イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校

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イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
UIUCmainQuad.jpg
大学設置 1868年
創立 1867年
学校種別 州立
本部所在地 米国イリノイ州アーバナおよびシャンペーン
学部 教養学部
工学部
経営学部
農学部
建築学部
理学部
研究科 教養大学院
公共政策大学院
教育大学院
工学大学院
法科大学院
医学大学院
経営大学院
ウェブサイト イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校公式サイト
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イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校英語: The University of Illinois at Urbana–Champaign, UIUC)は、米国イリノイ州アーバナおよびシャンペーンに本部を置くアメリカ合衆国州立大学である。1868年に設置された。 2007年時点で生徒数は42,326で、そのうち30,895人が学部生、11,431人が大学院生である。 アメリカ中西部における屈指の名門であり、パブリック・アイビーの一つに数えられる。Academic Ranking of World Universities 2010において25位にランクされており、中でも工学系の専攻は、世界4位にランクされた。

沿革[編集]

1862年に農業および工業技術開発の促進のために、州が公有地を大学敷地として許与するモリル・ランドグラント法が成立、それにより1867年にイリノイ産業大学として創立、翌1868年に開校した。1885年にイリノイ大学に名称が変更されたが、1982年にイリノイ大学の他キャンパスと区別するため、現名称のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に改められた。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校はイリノイ大学システムの中では最も古く、規模も最大であり、業績・レベル共にトップである。

キャンパス[編集]

大学は17の学部からなっており、150以上の専攻がある。キャンパスはアーバナ市とシャンペーン市にまたがっており、1468エーカー(6平方キロメートル)の敷地に266の建物が建っている。

キャンパスの主要部はQuad(四辺形)と呼ばれる長方形の広場であり、主に総合・一般教育を行うビルに囲まれている。南側のフォーリンジャー公会堂を挟んでUndergraduate Libraryという学部学生用図書館がある。その更に南に、ビジネス系キャンパスが広がる。北側のユニオンのむこうには1997完成のGrainger Library新図書館がある。新図書館よりさらに北に工学系キャンパスが広がっており、南北に長いキャンパスの外側を時計回りにグルグル回る2両連結バス(LOOP号等)を利用しなければ、冬は凍え死にかねない。もちろん、大学の学生証 (I-Pass) を見せれば、2都市内のバス (MTD) は無料で乗車可能である。

これら教室ビルを囲んで学生寮やアパートがあるが、特別な事情がない限り、学生は2年間大学寮に入らなければならない。彼らのほとんどは北東の角に位置するIllinois Street Residence hall(通称ISR)、又は南西の角に位置する6連棟Champaign Residence Halls(通称Six Pack)に入る。更に伝染病隔離のため、少し離れた場所にある大学病棟のさらに南東にはPennsylvania Avenue Residence Halls(通称PAR)とFlorida Avenue Residence Hallsがある。

前述のUndergraduate Libraryの隣には100年単位の遺伝子実験材料である、遺伝子組み換え済みのトウモロコシ畑が20メートルほどある。 隣接するサヴォイ町 (Savoy) のウィラード空港 (Willard Airport) は大学の所有地であり、航空学部の実習はここで行わる。本来小型機用に設計された空港ではあるが、中・短距離向けに燃料を補給したボーイング747型機なら離着陸が可能な2,500m級滑走路を含め、計4本の滑走路がある。第42代アメリカ大統領ビル・クリントンが大学に来訪した際、専用機エアフォースワンが滑走路を低速で走行中、排水側溝に脱輪したことがあり、その後、同空港の滑走路脇のペイントは再塗装された。

構成[編集]

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は17の教育研究組織で構成されている。

  • College of Agriculture, Consumer, and Environmental Sciences
  • College of Applied Health Sciences
  • Institute of Aviation
  • College of Business
  • UCollege of Education
  • College of Engineering
  • College of Fine and Applied Arts
  • Graduate College
  • School of Labor and Employment Relations
  • College of Law
  • College of Liberal Arts and Sciences
  • Graduate School of Library and Information Science
  • College of Media
  • College of Medicine at Urbana–Champaign
  • School of Social Work
  • College of Veterinary Medicine
  • University Honors

評価[編集]

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学部過程は、2011年のUS Newsランキングで全米では47位(全米大学総数およそ4000校)、州立大学では15位にランキングされており、イリノイ州のみならずアメリカ合衆国中西部を代表する大学の1つでもある。また、世界大学ランキングでは1000以上の大学の中から25位にランキングされている。中でも工学部、コンピューターサイエンス、図書館情報学、会計学、心理学は全米屈指のレベルを誇る。

主要世界大学ランキング'

  • TIMES世界大学ランキング: 第33位(10年度)
  • NEWSWEEK世界大学ランキング: 第48位(06年度)

US NEWS学部課程ランキング

  • US NEWS America's Best Colleges: 第45位(2012年度)

US NEWS大学院ランキング

  • 経営学: 第38位(09年度)/会計学: 第3位(09年度)
  • 法学: 第23位(09年度)
  • 工学: 第5位(10年度) / 生物工学: 第1位(10年度)、土木工学: 第2位(10年度)、電子工学: 第4位(10年度)、環境工学: 第3位(10年度)、材料工学: 第2位(10年度)
  • 教育学: 第24位(09年度)
  • 生物学: 第29位(10年度)
  • 化学: 第6位(09年度)
  • コンピューター学: 第5位(09年度)
  • 数学: 第18位(09年度)
  • 物理学: 第8位(09年度)
  • 経済学: 第31位(09年度)
  • 英語学: 第22位(09年度)
  • 歴史学: 第22位(09年度)
  • 政治学: 第21位(09年度)
  • 心理学: 第7位(09年度)
  • 図書館情報学: 第1位(09年度)

主な教授、卒業生[編集]

これまで21人の卒業生または教授がノーベル賞を受賞しており、20人がピューリッツァー賞を受賞している。中でも、ジョン・バーディーンは「半導体の研究およびトランジスタ効果の発見」と「超伝導現象の理論的解明」により、ノーベル物理学賞を2度受賞している。ノーベル物理学賞を2度受賞したのはジョン・バーディーンのみである。また、アンソニー・レゲットがノーベル物理学賞、ポール・ラウターバーノーベル生理医学賞を受賞している。

1977年に六界説、1990年に三ドメイン説という生物の分類体系を提唱したことで有名なカール・ウーズは現在イリノイ大学の教授である。

YouTube共同創立者のスティーブ・チェンジョード・カリムPaypalの共同創立者マックス・レヴチンもイリノイ大学のコンピューターサイエンスの卒業生。

研究機関[編集]

黎明期のコンピュータおよびスーパーコンピューティングに名を残したILLIACシリーズ(ILLIAC IILLIAC IIILLIAC IIIILLIAC IV)をはじめ、コンピューティングに関する研究がさかんである。

2001年宇宙の旅」作中の宇宙船の頭脳であるコンピュータHAL 9000は、本校のあるアーバナにあるという設定のHAL研究所で開発されたという設定になっている。

著名な機関として米国立スーパーコンピュータ応用研究所 (NCSA) がある。ここは(後にネットスケープコミュニケーションズを設立する)マーク・アンドリーセンが画像をレンダリング可能な最初のHTMLブラウザであるMosaicを他のメンバとともに作り上げた場所である。さらに、1987年にはNCSAは利用者が、仮想的に端末に接続し、計算機資源を遠隔地から利用できるようにするプログラムであるNCSA telnetをつくり出した。

現在、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校とIBMの共同で、ペタスケール(ペタFLOPS級)のスーパーコンピュータBlue Watersを建設中であり、2011年に完成予定である。

スポーツ[編集]

白人学生が演じる「イリニウェク酋長」と「マーチング・イリニ」

この学校のスポーツチームは「The Fighting Illini」(戦うイリニ族)であり、このチーム名は、実在のインディアン部族である「イリニ連邦」の名を借用したものである。 激戦区ビッグ・テン・カンファレンスに所属し、特に男子バスケットボールは全米トーナメントに度々出場する有力チームである。同チームは2005年に37勝2敗という同校史上最高の成績を残した。シーズン中はオハイオ州立大学に僅差で敗れた1敗のみ、ビッグ・テン・トーナメントは優勝、全米トーナメントでも準優勝に輝いた(優勝はノースカロライナ大学)。応援団兼マーチングバンドである「The Marching Illini」もまた高い評価を受けている。

大学の運動部のシンボルはインディアン民族 のステレオタイプである、「イリニウェク酋長」という白人学生が演じる「インディアン・マスコット」である。

特定の民族を動物のように扱った人種差別の典型として、この「イリニウェク酋長」、「戦うイリニ族」は、現在も「アメリカインディアン運動」(AIM)、「スポーツとメディアの人種差別に関する全国連合」(NCRSM)を始めとする、多数のインディアン団体や個人から、その変更廃止を求めての激しい抗議運動を受け続けている。しかし、イリノイ大学は現在もその要求に応じる姿勢を見せていない。

外部リンク[編集]