吸血殲鬼ヴェドゴニア

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吸血殲鬼ヴェドゴニア』(きゅうけつせんきヴェドゴニア:VAMPIRDZHIJA VJEDOGONIA)は、2001年1月26日ニトロプラスより発売された18禁作品。吸血鬼をモチーフとするダークな物語に変身ヒーロー物とガンアクションを取り入れた意欲作。

吸血殲鬼(ヴァンピルズィージャ)とは吸血鬼と同等のパワーを備えた吸血鬼ハンターの総称である。その種類としてはダンピィルクレスニク等があるが、これら異能のハンターのうち死後に吸血鬼化する運命を背負ったものは、特にヴェドゴニアと称される。やがては狩る側から狩られる側へと転じるため、同業の吸血鬼ハンターからも忌み嫌われる存在。別名を「紅の胞衣を被りし子」。ボスニア・ヘルツェゴビナの民間伝承に由来する。

メインスタッフ[編集]

ストーリー[編集]

吸血鬼…生者の血を糧に永遠の時を生き長らえ、古より歴史の影で暗躍してきた闇の眷属。その不死の肉体を求めて策謀をめぐらせる邪悪な信徒たちの前に、闇の仕置人、吸血鬼ハンターたちが立ちふさがる。現代に蘇る聖戦に運命の悪戯に巻き込まれていく主人公と、彼を取り巻く少女たち。彼らに生きて再び夜明けを迎えることは出来るのか? (パッケージ解説より)

伊藤惣太は、学校でバンドを組んでいる事以外は至って普通の学生である。ある朝、惣太は自分の首筋、それも頚動脈の真上に奇妙な二つの傷跡を発見する。失われた前夜の記憶、そしてその日から始まった身体の変調は、果てしなく続く恐ろしい戦いの予兆に過ぎなかった…

登場人物/クリーチャー[編集]

伊藤 惣太(いとう そうた)
主人公。私立梅論学園高校2年。軽音楽部部員で担当はギター。吸血鬼に咬まれたものの輸血で一命を取り留める。しかし、致命傷となるような大怪我を負ったり、激しい怒りや欲望に晒されると、体内に残る吸血鬼因子が活性化して、容貌も能力も人間とはかけ離れた「ヴェドゴニア」に変身し、吸血して渇きを癒さないと元の姿には戻れなくなってしまう。完全に吸血鬼化するのを避けるには、自分を咬んだ吸血鬼を殺すしかない。人間に戻るため、自分の生活を取り戻すために、非日常の戦いに身を投じることになるが、その残り時間は長くて2週間である。
趣味はバイクで愛車はスズキ・カタナ
ヴェドゴニア
伊藤惣太が失血により変身し、怪物化した存在。筋肉や骨格の変容による破壊を防ぐためのレザーの拘束衣を着用し、吸血衝動を抑制するために、クローム製の猿轡で顎を固定して犬歯が牙に変化することを阻害している。しかし、変身を繰り返し、倒した敵の血を啜る度に吸血鬼としての本性が露わになり、日常的にも惣太の人間としての理性や意識を脅かすようになっていく。
人間では扱えない吸血鬼用の武器類(銃剣付ハンドガン「レイジングブル・マキシカスタム」、大型ナイフ「サド侯爵の愉悦」等)と、スズキ・GSX1300Rハヤブサを過激にチューンアップし、車体前後にチタンブレードを装着した専用バイク「GSX-Desmodus」(デスモドゥスは吸血コウモリの学名)を駆使して、V・チューンドや吸血鬼との戦いに臨む。
来栖 香織(くるす かおり)
私立梅論学園高校2年。惣太の幼馴染で、彼が借りているアパートの家主の娘。寝坊がちの惣太を毎朝叩き起こしに来る。吸血鬼闘争の世界に巻き込まれた惣太を心配し、及ばずながらも守り戦おうとする強いヒロイン。幼少時に空手修行の経験あり。惣太に言われたことがきっかけで辞めてしまったが、シナリオの展開によっては師匠の教えを思い出し、吸血鬼化した友人と死闘を繰り広げることになる。格闘技自体への興味は失っていないようで、かなりの数の格闘技漫画を所有している。
白柳 弥沙子(はこやなぎ みさこ)
私立梅論学園高校2年。香織の同級生で親友。惣太とは軽音楽部で一緒にバンドを組む。担当はキーボードとDTMオペレーター。旧家のお嬢様だが、ジャーマンメタルの熱狂的なファンである一面を持つ。惣太を密かに慕っているが、その事を言い出せない自分を情けなく思っている。プレイヤーの選択によってその命運が激変するヒロイン。
モーラ
ヴァンパイアハンター。外見は10歳程度の幼女。東欧の僻地が生国。自分の身の丈ほどもあるスレッジハンマーを武器として、強大なヴァンパイアを叩き伏せる能力の持ち主。リァノーンに血を吸われて瀕死だった惣太に輸血を施した。決め台詞は「灰は灰に、塵は塵に!」「あいつの行く手に茜と山査子の棘があるように」
その正体は、半人半吸血鬼のダンピィル。出自のせいで幼少時は酷い虐待を受けていた。いつまでも成長することのない自分の身体に強いコンプレックスを持つ。母を辱め自分を産ませた吸血鬼の父を、憎むべき敵として追っている。
リァノーン
齢2000歳、現存する最古のロードヴァンパイア。最も危険な吸血鬼として世界中のハンターの標的となっていたが、秘密結社「イノヴェルチ」に囚われ、人造吸血鬼「V・チューンド」を生み出すための実験材料とされている。100年に亘って昏睡状態に陥っていたが、ある夜突然目覚めて施設から脱走。惣太と遭遇しその血を吸った。現在は再びイノヴェルチの手に落ちている。惣太の夢の中に現れ、何かを訴えているようだが…
フリッツ・ハールマン
ヴァンパイアハンター。モーラの相棒で各種銃器、爆発物の扱いに長け、ハッカーとしての腕も一流。リァノーン探索のために、ヴェドゴニアとなった惣太を敵吸血鬼との直接戦闘に巻き込む。冷徹非情にして皮肉屋で、既に人間ではなくなりつつある惣太を決して信用しない。愛用の武器は「M4ウィッチハンタースペシャル(紫外線投光器と銀矢を放つボウガン付)」。
実はモーラの父親違いの兄。ダンピィルとして差別され虐げられる彼女を連れて故郷を出奔、ハンターとして過酷な戦いに身を投じた。モーラに寄せる気持ちに付け込まれ罠にかかるシナリオあり。
名前の由来は実在したドイツの連続殺人犯フリッツ・ハールマン
網野 鏡子(あみの きょうこ)
私立梅論学園高校1年。軽音楽部部員で、担当はベース。V・チューンドに襲われて吸血されるが、完全に吸血鬼化する前に「親」が死んだため、人間として生き残る。しかし、一度は吸血された影響を利用され、イノヴェルチの密偵となってしまう。
ギーラッハ
秘密結社「イノヴェルチ」で「ヴァンパイア三銃士」と呼ばれる有力吸血鬼の一人。吸血鬼年齢600歳。紅の甲冑を纏い、長大な剣・ビルドルヴフォークを操る偉丈夫。騎士物語がもてはやされる以前の「騎士道精神」の持ち主。リァノーンにより吸血鬼となった忠実な騎士だが、彼女をイノヴェルチの手に委ねたのには複雑な理由が…。
ウォルフガング・フォン・ナハツェーラー
秘密結社「イノヴェルチ」で「ヴァンパイア三銃士」と呼ばれる有力吸血鬼の一人。吸血鬼年齢300歳。老年になってから吸血鬼となったため、老いた姿のまま不老不死となってしまった。強力な精神感応能力、暗示催眠能力を持ち、「人形使い」とあだ名される。網野鏡子を操り、ヴェドゴニアの正体を探る。モーラ・フリッツ兄妹とは意外な関わりがある。
ジグムント・ウピエル
秘密結社「イノヴェルチ」で「ヴァンパイア三銃士」と呼ばれる有力吸血鬼の一人。吸血鬼年齢30歳。元メタルロックバンド「TEPES」のリードギタリスト/ボーカリスト。殺戮に美学を求めるサディスト。ギターと一体化したステアーAUGの改造銃「SCREAMING-BANSHEE」を使う狙撃手でもある。残虐な楽しみのために惣太の周りの人間に手を伸ばす。尚デスモドゥスは元来彼の私物だった。
ストリクス
赤いボンデージファッションに身を包む女吸血鬼。ウピエルの忠実な下僕であり、その嗜虐の標的となっている。
あるシナリオにおける白柳弥沙子の末路。鏡子におびき出されたライブハウスでウピエルに襲われ吸血鬼となり、抑圧されていた欲望や憎悪を惣太や香織、家族にぶつける。なお、本編中では一度も「ストリクス」とは呼ばれていない。
諸井霧江
吸血鬼から不死の秘密を得ることを目的とする秘密結社「イノヴェルチ」所属の天才科学者。IQ250。リァノーンを研究することにより新規化合物を発見、その薬剤応用での莫大な収益によりイノヴェルチに貢献。人間と他の生物を融合合体させた「V・チューンド」の開発責任者。
V・チューンド(キメラヴァンプ)
リァノーンをオリジンとして得られた物質を用いて人工的に作成された吸血鬼。人間をベースにサメアリタココウモリクモサソリワシヒルカメサイ等の細胞を融合させた異様な形態を持つ。融合させた生物種により様々な能力を付与されている(超音波攻撃、飛行能力等)。人間形態と怪物形態がある。なお、V・チューンドのイメージイラスト担当として韮沢靖がクレジットされている。

仮面ライダーとの関連[編集]

シナリオの虚淵玄は「王道で行こうと思ったのです。学園モノで、幼なじみがいて眼鏡っ子がいて妹がお兄ちゃん発言して前世の因縁と触手が絡む、そんなヤツを俺もやってみようと。まぁそれだけじゃ不安だったんで、仮面ライダーにして、吸血鬼にしようと」と本作のマニュアルで語っている。

この作品は4つのシナリオが各々13回1クールのエピソードで構成され、各エピソードはアバンタイトル→OP→本編→EDという構造を持っている。また、エピソードには「EPISODE1 変容」「EPISODE13 悠久」のように回数と漢字2文字の題名がつけられており、各シーンの冒頭には時刻と場所が明示される(例「多摩市 松が谷 AM8:15」)。これらのフォーマットは2000年1月〜2001年1月に放映された平成仮面ライダーシリーズの『仮面ライダークウガ』のフォーマットのオマージュ・パロディとなっている[1]

関連商品[編集]

主題歌[編集]

この作品からZIZZ STUDIOがニトロプラス作品の音楽を担当する様になった(音楽面全般を担当する様になるのは次作の鬼哭街から)。 同作は小野正利がOP及びEDソングの歌を担当しているが、特にOPソングである「WHITE NIGHT」についてはハードなジャーマンメタル風の様式の楽曲であり、聞いただけではこのゲームの内容を到底連想出来ず、アダルトゲームの主題歌である事が信じられないとまで言われている。当時はアダルトゲームの主題歌を男性歌手が歌うことは非常に珍しく、また、紅白出場経験のある歌手がアダルトゲームの主題歌を担当するのは初めての事であった。

書籍[編集]

カードゲーム[編集]

Lycee
シルバーブリッツトレーディングカードゲーム、Lyceeに参戦している。収録エキスパンションは、Nitoroplus1.0など。

脚注[編集]

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  1. ^ レッカ社 「INTERVIEW:2 虚淵玄(ニトロプラス)」『語ろう!クウガ アギト 龍騎』 カンゼン2013年、67頁。ISBN 978-4-86255-178-8

外部リンク[編集]