商工組合中央金庫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| 商工組合中央金庫のデータ | |
|---|---|
| 英名 | The Shoko Chukin Bank,Ltd. |
| 統一金融機関コード | 2004 |
| SWIFTコード | SKCKJPJT |
| 代表者氏名 | 関哲夫(せき てつお) (社長:) |
| 店舗数 | 国内99店 海外3店 (2008年現在、単体) |
| 従業員数 | 4,240人 (2008年現在、単体) |
| 資本金 | 2,186億円 (うち政府保有1,016億円) |
| 総資産 | 10兆9,968億円 (2008年現在、単体) |
| 貸出金残高 | 9兆1,149億円 (2008年現在、単体) |
| 設立日 | 1936年11月30日 特別法に基づく政策金融機関 |
| 所在地 |
〒104-0028
|
| 電話番号 | 03-3272-6111 (大代表) |
| 外部リンク | http://www.shokochukin.co.jp/ |
株式会社商工組合中央金庫(しょうこうくみあいちゅうおうきんこ、英: The Shoko Chukin Bank, Ltd.、略称;商工中金)は、特別法(株式会社商工組合中央金庫法)に基づく特殊会社。日本の政策金融機関。長期債務の信用格付けはAA+(JCR)、AA-(R&I)、Aaa(ムーディーズ)。詳細は#格付けを参照されたい。
目次 |
[編集] 概要
政府と民間団体が共同で出資する唯一の政府系金融機関。他の政府系機関に比して民間金融に近い性質を持つ[1]とされ、多くの政府系金融機関が融資のみに特化した機能を持つなか、預金の受け入れ、債券の発行、国際為替、手形を通じた短期金融など、「幅広い総合金融サービス」[2]を行っているとされる[1]。
冒頭に記載する通り、信用格付けは高い水準を維持している。ただ多くの格付け会社は、AAAではなく、AAクラスの評価にとどめており、その理由としては、メガバンクと比較すれば資産の質が見劣りする事、今後民営化の予定があることなどを挙げている。ただし、1930年代に設立されて以来70有余年にわたって、政府からの赤字補填を受けた経験はない。
2015年までに完全民営化される予定である。徐々に政府出資の縮減を図ることになっており、これまで5,227億円だった資本金は、2008年10月1日を期して2,186億円まで減じた。ただ、政府出資が引き上げられたわけではなく、「特別準備金」の名目で、政府出資の4分の3は商工中金に残る[3]。
民営化法案が国会を通過する際、当庫が買収を受けて中小企業金融分野から撤退することがないよう、法律をもって株主資格に特別の制限が付された。
[編集] 中小企業金融
主として中小企業金融の円滑化を目的として、預金の受け入れ、資金の移動や貸し付け、手形取引その他の「株式会社商工組合中央金庫法」で規定する業務を行っている。融資の対象は、従来は商工中金に出資する中小企業団体の構成員などに限定されていたものの、法改正によってその制限は撤廃された。また、かつて長期信用銀行であった新生銀行・あおぞら銀行とともに、「長信銀・商中キャッシュサービス」(LONGS)に加盟している。
[編集] 営業地域
全ての都道府県に最低1ヵ所は拠点を持つ。店舗数は国内99ヵ所。中華人民共和国(香港・上海)とアメリカ合衆国(ニューヨーク市)に、それぞれ一か所ずつ海外支店を開設している。
[編集] 格付け
当金庫への格付けは、次のとおりである。
| 格付け会社 | 評価対象 | 評価 | 当該評価の定義 | 方向性・見通し |
|---|---|---|---|---|
| ムーディーズ | 長期資金 | Aaa[4] | 9段階中1位。信用力が最も高く、信用リスクが最小限であると判断される債務に対する格付け[5]。 | ネガティブ |
| 短期資金 | P-1[4] | 4段階中1位。短期債務の返済能力が極めて高いと判断される発行体(または信用補完提供者)に対する格付け[6]。 | 安定的 | |
| JCR 日本格付研究所 |
長期優先債務格付 | AA+[1] | 10段階中2位。債務履行の確実性は非常に高い[7]。 | 安定的 |
| R&I 格付投資情報センター |
発行体格付 | AA-[8] | 9段階中2位。信用力は極めて高く、優れた要素がある[9]。 | 安定的 |
[編集] 特徴的な業務
政府系金融機関が一般的に行う融資に加えて、預金、債券、各種経営情報の提供、国際業務など、幅広く業務を展開している。そのほか、小切手法上銀行と同視の扱いをうけるほか、手形割引などを通じた短期資金融資、国際為替業務なども行う点で、他の政府系金融機関との違いが鮮明である。
[編集] 金融債
一般の金融機関は、預金を主な原資として業務を行うが、当金庫は法律で金融債の発行が認められており、割引商工債券(通称ワリショー)、利付商工債券(通称リッショー、リッショーワイド)を発行している。資金量全体(9兆1,149億円)のうち、債券は71.9%(6兆8,219億円)を占める[10]。
[編集] 段階的民営化
小泉内閣が進めた行財政改革の一環として、段階的な民営化が決まった。
[編集] 概略
- 2002年12月 - 経済財政諮問会議、「政策金融改革について」を決定
- 2005年11月 - 同、「政策金融改革の基本方針」を決定
- 2005年12月 - 「行政改革の重要方針」を閣議決定
- 2006年6月 - 行政改革推進法(平成18年法律第47号)成立、政策金融改革推進本部・行政改革推進本部合同会議が「政策金融改革に係る制度設計」決定
- 2007年6月 - 株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)成立
- 2008年10月 - 株式会社に改組
[編集] 民営化と特例措置
従来の商工組合中央金庫法は廃止され、2008年10月1日に、株式会社商工組合中央金庫法に基づいた、政府と既存の出資者のみが株主となる特殊会社「株式会社商工組合中央金庫」を発足させたうえ、おおむね5年後から7年後を目途に、徐々に政府出資の縮減を図り、最終的には完全民営化する。完全民営化後は会社法に基づく一般の株式会社となり、移行期間中のための「株式会社商工組合中央金庫法」は廃止される。
[編集] 特別の配慮
ただし、民営化法案が可決される際、衆参両院で付帯決議がなされ、当金庫の金融機能を確実に維持するために、金融行政のうえで特に配慮を行うこと、必要十分な財政措置を講じることが確認されている[11]。
なおこの一連の組織改編は、政府系金融機関の抜本再編の一角で、他にも政府系金融機関の抜本改革が同時進行中である。
詳細は「政府系金融機関#政策金融改革」を参照
[編集] 経営陣
2008年10月1日現在の株式会社商工組合中央金庫の役員一覧
[編集] 歴代理事長
- 結城豊太郎(任:1936年~1937年) 日本興業銀行総裁。のち第15代日本銀行総裁
- 宝来市松(任:~1941年)日本興業銀行総裁
- 河上弘一(任:~1942年)日本興業銀行総裁
- 吉阪俊蔵(任:~1947年) 内務省社会局参与を経て就任
- 豊田雅孝(任:~1953年) 商工次官を経て就任。のち参議院議員
- 村瀬直養(任:~1958年) 商工次官を経て就任
- 北野重雄(任:~1967年) 群馬県知事を経て就任
- 髙城元(任:~1975年) 東京通産局長、日商専務理事を経て就任。のち日刊工業新聞社長・会長
- 影山衛司(任:~1983年) 中小企業庁長官、日商専務理事を経て就任
- 佐々木敏(任:~1987年) 通産省繊維雑貨局長(1971-72)を経て就任
- 宮本四郎(任:~1993年) 通産省産業政策局長(1980-81)を経て就任
- 児玉幸治(任:~2001年) 通産事務次官を経て就任
- 江崎格(任:~2008年) 通産省産業政策局長(1997-99)を経て就任
[編集] 歴代社長
[編集] ATMベンダ
全機種がLeadus(従前の日立仕様)である。
[編集] 沿革
- 1936年5月 - 商工組合中央金庫法(昭和11年法律第14号)公布(6月施行、11月設立)
- 1936年12月10日 - 営業開始。東京都千代田区丸の内(当時東京市麹町区)に本所、全国6ヶ所に支所開設
- 1937年3月 - 利付商工債券の発行を開始
- 1940年7月 - 割引商工債券の発行を開始
- 1944年5月 - 東京都中央区京橋(当時京橋区)へ移転
- 1948年3月 - GHQの圧力で債券発行一時中止(1950年6月再開)
- 1972年12月 - 現在地へ移転
- 1985年6月 - 債券総合口座を創設
- 1994年11月 - 都市銀行、長期信用銀行とオンライン提携
- 2000年 - 郵便貯金(4月)、信託銀行(12月)とオンライン提携
- 2007年6月 - 株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)成立
- 2008年10月 - 株式会社へ改組
[編集] 関連法人
[編集] 脚注
- ^ a b c 商工中金の格付け情報 - JCR、2008年11月25日確認。
- ^ 業務の概要 - 商工組合中央金庫、2008年。
- ^ 株式会社化に関するご案内 - 商工組合中央金庫、2008年
- ^ a b 格付情報 - 商工組合中央金庫、2008年11月25日確認。
- ^ Long-Term-Obligation-Ratings - ムーディーズ、2008年11月25日確認。
- ^ Short Term Ratings - ムーディーズ、2008年11月25日確認。
- ^ JCR「格付記号」の定義 - JCR、2008年11月25日確認。
- ^ 格付け一覧 - R&I、2008年11月25日確認。
- ^ 格付け符号と定義 - R&I、2008年11月25日確認。
- ^ 商工中金について - 商工組合中央金庫、2008年
- ^ 第166回国会・衆参両院決議「株式会社商工組合中央金庫法案に対する附帯決議」参照
[編集] 関連項目
- 株式会社商工組合中央金庫法
- 旧商工組合中央金庫法
- 商工組合
- 商工会
- 商工会議所
- 金融庁
- 吉沢京子(初代CMモデルを務めた)
- 榊原郁恵(1980年代にCMモデルを務めた)
- 沢口靖子(2005年まで長年CMモデルを務めた)
- 吹石一恵(2006年より沢口の後任としてCMモデルを務める)
- 藤沢智(足利銀行頭取・足利ホールディングス代表執行役社長。当金庫OBで、当金庫理事を務めた後、商中コンピュータ・サービス社長をしていた)


