アダルトゲーム

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アダルトゲーム和製英語adult game)は、性的表現があるために成人向けに販売されているコンピュータゲームソフトのことを指す。通常、18歳未満の者への販売が条例や業界の自主規制[1]により禁じられている。特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。

暴力的・反社会な表現などがあるために一定の社会規範性をユーザーに求めるゲームについては、成人向けゲームの項を参照。また、過度の暴力表現などを含む成人向けゲームについては、残酷ゲームを参照。

目次

[編集] 概要

今日のアダルトゲームのほとんどは、Microsoft Windowsをプラットフォームとするパーソナルコンピュータ(PC、以下パソコン)向けソフト、すなわちパソコンゲームとして発売されている。

男女問わず、青壮年層を主たる購入対象とするタイトルが中心であり、コンピュータソフトウェア倫理機構による公式名称は「R18ゲーム」であるが[2]、俗に「エロゲー」「エロゲ」とよばれる。

1980年代の業界黎明期から「美少女ゲーム」という呼び方もある。ただし、特にパソコンゲームにおいて「美少女ゲーム」という表現を用いる場合には、主人公・主要キャラクターとして魅力的な美少女キャラクターが複数登場するが性的描写のシーンが無いノンアダルト作品[3]や性的描写を回避しつつも美少女の育成や恋愛要素が主眼である「ギャルゲー[4]をアダルトゲームとは別区分として指すこともあるほか、性的描写を含む「成人向けゲームソフト」についても女性プレイヤー向けに美形男性キャラクターの同性愛を描いた「ボーイズラブゲーム」、女性視点で描かれる「18禁乙女ゲーム」、男性プレイヤー向けに少年愛を描いた「ショタゲー」、男性同性愛者向けにゲイ雑誌に通じる表現技法で同性愛を描いた「ゲイ向けゲーム」なども存在するため、「アダルトゲーム=美少女ゲーム」という構図は単純には成り立たない。

販売に当たっては、メーカー間の自主規制や各都道府県の青少年保護育成条例等により、18歳未満の人物が購入することのないよう販売店における陳列の分離や販売時の年齢確認を徹底するよう通達がなされている。

[編集] 特徴

ゲームジャンルは、アドベンチャーゲームとその亜種であるビジュアルノベルが圧倒的多数を占める[5]。対して、育成シミュレーションゲームシミュレーションRPGアクションゲームRPGシューティングゲーム等は珍しい。

ゲーム内のイベント画面やキャラクターの立ち姿のグラフィックについては、日本ではマンガアニメ調の平面的な2次元コンピュータグラフィックスによる静止画像がそのほとんどを占めており、3次元コンピュータグラフィックスのキャラクターを用いた作品は存在するが少数派である。海外のアダルトソフトでは一般的なポルノ女優によるヌード実写映像の作品は少ない。

受動的に鑑賞するアダルトビデオやヌード写真とは異なり、初期はキーボードからのコマンド入力、現在では主にマウス操作による登場人物の行動選択という形でのインタラクティヴな体裁を取り[6]、現実の代替物ではなく独立したリアリティであり「萌え」「感動」「ノスタルジー」などとコミになった性的満足として存在している[7]。このことは、日本では特有の発展を遂げた漫画アニメなどのサブカルチャーと結びつかせる要因となり、資金や知名度の乏しいクリエイターやその集団が創作を行う場として定着し、「成人向け作品として必要量の裸と“場面”を出しておけば、後は予算と納期と倫理基準の範囲内でクリエイターに裁量が与えられ、自由に表現を追求し創作意欲を満たせる」という、かつて斜陽の一途を辿る映画業界にあって機会に恵まれない多くの若手映画人が手腕を奮った日活ロマンポルノ成人映画と類似した制作システムの構造を成立させるに至り、日本のおたく文化の一翼を形成した。また、人材発掘についても同様で、今日ではゲーム業界のみならずアニメ・漫画小説などいわゆるメディアミックス関連業界全般への人材・コンテンツの主要な供給源の1つとしても機能しており、これら業界ではアダルトゲームからプロとしてのキャリアをスタートさせたクリエイターや、あるいは著名になる課程でアダルトゲーム業界に関与した経験を持つクリエイターはさして珍しいものではなくなっている。

アダルトゲームの場合、「家庭用ゲーム」とも呼ばれるコンシューマゲーム機では発生するハードウェアメーカーへのライセンス権使用料や特定ハードウェア向けの専用ワークステーション・開発キットの導入やリースにかかる高額なコストが無く、遥かに廉価な一般的な仕様のパソコン[8]および汎用ソフトウェア開発キット・周辺機器があれば作業の大半が可能である。開発環境へ導入するLANやファイルサーバも比較的小規模なもので必要十分であり、3DCGやトゥーンレンダリングを本格導入するものでもなければ高性能なワークステーションを導入する必要も無い。これらのことから、コンシューマゲームと比較すればアダルトゲームは小資本での制作が可能である。

コンシューマゲーム機と比較した場合にはハードウェアメーカーによる作品内容・シナリオや販売計画への企画・開発段階でのチェックや干渉が無く、販売対象を18歳以上に限定していることから、性的描写以外の部分においても表現の自由度が大きいこともアダルトゲームを特徴付けている重要な要素である。たとえば古典的な恋愛小説純文学の様式表現を追求したい作品や、同様に子供では理解し難いラブコメ懐古趣味・愛憎劇や過激なパロディ要素や社会風刺を内含している作品などでは、あえて登場人物の性描写を含めてパソコン向けのアダルトゲームのフォーマットで制作されることが多く、この様な方向性を特に重視した作品の中にはヒロインの性的描写のシーンはゲームの本質に影響を及ぼさないサービスシーンという割り切った作りのものも見られる。これについては、

  • あえて児童層・少年層をターゲットに含める必要性が無い作品の性質
  • 男と女、若者の人間模様や恋模様を描く作品の場合でも、コンシューマ機では根本的に性行為を想起させる要素は含ませられない[9]
  • 性的表現以外の面でも、コンシューマゲーム機ではライセンス権やゲームソフト流通を掌握管理するハードウェアメーカーがかつては独自基準、現在でもCERO準拠とはいえ独自のチェック項目を数多く設定しており、パロディなどに対してのチェックが非常に厳しく、ハードウェアメーカー側の「要望」という形での内容や表現への干渉・横槍も少なくない
  • 概してコンシューマゲーム機における表現の制限については運用が硬直的で、作品やシナリオの持つ文芸的要素・芸術的要素などを考慮した緩和も基本的に無い

この様なことが要因として挙げられ、いくら資金・人材・技術の面で制作が可能であってもコンシューマ機では現実にはソフトを流通させられず販売不可能な一方で、ハードウェアメーカーによる干渉が無く後述するような制作システムが構築されビジュアルノベルとそのゲームエンジンが普及・発展しているアダルトゲームならば制作・販売が容易でプレイヤーからも受容されやすいことなどが大きな要因になっている。

[編集] 歴史

アダルトゲームの、歴史に関する部分を解説する。

[編集] 創生期(1980年代)

1980年代はPC-9801シリーズを初めとする国産パソコンによって、パソコン市場が拡大しており、拡大する市場を狙って勃興したソフトウェアメーカーにより様々なコンピュータメーカーがゲームソフトを開発・発売、この中でアダルトゲームも制作された。しかし、この当時のパソコンでは、8色ないし16色といった表示能力から、専ら塗り絵ないしアニメ調の絵との親和性が高い半面、写真のように取り込み画像の再現性は著しく制限を受けるという性能的限界もあって、ビットマップ画像などラスタ形式ではなく、ドローイングに頼ったものであった。その結果、グラフィックや、まして音声で性的興奮を煽るようなものではなく、単に性的な事象を画像と文章で連想させる程度であった。

8ビットパソコン用ソフトとして発売された『ナイトライフ』(1982年(昭和57年) 光栄マイコンシステム(現:コーエーテクモゲームス))が「性」を取り扱った最初のソフトウェアとなる。ただし同ソフトウェアは、受胎期間の計算体位の解説を行う「夫婦生活をサポートする」ためのユーティリティであり、性的興奮を目的としたものではなかった。

しかし「性」という日本社会では「秘め事」として余り表立って扱われることのない内容に関した同ソフトウェアが確実な売り上げを出し、ソフトウェア業界にはその方面の需要が潜在的に存在していることが印象付けられた。このため、エニックス(現:スクウェア・エニックス[10]など後にコンシューマーゲームで名をはせるソフトメーカーから、PSK(パソコンショップ高知)・九十九電機のような現在のパソコンショップもアダルトゲームの制作・販売に参入、より性的な内容に特化したソフトウェアの開発が進み、翌1983年(昭和58年)には10本以上のアダルトゲームが販売された。1980年代半ばにはアダルトゲームの制作販売を専門とするジャスト、チャンピオンソフトキララ等のソフトメーカーが現れ始めた。そして現在のアダルトゲームの元祖といわれる『天使たちの午後』(1985年(昭和60年) ジャスト )が登場し、アダルトゲームにキャラクター性とストーリー性盛り込むという形式の原型が生まれた[11]。しかし、当時はまだゲームオーバーが存在したり、話の流れがだれしも一様であったりと物語としては稚拙な面も存在した。

また、同時代にはこのほかに脱衣麻雀に代表される”コンピューター版野球拳”のようなゲームもあり、ゲームの内容とは無関係に性的画像を表示させ、その一点のみをもってアダルトゲームに分類され、専用のコーナーに陳列されていた製品もみられる。このジャンルではゲームセンターにおいて、『雀豪ナイト』(1983年(昭和58年) 日本物産 )が、アーケードゲーム初の脱衣麻雀として登場し、「脱衣もの」というジャンルが確立された。

この時代、社会一般の認知度は特殊な再生媒体によるポルノ作品で「ほぼ無視ないし無名」といった状態であった。このため業界共通の性的描写に関するガイドラインは存在せず、性的描写は各企業の裁量に任されていた[12]。しかし、1986年(昭和61年)に、刑法177条(強姦罪)からタイトルを取った『177』(マカダミアソフト=デービーソフトの一部門)が、草川昭三により国会で取り上げられた[13]ことにより次第にアダルトゲームは問題視されるようになる、そして1988年(昭和63年)に起こった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件や、それに端を発した有害コミック騒動によってポルノ業界そのものへの批判が強くなっていく。

[編集] 1990年代前半

1988年(昭和63年) - 1991年(平成3年)頃には、16ビットパソコンの技術がある種の集大成を迎えた。ハードウェア的には、PC-9801シリーズが日本国内で販売されているPCのシェアで圧倒的となる。1986年(昭和61年)発売のPC-9801VM21以降はグラフィック、効果音、記憶媒体の性能がそれ以前に比べ向上し、またの事実上のOS統一化などによる移植性の向上、製作に関する機器(スキャナ、グラフィックソフト)の値下がり等が、作り手側にとってゲームが製作しやすい環境となった。デジタル的だった色合いもアニメ的な色合いが出しやすくなった。

そのためか、製作本数が以前より増え、多種多様なアダルトゲームが販売されるが、その中で一部の作品が過激化し始めた[14]。しかし、1991年(平成3年)に中学生がアダルトゲームを万引きしたことにより業界への非難が高まり、制作企業の社長がわいせつ図画販売目的所持で京都府警に逮捕される事件、「沙織事件」が起き、事態を重大に捉える動きが生まれた。こうしたことから、業界による自主規制団体が立ち上げられることとなり、翌1992年(平成4年)にコンピュータソフトウェア倫理機構が設立された。

この逆風の中で非アダルトの美少女ゲームプリンセスメーカー』(1991年(平成3年) ガイナックス)と、『卒業 ~Graduation~』(1992年(平成4年) ジャパンホームビデオ)が登場した事で、パソコンゲームに育成シミュレーションゲームという新たなジャンルが加わり、「美少女が題材でも面白いゲームが作れる」・「CGでもマンガ・アニメに劣らない魅力的な美少女が表現できる」ことが提示された。この事がアダルトゲームにも大きな変化をもたらした。

この中で頭角を現したのがエルフで、1992年(平成4年)12月にリリースされた『同級生』は10万本を越えるベストセラーとなった[15]。この作品は当初シミュレーションゲームの要素を取り入れたナンパゲームとして企画されていたが、各ヒロインに個性とHシーンに至るまでの恋愛ドラマを盛り込んだ結果、それまでのアダルトゲームのイメージを覆す恋愛ゲームとして評価された。

そして『同級生』のドラマ性を参考にして開発された非アダルトの美少女ゲーム『ときめきメモリアル ~forever with you~』(1994年(平成6年) コナミ)が家庭用ゲーム機市場にて大ヒットした事により、コンピュータゲームにおいて美少女ゲームが次第に市場に認知され、その中でアダルトなシーンまで踏み込むものとしてアダルトゲームが知られるようになる。

[編集] 1990年代中頃

この時期はハード的にはPC-9801シリーズとPC/AT互換機の端境期に、ソフト的にもDOS系のOSからGUIのWindowsへの移行期となっていた。この頃のアダルトゲームは「どうゲームとして面白くするか」が試行錯誤された時期であった。その中で、プレイヤーの選択によって異なる物語と結末が訪れるマルチシナリオ・マルチエンディング形式のゲーム『弟切草』(1992年(平成4年) チュンソフト )がスーパーファミコンで発売されヒットする。この作品のシステムはアダルトゲームにも大きな影響を及ぼした。その一方で『SM調教師瞳』(スーパーファミコン)や『しあわせうさぎ』(PCエンジン)などの家庭用ゲーム機対応の「裏ソフト」と呼ばれる物が発売されたのもこの頃である。

アダルトゲームでマルチシナリオを確立させたのは『河原崎家の一族』(1993年(平成5年) シルキーズ)である。その後、『DESIRE ~背徳の螺旋~』(1994年(平成6年) シーズウェア )・『EVE burst error』(1995年(平成7年) シーズウェア)へと発展してゆく。

また、マルチシナリオ以外ではファンタジーアドベンチャーとウォーシミュレーションの融合『ドラゴンナイト4』(1994年(平成6年) エルフ)と、本格的ダンジョンRPGの『闘神都市II』(1994年(平成6年) アリスソフト)がリリースされ、以降1995年(平成7年)に迷宮脱出推理アドベンチャーの『遺作』(エルフ)、マルチシナリオの『夢幻泡影』(アリスソフト)、1996年(平成8年)にはマルチシナリオの『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(エルフ)、地域制圧型シミュレーション鬼畜王ランス』(アリスソフト)をリリースと、エルフとアリスソフトの2社を中心とした開発競争が繰り広げられ、「西のアリスソフト、東のエルフ」[16]と呼ばれるようになった。

しかし、この中で発展を遂げてゆくのは、より恋愛物語色を強めた『同級生』の後継作『同級生2』(1994年(平成6年))で、以降のアダルトゲームはセックス描写を含む恋愛物語要素やシナリオを重視した、選択肢とイラストが付いた読み物とでも言うようなトレンドに傾いてゆく。

[編集] 1990年代後半

技術面では、1995年(平成7年)のWindows95シリーズのヒットや、パソコンの低価格化によるパソコンユーザーの増加と、技術開発や記録媒体の大容量化による画像、音楽表現能力の著しい向上が見られるようになるが、1999年(平成11年)に成立した『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』によりアダルト・ポルノ業界に対する規制が強化され、対応が迫られるようになる。そんな中、テレビアニメ美少女戦士セーラームーン』・『新世紀エヴァンゲリオン』・『カードキャプターさくら』の大ヒットと、いわゆる「オタク」と呼ばれる層の漫画・アニメ市場が拡大した時期であり、アダルトゲームはその流れに乗る形で発展するようになる。オタク文化と呼ばれる文化の一翼を担いメディアミックスも活発になっていく。こうして純粋に性的興奮を目的としたアダルトビデオ等とは異なる道を進むようになる。

この流れを作った初めの作品は『Pia♥キャロットへようこそ!!』(1996年(平成8年) カクテル・ソフト)である。ゲームシステムは『ときめきメモリアル』の簡易・縮小版とでもいうものであったが、徹底して美しさ・エロさより可愛らしさを追求したキャラクター作りと等身大のラブストーリーが話題を呼び、翌1997年(平成9年)に発売された続編『Pia♥キャロットへようこそ!!2』で10万本以上の大ヒット作となった。この作品の人気は後に秋葉原から始まったオタク文化の代名詞的存在、「メイド喫茶・コスプレ喫茶」のアイディア母体にもなっている。

ゲーム性をばっさりと切り捨て、ビジュアルとストーリーそして音楽を重視した「ビジュアルノベル」と呼ばれる形式の作品が出るのもこの頃である。1996年(平成8年)Leafは、『弟切草』を参考に、ビジュアルノベル第一作 『』を制作。続いて、同じコンセプトの『』を同年発売。インターネットが普及してない時代であったが、パソコン通信口コミで広まりヒットし、ゲーム性からストーリー性への変更が業界に定着した。翌1997年(平成9年)に出た『To Heart』は、日常が舞台の恋愛ゲームとしてアダルトゲームの枠を飛び越え、家庭用ゲーム機移植化・アニメ漫画化などのメディアミックスが図られた。プレイヤーの好みのキャラクターを用意するため、幼馴染・活発・無口・外国人などの定型的なキャラクターの先駆けでもある。

Leafとは別の方向でストーリー重視を打ち出して成功したのが『ONE 〜輝く季節へ〜』(1998年(平成10年) Tactics )で、ラブストーリーに感動できる要素と泣ける要素を盛り込み、それを音楽によって高める演出の秀逸さで人気を集め、後に「泣きゲー」の元祖作品とされた[17]。この方向はのちに製作スタッフの一部がビジュアルアーツに移り旗揚げした新ブランドKeyの第一作『Kanon』(1999年(平成11年))、第二作『AIR』(2000年(平成12年))が立て続けに大ヒットとなった。

『Pia♥キャロットへようこそ!!』・『To Heart』・『Kanon』の三作品の大ヒットは、コミックマーケットを中心とした同人コスプレイヤー達の興味を引き、ここから女性ユーザーを獲得する事に成功、アダルトゲームはアダルト・ポルノ業界で異色の存在となってゆく事になり、恋愛ゲーム主流という業界の流れをつくりだした。

[編集] 2000年代前半

2000年代に入ると、アダルトゲームは漫画・アニメに次ぐキャラクター産業としての色彩を帯びるようになり、主題歌を歌う歌手がアルバムを発売したり、テレビアニメ・漫画・ラジオ・カードゲームなど他の業界でも、アダルトゲームを元にした商品が製作されることになる。また、日本国外への進出も、姫屋ソフトStudio e.go!など一部メーカーによって、早い段階からアメリカ台湾等日本国外の市場を意識した商法も行われている。

同人誌即売会コミックマーケットにおいて、2000年(平成12年)冬に登場したオリジナル同人アダルトゲーム『月姫』(TYPE-MOON)と、2002年(平成14年)夏に登場したオリジナル非アダルト同人ゲームひぐらしのなく頃に』(07th Expansion)が共に10万本以上の大ヒットとなって同人原作作品ながらも事実上の商業化とメディアミックス展開を果たし、業界に大きな影響を与え、前後して多くの同人サークルが商業ブランドに改組された。

1990年代後半から拡大した「泣きゲー」とは正反対に、愛憎・嫉妬・すれ違い・失恋・修羅場といった恋愛における「負」の部分を描いた作品が出始めたのがこの時期である。女性向けの昼ドラもさながらのドロドロの三角関係を描き出した『君が望む永遠』(2001年(平成13年) アージュ)は「鬱ゲー」というジャンルを開拓した。

純愛系ではソフ綸の規制強化を逆手に取るように、義妹幼馴染いとこ(主に従兄妹)をメインヒロインに据えた作品で多くの話題作が出た。その中で『みずいろ』(2001年(平成13年) ねこねこソフト)、『D.C. 〜ダ・カーポ〜』(2002年(平成14年) CIRCUS)が相次いでヒットした。

一方老舗のメーカーでエルフは鬼畜・凌辱物の『臭作』(1998年(平成10年))・『鬼作』(2001年(平成13年))といった純愛以外の作品や、ライトノベル作家あかほりさとる原作で、萌え重視・メディアミックス重視の『らいむいろ戦奇譚 ~明治日本、乙女 防人ス。~』(2002年(平成14年))を送り出す。もう一方の雄アリスソフトはあくまでエロさとゲーム性を重視した作風の『大悪司』(2001年(平成13年))、『ランスVI-ゼス崩壊-』(2004年(平成16年))といった作品や、希望小売価格が2800円の『妻みぐい』(2002年(平成14年))で低価格路線を打ち出して新たな流れに対抗した。

また2003年(平成15年)には女性プレーヤーを対象にした『星の王女』(美蕾)が発売された。

[編集] 2000年代中盤~現在

高速インターネット回線の普及により、ダウンロード販売が普及するようになり、販売数は2004年(平成16年)には2万本だったが翌2005年(平成17年)には17万本と急増している[18]。ダウンロード販売により旧作の購入も容易になった(ダウンロード販売の沿革や状況に関する詳細はダウンロードゲーム#アダルトゲームにおける展開を参照)。また、動画共有サイトでの宣伝・広報活動も拡がりを見せている[19]

戦闘シーン、登場人物、武器、ストーリーを重視した萌えゲーならぬ燃えゲーも出始める。『斬魔大聖デモンベイン』(2003年(平成15年) ニトロプラス)は巨大ロボットに搭乗し、悪の組織と死闘を繰り広げるというストーリーで、『あやかしびと』(2005年(平成17年) propeller)は人間にして妖怪の能力を持ったキャラクターの生き様を描いていて、『マブラヴオルタネイティヴ』(2006年(平成18年) age)は人型ロボットで人類に敵対的な地球外起源種と戦うという話があった。恋愛ゲームでは主人公がプレイヤーを投影しているため、顔が見えなかったり、個性が薄かったりすることがあった。また恋愛ゲームという性質上、男性キャラクターに割く割合がせまかった。「燃えゲー」では戦闘シーンが主におかれ、主人公も含めた男性キャラクターが活躍し、人気投票で女性キャラクターよりも上位にくることもあった。

また2004年(平成16年)は、TYPE-MOONの『Fate/stay night』が大ヒットした。ここにおいても製作者がアダルトシーンは「サービス」と言い切るように、アダルトシーンの軽視は行われている。

販売力の向上を目指して方向性の大きな変化を模索するブランドもでてきた。好例が同じ会社、同じシナリオライターが制作した『姉、ちゃんとしようよっ!』(2003年(平成15年) きゃんでぃそふと)からその続編である『姉、ちゃんとしようよっ2』(2004年(平成16年) きゃんでぃそふと)、そして『つよきす』(2005年(平成17年) きゃんでぃそふと)への内容の変移であろう。性的描写が多く、ストーリー軽視傾向にあった1期作に比べ、2期、『つよきす』へと移り変わるにあたって、ゲーム自体のボリュームは増えているにもかかわらず、性的描写が量的に少なくなる傾向にあり、また比較的後半に置かれた。『つよきす』は地上波でのアニメ化・コンシューマ化など、前者とは違いメディアミックス展開へと繋がる形で大衆化もした。かつては鬼畜・陵辱ゲーム専門ブランドとして認知されていたスタジオメビウスは、2003年(平成15年)に純愛ゲーム『SNOW』を発売し、ヒットさせた。

インターネット「2ちゃんねる」の書き込みから始まった『電車男』のブームや『メイド喫茶』ブームによって秋葉原オタクが注目され、メディアミックスされたアダルトゲームもさらなる発展を迎えるかに見えたが、2005年(平成17年)にいくつかのヒットを飛ばしたねこねこソフトが翌年に休止、2006年(平成18年)にアダルトゲームの家庭用ゲーム機移植を手掛けたKIDが倒産となり、この業界が右肩上がりではないことを示した。また2005年(平成17年)の野田聖子の呼びかけによる『少女アダルトアニメおよび同シミュレーションゲームの製造・販売に関する勉強会』など業界に対する規制強化の動きや、国際人権団体の「イクオリティ・ナウ」が抗議活動を始めるなど外圧、さらにテレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の大ヒットにより美少女もののメディアミックスの中心軸として一時期衰微傾向にあったライトノベルが再度注目されるようになるなど、業界を巡る環境は厳しいものとなっている。

[編集] アダルトゲームと規制

アダルトゲームに関する、日本国内の社会一般における議論や、表現の自主規制について解説する。

[編集] 規制の概要

アダルトゲームの規制に関する意見の中には、一部に感情論的な側面が含まれ、他方では明確な論拠を持たない、ないし事実に対する意図的な誤認を誘うようにされているものすら見られる。これらには、過去の犯罪行為に対して忌避感を抱く側の拒絶反応または嫌悪感やそれに対する配慮、あるいは制作者の利害関係ないし制作者・愛好者の規制強化に対する危機感、逆に規制推進派が唱える規制強化案では感情的なものの他にも自組織の存在の誇示や発言力強化まで計算に入れたセンセーショナルで声高な主張といったものが、時に密接な関連を及ぼしてくる。

またマイナーカルチャーないしサブカルチャーの常ではあるが、これを包括的に研究する社会学心理学犯罪学、あるいは現代風俗論や文化論などの研究者も稀であり、この議論に明確な正解を提示できる者は、現在の所として見られない。このため、規制の賛成派と反対派の議論は、互いの主張をほぼ全否定し合うだけで議論の余地すらまともに見出せない双方の平行線に終わっており、現状に於いて決着がつかないのが実情である。加えて双方の話し合いの場すら、一部のインターネット上のコミュニティを除けば、皆無といえるような状況である。

他方では、社会的圧力から販売禁止による損害を恐れるゲーム制作企業が、様々な迂回策や自主規制を行う傾向も見られる。日本における表現の自主規制は学識的・理知的な裏付けがない場合や、団体各々の主観で判断している部分がある。その対象・程度にばらつきも見られ、客観的に何処までが容認されるのか、何処からが規制されるのかと言う面で、レーティング設定も業界ごとに規制対象がまちまちであり、規制導入側にしても、その影響を被る側にしても混乱を招いている。この状況を打破する目的も含め、2006年(平成18年)4月経済産業省はCESA、ソフ倫、日本アミューズメントマシン工業協会映倫管理委員会日本ビデオ倫理協会映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)において審査基準・表示の一本化を提言した[20]

[編集] 規制に関する歴史

2005年(平成17年)現在において、日本では同年2月には45本発売されるなど(PC Angel2005年(平成17年)5月号による)多数のアダルトゲームが発売されている。『ナイトライフ』(光栄マイコンシステム 1982年(昭和57年))が始祖とされるこれらのゲームには、業界共通の性的描写に関するガイドラインは存在せず、性的描写は各企業の裁量に任されていた。なお、ナイトライフ自体はどちらかと言うと「夫婦生活をサポートする」ためのユーティリティ的なソフトウェアであり、直接的な性的興奮を目的としたコンピュータゲームではなかった。しかし同作品のヒット以降、着実に性的興奮を目的としたコンピュータゲームが、当時表現力が次第に向上した8ビットパソコン向けに盛んに販売されるようになった。

これら成人指定の性的描写を含むコンピュータゲームの多くは、個人でもソフトウェア開発環境を揃え易いパーソナルコンピュータ向けの作品となっており、当初の市場はマニアおたく向けの微々としたものであった。このため一般からは特殊な再生媒体によるポルノ作品としてのみ扱われ、1980年代末までのこれらゲームに対する一般の販売店での扱いは極めて無頓着なもので、販売店によっては商品であるこれらソフトウェアのパッケージは「店の入り口からでも見えるような位置」に堂々と陳列されていたり中高生ですらこれを購入する事になんら制限は見られなかったほどである。社会一般での認知度も「ほぼ無視ないし無名」といった状態であった。

だが、次第にアダルトゲームは問題視されるようになる。1986年(昭和61年)には、刑法177条(強姦罪)からタイトルを取った『177』(マカダミアソフト=デービーソフトの一部門)が、草川昭三により国会で取り上げられた[13]。そして1988年(昭和63年)に起こった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件や、それに端を発した有害コミック騒動によってポルノ業界そのものへの批判が強くなっていく。

1991年(平成3年)、成人向けゲームを万引きした中学生補導されたことを発端に、成人向けゲームへの非難が高まり、製作会社の社長が京都府警に逮捕される事件が起きた。のちに沙織事件と呼ばれるものである。国会にも取り上げられたこともあり、業界全体に事態を重大に捉える動きが生まれた。翌 1992年(平成4年)には、業界団体の社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)が18禁シ-ルを作成し、希望する企業への販売を開始した。一方、『電脳学園』(ガイナックス 1989年(平成元年))が宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例に基づき有害図書指定される[21]

沙織事件や宮崎県での有害指定をうけ、自主規制団体の必要性が叫ばれるようになり、1992年(平成4年)10月に自主規制団体のコンピュータソフトウェア倫理機構が設立された。他の分野では1990年(平成2年)にコミックマーケット幕張メッセを使用できなくなる事件、それに伴いコミックマーケットでの性的表現自主規制が強化される事件が発生し、非実写性表現のあり方を問われた時代でもあった。

1996年(平成8年)には『子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議』がストックホルムで開催された。この会議で日本人によるアジアでの児童買春と、日本国内で大量につくられる児童ポルノに対して非難が起きる。これに対して日本は法整備、取り締まりの強化を表明した。これらでは当時の日本においておたく向けの商業作品群に、所謂「アニメ風の女の子(→萌え絵)」を使っての性的興奮を煽る事を目的とした物が多く見られ、市場もそれら作品の傾向に寛容であった事も、同規制による議論の対象に挙げられている。特にアダルトゲームは、かなりの比率をこの「アニメ風女の子」を使った作品が占めている。

1999年(平成11年)は超党派の国会議員によって『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案』が提出され、成立した。法案段階では『児童ポルノ』の範疇に「絵」が含まれていたことから[22]、業界筋やユーザー筋でも大きな論争になった。修正され『絵』は対象外になったが、3年後に見直しを行うことを明記した。

2005年(平成17年)4月には、野田聖子の呼びかけにより、『少女アダルトアニメ及び同シミュレーションゲームの製造・販売に関する勉強会』が行われたが、この勉強会自体は大きな話題になることはなかった。

2006年(平成18年)4月10日日本テレビNNN NewsリアルタイムおよびNNNきょうの出来事において、「アニメやインターネットに溢れる性や暴力に関る情報が、子供を標的にした事件に結びついている可能性がある」として警察庁が新たな規制に動き出した事を報道した。

2008年(平成20年)に入り、日本ユニセフ協会を中心にアニメ、漫画、ゲームソフトおよび18歳以上の人物が児童を演じるものを含む児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したものを「準児童ポルノ」として違法化することなどを柱とした「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンが開始された[23][24][25]。国会では児童ポルノの規制強化を目的として、性表現色の濃い漫画・アニメ・ゲームといったフィクション作品の単純所持をも規制対象に含める改正案を検討し始めた。

2009年(平成21年)にはいると『レイプレイ』(2006年(平成18年) ILLUSION)が英国国会で取り上げられ[26][27]ニューヨーク市議会でボイコット運動が起きた[28]。5月にはアメリカのラディカル・フェミニズム団体の「イクオリティ・ナウ」が抗議活動を始めるなど日本国外でアダルトゲームが問題視された[29]。この動きは日本にも波及し『レイプレイ』の発売元が取り扱いを中止した[30]。公明党が秋葉原での販売形態を視察した[31]ほか当時与党であった自民党が「性暴力ゲームの規制に関する勉強会」[32][33][34]を立ち上げ、罰則規定を含む法体制の整備を提言する[35]など政治の動きが活発になった。

コンピュータソフトウェア倫理機構は、このような状況の下6月に開催された会合で「レイプなどの性暴力を扱うゲームソフト」の製造・販売を禁止[36]パッケージに日本国内専売の明記[37]などの規制の強化を決定した。また、minoriなどいくつかのブランドは公式サイトへの日本国外からの接続を切断した[38][39][40]

[編集] 規制強化を求める考え

規制強化を求める側の主張として、これらのゲームが流通することで児童誘拐事件などの凶悪犯罪が発生する可能性がある為、被害防止のために規制するべきという考え方がある[41]公明党所属の丸谷佳織衆議院議員(当時)は

表現の自由は憲法で守られている非常に重要な権利ではあるけれども、児童を対象として商業的な目的で制作された、「みだらな」性的表現に関しては、たとえ「絵」であっても何らかの対処すべき[42]

と述べ、「つまり、「絵」に関して、たとえ実在の被害者がいなくても、現状は放置しておくべき状況ではないというお考えですね」との問いには

性的な虐待を受けている被害者が、「絵」については実在しないとしても、それを見て性的な刺激を受けた人、それが子ども自身の可能性もあるわけですが、そうした人が、その刺激によって性的な犯罪を起こしてしまうというような二次的な被害はないだろうかということにも関心はあります[42]

と答えている。 社会風潮の悪化防止のために規制の強化が必要とする意見が述べられることもある。児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の制定にも力を尽くしたNGOECPAT/ストップ子ども買春の会の共同代表者は

子供を性的虐待の対象として表現した児童ポルノは子供をそういう対象として使用していいんだという意識を一般化したり助長することにもなりますので、そうした表現は実在の子供を対象としたものに限定することなく禁止すべきだと考えています[43]

と述べている。

海外では規制されているとして、それらを参考にすべきとの意見もみられる[44]

また、内容的に犯罪行為(→強姦)を扱うゲームがしばしば発表されている部分にも絡み、これらゲームの消費者の嗜好や、製作側の諸事情で用いられているいわゆる「アニメ風の女の子」の絵(→萌え絵)が、可愛らしさや女子らしさを強調しようとした結果、その映像面で幼児・児童として認識され得る辺りにも関連して、同種作品への拒否感を強め、規制案への支持に及んでいる傾向が見られる。中には、

一番強く反対とかメールを送ってきたり、脅迫状とかということをやった人たちは漫画家集団なんです。特に児童ポルノをかいている人たち。この人たちはいわば狂信的なグループではありますよね[45]

児童に対する児童ポルノの愛好者の人たちが児童に悪影響を与えるとか、漫画のひどいものが出ているといったら、その人たちはある障害を持っているんだというような認識を主流化していくことはできないものか(中略)性同一性障害という同じ位置づけで、子どもたちに対する性暴力を好む人たちを逃がしていくとしたら、障害という見方、認知障害を起している人たちという見方を主流化する必要があるのではないか[46]

など、公の場で差別的ともとれる意見が述べられることもあった。

これらの主張の他にも、架空のキャラクターにも人権が存在する為、陵辱されるようなゲームは許されないとする意見ある。元NPO法人[47]カスパルの代表者は朝日新聞のインタビュー(2005年(平成17年)1月10日)で「絵で描かれていても、少女たちの人権を侵していることには違いありません。」と述べている。

この辺りは、ゲームによって提供される仮想内の出来事ながら、半ば作品提供側の意図したストーリーで犯罪行為を追体験するような物への風当たりが強く、また人間社会では各々の個人が持つ人権が同等の物であるように、ゲーム内に構築された仮想世界では、ユーザーの操作する主人公と、陵辱される側のキャラクターは本質的に同等の「仮想的人権」を有しているであろう…という点も成立する。

[編集] 規制強化を求める考えに対する反論

憲法21条で保障される所の表現の自由による物や規制の恣意性[48]から反対することが多い。このほか、強力効果説を否定し暴力的になることはないとする意見のほか[49]、現実の女性に向かう性欲を失わせ[7]実際の性犯罪が抑制されている可能性があるという指摘もある[50]

[編集] 自主審査機構

規制に関する歴史にあるように沙織事件などから来る規制強化の流れを受けて1992年(平成4年)、自主規制団体コンピュータソフトウェア倫理機構(以下ソフ倫)が設立された。性表現の規制については日本ビデオ倫理協会(以下ビデ倫)初期の規制を参考にしたが、実写作品を管理することを目的としたビデ倫の規制は、主に絵が主体であるアダルトゲームでは必ずしも実態に見合ったものとはならなかった。

また、ソフ倫は業務内容が非公開であり、協会に人員を提供している制作会社には審査が甘いという指摘がなされるなど[51]、透明性が低いと言わざるを得ない組織体質であり、プレイヤーサイドの求めるものとのギャップも大きく、プレイヤーや会員メーカーからの不信感を招いた。その上、1999年(平成11年)に施行された児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の影響が波及することなどを極度に恐れ、18歳未満の男女キャラの性的描写の禁止や、ゲーム内において使ってはいけない言葉(いわゆる「NGワード」)などといった規制強化ばかりが年々進む状況で(例えば「高校生」(ほとんどが18歳未満)という言葉を「学園生」(年齢不詳)に言い換える、など[52])、関連作品が多く発売されているジュブナイルポルノなどと比べても制約は増すばかりあった。しかも、ソフ倫はアダルトゲームの審査業務を事実上独占し、パソコンソフト卸会社との連携を重視していたため、ソフ倫に加盟し規制に従わなければ事実上アダルトゲームをパソコンソフトの商業流通の販路に乗せることは不可能な状況にあり、アダルトゲームのメーカー・クリエイターたちはノベライズであるジュブナイルポルノ作品などの関連商品における表現も含めて、ソフ倫の影響下から逃れることはできなかった。

この状況に小さくとも風穴が開く、すなわちアダルトゲームの審査業務におけるソフ倫の独占が崩れる、その転機となる出来事は2001年(平成13年)8月に起きた。当時人気を博していた『君が望む永遠』(アージュ 2001)が、画像の修正処理に不手際があるとして回収された。ソフ倫は部分審査の体制を取っているため、審査漏れ自体は珍しいことではなく、規制漏れによる回収もこれが初めてではない。しかし、この部分審査の体制と回収の際に何ら補助の無いこと等に不信感をあらわにしたアージュ(有限会社アシッド)はソフ倫を脱退する。

アージュ作品を取り扱っていたソフトウェア卸売会社ホビボックスは、アダルトビデオの自主審査機構だったメディア倫理協会(現・コンテンツ・ソフト協同組合メディア倫理委員会、以下メディ倫)にアダルトゲームの審査を行うように働きかける。そしてアージュは2003年(平成15年)にメディ倫審査のアダルトゲーム第1号となる『マブラヴ』を発売した。当時のメディ倫はソフ倫と違い、全ての素材を審査する完全審査体制を取っており、卑猥な用語への修正の是非などについての規制も若干緩いものであった。

メディ倫審査による作品の登場という事態に、当初はパソコンソフト流通の企業や、このルートからの仕入れをメインとする卸業者・小売店の多くがソフ倫との関係を配慮してソフ倫審査作品以外は扱わない方針を取ったため、多くのパソコンソフト販売店で『マブラヴ』の入荷が皆無という事態が起き、プレイヤーたちを困惑させる。その一方で、『マブラヴ』の流通と販売の中核を担ったのは、従前からメディ倫審査のアダルトビデオの販売を数多く手掛けていたアダルトビデオ系の流通とこれを取り扱うサブカルチャー系書店であり、これも一つのきっかけとなってサブカルチャー系書店でのパソコンソフト販売に対する認知がプレイヤーの間で広まることになった。その後、2004年(平成16年)初頭に数々のブランドを抱える大手・テックアーツがメディ倫への移行を表明、前後して主に中堅以下の数ブランドがメディ倫へ移行し、その後に設立されたメーカーの中には最初からメディ倫による審査を選択し、ソフ倫には加盟しない所も見られる様になった。これらの結果、パソコンソフト流通に属する卸・小売の各社もメディ倫審査の作品の存在を無視することができなくなり取扱を開始し、ソフ倫によるアダルトゲーム審査業務の独占状態は崩壊することになった。

この一連の流れを受けて、加盟メーカーのメディ倫審査への流出防止、すなわち組織防衛の必要に迫られたソフ倫が実施した主な対策は、それまで組織内部では主張すること自体が事実上のタブーであった近親相姦など一部の性的描写の規制緩和であった。

なお、メディ倫によるアダルトゲーム審査業務は、メディ倫の組織変更に伴い2010年に映像倫理機構による審査業務に移行している。

[編集] 技術

アダルトゲームの、技術面に関する部分を解説する。

[編集] 開発環境

1980年代までのパーソナルコンピュータの大半は、ソフトウェアの開発環境もトータルにパッケージ化された製品として市場に出ていた。このこともあり、コンシューマ機向けゲームソフトの様なワークステーションなどの専用機器の導入をせずとも製品の開発が可能で、これはアダルトゲームのみに限定されたことではないが、当時のパソコンゲームソフトのほとんどがこれらゲームを動作させる動作環境と同じ機器を利用して開発を行っていた。また、コンシューマ機と異なりソフトの流通をハードメーカーが一括して掌握・管理するシステムは構築されておらず、ほとんどのケースでハードウェアメーカーに対してのライセンスや許諾承認の手間・コストが存在しないか小さかった。

その為、パソコンゲームを開発・発売するにあたっては家庭用ゲーム機よりもハードルが低く、それこそ現在の小規模な同人ゲームと同程度の出資・開発規模でも商業規模の作品の制作が可能であった。あとはメンバーの熱意とセンスと開発に投じることの出来る時間で製品の完成度は左右され、同人での活動を目指すものは同人即売会などを目指し、開発チームが小規模でも商業ブランドとして立ち上げたい者たちは、当時の家電量販店や日本ソフトバンクなどのパソコンソフト卸で商品を流通させてゆく事を目指すことになった。このため、日本国内においてのアダルトゲームの開発と発展の歴史は、パソコンとパソコンゲームのそれ自体の発展の歴史、パソコンゲームに関する同人イベント、パソコン用ゲームソフト流通の歴史などとも密接に絡み重なり合う部分が存在する。

開発環境は、家庭向けのパーソナルコンピュータの性能が向上していく過程で、それに牽引される形で発達を見せており、この事情はやはり黎明期からあまり変わっていない。しかし共通化されたゲームエンジンの開発と導入などにより、「アダルトゲームを含むコンピュータゲームの開発環境」は総じて向上しており、また商業タイトルでも使用されているゲームエンジンが同人ゲームに導入されることも見られ、これは同人ゲーム開発サークルとの境界の曖昧化を発生させていると見ることも可能である。

この中では、技術力と資金のあるメーカーが独自に新しい映像技術やゲームシステムを開発・導入したりする一方で、おたく文化・インターネットの発達や同人とその関連産業の拡大を背景に数多のクリエイター(原画・シナリオライター)が輩出されている関係で、技術力に劣る中小のメーカーでも描画力に優れ人気のあるクリエイターを確保できれば、あるいは所属者の原画・シナリオの作風が洗練されたものに変化し時流にマッチし人気が沸騰すれば、その可憐な美少女キャラクターを武器に大手・古参メーカーにも十分伍しての販売をし得るわけで、その様な形で住み分けや販売力の強化を行っている様子も見られる。

[編集] シナリオ

アダルトゲームでは伝統的に、プログラマーもしくはシナリオライターがディレクターを兼任して企画を立て、作業の進行管理を行うことが多い。またテキストの良さは物語とキャラクターをより魅力的なものとし、作品自体の評価を高める。これらのことからシナリオライターや企画担当者はスタッフ中でも重要な役職の1つとされる。2000年以降はメーカー、雑誌等で原画家と共にライターも紹介することが多くなった。

シナリオライターの業態は黎明期から現在に至るまで形態に大きな変化がない。大半のアダルトゲームではメインライターは1人である。ただしマルチシナリオ・マルチエンディングのビジュアルノベルの普及や大作化傾向が進んだことで文章量が大幅に増加した現在では、ボリュームのある作品などでは一般的な文庫本を超える程の文章量があるものも少なくなく、サブライターとして何人かが協力したり、数人のシナリオライターや企画チームによる全面的にシステマティックな共同作業制を導入しているブランドも見られる。上述の通り企画や進行管理を兼任することが多いポジションであり、多くは開発組織内部の人間が務めることから内製の割合が高く、外部への発注は比較的少ない傾向にある。ただし、一部には外注としてシナリオ制作や企画立案を専業的に請け負う個人や企画チームも見られ、これらには一般的に他ブランドでメインライターを努めたことのある経験者が多い。

[編集] グラフィック

日本のアダルトゲームの最大の特徴を成しているのがグラフィックである。アダルトゲームが出始めた1980年代の8ビットパソコン時代の末期から16ビットパソコン全盛期では、技術上の制約からプログラマー兼デザイナーの描くドット絵に留まっていた。その流れが大幅に変わったのが、アニメーション制作会社であったガイナックスの参入と『電脳学園』『電脳学園2 HIGHWAY BUSTER』(共に1989年(平成元年))の登場である。ここで赤井孝美菊池道隆(麻宮騎亜)・新田真子・明貴美加といったアニメーターとして名を成した人物が参入、これに触発され、各社成人向け漫画家・アニメーターを起用し始めた。その中でエルフがアニメーター竹井正樹を起用した『同級生』(1992年(平成4年))がヒットし、翌年アニメーター横田守を起用した『河原崎家の一族』もヒット、漫画アニメーション業界からの技術流入によってグラフィックデザインの向上が図られた。1995年(平成7年)のWindows 95の登場により解像度と発色数が増加、技術進歩により、初め絵で描かれた作品の実写版もいくつか発売された。しかし、現在のアダルトゲームのグラフィックデザインの中核をなしているのは前掲の人物たちの絵を模倣しつつ成長した漫画・イラスト系同人作家による絵である。

これにより、コンピュータゲームでも対戦格闘ゲームロールプレイングゲームなどの他ジャンルでは、立体感のある3Dグラフィックスを用いたり、人物描写も比較的写実的になるのに対し、アダルトゲームは、現在でも2Dコンピュータグラフィックスで人物を表現するのが主流となっている。しかし例えば、アリスソフトやソフトウェアぱせりではRPGのダンジョン部分に使用され、エルフのドラゴンナイト4ではユニットを、ニトロプラスのファントム・オブ・インフェルノでは銃を3Dグラフィックスで形成するなど、作品ごとで部分的に使用されることも多く行われる。アダルトゲームの人物の絵やドット絵はの大半を占めるほど大きい反面、がしばしば簡略化ないし省略される、一般的にはマンガ絵・アニメ絵と呼ばれる独特なデザインで表現されている。そのデザインはしばしばエロさといった性的興奮より、ユーザー・愛好者以外からは幼い・かわいらしいといったイメージを持たれる物で、それらへの愛らしさは『萌え』という単語で表現され、萌えを喚起する絵ということで『萌え絵』とも呼ばれている。

萌え絵がアダルトゲームにおいて多い実利的な理由としては、第一に静止した立ち絵の構図が同じであるため、リアルな絵や全身図であるとそれが違和感を与えて無機質な印象を与えること(立ち絵を多くすれば解決できるが、管理が難しくユーザーも目が疲れる)があり、ディフォルメを強めることで、擬似的に与える印象を増やしていることが挙げられる。第二に、立ち絵の多くは目と口元を変えることで表情差分を作るが、切り替えを十分に表現するには目にユーザーの焦点が当たる方が都合が良い。塗る時も素早く範囲を指定できる。こうしたシンプルな形を採用し、「表現の多彩さ」と「改変のしやすさ」を兼ねることは、資源に限りがあるメーカー・制作に追われるスタッフにとっては重要なことであり、かつてのカセットテープやフロッピーディスク(FDD)など販売用記録媒体の容量の上限やコストが厳しかった時代には尚更のことであった。

[編集] 音声と声優

グラフィックが女優による映像ではなく、絵による画像のアダルトゲームにおいては、キャラクターの台詞に合わせた音声データを出力させることがあり、その音声を担当するのはほとんどが声優である。声優がアダルトゲームに声をあてる場合、声優名を非公表とするか、またはアダルト用の別の芸名を使うことがほとんどである(稀に普段使用している声優名のままでクレジットされていることもあるが)。

アダルトゲームへの音声の本格的な導入は、後述する音楽面と同様にCD-ROM・大容量ハードディスクPCM・データ圧縮技術などのハードウェア・ソフトウェア両面の技術進歩と普及があって初めて可能になった要素で、時期的にはコンシューマゲーム機における導入とそれほど大差は無く、1990年代前半くらいから徐々に普及し始め、2000年代前半には普遍的なものになった。

コンピュータゲームの音声データ導入は、声優起用と音声収録のシステムとノウハウが確立されるまでの最初の数年間は試行錯誤の連続で、当初は規制基準が媒体によってまちまちであったため媒体ごとに声優を交代させる必要があり、1990年代中期の作品では1キャラあたり4-5人も声優がいるものも存在した。この流れも1999年(平成11年)の法改正(詳細別節)と、家庭用ゲーム機におけるハード間競争でソニーのプレイステーションプレイステーション2が優勢になったことを受け、1キャラあたりアダルト表現まで請け負う声優と、非アダルトの関連作品のみを担う声優の2名に大別されるケースが多くなった。

この様な流れと平行して、コンピュータゲーム業界全体では「第三次声優ブーム」のあおりを受けて高騰の一途を辿る声優のギャラを巡り、1997年(平成9年)9月からCESA日本俳優連合(日俳連)の間で交渉の場がもたれていた。だが、日俳連が「ギャラをランク制の設定額よりも高額なものにすること」「ハード間移植の際の音声二次使用料を支払うこと」などを要求したため、交渉は難航。仲裁に日本音声製作者連盟(音声連)が加わり、日俳連がかなり譲歩する形で1999年(平成11年)2月10日に合意、ゲームにもランク制が導入された[53]。ただし、アダルトゲーム制作会社の場合はCESAに加盟していないため、この合意の適用外であり、そのためアダルトゲームへの声あてのギャラは、アニメや一般向けゲームよりもはるかに高額であると言われている。一例をあげるとチュアブルソフトは『スイートロビンガール』の声優一般公募の際、募集要項にヒロイン4名の報酬について500ワードまでについては基本報酬の50,000円以降は10ワード毎に500円を支払うと明記している[54][55][56]

アダルトであること以外の特徴として、アニメ作品の場合は出演者同士の掛け合い、すなわちアフレコで、基本的に自分の出番だけスタジオいればよいのに対して、ゲームの音声収録は個別にスタジオのブースに入って収録する形式で、スタジオレンタル料との兼ね合いから短期間に集中して収録するため、1日あたりの拘束時間が長いという事が挙げられる。特にアダルトゲームはノベル形式のアドベンチャーゲームが主流のため、台詞の量がアニメに比して多く、平均的な商業作品で台本はおよそ電話帳タウンページ2冊前後、メインヒロインではその1.5〜2倍に達する分量があり(ただし、アニメ用と異なり、ゲームスタッフがプリンターとコピー機を駆使して作った簡易製本[57]であることが多く、単純には比較できない)、ゲームの仕事が入ると他の仕事が入れづらく、スケジュールの都合がつかず出演できないという事情もある。

これらの事情から特定の声優に起用が集中する傾向があり、人気となれば年間に50本以上、中堅でも30本前後の作品で起用される。その結果、アダルトゲームとその関連作品の収録だけで年間スケジュールの大半が埋まってしまう声優も少なくない。

[編集] 歌と音楽(BGM)

アダルトゲームに限らず、販売に用いる記録媒体の主流がFDDやROMであった頃のゲームソフトの音楽・BGMは、FM音源などパソコン・ゲーム機本体に内蔵されたハードウェアのサウンドチップの性能に大きく依存しており、同時にこれが制作にあたっての大きな技術的制約ともなっていた。また、当時のフロッピーディスクやROMの容量的な上限は厳しく、定められた容量にゲームのデータ全てを収めるべく、BGMデータを圧縮したり当初のデータから大幅なアレンジを行う必要が発生することや、サウンド性能の全く異なる多プラットフォーム間での移植も多く、音楽データの作成・移植の作業は制作進行担当やプログラマーと随時調整しながら進めてゆく必要があった[58]。その為、ゲームソフト用楽曲データを作成するにあたっては、純粋な作曲能力や電子楽器・DTMの知識以外にも、ハードウェア・プログラム・MMLなどパソコンにまつわる広汎な専門的知識が必要であったことから、専任か兼任かは別としても大半のゲーム開発チームにおいてサウンドコンポーザーを置き内製することが基本で、作曲自体は作曲家や専門業者に外注する場合でも曲データのプログラミングや機種性能に応じたアレンジは自前で行うというスタイルが一般的であった。1990年代前半までにゲームミュージックの世界から台頭した作曲家に、以降の世代よりもMMLやサウンドチップの仕様、電子楽器のハードウェア全般など技術面に精通している人物が多いのはこの為でもある。

状況が変わるきっかけの1つとなったのは1980年代末以降の機種から導入が始まったCD-ROMドライブで、音源モジュールや生演奏で制作したBGMをそのままCDトラックに収録しCD-DAで再生してゲーム中で使用することが可能になったことによる。その後もハードウェア・ソフトウェア両面の進展と歩を合わせてBGMの技術的進化は続き、動画データの圧縮技術の進展と共に、動画ファイルとも組み合わせるスタイルが主流となった。また、従来のフロッピーディスクからは比較にならない大容量を誇ったCD-ROM・バードディスクの本格的普及やデータ圧縮技術の進化によって余裕が生まれ、音楽データはPCMの形に大きな劣化も無く変換してストリーミング形式で使用することが可能となり、かつての様なハードウェア内蔵のサウンドチップからそれぞれ欲しい音色を発生させるプログラム技術に関する知識やハードウェア情報を音楽担当者が習得する必要も事実上無くなったため、作曲担当者は自身が使用する電子楽器やサウンドモジュールの操作に関する知識さえあれば楽曲完成までの大半の作業を独自にできる環境が整った。このことで、1990年代後半以降、ゲーム業界には音楽制作のみに特化した外注専門のプロダクションが数多く成立し、同様にアダルトゲーム業界の界隈でもプロやセミプロ(音楽同人系)のプロダクションが数多く活動する様になった。その後、パソコンの表現性能の向上と共にアダルトゲームにはテレビアニメ業界からも人材が流入し、様々なテレビアニメ的な演出技法が導入される様になり、作品のメインテーマ曲はボーカルが付けられアニメソングとほぼ同質の主題歌へと変化し、この様な主題歌やデモムービーが付けられることは、現在ではごく一般的になっている。

現在のアダルトゲーム業界では数人規模の小さな開発チームが大半を占めていることもあり、音楽面については専門スタッフや音楽制作の機器・設備を組織内に置かないのが一般的で、全面的に外注を利用するスタイルが広く定着している。また、効果音も含めて全面的に外注に委託したり、外部の専門業者から必要に応じて効果音の音声データを購入してくる事はごく普通に見られる。つまり、関与する企業やプロダクションの規模の違いこそあるものの、現在のサウンド面の制作システムは従来のテレビアニメのそれを概ね踏襲したものになっている。

アダルトゲーム業界に関わる音楽制作のプロダクションは数多く競合も激しいが、その中でも知名度で頭一つ抜けた存在となっているのは1990年代末期に台頭したI'veで、主題歌の編曲を手がけた『Kanon』(Key、1999)の大ヒットで注目を集めた。I'veが音楽あるいは主題歌を手がけたアダルトゲームのパッケージには、I'veが音楽を担当したことを表すロゴマークが付けられ、KOTOKOをはじめとする“歌姫”と称される女性ボーカリストの存在を前面に打ち出す形で2000年代前半に全盛期を作り出し、その後にはテレビアニメ劇伴BGM)や主題歌にも進出している。また、2001年(平成13年)にはkeyのサウンドトラック等を専門に扱うKey Sounds Labelが発足した。他方でも、『吸血殲鬼ヴェドゴニア』(ニトロプラス、2001)では主題歌のボーカルに紅白歌合戦に出場したこともある[59]小野正利を起用するなど[60]、音楽や主題歌に力を入れる動きが顕著になった。また、インディーズで活動している者を中心に、アダルトゲームの主題歌の歌唱・作詞・作曲を担当する女性歌手・女性シンガーソングライターも少なくない。

また、1990年代の音楽シーンには『メタル氷河期』と呼ばれる、ジャパニーズメタル[61]音楽の著しい市場低迷が起き、数多くのヘヴィメタル系ミュージシャンが、生活と音楽活動の維持の為にアニメテレビゲームなども含む多ジャンルの商業音楽に進出し、若手もメジャーシーンにほとんど登場できなくなった時期があったが、その軽音業界の歴史的な経緯や影響によるものか、1990年代から2000年代にかけてのアダルトゲーム業界のサウンド面を支えた音楽集団や音楽担当スタッフには、メタル音楽の経験者やフォロワーが少なからず見られる。その状況下において、ロックよりもかなりハードなドラムギター、間奏部のメロディカルなギターソロ、重低音重視のミキシングといったヘヴィメタル的な要素がふんだんに盛り込まれた楽曲が珍しくない事も、アダルトゲームの主題歌・BGMの特徴・様式として挙げられる。その中でも特筆すべきはメーカーであるがニトロプラスで、作品によっては歌詞と曲だけ聞かされてもアダルトゲームの主題歌とは到底信じ難い様なハードなメタルテイストの曲を主題歌や挿入歌に据えた作品が少なからず見られる。他方、アダルトゲームの主題歌であるため、メーカーによってはハードでハイテンポな曲に、本項ではさすがに掲載がはばかられる様な性的表現を含んだ歌詞を組み合わせたケースもあり、たとえメタル調のハードな曲であっても歌詞のバラエティという意味では、ラブソングやいわゆる「萌え」に属する歌詞がほとんど見られない本家ジャパメタとは比較にならない幅の広さを持っている。また、先述のニトロプラスのものを例外とすれば、メタルテイストの曲であってもほとんど全ての曲についてボーカル担当が女性である事は大きな特徴で、特に男性ボーカルを起用した主題歌は皆無では無いが珍しい[62]

I'veが人気を得た2000年(平成12年)頃以降は、主題歌CDの初回特典としての添付がこの業界では販売促進策としてごく当たり前の手法となっている。だが、これについては、多くのゲームに存在する初回特典の有無による価格差や、アダルトゲームでは初回限定版の発売後に初回特典を除いた「通常版」が最終的に発売されないケースが珍しくない事などを鑑みた場合、ゲームと主題歌CDの事実上の抱き合わせ販売の商法であるとして指摘する批判も少なくない。また、この様な事情から、1本1万円前後する事も多い初回特典付きゲームソフトの購入以外には正規・合法的に入手する方法が事実上無い、ある意味で「入手困難」と言える楽曲を多数持つ歌手もいる。この状況を補うべく、ブランド・メーカーによっては主題歌やイメージソング・サウンドトラック類をまとめて収録したCDを別に制作しファンに向けて販売したり、あるいは主題歌を担当した歌手や音楽制作プロダクションの単位でゲーム主題歌をまとめたコンピレーション・アルバムが制作されることがあるものの、これらは結局のところ自主制作盤の範疇を出ずにコミックマーケットなどのイベントの企業スペースや自社ホームページなどで数量・期間を限定して発売されるものが多く[63]、一度完売したら以降は事実上入手不可能ということもまた多い。

アダルトゲームで使用・作成されたBGMは一般向けゲームソフトのゲームミュージック同様、広く地上波テレビ放送各局でも音楽素材として幅広く使用されているほか、主題歌がカラオケ入りすることも珍しくない。ドワンゴが、2005年(平成17年)7月から放送した着メロ配信サイト「いろメロミックス」のテレビコマーシャルBGMに、『巫女みこナース』(2003年(平成15年)、PSYCHO)主題歌の『巫女みこナース・愛のテーマ』が採用された。更に、同曲は2005年(平成17年)12月27日第一興商通信カラオケcyber DAM」で配信されている[64]

他方、アダルトゲームを原作としてメディアミックス企画が立てられ、とりわけ性的要素を排除したテレビアニメ作品が制作される場合には、こちらではアニメ音楽を専門範囲とする作曲家が起用される事が多く、同様に主題歌担当の歌手も原作から変更される事が多い。アダルトゲーム作品を担当したスタッフ・外注・歌手がそのまテレビアニメ作品でも続けて劇伴・主題歌を全面的に手掛けたケースは、存在こそするものの少数派である。ただし、上述したI'veは後にテレビアニメの劇伴・主題歌の制作にも進出しており、むしろ現在ではこちらが主業という状況も垣間見られ、アダルトゲームのアニメ化に際して主題歌などで新規にI'veのスタッフ・歌手が起用されるケースが見られている[65]

[編集] 業界

アダルトゲームの、業界事情に関する部分を解説する。

[編集] 市場規模

コンピュータソフトウェア倫理機構の資料によれば2006年(平成18年)9月現在でアニメ系の加盟会社は224社を数え、2005年(平成17年)のアニメ系販売タイトル数は931タイトルであった。2005年(平成17年)のアニメ系の販売本数は4,887.1(単位は千本)である[18]2004年(平成16年)に野村総合研究所が調査した「『オタク層』の市場規模推計と実態に関する調査」によれば、パーソナルコンピューターでゲームをしている層を14万人、市場規模190億円と推計しており、アダルトゲームの市場規模はその内の一部ということになる。2003年(平成15年)の家庭用ゲーム機用ゲームソフトは全機種併せて約1100タイトル、パソコン用アダルトゲームは約600タイトル発売されており、発売タイトル数でいえばコンピューターゲームでもそれなりの数量であるが、売上数は一般的に1万本売れればヒット、パッケージの規模にもよるが3000~5000本がペイライン(損益分岐点)という、映像DVDなどと同程度の規模となっている。

[編集] 制作会社

アダルトゲームの制作会社は、2009年(平成21年)6月現在233社がコンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)に正会員として加盟している。また、コンテンツ・ソフト協同組合メディア倫理委員会(メディ倫)での審査を行っているメーカーも存在する。メーカーによっては複数のブランドを保有しており、およそ600から700ものブランドが現存していると推定される。ビジュアルアーツテイジイエル企画パートナーブランドのようにゲームソフト卸や一部のゲーム会社が自社の傘下に入る事を条件に開発資金を援助するシステムが広く確立されており、新規参入に際しては比較的容易で毎年数十のブランドが新たに登場するが、その一方でそれに近い数のブランドが消滅してゆく。また、実態として解散状態にあるにもかかわらず公式ウェブサイトだけ放置されたまま残されているブランドも少なくない。(最近の例ではivoryなど)

アダルトゲームの制作会社は規模の大小こそあれ、家庭用ゲームの制作会社と比較すればおおむね小規模で、商法上の区分でいえばメジャータイトルを制作するメーカーでも中小企業、大半は従業員10人未満の零細企業である。自社ビルを所有する会社はほんの数社程度であり、マンションの一室を住居兼仕事場にするケースも珍しくない[66]。労働条件については家庭用ゲーム制作会社同様に、ごく一部の例外を除きほぼ一様に劣悪で、福利厚生面も脆弱であると言われている。

狭隘な市場に小規模多数の制作会社・開発チームが存在するため売り上げ規模も小さく、アダルトゲームだけでは経営を維持する事は難しく、資金繰りの為に他にも様々なことを行っている。例えば、自ブランドの製品開発スケジュールの間合いを利用してプログラマーなどが他ブランドの製品開発の一部を請け負うなどの行為は珍しくなく、他にも中小企業向けの業務用アプリケーションやウェブデザイン、携帯電話向けソフトの下請け製作、貸しビル業[67]など、別のビジネスを行っているメーカーも多く、ゲーム開発チーム名とは異なるブランド名を用意して、こちらを前面に出している所も存在する。そのため、プロデュースなどと謳われていても実態としては販売代行のみ行い、実際の製作会社は非公開になっているケースや、アダルトゲームの発売に本来の企業名が出ると差し障りが出ると考えるコンシューマ機用ソフトの開発チームが、ソフ倫の審査を通過させて販売する為にOEM製造に近い形式でアダルトゲームを制作して、表に出る側のブランドが委託を受けて審査・販売・広告宣伝などを担当するケースもある。

[編集] 作品規模の拡大・制作コストの上昇

アダルトゲームの販売規模・開発組織はその大半においてコンシューマ機向けのゲームよりも小規模である。だが、その一方でハードウェア技術が発展しカセットテープフロッピーディスクからCD-ROMDVD-ROMと記録メディアの大容量化が進み普及するに連れて、業界の全体の流れとしてデータ量・情報量は増大化傾向の一途を辿っている。攻略対象ヒロインの多数化によるシナリオ分岐・マルチエンディングの普遍化や、ビジュアルノベルの手法の発展によりシナリオのテキスト量でもコンシューマ機の大作ソフトなどに遜色ないスケールを持つ作品や、パソコン性能の進展に伴い一般的なものになった3Dトゥーンレンダリングなどの最新技術を投入した作品も数多く制作される様になった。

また、コンシューマ機向けのゲームソフトと同様に、

などといった要素が一般的になり、これらは複合的に重なってパッケージ規模の増大やトータルコストの上昇を引き起こした。広報宣伝やグッズなどゲーム本体以外の付随的な企画に要するコストや労力もメーカーにとっては無視できない負担増加の要因となっており、特にほとんどのグッズや宣伝用部材の素材制作に必要不可欠の原画担当者にかかる負担は本編の制作以外にも大きなものがある。

また、2000年代に入ってからは、特に動画・音楽・音声・主題歌といった専門的な技術が要求される要素が普遍的なものになり、特に動画は宣伝用やゲーム内のデモムービーとして規模の大小の差こそあれほとんどのタイトルで制作されている。だが、本格的な動画については専門技術を持つスタッフを擁し内製が可能なメーカーは少数派である一方で、業界の界隈では各種素材を利用して動画を制作するプロ・セミプロのプロダクションや個人事業主が多数活動していることから、大半のブランドがこれら外注に依存しており、その上、宣伝用デモムービーが当たり前のものとなるに連れて販売店やプレイヤーからはテレビアニメオープニングアニメにも近いクオリティのものが要求される様になった[69]。また、特に発売開始前に配布する宣伝用デモムービーは、たとえ低価格路線のソフトでも広報宣伝に不可欠であるため安易にカットできない上に[70]、その出来不出来は販売店の売場での放映量の多寡や作品自体へのプッシュの強弱にも直結し、売り上げ本数にまで直接の影響を及ぼすことから一定水準のものを制作する必要があり、そうなるとやはり相応の専門の技術・知識を用いた“作品”が求められるため、安易にコストカットの鉈を振るうことができない一面があり、外注費の増加要因の1つとなっている。

これらの要因や後述する工程管理の狂いが重なりトータルで見た製作コストが膨張した結果として採算ラインの上昇を招き、販売本数的に成功と言われるタイトルであっても製作費を最初のアダルトゲームソフト単体では到底回収しきれないものすら散見される様になり、現在では多くのブランドがファンディスクなど関連作品の制作やコンシューマ機への移植、キャラクターグッズ販売といった版権を利用した各種ビジネスを展開し、収益の確保を図っている。だが、それでもトータルでの製作規模・制作費の増大が経理面から経営に重くのしかかり、また景気低迷や企画・開発の難航など様々な組織内外の事情も重なって、ついには新規タイトルの開発を断念・休止したり公式ウェブサイトの更新が途切れてしまい事実上の活動終了となる、そこまではいかなくとも長期間にわたり新作の発表が途絶えてしまうなどといった状況が、一般的な規模のブランドはもとより、業界内で中堅・大手・古参などと見なされているブランドでも時折見られている様になっている[71]

[編集] 品質管理

アダルトゲーム制作は開発チームが小規模であり、クリエイターやプログラマーの個人的才能にかかる割合が大きい業界であるため工程管理が難しいことから、ゲームの発売が繰り返し延期されたり[72]、発売されたゲームに数多くのバグが存在しパッチが発売後に幾度も配布されるなど[73]、品質面で問題も起こっている。

近年はインターネットの普及により修正差分の配布が容易になったことなどもあり、製品品質の維持が疎かになる傾向が見られ、バグの増加も顕著になっている。 中にはアンインストールの際に誤って関係のないファイルも消去してしまうという深刻なバグが存在した事例もあった[74]。また、当初予定していたよりも構想を膨らませ過ぎ、シナリオや画像の追加を延々と繰り返すなどした挙げ句、当初発表していた予定時期から年単位での発売遅延が発生するなど、根本的な部分で作品を制作する為の工程管理が完全に破綻しているケースも見られる。

[編集] 開発スタッフ

小規模な組織が多いゆえに開発チームや人材の離合集散が激しい事は、アダルトゲーム業界の一大特徴である。ブランドの発足・改廃・活動休止も活発であり、さらには人間関係のもつれ・給与遅配など組織内部での問題が原因となり突発的に開発チームが独立したり解散する場合も多い。

何らかの理由・目的により開発チームを離脱したクリエイターの中でも、既に人気・知名度を獲得しており、この業界での活動を継続する意志がある者の場合、多くは以下の様な選択肢の中から、自らが置かれた状況に応じて進路を選択する事となる。

この業界の人材の流動の活発さを活かして、特にキャラクター原画シナリオのスタッフについてはフリーランスのクリエイターとして業界を渡り歩く者も多い。その中でも特に人気の高い原画担当者については、その関与がゲームソフトやゲーム関連雑誌、さらにはメディアミックス情報誌、ライトノベル(挿絵を担当)などの売上向上に大きく寄与する。当初は専属スタッフとして人気を得たクリエイターがフリーランスのイラストレーターシナリオライターとして独立する、あるいは兼業するケースも見られ、後述するようにクリエイターとして一人立ちすると共にライトノベルなど他の業界に活動の軸足を移してゆく者も少なからず見られる。いずれにしても、人気のクリエイターが専属を離れたり副業を積極的に認めるブランドへの移籍をきっかけにして他分野でも引く手数多という状態になることは多分に見られている。その一方、兼業としてこの様な仕事をする専属スタッフがメーカーの経営者や幹部である場合などには、自らの直接の収入ではなくブランドを運営する一助としての一種のサイドビジネスとして行っている場合も見られる。

その様に、アダルトゲームは一見すれば集団制作ではあるが、実際には原画やシナリオなど特定のクリエイターの個人的な才能・知名度・人気に依存する割合が大きい業界であり、原画担当などの専属スタッフの人気が沸騰すればブランド自体の販売力の大幅な向上に繋がる一方で、高い人気を得た専属スタッフの独立・他社への移籍などといった個人レベルの動向や、人気凋落による不振がそのままブランド・企業自体の存廃を直接左右する程の事態となるということも多分に起き得る。この様な個人レベルの“職人芸”に支えられている業界体質もまた組織・個人の両面で消長盛衰の激しさを助長する要因になっている。

背景画については、アニメ背景を主業とする下請けプロダクションがアニメ業界における同業者の乱立などを背景にアダルトゲーム業界にも進出してきている事と、人物を魅力的に描ける原画担当者であっても背景画の技術が伴っていない事が少なくないや、データの大容量化に伴う作業量の増加などから、近年では専門業者に委託しての外注が当たり前になってきている。また、1990年代後半以降はI'vefeelに代表されるゲームソフトのサウンド面を外注として手掛けるプロ・セミプロの音楽製作集団が次々とアダルトゲーム業界に参入してきた一方で、音楽専門のスタッフが専属として在籍しているメーカーは中堅以下では少なくなっており、在籍していても実際には幹部社員やプロデューサーなどとの兼職である事も見られる。効果音についてもこの音楽制作集団による作成や外部の効果音専門業者からの購入といった外注がごく当たり前になっている。

[編集] 開発スタッフの転職・他ジャンル進出

アダルトゲーム業界のクリエイターについては、後に他の様々な分野でクリエイターとしてシーンに登場するケースが見られる。

原画担当の場合には漫画家やイラストレーター・アニメーターに、シナリオライターの場合はライトノベルやジュブナイルポルノ小説家、雑誌や書籍のライター、あるいはアニメの脚本家などといった文筆業に転業したり、転業を試みた、また完全に転業しなくともこれら分野で仕事をするケースが見られる。特に商業出版でもライトノベルやメディアミックス情報誌など青年層以下を対象とした分野の出版物では、現在ではアダルトゲームの業界を僅かにでも経験した人物はさして珍しいものではなくなっている。これらの中には、メディアミックスライトノベル関係の仕事などを足掛かりにして、非アダルトの分野へとクリエイター活動の軸足を移してゆく者も少なくなく、筆名をアダルトゲームで用いた当初の名義から一変させている人物や(一例:水奈つかさむらやまたかひろはちまん)、他ジャンルで登場して以降は表向きにはアダルトゲーム業界・アダルト関連業界とは全く無縁になる人物も珍しくないが、かなりの割合でいわゆる萌え産業の範疇にその身を置く事になる(萌え産業の範疇から脱出した非常に稀有な例としては、ゲームシナリオライター経験者で最終的に直木賞作家となった山田桜丸(現:桜庭一樹)が存在する)。

その一方、商業出版での表現活動について回る様々な制約や規制を嫌った者や、あるいはゲーム産業よりも日程管理・版権管理がより厳しい商業出版の世界への適応ができなかった者、元々から同人の分野で大々的に活動しておりそちらで高い知名度・人気・販売力を持っている者の一部には、メジャーシーンの商業作品とは一線を画した、俗に『プロ同人』と呼ばれる、コミックマーケットなどの同人イベントや、同人ショップによる同人誌・同人ソフトの委託販売などに活路を求めるケースも見られている。

[編集] メディアミックス

アダルトゲームにおける、各種メディアミックス展開に関する部分を解説する。

[編集] 概要

アダルトゲームの分野においては、いわゆる版権ビジネスとしてメディアミックスが盛んに行われており、主として以下の様な展開が行われている。

また、これらに付随してトレーディングカードなどをはじめ各種グッズや企画商品の販売が行われることも多い。

メーカー・ブランドにもよるが、アダルトゲームの業界ではゲームソフト開発資金の調達のために、関連グッズや各種メディアミックス展開についての諸権利を、資金を供給するゲームソフト卸の企業などへ開発の初期段階から譲渡しているものが珍しくない。それゆえ、メディアミックス展開は開発メーカー・ブランド側ではなく、ゲームソフト卸企業と出版社やレコード会社などのメディアミックス関連企業が主導権を握って進められることも多いのが特徴である。

また、アダルトゲーム関連のクリエイターはイラストレーターやライトノベルの挿絵という形で兼業している者も多く、コンシューマーゲーム機にも移植やキャラクターデザインなどの形で関与することから、アダルトゲームについては、メディアミックス企画という形での展開が決定されるまでには、単純にその当該作品にまつわる売上げや期待値のみならず、アニメ・出版・コンシューマーゲームの各業界やそれらの周辺産業の企業やプロダクションが複雑に絡むことになる。

その様な業界の事情から、既に実績を持つ人気原画家が関与したり、クリエイター個人やブランドのネームバリューで大きな期待を集めるなど、ヒット作となることを確実視されている作品などでは、ゲーム発売予定日の数ヶ月前という段階から、アニメ化を含むメディアミックス企画案が持ち込まれ(メディアミックス業界側から見れば、いち早い段階でその権利を確保しておこうとする)、原作ゲームの発売直後に異なるメディアやコンシューマーゲーム機での展開が次々と発表されるというケースも珍しくない[75]

[編集] アダルトゲームと家庭用ゲーム機との関係

[編集] アダルトゲームとしての移植

現在、コンシューマーゲーム機と呼ばれる様な家庭用ゲーム機でも特に日本のそれにおいては、業界草創期から性描写のあるアダルトゲームの制作をハードウェアメーカーが原則的に禁じており、性描写には至らない下着などの「お色気」そのものについてすら現在でも厳しい表現規制がつきまとっている。

この様な方針は1980年代、任天堂が家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータにおいて、当時の社長の山内溥率いる同社経営陣の主導によってライセンス許諾を取得しない「裏ソフト」の撲滅を目指して定めたサードパーティーに対する管理指針が基盤となっている。当時はマイコンと呼ばれていたパソコン用アダルトゲームの制作・販売を行っていた光栄(現 コーエーテクモゲームス)やエニックス(現 スクウェア・エニックス)などがそれをやめたのも、当時の任天堂の方針に合わせたためという説がある。全盛期の任天堂のソフトメーカーに対する管理や締め付けは極めて厳しいもので、パソコンを含む家庭用ゲーム機でアダルトゲームの制作を行っているメーカーの参入を一切認めず、ファミコンへの参入にあたってはアダルト要素を含むゲームの制作をパソコンなどでも行わないことを条件にしていたといわれている。後継機スーパーファミコンや携帯ゲーム機ゲームボーイなどではグラフィック表現が向上したことなどからいくつかの移植作も存在するが、『ゲーム批評』のような雑誌のインタビューなどから、山内時代の任天堂経営陣はギャルゲーを質の低い作品が多く家庭用ゲームソフト全体の質を大きく下げた元凶と見なしていたことが窺われ、実際、任天堂の家庭用ゲーム機向けの移植はあまり行われなかった。しかし社長が岩田聡に交替した後は従来の方針を変えつつある(詳細は任天堂を参照)。

そして、スーパーファミコンの次、いわゆる第5世代機においてプレイステーションでコンシューマゲーム市場の主導権を握ったSCEも「ソニーチェック」と俗称される表現に対する厳しい独自規制を敷くなど、サードパーティーの管理や表現規制については多かれ少なかれ任天堂に類似した手法と基準を用いていた。

なお、例外もあり、1987年(昭和62年)にPCエンジンでコンシューマゲーム業界に後発参入したNEC-HEは過去の任天堂とまったく逆のスタンス、すなわち「ハードウェアが売れるならばソフトの質は問わない」という姿勢を取っていた。そのためNEC-HEが発売していたPC-FXでは一時期アダルトゲームの制作が認められていたことがあり、過激な性的表現を抑え、レーティングを「18禁X指定」とした上で『同級生2』(1996年(平成8年)・NECアベニュー)、『Pia♥キャロットへようこそ!!』(1996年(平成8年)・カクテル・ソフト、PC-FX版は翌年自社発売)などが移植された。もっとも当時は、ほとんどのアダルトゲームが親会社であるNECPC-98シリーズで製作・販売されていた為、NEC-HEにとってもアダルトゲームは重要なコンテンツであったと考えられる。またPC-98シリーズに組み込んで使用できるPC-FXボードも発売されていた。

[編集] アダルトゲームのコンシューマ移植

NEC-HEの機種以外でも家庭用ゲーム機への移植は盛んに行われる様になった。セガはNEC-HE同様、アダルトゲームに大幅な規制をかけなかったこともあり、『野々村病院の人々』(1996年(平成8年)・エルフ)が「18禁X指定」で移されたが、規制の強化によって、性表現をさらに薄くした「18歳以上推奨」というレーティングに移行して『同級生if』や『下級生』といった作品が「セガサターン」に移植された。『ファミコン通信』の初年度の集計で『野々村病院の人々』が32万本、『下級生』が25万本、『同級生if』が22万本の売り上げを記録している。

セガサターンと競合し、第5世代機の市場を制したSCEのプレイステーションについては上述した様な「ソニーチェック」と呼ばれる程の厳しい独自規制があり、アダルトゲームの移植は当初ほとんどなされなかった。この状況は、原作の性的描写をすべて排除し、ノンアダルトのギャルゲーへと大幅な方向転換をすることでプレイステーションへの移植を果たした『同級生2』(1997年(平成9年)・バンプレスト)、『To Heart』(1999年(平成11年)・アクアプラス)の登場によって変化することになる。

以後「原作のゲームと同一タイトルをつけることを認めない」というルールが制定され、著作権表示に元のブランド表記がない作品が多いという制約はあったもの、アダルトゲームのギャルゲー化は作品の販路拡大・メディアミックスの手法として定着していく。だがこれは、単に家庭用ゲーム機に性的表現を盛り込むことをソフトメーカーが放棄したともいえ、年を追う毎にアダルトゲームとギャルゲーとの境界線はあいまいなものになっていった。

プレイステーション2主流の時代には、タイトルは過去に他のハードウェアに移植されていないタイトルでもサブタイトルが付いている程度(もともとサブタイトルがあるタイトルでもサブタイトル部分が変更されている)であり、原作者表記についてはブランド名でなく法人名やコンシューマゲーム機向けに用意された別のブランド名が表記されていたケースがあったが全般的なものではなく、プレイステーション時代に比べれば緩和されている。中にはパッケージ裏に原作者のロゴが表示されているものも存在するほどである。

だが過去の規制の名残でプレイステーションでもタイトルが完全に変わっている作品があるほか、形式上他機種からの移植といえる状況が発生しなくなった今日ではWindows版と同名で発売されるケースはない。プレイステーション2の後継機プレイステーション3での移植作は、現状ではアクアプラスから『WHITE ALBUM 綴られる冬の想い出』が発売、GN Softwareから『涼風のメルト』の発売が予定されている程度にとどまっている。メインストリームがプレイステーション3に移行しプレイステーション2のシェアが大きく衰退している現在でも、プレイステーション3用ソフトウェアの開発費の恒常的な高コスト体質などの問題からプレイステーション2のプラットフォームで制作・発売されるケースはあるものの、これらは減少傾向にあり、最近ではプレイステーション・ポータブルマイクロソフトXbox 360などのプラットフォームでのリリースが主流になりつつある。

プレイステーション2と同時期のゲーム機、セガのドリームキャストは規制を早い段階にCEROの基準に合わせたことともあり多数移植され、ゲーム機本体の生産が終了した後もしばらくは移植作品が発売され続けていたほどである。しかし、本体の生産終了やSCEの規制がCEROレーティングにある程度準拠したことなどによりドリームキャストに移植する意義は薄れ、ドリームキャスト版の販売は終息に向かった。ドリームキャスト移植作品も末期にはサブタイトルが付くなどしてWindows版とタイトル異なるケースもあった。

[編集] 移植と逆移植

ギャルゲー化という手法を確立したことでアダルトゲームのコンシューマゲーム機への移植のハードルが下がると、今度は逆にコンシューマゲーム機で発売されたギャルゲーがWindows版に移植されるようにもなった。その中には単純にWindowsにエミュレートしただけの作品もあるが、中にはギャルゲーに性的描写を追加しアダルトゲームとして発売した作品も存在する。この様なWindows版移植作品を指して、コンシューマゲーム機からアーケードゲームへの移植と同様に「逆移植」と呼ぶこともある。

最初の事例は『6インチまいだーりん』(1998年(平成10年)・KID)が翌年にあいりゅによってアダルトゲームとしてWindowsに移植されたものと考えられるが、この作品の段階では原作自体の知名度の低さもあって一般化しなかった。その後もいくつかあったが、CEROの15歳以上対象のギャルゲーで発売された『ToHeart2』(2004年(平成16年)・アクアプラス)をアダルトゲーム化したWindows版の『ToHeart2 XRATED』(2005年(平成17年)・Leaf)が発売されて以降広まっていく。ただし、このような作品の大半は事実上アダルトゲームメーカーが制作したギャルゲーを移し変えた物やシリーズ全体で見た最初の作品がアダルトゲームであり、Windows版への「逆移植」によるアダルト化移植は時間の問題、あるいはアダルトゲーム化を前提としていたなどの意見もある(Leafはアクアプラス内のブランド名)。

また、コンシューマゲーム機版から移植する際、サーカスの『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』の様に既にWindows版を所有している者に対するセールスポイントにするために、コンシューマゲーム機版で新規追加したキャラクターに性的描写を加えるといった作品もある。具体的には、Windows版『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』にヒロインを追加し性的描写を削除した内容で、タイトルを『D.C.II P.S.(ダ・カーポII プラスシュチュエーション)』としてプレイステーション2に移植をし、この追加ヒロインにも新規に性的描写を加えて『D.C.II P.C.(ダ・カーポII プラスコミュニケーション)』としてWindowsに移植をしている。この様にゲーム内容の追加および性的描写の削除と追加を繰り返しながら、コンシューマゲーム機とWindowsの両プラットフォーム間を往復する事例も少なくない。

一方でアリスソフトのように、ほとんどの作品で性的な要素がゲーム内の根幹部に関わっており、ちょっとした改変によるギャルゲー化やコンシューマゲーム機への移植はコンセプト的に不可能という作品を作り続けているメーカーもある。もとより強姦魔が主人公の陵辱系作品や、性行為以外やることの無いいわゆる抜きゲーでは、非アダルトゲーム化は不可能である。また成年向けということから、人種・部落差別、麻薬、人身売買などの時事をストーリーに取り入れた作品は少なくないが、これも倫理上問題があるとして不可能とされる。

[編集] OVA・テレビアニメなどの映像作品

アダルトゲームのアニメ化自体は1990年代の初頭から細々と行われていたものの、アニメ化作品でヒット作といえるだけのセールスを記録した最初の作品は、原作ゲーム自体もやはり大ヒット作であった1994年(平成6年)の『同級生 夏の終わりに』(ピンクパイナップル)であった。この頃は家庭用ゲームへの移植が当初はアダルト色を何とか残しつつ行われたのと同様、R指定(15禁)ないし18禁のアダルトアニメで、レンタルビデオ店向けのアダルトビデオの一種として製作され、後にOVAとして販売されていた。

この流れが変わり始めたのは『エルフ版 下級生 〜あなただけを見つめて…〜』(1997年(平成9年)、ピンクパイナップル)で、性的描写が存在するR指定と、存在しない全年齢版の2種類が製作された。その後、1996年(平成8年)にアダルトOVAとして製作された『同級生2』(ピンクパイナップル)が、1998年(平成10年)に性的描写の全カット・話数追加をして再編集の上、初めて地上波テレビアニメとして放映された。

初めから性的描写を除外した全年齢向けアニメとして企画された端緒は、『同級生2』のテレビ放送と同時期にテレビ東京で放映された『Night Walker -真夜中の探偵-』である。その後、1999年(平成11年)に『To Heart』が放映されたが、これは原作をアクアプラス名義とする、すなわちプレイステーション移植版のギャルゲー化された作品を直接の原作と位置づけていた[76]。以降は、ギャルゲーとしてコンシューマゲーム機にも移植可能、あるいは移植されたストーリー重視型や、性的描写を廃しシナリオを修正すればギャルゲーとしても成立可能なタイプの作品がテレビアニメ化されている。多くは独立UHF局などで放映されるUHFアニメである(このことについて詳しくはUHFアニメの項を参照)。

ローカル局以外では全国放送WOWOWや、TBSのデジタル衛星放送BS-TBSがこの種のアニメの放映に比較的寛容である。例外的に在京キー局で放送された作品としては『Kanon』(2002年(平成14年)、東映アニメーション)がある。

2002年(平成14年)に『Piaキャロットへようこそ!!3』(2001年(平成13年)、F&C[77]2005年(平成17年)に『AIR』(2000年(平成12年)、key[78]劇場版アニメとして上映された。共にアダルトゲームを直接の原作にしながらも性的描写はカットされ、これらもギャルゲーのアニメ化作品と概ね同様の様式になっている。

2005年(平成17年)1月からボーイズラブ系(女性向け)のアダルトゲームからアニメ化された作品としては最初のものとなる、『好きなものは好きだからしょうがない!!』(プラチナれーべる2000年(平成12年))がUHFアニメして放映され、その後も数的には男性向けのアダルトゲーム程ではないがメディアミックス展開やアニメ化が行われる様になっている。

この様に、2000年代に入ってからアダルトゲームを原作としてこれに非アダルト作品へと大幅なアレンジを施してのメディアミックス展開やテレビアニメ化が多数進められる様になった要因としては、「萌え」という要素がサブカルチャーの世界では極端にニッチなものではなくなってきたこと、1999年(平成11年)に『To Heart』でコンシューマ機全年齢版とテレビアニメを連携させるメディアミックス手法が成功したため、これを雛形とすることでその後はアダルト版・コンシューマ機版のファン全般を販売戦略の主ターゲットとして位置づけた企画としてテレビ局にプレゼンを行うことが可能になったことなどが挙げられる。また、従来はサブカルチャーの王道としてテレビアニメの原作の中核を担ってきた週間連載漫画ライトノベルの人気作品がより大作・長期化の傾向になったことで、これらよりも小規模で手頃なメディアミックス企画を立ち上げるのに好適な素材としてアダルトゲーム原作作品に着目した出版社・アニメ製作会社などのメディアミックス企業と、メディアの大容量化や複数ヒロインによるマルチシナリオ・マルチエンディング、他にも豪華な初回特典などが事実上必須になりトータルのパッケージが肥大化し、開発費・関連経費の増加傾向に歯止めが効かない現状の中で、経営を安定させる為の収益チャンスや作品・ブランドの知名度やネームバリューの向上機会を模索するゲーム制作会社・流通会社と、双方の思惑と利益が一致したというところが大きな要因として存在する。また、上述したとおりメディアミックスには様々な業界が関連するため、メディアミックス企業が複数チャンネル同時展開の中核としてアニメ企画を立ち上げて原作ゲームとの二本柱の体制を構築し、他の各種グッズやコミカライズ展開などの中心軸として活用するパターンも多い。

その一方で、性的描写・性行為を物語上のメインとしているため家庭用ゲーム機への移植やテレビアニメ化が不可能な(または一般向けのメディアミックスが望めない)作品についても、アダルトアニメでのOVA展開は続けられており、レンタルビデオ向けなどを中心に一定規模の市場が構築されている。

実写アダルトビデオ化されたものは、『夜勤病棟』(1999年(平成11年)、ミンク[79]や『対魔忍アサギ』(2005年(平成17年)、Lilith[80]などの例があるが、数は少ない。

[編集] 漫画・小説等書籍

アダルトゲームを原作にしたノベライズ作品は多数刊行されている。

大半はジュブナイルポルノと呼ばれるジャンルに属する官能小説で、多くは新書判で刊行されている。その一方で、一部ではあるが性的要素を排除するなど大幅なアレンジを加えたノベライズもあり、こちらはライトノベルのレーベルから刊行されている。ジュブナイルポルノの場合、ゲームのシナリオライターと原画担当者がそのまま本文と挿絵を担当したり、ゲームの画像・素材が挿絵として流用されるケースが多い。対照的にライトノベルの場合、本文ではかなりの割合で、挿絵についてもある程度の割合で、出版社と繋がりのある別の若手・中堅作家が起用される。そのため、ライトノベル化作品では雰囲気が大きく変わることも珍しくない。

なお、過去にはアリスソフトの『DARCROWS[81]の様に、メーカー自身がノベライズ作品を自費出版の形で企画・制作し自社のファンクラブ会員限定で通信販売したケースもある。

コミカライズも一部にみられるが、こちらについてはテレビアニメとのタイアップであったり、あるいはテレビアニメ化などの他のメディア展開を見据えてのファン層の動向調査を兼ねるなど、大半が何らかの別のメディアミックス企画やその構想に深く関連しており、性的要素を排除した形で雑誌掲載、単行本化されている。この場合、大半のケースでコミカライズ担当の漫画家が起用され、原作ゲームの原画担当者自身が漫画を作画することはあまり見られない。

ただし、ゲームメーカーの意向として、ノベライズやコミカライズの担当者の個性・才能を期待して裁量を大きく与えたり、ゲーム側を『正伝』、出版作品側を『外伝』などと位置づけて、意図的に雰囲気を変えさせているケースも存在している。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ コンピュータソフトウェア倫理機構 (2009年9月1日). “倫理規程 (PDF)”. コンピュータソフトウェア倫理機構. 2010年3月11日閲覧。
  2. ^ コンピュータソフトウェア倫理機構 (2009年9月18日). “【Press Release】公式名称「R18ゲーム」について” (日本語). コンピュータソフトウェア倫理機構オフィシャルウエブサイト. 2010年3月10日閲覧。
  3. ^ 古くは『夢幻戦士ヴァリス』(1986年(昭和61年)、日本テレネット)や『第4のユニット』(1987年(昭和62年)、データウエスト)などに遡ることができる。
  4. ^ パソコンゲームの例では『卒業 〜Graduation〜』(1992年(平成4年)、ジャパンホームビデオ)『CLANNAD』(2004年(平成6年)、Key)など。
  5. ^ 2002年(平成14年)度現在でアドベンチャーゲームが約80パーセントを占めている。大塚雄二「国内エロゲー叙事」、『ゲーム批評』第10巻第7号、マイクロデザイン、東京、2003年7月、 32-33頁。
  6. ^ 柘植光彦・長谷川寿一、田崎秀明、萩原弘子、山岸和夫 「メディアと「性」 - 「身体」の消失」『表現』 大庭健、鐘ヶ江晴彦、長谷川真理子、山崎カヲル、山崎勉、専修大学出版局〈シリーズ【性を問う】〉、東京、1997年10月14日、初版、231-235頁(日本語)。ISBN 4-88125-094-9
  7. ^ a b 風野春樹「エロゲーはどのような影響を人に与えるのか」、『ゲーム批評』第10巻第7号、マイクロデザイン、東京、2003年7月、 26-27頁。
  8. ^ それこそ、プレイヤーの使用しているパソコンと仕様的に大差が無いもので開発を行っているメーカーも多い。
  9. ^ 異性間のキス表現や、「登場人物に子供ができる」というストーリー展開や「生まれた子供によって次代に物語が受け継がれてゆく」という子孫継続などの概念程度までは許容されるが、恋人同士が同衾するといった性行為を“匂わせる”表現や、一定水準を超える同性愛表現などには厳しい規制が入ってしまう。かつての一部ハードウェアではパンチラ描写すら一切不可能であった。
  10. ^ 主な作品にロリータ・シンドローム(1983)などがある。
  11. ^ 「美少女ゲームの元祖 ジャスト」『美少女ゲームマニアックス3』 キルタイムコミュニケーション、東京、2002年10月10日、初版、73頁(日本語)。ISBN 4-86032-031-X
  12. ^ 高月靖 (2009-10-26). “オタク” (日本語). ロリコン 日本の少女嗜好者たちとその世界 (初版 ed.). 東京: バジリコ. pp. 169-174. ISBN 978-4-86238-151-4. 
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  14. ^ 中には日本で規制が無いことを逆手にとり、当時アメリカ合衆国の成人指定基準であった、"X指定"をタイトルにした『ドラゴンシティX指定』(1991年(平成3年) フェアリーテール)のように「外国では発売が規制されるほどエロいんです」という挑発的な作品も存在していた。
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  47. ^ カスパルは2006年(平成18年)春にNPO法人の資格そのものを返上して、任意団体となっている。
  48. ^ 宮台真司. “児童買春・児童ポルノ禁止法案の改正論議によせて”. 2010年3月13日閲覧。 “絵や漫画を規制対象から外してもらった第二の理由は、やはり恣意的運用の可能性。日本の漫画文化の伝統の問題が背後にあります。その伝統では、人妻が描かれるときでさえ、目が大きくて挙動が幼い「子供ふうキャラ」になります。これは子供なのか大人なのか。”
  49. ^ 宮台真司. “児童買春・児童ポルノ禁止法案の改正論議によせて”. 2010年3月13日閲覧。 “学問の世界では、暴力的メディアが子供を暴力的に育てる、性的メディアが子供を性的に育てるという「強力効果説」は認められていません。認められているのは、短期的な摸倣可能性と、元々暴力的性格の人間に引き金を提供する類の「限定効果説」です。引き金の含意は、ソレが引き金を引かなくても、別のものが引くだろうということです。だから引き金要因に注意を奪われることは、火薬の装填という本質的要因を覆い隠し、責任転嫁することを意味する。”
  50. ^ 小寺信良 (2008年3月17日). “「児童ポルノ法改正」に潜む危険”. ITmedia +D Lifestyle. アイティメディア株式会社. 2010年3月13日閲覧。 “またこれらのコンテンツがあるから、実際の性犯罪が抑止できているという考え方もできる。つまり、そういう萌え絵に反応する人たちは、アニメ絵だから反応するわけで、現実の子供には興味がないものである。逆にアニメ絵を規制してしまったら、現実の子供に走る可能性が出てくる。”
  51. ^ 一例を挙げれば、ソニアの『VIIPER』のとあるシーンが規制された時に、協会役員の企業であるD.O.の作品に同様のシーンがあるのに規制されていないと反論されて問題になったことがある。
  52. ^ 規制前では、例えば『放課後恋愛クラブ』では主人公たちは高校生で、さらに後輩の中学生も登場している。逆に規制後の『D.C. 〜ダ・カーポ〜』では主人公達の年齢は詳らかにされないが、卒業した先輩が同じ制服を着て上の学校に通っており、中高一貫校の中学生とも解釈できる描写になっている。
  53. ^ 原毅彦 (1999年2月10日). “ゲームの声優出演料などでCESAと音声連が合意”. ITmedia Gamez. アイティメディア株式会社. 2010年3月11日閲覧。
  54. ^ ここでいうワードとはゲーム内の1ウィンドウに表示される台詞を指し最大で60文字である。
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  56. ^ 各ヒロインのワード数は約2500なので単純に計算すると150,000円前後になる。
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  58. ^ サウンドチップから音色を発生させていた時代のゲームソフトにあっては、パソコンゲーム・コンシューマ機向けゲーム・アーケードゲームの多くでゲームミュージックCDが関連商品として発売されたが、これらはゲーム制作にまつわる様々な事情からカット・変更した部分を改変前の原データのまま収録したり、多機種移植展開を前提にDTM用音源モジュールで制作された大元の原曲を収録するなど、いわば“完全版”であるということも珍しくなかった。
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  61. ^ ジャパメタ・和製ヘヴィメタルなどとも呼ばれる。
  62. ^ なお、アダルトゲームの楽曲を制作する音楽制作プロダクションには、業務の一環としてボーイズラブゲームの楽曲の制作も請け負うものが少なくないが、ボーイズラブゲームでは主題歌がある場合には男性ボーカルを起用する、あるいはプロダクションにあってアダルトゲームでは主に作曲や演奏を担当している男性メンバー自身がボーカルを担当しているものが一般的である。
  63. ^ 商業流通のルートに乗るものも一部に存在するが、この場合でも本来の音楽CDの流通ルートに乗ることができるものはレコード会社が関連したメディアミックス企画の構想が絡んでいるものを例外とすれば少なく、大半はパソコンソフトの関連製品として流通しソフマップなどのパソコンショップのアニメ・ゲーム関連CDの売場やアニメショップでの限定的な取り扱いになっている。
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  65. ^ 例としては『ななついろ★ドロップス』のオープニング主題歌など。
  66. ^ 例えばはむはむソフトの開発室はかつて4畳半1部屋であった。はむはむ・新・開発室ご案内!” (日本語). 未開発のあな. はむはむソフト. pp. はむ通ONLINE. 2010年3月3日閲覧。
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  68. ^ 代表的なところでは、コミックマーケットDreamPartyなどがある。
  69. ^ 大型タイトルの場合には、デモムービーとしてテレビアニメの制作プロダクションや著名なプロアニメーターが請け負った本格的なアニメーション動画が制作されたり、テレビアニメで活動している人物・グループが手掛けた主題歌も見られる。
  70. ^ ただし、ファンディスクや低価格路線のタイトルの場合、ボーカル付き主題歌は制作されない事も多い。
  71. ^ 例えば、業界の古参として知られるアリスソフトですら、2010年(平成22年)上半期には新作情報すら1本も発表できず、新作の発売自体もほぼ1年にわたり途絶えてしまう状況となった。
  72. ^ 例としてはマブラヴ オルタネイティヴ
  73. ^ 例としてはSummer Days
  74. ^ ねこねこソフト. “旧作品サポートページ”. ねこねこソフト公式サイト. 2010年3月11日閲覧。
  75. ^ この様なソフト開発中の段階でのメディアミックス展開の決定を、ゲーム制作者側が公表した例としては、『君が主で執事が俺で』(みなとそふと2007年(平成19年))などがある。
  76. ^ 『To Heart』のアニメ作品においては、アクアプラスのアダトゲームブランドであるLeafの名は一貫して出される事はなく、原則としてコンシューマ機版作品およびそれを経由した関連商品にもLeafの名義は用いられない。
  77. ^ Piaキャロットへようこそ!!劇場版~さやかの恋物語~”. アニメイトTV. @ニフティ. 2010年3月11日閲覧。
  78. ^ 劇場版AIR公式サイト”. 2010年3月11日閲覧。
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  80. ^ アタッカーズ (2010年3月5日). “商品紹介”. アタッカーズ対魔忍アサギ作品集特設ページ. アタッカーズ. 2010年3月11日閲覧。 “アダルトゲームで空前の大ヒットを記録した「対魔忍アサギ」初の実写映像化!原作Lilith全面協力!”
  81. ^ これは2001年(平成13年)に制作されたもので、ワニブックス2000年(平成12年)に刊行したノベライズ作品とは別物。

[編集] 参考文献

[編集] 外部リンク


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