香椎線
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| 香椎線 | |
|---|---|
| 路線総延長 | 25.4 km |
| 軌間 | 1067 mm |
| 最高速度 | 85 km/h |
香椎線(かしいせん)は、福岡県福岡市東区の西戸崎駅から同県糟屋郡宇美町の宇美駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。全線が福岡近郊区間に含まれる。
西戸崎駅 - 香椎駅間は、海の中道を通っているため、この区間にはJR公式に海の中道線(うみのなかみちせん)という愛称がつけられているが、地元住民や利用者からは西戸崎線とも呼ばれている。また、香椎駅 - 宇美駅間は、山線または宇美線と通称されている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):西戸崎 - 宇美 25.4km
- 軌間:1067mm
- 駅数:16駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
- 交換可能駅・信号場:7(中道(信)・雁ノ巣・和白・香椎・土井・酒殿・新原)
- 運転指令所:博多総合指令センター
- 最高速度: 85km/h
[編集] 概要
福岡市への通勤・通学路線となっているが、元々は粕屋炭田の石炭を西戸崎港へ運ぶために建設された。また1985年4月以降、日本国有鉄道(国鉄)/JRで唯一、起終点両方の駅で他路線との連絡が無い路線である[1]。
北部九州地区の乗車カードであるワイワイカードが奈多 - 長者原間の各駅と須恵中央駅・宇美駅で、IC乗車カードのSUGOCAが全駅で使用できる。
また、2007年8月より国道495号線の拡幅工事に伴う鉄橋掛け替えに伴い鹿児島本線との立体交差地点は少し博多寄りの仮設線路が使用されており、所定の鉄橋部分は架け替え工事中である。
[編集] 運行形態・使用車両
普通列車のみの設定で、全線直通列車の他に、香椎駅乗り換え列車と雁ノ巣 - 宇美間の区間運転列車がある。西戸崎 - 雁ノ巣間は20 - 30分毎に1本、雁ノ巣 - 宇美間はおおむね20分毎に1本の運転である。かつては博多 - 西戸崎間の直通列車もあったが現在は運行されていない。 ワンマン運転を実施しているが、車内での運賃収受は行っていない。また、朝のラッシュ時のみ車掌が乗務している。
国鉄時代は本数が少なく、1986年3月ダイヤ改正時点で西戸崎 - 香椎間が1日12往復、香椎 - 宇美間が11往復の運行であった。1980年頃には地元でも廃止が噂されたこともあった[2]が、JR化を目前にした1986年11月のダイヤ改正で16往復に増発され、さらに和白駅の交換設備新設や中道信号場の設置などが実施され、1988年3月改正で列車本数は激増し、ほぼ現在の運行状況が完成した。国鉄時代の1985年3月までは、朝の西戸崎 - 博多直通列車にキハ58系による急行(九州内は快速)「さんべ」の7両編成が入線していた。なお現在、日中の運行パターンでは交換設備をほぼ全て使用しているため、これ以上の増発は不可能である。交換設備の増設、複線化、電化の予定も無い。
車両は筑豊篠栗鉄道事業部所属(博多運転区常駐)のキハ40形・キハ47形が使用されている。1988年にはキハ31形が投入されたが1995年までに転出した。1997年には当線向けに便所なし・全席ロングシートとしたキハ200系500・1500番台が投入されキハ40・47形と混用されていたが、2003年春のダイヤ改正で全車が大分・鹿児島地区に転出した。この結果、本路線は国鉄型車両のみの運用に逆戻りした。
2008年4月より香椎線用のキハ47形に対して、前面を青色、側面を白色とした香椎線独自の塗装への塗り替えが進められている。側面窓下にはかつて運行されていた「アクアエクスプレス」(後述)に似たデザインの「AQUA LINER」のロゴが入っている。
[編集] 臨時列車
- 「サンシャイン号」
- 1983年、国営海の中道海浜公園が開園し、終点・西戸崎が同園の最寄駅となった。公園内に「サンシャイン・プール」という大規模なプールがあるが、このプールの利用客の便を図って、1983年から1986年まで、7 - 9月に限り、博多 - 西戸崎間に臨時列車「サンシャイン号」が設定された。急行色のキハ58系冷房車3連(ヘッドマーク取り付け)による地味な運行であったが、キハ35や47の非冷房車も多かった当時の旅客サービスレベルを考えれば、全車冷房で博多直通という運行形態は、大きなサービスを提供するものであった。この臨時便は、都市近郊ながら赤字路線として長らく放置されてきた香椎線に、少なからぬ希望を与えるものであったといえる。JR化後には香椎線用のジョイフルトレイン「アクアエクスプレス」が登場したが、「サンシャイン号」の運行実績は、同車に発展的に継承されたといえよう。
[編集] 定期列車(海の中道リゾート列車)
- 「アクアエクスプレス」(1988 - 1992年)
- 夏季のみ設定の「サンシャイン号」に代わって1988年7月末に通年運行として設定された。なお、鹿児島本線内は快速である。キハ58系気動車を改造し1988年7月に登場したキハ58 7003・7004、キハ28 7001 の3両編成で竹下気動車区に配置されていた。運用終了後は熊本運転所に移動して急行「くまがわ」に転用された(現在は廃車済み)。現在JR九州の車両デザインを一手に引き受けている水戸岡鋭治主宰の「ドーンデザイン研究所」が最初に手がけた車両である。座席は2列、1列の転換シートで、2列側の一部は海側(香椎から博多に向かって右側)に向けて配置され、窓も大型化され、一部ルーフにまで窓を設置、当時の気動車では異例の白に紺の細帯のカラーリングであった。
[編集] 歴史
香椎線は、粕屋炭田から産出される石炭を西戸崎港に輸送するため、博多湾鉄道(後の博多湾鉄道汽船)により建設された鉄道路線で、1904年に西戸崎 - 須恵間が、翌年に宇美までが全通、さらに1909年には貨物支線が志免に延長され、さらに1915年には旅石に延長された。
1919年には、筑前参宮鉄道(後の西鉄宇美線→国鉄勝田線)が開業し、宇美と貨物線の志免で接続した。1924年には、同じ博多湾鉄道汽船の貝塚線が開業し、和白駅で接続している。
1942年には、陸上交通事業調整法により、博多湾鉄道汽船は九州電気軌道に合併し、西日本鉄道を形成、同社の糟屋線(かすやせん)となった。1944年には、同じく西日本鉄道に合併されていた旧筑前参宮鉄道の宇美線とともに戦時買収され、国鉄香椎線となっている。
なお、博多 - 香椎 - (香椎線) - 酒殿 - (貨物支線) - 志免 - (勝田線) - 吉塚でデルタ線を形成しており、後年、特急列車の方向転換に利用された。
[編集] 年表
- 1904年(明治37年)1月1日 【開業】博多湾鉄道 西戸崎 - 須恵 【駅新設】西戸崎、奈多(初代)、香椎(既設)、土井、長者原(初代)、酒殿、須恵
- 1905年(明治38年)1月24日 【簡易停車場新設】和白
- 1905年(明治38年)6月1日 【延伸開業】須恵 - 新原 【駅新設】新原
- 1905年(明治38年)7月21日 【駅閉鎖】酒殿
- 1905年(明治38年)12月29日 【延伸開業・全通】新原 - 宇美 【駅新設】宇美
- 1908年(明治41年)10月1日 【駅名改称】長者原(初代)→伊賀
- 1909年(明治42年)8月1日 【貨物支線開業】 酒殿 - 志免 【駅再開】酒殿
- 1915年(大正4年)3月11日 【貨物支線延伸開業】 志免 - 旅石
- 1920年(大正9年)3月25日 【社名変更】博多湾鉄道→博多湾鉄道汽船
- 1924年(大正13年)7月3日 【仮停留場新設】香椎宮前
- 1935年(昭和10年)2月1日 【停留場新設】奈多東口
- 1935年(昭和10年)2月5日 【停留場新設】唐原、長者原(2代)、本合、下須恵 【仮停留場→停留場】香椎宮前
- 1935年(昭和10年)6月21日 【信号場新設】白浜
- 1935年(昭和10年)7月1日 【臨時停留場新設】海ノ中道
- 1940年(昭和15年)7月10日 【仮停留場新設】航空隊前
- 1941年(昭和16年)1月1日 【仮停留場廃止】航空隊前
- 1941年(昭和16年)2月1日 【臨時停留場→仮停留場】海ノ中道
- 1941年(昭和16年)7月15日 【仮停留場→駅】海ノ中道
- 1941年(昭和16年)9月1日 【仮停車場新設】(貨)上唐原
- 1941年(昭和16年)11月20日 【停留場廃止】唐原、本合
- 1942年(昭和17年)7月1日 【仮停車場廃止】(貨)上唐原
- 1942年(昭和17年)9月19日 【合併】博多湾鉄道汽船→西日本鉄道糟屋線
- 1942年(昭和17年)?月?日 【停留場廃止】奈多東口、香椎宮前、長者原(2代)、下須恵
- 1944年(昭和19年)5月1日 【買収・国有化】西日本鉄道糟屋線→国有鉄道香椎線 【駅名改称】奈多(初代)→雁ノ巣 【簡易停車場→駅】和白
- 1946年(昭和21年)11月21日 【信号場廃止】白浜
- 1960年(昭和35年)8月1日 【駅新設】奈多(2代)
- 1960年(昭和35年)12月15日 【貨物支線廃止】 志免 - 旅石 【駅廃止】(貨)旅石
- 1981年(昭和56年)7月30日 【貨物営業廃止】酒殿 - 宇美
- 1984年(昭和59年)2月1日 【貨物営業廃止】西戸崎 - 香椎
- 1985年(昭和60年)1月1日 【貨物支線廃止】酒殿 - 志免 【貨物営業廃止】香椎 - 酒殿
- 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】九州旅客鉄道(国鉄分割民営化により)
- 1988年(昭和63年)3月13日 【駅新設】香椎神宮、長者原(3代)
- 1988年(昭和63年)7月14日 【信号場新設】中道
- 1989年(平成元年)3月11日 【駅新設】須恵中央
- 1994年(平成6年)3月1日 【駅新設】舞松原
[編集] 駅一覧
- 全駅福岡県に所在。
- 全列車普通列車(全旅客駅に停車)。
- 中道信号場での行き違いは下り列車が停止し、上り列車が停止せず通過する。
| 愛称 | 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 列車交換 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 海の中道線 | 西戸崎駅 |
- | 0.0 | | | 福岡市東区 | |
| 海ノ中道駅 |
2.1 | 2.1 | | | |||
| 中道信号場 | - | (3.0) | ◇ | |||
| 雁ノ巣駅 |
4.4 | 6.5 | ◇ | |||
| 奈多駅 |
0.9 | 7.4 | | | |||
| 和白駅 |
1.8 | 9.2 | 西日本鉄道:貝塚線 | ◇ | ||
| 香椎駅 |
3.7 | 12.9 | 九州旅客鉄道:鹿児島本線 西日本鉄道:貝塚線(西鉄香椎駅) |
◇ | ||
| 香椎神宮駅 |
1.3 | 14.2 | | | |||
| 舞松原駅 |
0.6 | 14.8 | | | |||
| 土井駅 |
1.6 | 16.4 | ◇ | |||
| 伊賀駅 | 1.8 | 18.2 | | | 糟屋郡粕屋町 | ||
| 長者原駅 | 1.0 | 19.2 | 九州旅客鉄道:篠栗線(福北ゆたか線) | | | ||
| 酒殿駅 | 1.4 | 20.6 | ◇ | |||
| 須恵駅 | 1.3 | 21.9 | | | 糟屋郡須恵町 | ||
| 須恵中央駅 | 1.2 | 23.1 | | | |||
| 新原駅 | 1.0 | 24.1 | ◇ | |||
| 宇美駅 | 1.3 | 25.4 | | | 糟屋郡宇美町 |
[編集] 貨物支線(廃止)
- (貨)は貨物駅であることを示す。事業者名等は廃止直前当時のもの。
| 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|
| 酒殿駅 | - | 0.0 | 日本国有鉄道:香椎線 | 糟屋郡粕屋町 |
| 志免駅 | 1.6 | 1.6 | 日本国有鉄道:勝田線 | 糟屋郡志免町 |
| (貨)旅石駅 | 1.5 | 3.1 | 糟屋郡須恵町 |
[編集] 脚注
- ^ 1985年3月までは弥彦線が同様の状態だった。弥彦線は部分廃止により他路線との連絡のある駅が終点となり、同時に本路線は勝田線の廃止により宇美駅での連絡が無くなった。
- ^ 当時、香椎 - 宇美間の「山線」区間は赤字83線に含まれていた。
[編集] 関連項目
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