成川哲夫

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なりかわ てつお
成川 哲夫
本名 成川 哲夫
別名義 伍代 勝也
伍代 達弘
生年月日 (1944-04-15) 1944年4月15日
没年月日 (2010-01-01) 2010年1月1日(65歳没)
出生地 日本の旗 日本東京都千代田区飯田橋
出身地 日本の旗 日本東京都中央区
身長 173cm[1]
職業 俳優空手家
ジャンル テレビドラマ
配偶者 関口昭子
事務所 さち子プロ( - 1983年)
主な作品
映画
柔の星
テレビドラマ
スペクトルマン
東京バイパス指令
噂の刑事トミーとマツ
備考
国際空手道連盟玄制流成道会会長
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成川 哲夫(なりかわ てつお、1944年4月15日[2] - 2010年1月1日)は、日本の元俳優国際空手道連盟玄制流成道会前会長(創師)。本名同じ。別名伍代 勝也伍代 達弘。妻は元女優で、成道会会長の成川昭子(旧姓:関口)。

東京都千代田区飯田橋出身[2]法政大学第二高等学校卒業[3]法政大学経済学部中退[4]

来歴・人物[編集]

父親は不二家の調理部で、フランス料理のコック長であった[5]。1歳のころに東京都日野市に引っ越すが、父親の通勤に不便なため、小学4年時に狛江市に転居[6]

法政大学在学中より東映演技研修所に入り、1967年3月、『悪魔くん』(NET)第22話ほか数本の作品にテスト出演[4]。同年、第8期東宝ニュータレントに合格し[7]、数本の舞台出演を経て1968年放送の『東京バイパス指令』(日本テレビ)で正式にデビューした[8]

1969年半ばに東宝を退社し、さち子プロに移籍[9]。『柔道一直線』(TBS)へのゲスト出演などを経て、1971年より放映が開始された特撮テレビ番組『宇宙猿人ゴリ』(後に『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』『スペクトルマン』と改題)(フジテレビ)で主役の蒲生譲二(スペクトルマンの変身前)役に起用された[10]。同番組は裏番組『巨人の星』(よみうりテレビ)を視聴率で上回る人気番組となり[11]、成川の俳優時代の代表作ともなった。同番組出演中の1971年5月、第8期東宝ニューフェイスの同期だった関口昭子と結婚[12][13]

『スペクトルマン』の放映終了後、1970年代中盤に佐野プロダクションに移籍[14]。この間、伍代 勝也(五代 勝也は誤植)、伍代 達弘の芸名を使用した[15]。およそ3年でさち子プロに復帰し、芸名を「成川哲夫」に戻す[15]

再改名後も『噂の刑事トミーとマツ』(TBS)にレギュラー出演するなど活躍したが[16]1982年、1960年代より師事していた空手の師範が交通事故のため逝去。後に指導者として道場を引き継ぐ形となったが、道場が分裂したため国際空手道連盟玄制流成道会1983年に発足[17]。同年、空手に専念するため芸能界を引退[18]

その後は成道会の会長・師範として尽力した[19]

1991年、当時17歳の長男をオートバイ事故で亡くし[20]、長女は成道会の指導員として活動している[21]

2010年1月1日肺がんのため死去。65歳没[22]

狛江駅そばに建つ成川ビル。成道会の道場がある。

エピソード[編集]

『宇宙猿人ゴリ』に出演が決定した当時、『打ち込め! 青春』にレギュラー出演していたが、スケジュールの関係で数本のみで降板している[23]

夫人となった関口昭子とはニューフェイス時代から交際していたが、アテンションプリーズにレギュラー出演していた関口が、『アテンションプリーズ』終了後に森繁久彌主演の舞台で地方巡業するなど、結婚を延期せざるを得ない状況になり、東宝側より慰留の言葉があったものの、1971年5月に披露宴を挙げている[12]

『スペクトルマン』で共演した大平透は、成川について礼儀正しく清潔感があり、好青年そのものであったと語っている[24]

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

  • 悪魔くん 第22話「呪いの森の魔女」(1967年、NET) - ハイカー
  • 東京バイパス指令(1968年 - 1969年、NTV) - 並木刑事 ※第1話 - 第26話まで出演
  • プレイガール 第60話「女の火遊び」(1970年、12CH
  • 柔道一直線(1970年、TBS) - 金丸
    • 第57話「大技・陸奥のハリケーン」
    • 第58話「激突! 泣くなミキッペ」
    • 第66話「大噴火投げにアタック」
  • 打ち込め! 青春(1971年、NET) - 山西五郎
  • スペクトルマン(1971年 - 1972年、CX) - 主演・蒲生譲二 / スペクトルマン
  • 快傑ライオン丸 (1972年、CX)- 蒲生城太郎
    • 第3話「魔の森 わくらんば」
    • 第5話「地獄から来た死神オボ」
  • 仮面ライダー 第63話「怪人サイギャング 死のオートレース」(1972年、MBS) - 勝丸功
  • 赤い靴(1972年 - 1973年、TBS) - 公彦
  • ロボット刑事 第25話「兇悪ガトリングマンのバドービールス作戦!!」(1973年、CX)- 青井刑事
  • 伝七捕物帳 第20話「死を呼ぶ邪剣」(1973年、NTV)- 三崎の才蔵
  • 走れ!ケー100 (1973年、TBS)- コウタロウ
    • 第27話「機関車は櫓で行くギッチラコ」
    • 第36話「ペテン師騒動」
  • 特別機動捜査隊(NET)
    • 第614話「死刑囚のプレゼント」(1973年) - 敏哉
    • 第619話「南国慕情」(1973年) - 伸男
    • 第620話「ある恐怖の記録 やさしい女」(1973年) - 新治
    • 第624話「恐怖のハネムーン 」(1973年)- 事務長
    • 第763話「逆光線の女」(1976年) - 多羅屋淳一
  • ウルトラマンレオ 第36話「飛べ! レオ兄弟 宇宙基地を救え!」(1974年、TBS) - 内田三郎
  • 傷だらけの天使 第20話「兄妹に十日町小唄を」(1975年、東宝 / NTV)
  • ザ★ゴリラ7 第1話「武装強盗団」(1975年、NET)
  • 刑事くん 第3部 第24話「愛の巣を見つけた」(1975年、TBS)
  • 欲望の河(1976年、THK
  • ポーラテレビ小説 / 夫婦ようそろ(1978年、TBS)- 島田
  • がんばれ!レッドビッキーズ(1978年、東映 / ANB)- ハンマーズ監督
    • 第27話「キャプテンは誰れに」
    • 第43話「おやじ大戦争」
  • 特捜最前線(東映 / ANB)
    • 第91話「交番ジャック・4人だけの忘年会!」(1978年)- 警官
    • 第120話「保険金殺人・華麗なるダイビング!」(1979年)
    • 第223話「ピラニアを飼う女たち!」(1981年)
  • 大河ドラマ / 黄金の日日 第50話「関ヶ原」(1978年、NHK) - 池田輝政
  • 半七捕物帳 第19話「湯屋の二階」(1979年、ANB)
  • 明日の刑事 第69話「あの胸にもういちど 田島刑事殉職」(1979年、TBS)
  • 噂の刑事トミーとマツ大映テレビ / TBS)- 東刑事
    • 第1シリーズ(1979年 - 1981年)
    • 第2シリーズ(1982年)
  • ザ・ハングマン 第31話「サギ師野郎 危ない綱渡り」(1980年、ABC) - 山室
  • 秘密のデカちゃん 第12話「憧れの新婚旅行 そうは問屋が…?」(1981年、大映テレビ / TBS) - ホテルマネージャー
  • 闇を斬れ 第10話「三つの命を持つ男」(1981年、KTV) - 佐伯
  • 新・必殺仕事人 第17話「主水心中にせんりつする」(1981年、ABC) - 望月
  • 文吾捕物帳 第7話「めばるが泣いた女風呂」(1981年、ANB)
  • 時代劇スペシャル / 新吾十番勝負 第二話(1982年、CX)

映画[編集]

  • 柔の星(1970年、東宝) - 田波俊介
  • 道(1984年) ※人権啓発映画

吹き替え[編集]

  • 刑事コロンボ 「闘牛士の栄光」- カルロス(ホルヘ・リベロ)、※「伍代達弘」名義

出典[編集]

  1. ^ 日本タレント名鑑'83』VIPタイムズ社、1982年、163頁。全国書誌番号:83045304 
  2. ^ a b ヒーロー列伝 1, p. 19.
  3. ^ ヒーロー列伝 1, p. 22.
  4. ^ a b ヒーロー列伝 1, p. 23.
  5. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 20–21.
  6. ^ ヒーロー列伝 1, p. 20.
  7. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 24–26.
  8. ^ ヒーロー列伝 1, p. 27-28.
  9. ^ ヒーロー列伝 1, p. 28.
  10. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 28–31.
  11. ^ 『テレビマガジン特別編集 巨大ヒーロー大全集』講談社、1988年、133頁。ISBN 4-06-178410-2 
  12. ^ a b ヒーロー列伝 1, pp. 48–50.
  13. ^ 『読売新聞』1971年5月18日付夕刊、9面。
  14. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 69–70.
  15. ^ a b ヒーロー列伝 1, p. 70.
  16. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 71–72.
  17. ^ ヒーロー列伝 1, p. 74.
  18. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 72、74.
  19. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 74–76.
  20. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 12、75.
  21. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 75‐76.
  22. ^ “成川哲夫氏死去 元俳優”. 47NEWS. 共同通信. (2010年1月2日). オリジナルの2014年4月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140416073240/http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010010201000315.html 2014年4月16日閲覧。 
  23. ^ ヒーロー列伝 1, pp. 30‐31.
  24. ^ とり・みき「大平透 ゴア/倉田室長役」『別冊映画秘宝電人ザボーガー』&ピー・プロ特撮大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年11月14日、111-114頁。ISBN 978-4-86248-805-3 

著書[編集]

外部リンク[編集]