九州旅客鉄道

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九州旅客鉄道株式会社
Kyushu Railway Company
ファイル:JRkyusyu honsya.JPG
JR九州 本社(博多駅前ビジネスセンタービル6F-11F)
種類 株式会社
略称 JR九州、JR-K
本社所在地 日本の旗 日本
812-8566
福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号
設立 1987年(昭和62年)4月1日
業種 陸運業
法人番号 6290001012621 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役会長 石原進
代表取締役社長 唐池恒二
資本金 160億円
売上高 単体 1907億円(2012年3月期)
連結 3328億円(2012年3月期)
総資産 1兆0167億円
(2012年3月31日現在)
従業員数 9780人(2010年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要株主 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 100%
主要子会社 主な関係会社参照。
外部リンク http://www.jrkyushu.co.jp/
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九州旅客鉄道株式会社(きゅうしゅうりょかくてつどう、英称:Kyushu Railway Company[1]は、1987年4月1日日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つ。略称はJR九州(ジェイアールきゅうしゅう)。英語略称はJR Kyushu。コーポレートカラー色。

主に九州地方山口県の一部の鉄道路線を管理運営している。また、旅行業不動産業農業なども展開している。本社は福岡市代表取締役社長唐池恒二社歌は『浪漫鉄道』でハイ・ファイ・セットが歌っている[2]

概況

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」に依る特殊会社である。北海道旅客鉄道(JR北海道)、四国旅客鉄道(JR四国)、日本貨物鉄道(JR貨物)と同様、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が全株式を保有している。現在、株式上場の目途は立っていないが、唐池社長は「2012年春から5カ年の中期経営計画中に株式上場したい」と発言している[3]。また、経営支援策として経営安定基金(3877億、元本の利用はできない。利益配当のみ経常利益に含まれる)が造成されており、固定資産税の減免を受けている。九州新幹線の部分開業の効果もあって、2004年度の営業収支はわずかながら黒字に転換した。以降、着実に営業黒字を拡大している。

1987年のJR九州発足後は、福岡市博多区の福岡本社のほか、北九州市門司区門司港駅隣)の旧国鉄九州総局ビルに北九州本社を構えていたが、2001年に福岡本社に統合し、北九州市小倉北区に北部九州地域本社を設置している。

2002年以降、管内にあるすべての有人駅(業務委託駅を含む)で、すべての国民の祝日に、国旗(日章旗)を掲揚するようになった。

日章旗を掲げた駅舎の様子(周船寺駅、2009年11月3日)

経営環境

九州では一部をのぞき高速道路網の整備が比較的早くから進んでおり、国鉄末期から国鉄分割民営化後間もない時期にかけて、主要都市相互間を結ぶ高速バス路線の開設が進められ、JR九州の特急との競争が激化している。また、福岡市北九州市の大都市同士を結ぶ博多駅 - 小倉駅間では国鉄分割民営化により山陽新幹線西日本旅客鉄道(JR西日本)の所有となり、JR九州の所有する鹿児島本線とは競争となっている。このような環境を受けて特急列車の増発および特急料金の値下げ、「2枚きっぷ・4枚きっぷ」などの特急列車用のトクトクきっぷの拡充を行っている。

グループ会社が34社と多く、関連事業の収益が鉄道事業を超えているのも特徴である。

運転面

他のJR各社と比べ、在来線特急列車を優先しているダイヤであることが特徴である。人口の多い北部九州においては、通勤輸送にも力を入れているものの、2000年門司港駅 - 博多駅間に設定した特急「きらめき」の停車駅をそれまでの快速停車駅とほぼ同じにした影響で、快速の停車駅は増加しており鈍化傾向にある。また、特急列車以外で130km/h運転を行う在来線列車は、他のJR各社と異なり存在しない。

優等列車の運行については、民営化後博多駅を中心とした体系に改善され、同駅から九州各県の主要駅に向かう新幹線・在来線特急列車が数多く発着している。博多駅から熊本駅鹿児島中央駅へは九州新幹線を運行しており、熊本駅までは1時間あたり4本、鹿児島中央駅までは2本 - 3本、合計137本での運行がなされている。また、九州新幹線は山陽新幹線新大阪駅との間で直通運転を行っており、本州からのアクセス輸送も担っている。在来線特急列車も、小倉駅・佐賀駅長崎駅佐世保駅大分駅などの間で特急列車を運行している。特に博多駅 - 小倉駅・佐賀駅間に関しては、JR他社でも例がなかった「在来線特急毎時上下各3本運転」を行っている[4]宮崎駅に関しては途中駅での接続で対応しているが、特急料金の通算や同一ホームでの乗り換えなどで便宜を図っている。

博多駅は日本で在来線特急が最も多く発着するターミナル駅となっていた。特に九州新幹線開業前の博多駅 - 鳥栖駅間は3系統8種の特急列車(「リレーつばめ」「有明」「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」)が運転され線路容量は限界に達しており、2003年には退避専用の太宰府信号場が設置されたほどである。2011年3月12日九州新幹線鹿児島ルートが全線開業して「リレーつばめ」が廃止、「有明」が朝晩のみの運行になったことでこの区間の線路容量にも若干余裕ができたため、1976年長崎本線佐世保線電化開業以来行われていた「かもめ」「みどり」の併結運転は終了した。「みどり」は「ハウステンボス」と併結運転を行っており、「かもめ」との併結運転が終了するまでは「かもめ・みどり・ハウステンボス」の3階建て列車が運行されていた。

2008年6月発売の時刻表より、管内の「エル特急」の呼称がすべて「特急」に変更された。公式発表はないが、2002年12月ダイヤ改正で実施した東日本旅客鉄道(JR東日本)に次いで2例目である。ただし、案内放送・表記などは未変更のものが残っている。

1988年の香椎線三角線を皮切りに、車掌を乗務させない「ワンマン運転」が増加しており、都市圏路線でも一般的に見られる。2004年以降は一部の特急列車もワンマン運転となっている(車内改札は客室乗務員が担当する)。

運賃・料金面

1996年普通運賃を値上げしつつ、JR他社より安いグリーン料金や、JRグループの中では唯一、在来線特急の繁忙期(指定席特急料金が200円増しになる時期)を設定しない[5]など料金の値下げをしている。ただし、九州新幹線に関しては繁忙期・通常期・閑散期の設定がなされており、時期により指定料金が異なる。

JR九州の競争区間(主に九州内の高速バス)の対象である旅客に対する値下げ戦略は、1996年のナイスゴーイングカードの登場以降その流れが加速し、さまざまな種類の割引きっぷが登場して複雑さを増したため、2001年に割引きっぷのほとんどを特急回数券「2枚きっぷ・4枚きっぷ」に集約した。この「2枚きっぷ・4枚きっぷ」において、高速バスとの競合が激しい区間では普通乗車券よりも安くなる区間も存在する[6]。一方、他交通機関と競合の少ない区間では、割引率が低かったり割引きっぷ設定自体がなかったりするなど、差別化を図っている。

快速・普通列車用の割引回数券としては、6枚つづりの「ミニ回数券」があるが、「2枚きっぷ・4枚きっぷ」と異なり積極的な宣伝などは行われていない。なお、特急列車の設定のない一部の区間(長崎 - 佐世保間、唐津 - 福岡市地下鉄博多間など)では、普通列車用の「2枚きっぷ・4枚きっぷ」を発売している。

全線フリーの企画乗車券については以前「九州グリーン豪遊券」(2003年まで)・「九州レディースパス」(2002年まで)の発売が終了してから数年間存在しなかったが、2007年に入り「九州特急フリーきっぷ」や「旅名人の九州満喫きっぷ」が発売された。

このように割引きっぷを多く設定する一方、急行列車の特急格上げ、山陽新幹線と在来線の乗継割引の廃止など、負担増となった例もある。また九州新幹線には新幹線と在来線の乗継割引が導入されていない。

車両面

特急車両に関しては、JRグループの中でも高い評価を得ている(「車両」の節で後述)が、全体的に予備編成に乏しく、車両のやりくりに苦労することも多く見られる。また、鹿児島ルートの全線開業以前は比較的車両によって使用される列車が固定されていたこともあり、外装に列車名をロゴとして表記する車両も多く見られた。このため運用の変更が起こると、885系電車では「かもめ」編成の「ソニック」と「ソニック」編成の「かもめ」が博多駅のホームに並んだり、稀ではあるが783系電車において「ハウステンボス」編成の「みどり」と「みどり」編成の「ハウステンボス」が併結するなどの事態が発生し、乗客の混乱を招いていた。

九州新幹線鹿児島ルートの全線開業により、787系電車は「ハウステンボス」「ソニック」以外のJR九州管内のすべての在来線電車特急に充当されるようになったことと、885系では「かもめ」「ソニック」への使い分けが事実上消滅して共通運用になっていたことから、この2形式は共通運用を前提とした「AROUND THE KYUSYU」ロゴへの変更が行われている。

また、近年では鹿児島県宮崎県を中心に観光面に特化した特急列車が数多く運転されているが、これらの特急列車は肥薩線吉松駅発着の「はやとの風」に予備車が1両あるのをのぞいて予備車両を持たないため、「海幸山幸」や「あそぼーい!」などのように週末などのみの運転に限定したり、「ゆふいんの森」や「指宿のたまて箱」などのように毎日運転ではあるが専用車両の検査時には別の車両で代走する、という措置が取られている。

普通列車関係では、トイレの設置を進めており、近年では103系1500番台および303系の全編成、キハ125形の全車に、バリアフリー対応トイレが設置された。この結果、トイレ非設置の普通列車はキハ31形単行列車など、ごく少数となった。

禁煙化

車両の禁煙化にはJR各社の中でも積極的に取り組んでおり、民営化直後の1988年には普通・快速列車の分煙化を行い、さらに1995年には普通・快速列車は全面禁煙とした。一方特急列車でも年々禁煙車は増加しており、2003年からは特急列車の喫煙車は編成最後部(下り列車基準)の1両のみとし、指定席自由席を1両に集約していた(なお、車両が2室に分かれる783系ではA室を自由席、B室を指定席とし、その他の車両については指定席の枕カバーを黄色にすることで区別していた)。また、1999年に投入された「有明」用の787系では、喫煙ルームを設けることで客室内を禁煙とした。当時はまだ全席禁煙の特急は珍しかった。

その後、健康増進法の施行などで禁煙エリアの拡大を求める声が多くなったことから、2007年3月18日のダイヤ改正で、JR北海道・JR東日本と共に管内特急の喫煙コーナーの廃止を含む大幅な禁煙化が行われた。この改正により管内特急の大半が全面禁煙となり、「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」に喫煙車が、「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」「九州横断特急」「くまがわ」に喫煙ルーム(客席内は禁煙)が残るのみとなり、2009年3月14日のダイヤ改正でこれら特急の喫煙車および喫煙ルームが廃止となり、当時残っていた寝台特急をのぞいて全特急が完全禁煙となった。

なお、九州新幹線鹿児島ルートに関しては、部分開業した2004年に運行を開始した「つばめ」に充当された800系に関しては、当初から全面禁煙であった。全線開業に伴い運行を開始した「みずほ」および一部の「さくら」「つばめ」に充当されるN700系7000番台・8000番台では客室内は全室禁煙で、3・7号車に喫煙ルームが設置され、JR九州管内を運行する列車では2年ぶりに喫煙可能の列車が登場した。

2012年2月現在でJR九州管内を運行する列車において、車内での喫煙が可能なのはN700系7000番台・8000番台で運行される「みずほ」「さくら」「つばめ」の喫煙ルームのみで、800系および在来線全列車は完全禁煙となっている。

2012年4月1日からは福岡・北九州都市圏の一部エリアの在来線駅においてホーム上の喫煙コーナーを廃止し、全面禁煙を実施する(博多駅・小倉駅の喫煙ルームは存続)。[7]

今後の展望

九州新幹線長崎ルート(西九州ルート)が2008年4月に着工され、おおよそ10年の工期が見込まれている。開業の際には九州新幹線鹿児島ルートの全線開業時のように、長崎本線・佐世保線の輸送体系が大幅に再編されることが予想される。

本社・支社等

九州旅客鉄道の位置(日本内)
北部九州地域本社
北部九州地域本社
長崎
長崎
大分
大分
九州旅客鉄道
鹿児島
鹿児島
東京支店
東京支店
沖縄支店
沖縄支店
九州旅客鉄道
JR九州  本社  支社・支店

本社・支社の路線管轄境界駅についてはJR支社境を参照のこと。

本社

所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号

支社

北部九州地域本社
所在地:福岡県北九州市小倉北区室町三丁目2番57号
長崎支社
所在地:長崎県長崎市尾上町1番89号
大分支社
所在地:大分県大分市要町1番1号
熊本支社
所在地:熊本県熊本市西区春日三丁目15番1号
鹿児島支社
所在地:鹿児島県鹿児島市武一丁目2番1号

島外拠点・付属機関

東京支店
所在地:東京都千代田区丸の内三丁目4番1号
沖縄支店
所在地:沖縄県那覇市久米二丁目4番16号
上海事務所(2010年設立)
所在地:中国上海市
小倉総合車両センター
所在地:福岡県北九州市小倉北区金田三丁目1番1号
JR九州病院
所在地:福岡県北九州市門司区高田二丁目1番1号
社員研修センター
所在地:福岡県北九州市門司区新原町8番1号

歴史

今後の予定

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  • 2012年(平成24年)
    • SUGOCA利用可能エリア拡大
  • 2013年(平成25年)

路線

営業キロ数 線区数 駅数
新幹線 288.9km 1 12
在来線 1984.1km 20 562
全体 2273.0km 21 566
  • 営業キロ・線区数は2011年3月12日現在。駅数は2011年3月12日現在(全体数に新幹線・在来線併設駅は重複計上せず)。

現有路線

分類 路線名 区間 営業キロ 愛称 備考
新幹線 九州新幹線
(鹿児島ルート)
博多駅 - 鹿児島中央駅 288.9km 山陽・九州新幹線 実キロは256.8km
博多駅から約8kmの区間はJR西日本の管轄
幹線 山陽本線 下関駅 - 門司駅 6.3km   下関駅以東はJR西日本管轄
鹿児島本線 門司港駅 - 八代駅 232.3km 福北ゆたか線黒崎駅 - 折尾駅および吉塚駅 - 博多駅)
あまくさみすみ線(熊本駅 - 宇土駅
小倉駅 - 西小倉駅間0.8kmは日豊本線と重複
川内駅 - 鹿児島駅 49.3km    
篠栗線 桂川駅 - 吉塚駅 25.1km 福北ゆたか線  
長崎本線 鳥栖駅 - 長崎駅 125.3km    
喜々津駅 - 長与駅 - 浦上駅 23.5km 旧線(長与支線)  
筑肥線 姪浜駅 - 唐津駅 42.6km   両線は唐津線唐津駅で接続
山本駅 - 伊万里駅 25.7km  
佐世保線 肥前山口駅 - 佐世保駅 48.8km    
日豊本線 小倉駅 - 鹿児島駅 462.6km 空港線(宮崎駅 - 南宮崎駅 小倉駅 - 西小倉駅間0.8kmは鹿児島本線と重複
宮崎空港線 田吉駅 - 宮崎空港駅 1.4km 空港線  
地方交通線 香椎線 西戸崎駅 - 宇美駅 25.4km 海の中道線(西戸崎駅 - 香椎駅  
三角線 宇土駅 - 三角駅 25.6km あまくさみすみ線  
肥薩線 八代駅 - 隼人駅 124.2km えびの高原線(八代駅 - 吉松駅  
指宿枕崎線 鹿児島中央駅 - 枕崎駅 87.8km    
唐津線 久保田駅 - 西唐津駅 42.5km    
大村線 早岐駅 - 諫早駅 47.6km    
久大本線 久留米駅 - 大分駅 141.5km ゆふ高原線  
豊肥本線 大分駅 - 熊本駅 148.0km 阿蘇高原線  
日田彦山線 城野駅 - 夜明駅 68.7km    
日南線 南宮崎駅 - 志布志駅 88.9km 空港線(南宮崎駅 - 田吉駅)  
吉都線 吉松駅 - 都城駅 61.6km えびの高原線  
筑豊本線 若松駅 - 原田駅 66.1km 若松線(若松駅 - 折尾駅)
福北ゆたか線(折尾駅 - 桂川駅)
原田線(桂川駅 - 原田駅)
 
後藤寺線 田川後藤寺駅 - 新飯塚駅 13.3km    
航路 ビートル 博多港 - 釜山港 -   大韓民国への国際航路(運賃形態は独立)
当初は直営だったが、2005年10月からJR九州高速船が運航
  • 山陽・九州新幹線は山陽新幹線(JR西日本)との総称。
  • 福北ゆたか線は鹿児島本線黒崎駅 - 折尾駅間および吉塚駅 - 博多駅間、篠栗線全線、筑豊本線折尾駅 - 桂川駅間の総称。
  • えびの高原線は肥薩線八代駅 - 吉松駅間と吉都線全線の総称。

廃止路線

分類 路線名 区間 営業キロ 廃止年月日 備考
特定地方交通線 山野線 水俣駅 - 栗野駅 55.7km 1988年2月1日  
松浦線 有田駅 - 佐世保駅 93.9km 1988年4月1日 松浦鉄道に移管
上山田線 飯塚駅 - 豊前川崎駅 25.9km 1988年9月1日  
高千穂線 延岡駅 - 高千穂駅 50.1km 1989年4月28日 高千穂鉄道に移管。2005年の豪雨災害により、2008年12月28日廃止
糸田線 金田駅 - 田川後藤寺駅 6.9km 1989年10月1日 平成筑豊鉄道に移管
田川線 行橋駅 - 田川伊田駅 26.3km
伊田線 直方駅 - 田川伊田駅 16.2km
湯前線 人吉駅 - 湯前駅 24.9km くま川鉄道に移管
宮田線 勝野駅 - 筑前宮田駅 5.3km 1989年12月23日  
幹線 鹿児島本線 八代駅 - 川内駅 116.9km 2004年3月13日 九州新幹線部分開業により肥薩おれんじ鉄道に移管

予定路線

分類 路線名 区間 営業キロ 開業予定 備考
新幹線 九州新幹線
(長崎ルート)
新鳥栖駅 - 長崎駅 未定 未定 2008年、スーパー特急方式武雄温泉駅 - 諫早駅間着工

列車

JR九州発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた愛称付きの列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、他社の車両による運行のものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。詳細は各列車の記事を参照。

廃止列車

在来線


車両

九州新幹線800系
アクアエクスプレス
813系
883系 ソニック
885系 かもめ

JR九州の車両はデザインに特色がある。鮮やかな色彩を用い、社名英称・列車愛称形式称号などをヘルベチカによるモダンなレタリングに統一した塗装と、快適さを主眼においた内装を持っている。これらはドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治の手によるものである。建築デザイナーとしてホテル公共施設のデザインを手がけていた水戸岡は、1988年のキハ58系「アクアエクスプレス」からJR九州の車両デザインに参加。特に1992年787系つばめ」は、そのデザインと優れた内装によって、ブルーリボン賞・グッドデザイン商品(現・グッドデザイン賞)といった日本国内の賞のみならず、日本国外からもブルネル賞を受賞している。以降も水戸岡は883系ソニック」・885系かもめ」そして新幹線800系「つばめ」などの特急用にとどまらず、近郊形まで含めた新車両や、国鉄継承車両のリニューアルのデザインを手がけている。

その一方で事故廃車となった車両数がほかのJR各社に比べて多く、これまでにキハ200系811系813系・885系と、旧国鉄から引き継いだキハ40形の一部が事故・災害により廃車された。とりわけ1993年8月6日に発生した日豊本線竜ヶ水駅での土砂崩れ事故NHKドキュメンタリー番組プロジェクトX〜挑戦者たち〜』や、2010年9月16日放送のフジテレビ系列のドキュメンタリー番組『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられた。

1992年にはJR四国から2000系気動車の導入で余剰となっていたキハ185系を購入し、久大本線豊肥本線の急行を特急に格上げ(「由布」→「ゆふ」「火の山」→「あそ」)したこともある。

九州の南部地域の路線では、国鉄時代に製造された車両が多数使用されてきたが、普通列車においては鹿児島・宮崎の電化区間に817系、指宿枕崎線ではキハ200系の導入が進み、特急列車では九州新幹線全線開業により余剰となった787系が783系とともに、これまで主力を担っていた485系をすべて置き換えるなど、車両の近代化が図られている。特筆されるのは肥薩線の観光特急「はやとの風」で、この列車はキハ140形一般形気動車を改造した車両が使用されることで、鉄道ファンの間でも話題になった。また、門司 - 下関間で運用可能な交直両用電車は、分割民営後は1両も造られておらず、交直両用電車の導入についてはJR東日本から415系を購入する形で行っている。

また、発足当初はジョイフルトレインを保有していたが、1994年までに全廃され、以後は東海旅客鉄道(JR東海)と同様に保有していない。そのため団体専用列車には一般の特急形車両や近郊形車両を使用する。

車両の製造に関しては、電車では日立製作所近畿車輛の2社に集約されている。旧国鉄時代のように5社(他に日本車輌製造川崎重工業東急車輛製造)を使い分けるほど新製車両数が多くないため、設計・製造面で製造会社を集約した方がよいためとされている[要出典]。しかし例外として2011年3月の九州新幹線全線開業に伴うN700系8000番台の投入では一部に川崎重工業製の車両も存在する。

JR九州発足後に開発された普通列車用の電車に関しては、転換クロスシート車(811系、813系、817系)を積極的に導入しており、ロングシート車(303系813系500番台815系)と比べると、編成数・車両数ともに圧倒的に転換クロスシート車が多い。


車両基地

門司港運転区の電留線

支社別の車両基地設置状況は、以下のとおりである。

本社

支社

※ ()内は各車両基地の略号。ただし、漢字1文字は機関車にのみ付される。

車両工場

制服

国鉄から民営化されてJR九州発足以来デザインにほとんど変更は無く、駅社員、乗務員(運転士、車掌)とも共通の制服である。冬服は紺色のスーツ型で襟元にはコーポレートカラーの赤色のラインが入る。

駅長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は濃い紺色でダブルタイプとなる。ネクタイは紅と金色のストライプでインナーシャツは個人のものを使用する。制帽はJR他社と異なりヨーロピアン風の型状(ドゴール帽)で、正面には旧国鉄のシンボルマーク「動輪」にJRマークが入ったものに、赤色のラインが入った帽子を採用している。

なお、乗務員は上着の左肩には「運転士」「車掌」などのエンブレムを付けている。このエンブレムは在来線の乗務員と新幹線の乗務員とでデザインが異なり、新幹線の乗務員のエンブレムは下部に金色の刺繍が入っており「新幹線 運転士」「新幹線 車掌」と標記されている。

女性用制服は営業関係社員と運転関係社員とでは大きく異なる。営業関係社員は左肩元に「KYUSYU RAILWAY COMPANY」のロゴが入った黒のスーツタイプの制服にスカーフを巻く。制帽はない。この制服にはパンツタイプ、スカートタイプが存在する。運転関係社員は前述の男性用制服と同じ紺色の制服を着用する。制帽に関しては、これまで男性社員同様ヨーロピアンタイプの帽子であったが2010年6月ごろより変更され、JR他社同様ハットタイプのものとなった。

一方、夏服は冬服よりは薄い紺色のズボンに男性はチェック柄の女性は水色の半袖のワイシャツを着用する。上着は省略する。駅長、車掌区長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は灰色で襟元に赤色のラインが入ったダブルのスーツタイプの制服を着用する。勿論、制帽も灰色のヨーロピアンタイプである。女性の管理者クラスの社員も同じものを着用する。女性の営業関係社員は上述の冬の制服の上着を省略し、代わりにインナーのベストを着用する。

観光列車「ゆふいんの森」号の車掌はオリジナルの制服を着用する。通常の制服と異なり黒のダブルの制服で胸元にゆふいんの森号オリジナルのロゴが入ったピンバッジを付けている。鉄道員には珍しく制帽は省略され一見すると高級ホテルの支配人を彷彿とさせるような風貌である(博多車掌区、大分車掌センターの車掌が着用する)。

ICカード乗車券

2009年3月1日から、独自のICカード乗車券SUGOCA」(スゴカ)の利用を、福岡県内の一部を中心に開始した[14]

発行するのは、プリペイドタイプのIC乗車券(無記名式・記名式)と、それに定期乗車券の機能を一体化させたIC定期券の2種類で、発売の際、デポジット料金として500円を徴収する。積み増せるチャージ上限は20,000円。

開始当初から電子マネー機能を搭載しており、駅売店などで利用できる。ポイントシステムについては2010年2月1日に導入され、またライバル西日本鉄道の「nimoca」が導入したクレジット兼用型についても、グループ企業や系列の商業施設「アミュプラザ」などが独自に導入していたクレジットカードを統合する形で、同年3月に「JQ CARD」(三菱UFJニコスと提携)の発行を開始した。しかし、モバイル機能は今後の検討課題である。

2010年3月13日からは、「nimoca」・福岡市交通局の「はやかけん」とJR東日本の「Suica」を含めた、4社局のICカード乗車券の相互利用(交通利用・電子マネーサービスとも)を開始した。

2011年3月5日には、JR西日本の「ICOCA」およびJR東海の「TOICA」との、交通利用および電子マネーの相互利用を開始した。ただし両カードについては、筑肥線姪浜 - 唐津線西唐津間は対象外となる[10]

主な関係会社

アミュプラザ鹿児島

イメージキャラクター

CM等で活躍

提供番組

すべてJR九州単独提供番組。

脚注

  1. ^ 社名ロゴの「鉄」の字は、金を失うという意味を避けるため「金偏に矢」という文字(鉃)を使っているが、正式な商号は常用漢字の「鉄」である(四国旅客鉄道以外のJR各社も同じ)。
  2. ^ JRの他の6社でも社歌を定めている。JR東日本の社歌は『明け行く空に』でハイ・ファイ・セットとはライバルであるサーカスが歌っている。
  3. ^ JR九州中期計画に上場明記へ 14年度にも産経新聞2011年12月21日
  4. ^ JR他社では、2010年現在、JR西日本の新大阪駅 - 日根野駅間において在来線特急毎時上下各3本 - 4本運転が行われているなど、それほど珍しくはなくなった。
  5. ^ ただしピーク期として2枚きっぷなどの特別企画乗車券で座席指定をする際には別途500円が必要になる期間を設けている。
  6. ^ 例:博多駅 - 大分駅(鹿児島線・日豊線経由)間の普通乗車券が3570円なのに対し、「福岡市内 - 別府・大分」の4枚きっぷは普通乗車券+指定席特急券で1枚当たり2500円
  7. ^ JR九州/禁煙・喫煙について
  8. ^ 日南線で観光特急“海幸山幸”を運転へ鉄道ファン 鉄道ニュース2009年6月26日掲載
  9. ^ 「JR博多シティ」開業について - 九州旅客鉄道 2010年11月17日
  10. ^ a b TOICA・ICOCA⇔SUGOCAの相互利用サービスを平成23年3月に開始します - 九州旅客鉄道 2010年12月13日
  11. ^ 九州新幹線(鹿児島ルート)博多〜新八代間の開業日等について - 九州旅客鉄道 2010年9月15日
  12. ^ 山陽新幹線と九州新幹線との相互直通運転の実施について - 九州旅客鉄道 2007年10月18日
  13. ^ 第11回ブルネル賞 「Jury Prize」の受賞について - 九州旅客鉄道 2010年10月31日
  14. ^ JR九州年譜 - 九州旅客鉄道

関連項目

外部リンク