伝七捕物帳

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伝七捕物帳』(でんしちとりものちょう)は陣出達朗らによる日本時代小説シリーズ。捕物作家クラブ(現・日本文芸家クラブ)参加の多数の作家による合同企画として「黒門町の傳七捕物帳」と題して京都新聞に連載された後、陣出達朗が単独で『伝七捕物帳』シリーズを執筆した。

高田浩吉主演による劇場映画シリーズ、中村梅之助主演によるテレビドラマシリーズなど、たびたび映像化されている。

概要[ソースを編集]

1949年(昭和24年)に創設された「捕物作家クラブ」[注 1]参加作家による合同企画として創作された“黒門町の伝七”を主人公とした時代小説で、京都新聞1951年(昭和26年)3月11日から1960年(昭和35年)10月16日の9年7か月の長期間にわたり、毎週1回連載されていた『黒門町の傳七捕物帳』が初出[2]横溝正史陣出達朗城昌幸野村胡堂佐々木杜太郎他、多くの作家が執筆している。

後年、陣出が単独で新作『伝七捕物帳』シリーズを執筆しており、現在では陣出の代表作の1つとして広く認知されている。下述テレビシリーズでも基は陣出作品であるため、原作表記は陣出である。

上記を原作とした映像化作品。以下のものがある。

あらすじ[ソースを編集]

登場人物[ソースを編集]

作品リスト[ソースを編集]

共著[ソースを編集]

陣出達朗 著[ソースを編集]

映画[ソースを編集]

高田浩吉の主演、松竹京都撮影所及び東映京都撮影所の製作により、『伝七捕物帖』(でんしちとりものちょう)と題して以下の13作品が制作された。

作品名 公開日 監督 脚本 原作 主な出演 配給
1 伝七捕物帖 人肌千両 1954年4月7日 松田定次 成澤昌茂 土師清二
佐々木杜太郎
野村胡堂
高田浩吉薄田研二月丘夢路若杉英二伴淳三郎長谷川裕見子 松竹
2 伝七捕物帖 刺青女難 1954年7月6日 岩間鶴夫 柳川真一 野村胡堂
城昌幸
佐々木杜太郎
高田浩吉、月丘夢路、北上弥太朗嵯峨美智子、伴淳三郎
3 伝七捕物帖 黄金弁天 1954年12月8日 福田晴一 柳川真一 野村胡堂
城昌幸
陣出達朗
高田浩吉、月丘夢路、伴淳三郎、神楽坂はん子近衛十四郎
4 伝七捕物帖 女郎蜘蛛 1955年4月19日 福田晴一 柳川真一
岸生朗
野村胡堂
城昌幸
高田浩吉、草笛光子木暮実千代須賀不二夫、伴淳三郎
5 伝七捕物帖 花嫁小判 1956年1月8日 福田晴一 八尋不二 野村胡堂
城昌幸
陣出達朗
高田浩吉、草笛光子、伴淳三郎、浅茅しのぶ伊吹友木子
6 伝七捕物帖 女狐駕籠 1956年6月1日 福田晴一 安田重夫
岸生朗
陣出達朗 高田浩吉、草笛光子、伴淳三郎、関千恵子、伊吹友木子
7 伝七捕物帖 美女蝙蝠 1957年1月29日 福田晴一 永江勇 野村胡堂
城昌幸
谷屋充
高田浩吉、瑳峨三智子、草笛光子、水戸光子、伴淳三郎、大谷友右衞門
8 伝七捕物帖 銀蛇呪文 1957年9月22日 福田晴一 安田重夫
元持栄
野村胡堂
陣出達朗
高田浩吉、福田公子、伴淳三郎、瑳峨三智子
9 伝七捕物帖 髑髏狂女 1958年1月9日 福田晴一 永江勇 野村胡堂
陣出達朗
土師清二
高田浩吉、福田公子、瑳峨三智子、伴淳三郎、高峰三枝子
10 伝七捕物帖 女肌地獄 1959年2月10日 酒井欣也 高岩肇 城昌幸
土師清二
陣出達朗
高田浩吉、瑳峨三智子、名和宏浪花千栄子石黒達也
11 伝七捕物帖 幽霊飛脚 1959年8月2日 酒井欣也 安田重夫 城昌幸
土師清二
陣出達朗
高田浩吉、瑳峨三智子、伴淳三郎、松本錦四郎、石黒達也
12 伝七捕物帖 影のない男 1962年5月23日 深田金之助 柳川真一 城昌幸
土師清二
陣出達朗
高田浩吉、筑波久子山波新太郎西崎みち子星十郎 東映
13 伝七捕物帖 女狐小判 1963年3月24日 大西秀明 柳川真一 陣出達朗 高田浩吉、堺駿二八代万智子桜町弘子千原しのぶ

テレビドラマ(高田浩吉版)[ソースを編集]

1968年3月9日から7月6日まで朝日放送制作・TBS系列で放送された。全18回。

テレビドラマ(中村梅之助版)[ソースを編集]

伝七捕物帳』(でんしち・とりものちょう)は中村梅之助主演のテレビ時代劇。

梅之助の1970年代中後半の当たり役の一つだったが、逝去半年後の2016年7月、息子の中村梅雀主演により、リメイク[3]された。

内容[ソースを編集]

1970年から3年間にわたりNET系で放送された『遠山の金さん捕物帳』(原作者は本作と同じ陣出達朗)で人気スターとなった前進座中村梅之助が、情に厚く、正木流免許皆伝の十手術と万力鎖の技で悪に立ち向かう岡っ引、「黒門町の伝七」を演じた。

伝七の十手の房は、本来与力をあらわす紫色である。これは元々罪人だった伝七の器量と気っ風の良さに惚れ込んだ北町奉行遠山左衛門尉(中村梅之助・二役)が特別に赦免する代わりに岡っ引に任じたためである。通常岡っ引は同心が私的に雇う非公認のものだが、伝七の場合は「奉行に直接雇われた、与力の権限を持つ岡っ引」という特殊な立場という設定だった。

設定上の相違点[ソースを編集]

日本テレビ版とテレビ朝日版とでは、伝七や伝七に関わる登場人物、その背景などに設定の相違がみられる。例えば、日本テレビ版で伝七は独身だがテレビ朝日版では妻帯者(テレビ朝日版で伝七の妻を演じたのは、日本テレビ版で小春を演じた和田幾子)。また、日本テレビ版とテレビ朝日版では伝七や五平を使う同心が異なる、テレビ朝日版には伝七の上司としての遠山金四郎が一切登場しない(テレビ朝日版では伝七は同心・泉の配下、ということになっている)、五平の人物設定などで、そうした相違が作風の違いにもなっている。

日本テレビ版[ソースを編集]

伝七捕物帳
ジャンル テレビドラマ
放送時間 火曜日 20:00 - 20:54(54分)
放送期間 1973年10月2日 - 1977年10月11日(160回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 日本テレビユニオン映画
企画 野崎元晴(NTV
中井景(バリアンツ)
監督 奥中惇夫
石川義寛
斎藤光正
山田達雄
西山正輝
土屋啓之助、他
原作 陣出達朗
脚本 櫻井康裕
杉山義法
吉田義昭
池田一朗、他
プロデューサー 増井正武
鈴木潔
森田義一
出演者 中村梅之助
高橋長英
今村民路、他
オープニング 「向こう通るは」(第1話~第25話)
「江戸の花」(第26話~第160話)
エンディング 「江戸の花」(第1話~第160話ED)
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配役

スタッフ

サブタイトル・主なゲスト[ソースを編集]

1973年[ソースを編集]
1974年[ソースを編集]
1975年[ソースを編集]
1976年[ソースを編集]
1977年[ソースを編集]

テレビ朝日版[ソースを編集]

伝七捕物帳
ジャンル テレビドラマ
放送時間 日曜日 20:00 - 20:54(54分)
放送期間 1979年2月11日 - 1979年9月30日(30回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
前進座
国際放映
監督 高瀬昌弘
太田昭和
山田達雄、他
原作 陣出達朗春陽堂版)
脚本 土橋成男
高橋二三
七条門
加瀬高之、他
プロデューサー 片岡正義
鈴木潔
出演者 中村梅之助
和田幾子
今村民路、他
オープニング 「伝七流し唄」
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中村梅之助を一躍人気スターにした同局の『遠山の金さん捕物帳』と同じ「日曜午後8時枠」での再登板だったが、この放送枠では最後の時代劇となった。本作品の後番組は石原プロモーション制作の『西部警察』である。

配役
  • 黒門町の伝七:中村梅之助
    • 黒門町の親分。紫房の十手の他に捕具として万力鎖を使う(CM時のアイキャッチなどに登場)紫房の十手は元来与力の持ち物で、奉行から、与力の権限を与えられている。ただし、その奉行が誰であるかは明かされていない。
  • おゆう:音無美紀子(全話クレジットされるが出演しない回がある)
    • 居酒屋「ゑびすや」の弥平の娘。弥平の実の娘ではないが、実の親子同様の結びつき。
  • お新:和田幾子
    • 伝七の妻。三味線を教えていることがある(第9話)。
  • 泉勢之進:高城丈二 (伝七を配下にする同心)
    • 町奉行所同心。伝七を配下とする。常に冷静沈着。
  • かんざしの文治:今村民路(現:藤川矢之輔)
    • 伝七の下っ引き。
  • 亀床の五平:瀬川新蔵
    • 伝七の仲間の岡っ引き髪結い。きょろ松の台詞から妻帯者だとされるが妻は出てこない。日本テレビ版とは異なり、「赤鼻」ではなく、「赤鼻の五平」よりも穏やかな好人物。
  • きょろ松:稲吉靖司
    • 五平の下っ引き。
  • 役名不詳:天野新士(第8、9、14、18話)
    • 町奉行所同心。五平を配下にする。
  • 矢田部兵馬:北相馬宏(第2、5、7、8、10、18~20、23、26話。第2話はノンクレジット)
    • 町奉行所与力。泉らの上司で伝七らを配下にする。ことなかれ主義的な面がある。
  • 清助:中村靖之介(第7、19、21、24、26話)
  • おるい:五月晴子(第3、4、9、13、20、24、30話)
    • 伝七らの長屋に住む女房。
  • おつね:武知杜代子(第3、7、9、13、15、16、18、20、24、27、30話。第16話はノンクレジット)
    • 伝七らの長屋に住む女房。
  • 関口陣十郎:財津一郎(全話クレジットされるが出演しない回がある)
  • 弥平:曽我廼家明蝶(全話クレジットされるが出演しない回がある)
    • ゑびすやの主人。昔盗人だったことがあり、押し入った先の娘だったおゆうを引き取って育てる。
スタッフ


サブタイトル・主なゲスト[ソースを編集]


テレビドラマ(中村梅雀版)[ソースを編集]

伝七捕物帳
ジャンル 時代劇
放送国 日本の旗 日本
制作局 NHK
演出 吉田啓一郎
山下智彦
宇喜田尚
原作 陣出達朗
脚本 森脇京子
山本むつみ
森下直(第2シリーズ)
出演者 中村梅雀
田中美佐子
徳重聡
上遠野太洸
原田夏希
石橋蓮司
松平健
ナレーター 濱中博久
伝七捕物帳
放送時間 金曜 20:00 - 20:43
日曜 18:45 - 19:28(再放送)
(43分)
放送期間 2016年5月13日 - 7月1日(9回)
プロデューサー 内堀雄三(ユニオン映画
銭谷雅義(NEP
山本敏彦(NHKドラマ番組部)
エンディング ももいろクローバーZ「Hanabi」
外部リンク 公式サイト
伝七捕物帳2
放送時間 金曜 20:00 - 20:43
日曜 18:45 - 19:28(再放送)
(43分)
放送期間 2017年夏 -(8回)
プロデューサー 陸田元一(NHKエンタープライズ)
内堀雄三(ユニオン映画)
山本敏彦(NHK)
出演者 小芝風花
風見しんご
大塚千弘
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2016年7月15日から9月9日まで、NHK BSプレミアムBS時代劇枠で全9回にて放送された。

続編となる『伝七捕物帳2』が、2017年夏からNHK BSプレミアム「BS時代劇」にて放送予定。全8回(予定)[4]

企画・制作
主演は中村梅雀で、2016年1月に亡くなった父・中村梅之助が1970年代に演じて大ヒットとなった伝七役を演じた[3]。梅雀は伝七役を演じることを2015年暮れに父・梅之助に報告、梅之助から秘蔵の十手コレクションを託された[5]
主題歌はももいろクローバーZが担当し、第1シリーズの第2回放送分に武家の奥女中役でゲスト出演した[6][7]
また、本作で遠山左衛門尉景元を演じる松平健は、2007年1月期(1月~3月)にテレビ朝日系列で放送された『遠山の金さん』でも同じ役を演じており、実に約9年ぶりに遠山奉行を演じる事になる。
配役
ゲスト
スタッフ
放送日程
  • 第1シリーズ
各話 放送日 サブタイトル 脚本 演出
第1回 7月15日 世は情け、父娘(おやこ)髪結い 森脇京子 吉田啓一郎
第2回 7月22日 紫房(むらさきぶさ)、決意の拝命 山下智彦
第3回 7月29日 夫婦道(めおとみち)、江戸女房の心意気 吉田啓一郎
第4回 8月05日 空回り、男の純情 山下智彦
第5回 8月12日 奥手の花、恋の道行き 山本むつみ 宇喜田尚
第6回 8月19日 怪談、からくり屋敷
第7回 8月26日 女心(おんなごころ)、恋の追っかけ 森脇京子 吉田啓一郎
第8回 9月02日 恋女房、涙の縁切り
最終回 9月09日 紫房(むらさきぶさ)、覚悟の返上
関連番組

脚注[ソースを編集]

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注釈[ソースを編集]

  1. ^ 1947年探偵作家クラブ創設の際、捕物作家も入会するはずだったが、木々高太郎の反対で実現しなかった。そのため江戸川乱歩横溝正史城昌幸に助言、クラブ設立に至る。その際、横溝の肝いりで浅草花やしきにて、岡本綺堂の半七塚の除幕式が行われた。初代会長は野村胡堂。副会長は土師清二、城昌幸。1955年には遠山金四郎祭を催す。1964年には書記長の佐々木杜太郎が所属作家と結託し、内紛を起こして脱退するとクラブは解消、「日本作家クラブ(現・日本文芸家クラブ)」として発足する[1]
  2. ^ 第113話にて三吉役として出演している。
  3. ^ a b 第8話にて佐平役として出演し、後に第28話より出演しない回があるものの六蔵役としてレギュラー陣の一人となる。
  4. ^ a b c d 第62話登場時までの項編集に合わせ「お時」としているが、この回の実際のクレジットは「おとき」で表記されている。
  5. ^ 後の第146話より、二代目・新吉として出演。

出典[ソースを編集]

  1. ^ クラブの歴史|クラブの歩み”. 日本文芸家クラブ. 2014年1月25日閲覧。
  2. ^ 京都新聞版「黒門町の傳七捕物帳」”. 襟裳屋 戯事新館. 2008年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月27日閲覧。
  3. ^ a b “中村梅雀さん主演『伝七捕物帳』制作開始!”. NHKドラマ. (2016年3月28日). http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/240899.html 2016年3月28日閲覧。 
  4. ^ “中村梅雀さん主演「伝七捕物帳2」制作開始!”. NHKドラマ. (2016年3月8日). http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/264675.html 2016年3月8日閲覧。 
  5. ^ 阿部正敏 (2016年6月30日). “岡っ引きって?遠山の金さんってどんな人? 〜伝七捕物帳が楽しくなる 大江戸タイムトラベル〜”. SPECIAL COLUMN. NHK BS ONLINE. 2016年7月9日閲覧。
  6. ^ “ももクロが時代劇「伝七捕物帳」の主題歌担当、2話ではゲスト出演も”. 音楽ナタリー. (2016年3月29日). http://natalie.mu/music/news/181440 2016年3月29日閲覧。 
  7. ^ BS時代劇「伝七捕物帳」#3 ももクロがやって来た!!”. ドラマスタッフブログ. NHKドラマ (2016年5月9日). 2016年7月9日閲覧。
  8. ^ a b 第2回より
  9. ^ 第5回より

関連項目[ソースを編集]

外部リンク[ソースを編集]

日本テレビ 火曜20時台
【当番組より時代劇
前番組 番組名 次番組
火曜スペシャル(第3期)
(20:00 - 21:25)
伝七捕物帳
日本テレビ系 火曜20:54 - 20:55枠
火曜スペシャル(第3期)
(20:00 - 21:25)
伝七捕物帳
【1分縮小して継続】
NNNニューススポット
(20:54 - 21:00)
【1分拡大】
テレビ朝日 日曜20時台
【ここまで時代劇
前番組 番組名 次番組
おはなちゃん繁昌記
伝七捕物帳
西部警察
※ここから現代劇
NHK BSプレミアム BS時代劇
前番組 番組名 次番組
立花登青春手控え
(2016年5月13日 - 7月1日)
伝七捕物帳
(2016年7月15日 - 9月9日)
妻は、くノ一
アンコール放送。
(2016年9月16日 - 11月4日)
-
伝七捕物帳2
(2017年 - )
-