンブリッジ大学が採用しているものと同様)と呼ばれる学寮制(いわゆる単科大学や短期大学等のカレッジとはまったく別物)を採用している。ダウンタウンのセントジョージ・キャンパスの場合、学生は9つのカレッジのうちいずれかに属することになる。カレッジには男子寮、女子寮が併設されており、必ずしも入寮する必要はなく通学することもできるが、多くの学生(特に1、2年生)が入寮を希望し、共同生活を送っている(部屋は通常個室か二人部屋)。キャンパスライフの中でカレッジ対抗の催しも多く、巨大な大学の中で、学生が帰属意識を持てるシステムになっている。

北米では東アジア研究が盛んな大学としても知られており、東洋学部(東アジア学部)を設置しているほか、大学図書館から独立した組織が運営する専門の図書館「東アジア図書館」もある。よって、東アジア各国の大学と積極的に交流している。日本の大学では、東京大学、慶應義塾大学、京都大学、早稲田大学、国際教養大学などと交流がある。

ランキング[編集]

2012年版 The Times Higher Education World University Rankings of 2010[2]では世界21位、The QS World University Rankings of 2012[3]で19位、2012年版Academic Ranking of World Universities[4]では、カナダ国内1位、世界27位。Newsweek発表の2006年大学世界ランキング[5]では、カナダ国内1位、世界18位にランクされている。

本校のビジネス・スクール(経営大学院)も有名で2006年のフィナンシャル・タイムズMBAランキングで世界24位(2005年は21位)に、ビジネスウィーク(Businessweek)のMBAランキングでは国際枠(アメリカの大学を除いた世界ランキング)で9位(2004年)にランクされている。特に金融工学の分野で実績を蓄積し、2000年には分野別ランキングで世界1位となった。

主な出身者[編集]

これまでに5人のカナダ首相を輩出している。また生理学・医学賞2人、物理学賞2人、化学賞2人、平和賞2人の計8人のノーベル賞受賞者を輩出している。

ノーベル賞受賞者[編集]

政治家[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]