山本博文

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山本 博文(やまもと ひろふみ、1957年2月13日[1] - )は、日本の歴史学者東京大学大学院情報学環教授、史料編纂所教授。日本近世史専攻。

人物[編集]

岡山県津山市生まれ[1]1984年、豊臣政権において諸大名との意思伝達にあたる「取次」に注目した論文を発表。以後、「取次」概念は、その後の豊臣政権研究の不可欠な概念となる。1991年、家光政権を考察した「寛永時代」では、家光の病気の政治的影響を重視するなど、人間の体温まで感じる歴史叙述をめざした[要出典]

1992年萩藩毛利家、江戸留守居役福間彦右衛門の活動を描いた「江戸お留守居役の日記」で、日本エッセイスト・クラブ賞受賞。その後は、精力的に江戸時代の大名や武士をめぐる著作を刊行、武士道ブームの火付け役の一人となる[要出典]「殉死の構造」や「切腹」では、武士のあり方から日本人のメンタリティーの特質を究明しようとしている[要出典]また、1995年に出版した「鎖国と海禁の時代」では、従来の「鎖国令」の定説をくつがえした。大奥女中研究では、篤姫に仕えた「つぼね」書状などを発掘し、篤姫が薩摩の赤味噌を好み、薩摩藩の奥から提供していた事実を発掘し、話題となった[要出典]。歴史学者の仕事を一般に紹介した「日本史の一級史料」などの著作もある。

経歴[編集]

  • 1980年 東京大学文学部国史学専修課程卒業
  • 1982年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(国史学)
  • 1992年 「幕藩制の成立と近世の国制」で文学博士号取得(東京大学)

職歴[編集]

受賞[編集]

著書[編集]

  • 寛永時代』吉川弘文館[歴史学叢書] 1989
  • 『幕藩制の成立と近世の国制』校倉書房 1990
  • 『江戸お留守居役の日記 寛永期の萩藩邸』読売新聞社 1991、講談社文庫、1994、講談社学術文庫、2003
  • 江戸城の宮廷政治 熊本藩細川忠興忠利父子の往復書状』読売新聞社 1993、講談社文庫 1996、講談社学術文庫、2004
  • 『殉死の構造』弘文堂 1994、講談社学術文庫、2008
  • 対馬藩江戸家老 近世日朝外交をささえた人びと』講談社選書メチエ 1995、講談社学術文庫 2002
  • 『サムライの掟』読売新聞社 1995、中公文庫、2001-歴史エッセイ
  • 『鎖国と海禁の時代』校倉書房 1995
  • 『江戸時代を「探検」する』文藝春秋 1996、新潮文庫 2005
  • 島津義弘の賭け 秀吉と薩摩武士の格闘』読売新聞社 1997、中公文庫、2001
  • 『江戸を楽しむ 三田村鳶魚の世界』中央公論社 1997、中公文庫、2000
  • 参勤交代講談社現代新書 1998
  • 『徳川将軍と天皇』中央公論新社 1999、中公文庫 2004
  • 『長崎聞役日記 幕末の情報戦争』ちくま新書 1999
  • 『読み方で江戸の歴史はこう変わる』東京書籍 2000
    • 「学校では習わない江戸時代」 新潮文庫 2007
  • 『鳶魚で江戸を読む 江戸学と近世史研究』中央公論新社 2000、中公文庫 2005
  • 『江戸のお白州』文春新書 2000 のち文庫
  • 『大江戸サラリーマン学 武士の生き方に学ぶ!』PHP研究所 2001
  • 『武士は禿げると隠居する』(江戸の雑学 サムライ篇)双葉社 2001
    • 「バカ殿様こそ名君主」と改題、双葉文庫 2005
  • 『加賀繁盛記 史料で読む藩主たちの攻防』日本放送出版協会 2001
    • 「日本一の大大名と将軍さま」と改題 グラフ社 2009
  • 『『葉隠』 の武士道 誤解された「死狂ひ」の思想』PHP新書 2001
  • 『サラリーマン武士道 江戸のカネ・女・出世』講談社現代新書 2001、角川ソフィア文庫
  • 『鬼平と出世 旗本たちの昇進競争』講談社現代新書 2002、のち副題を正題として角川ソフィア文庫 2007
  • 『遊びをする将軍踊る大名』教育出版(江戸東京ライブラリー)2002
  • 『切腹 日本人の責任の取り方』光文社新書 2003 知恵の森文庫、2014
  • 『図解武士道のことが面白いほどわかる本-現代に生き続ける、武士の魂とは 日本人の心のDNA 2時間でわかる』中経出版 2003
  • 『武士と世間 なぜ死に急ぐのか』中公新書 2003
  • ペリー来航歴史を動かした男たち』小学館 2003
  • 忠臣蔵のことが面白いほどわかる本-確かな史料に基づいた、最も事実に近い本当の忠臣蔵!』中経出版 2003
  • 『日本人として武士道を身につける 厳しくも美しい精神を取り戻せ』中経出版 2004 のち(2006)文庫化
  • 『江戸時代の国家・法・社会』校倉書房 2004
  • 『徳川将軍家の結婚』文春新書 2005
  • 『男の嫉妬 武士道の論理と心理』ちくま新書 2005
  • 『日本史の一級史料』光文社新書 2006
  • 『お殿様たちの出世 江戸幕府老中への道』新潮選書 2007
  • 『将軍と大奥 江戸城の「事件と暮らし」』小学館 2007
  • 『江戸人のこころ』角川選書 2007
  • 『面白いほどわかる大奥のすべて』中経出版 2007
  • 『大奥学事始め 女のネットワークと力』日本放送出版協会 2008/「大奥学」新潮文庫 2010
  • 『教科書には出てこない江戸時代 将軍・武士たちの実像』東京書籍 2008
  • 『江戸の組織人』新潮文庫 2008
  • 『天下人の一級史料 秀吉文書の真実』柏書房 2009
  • 『江戸の雑記帖』双葉社 2009
  • 『江戸に学ぶ日本のかたち』日本放送出版協会:NHKブックス 2009
  • 『殉教 日本人は何を信仰したか』光文社新書 2009
  • 『なるほど!大江戸事典 時代劇・時代小説が100倍面白くなる』集英社 2010
  • 『徳川幕府の礎を築いた夫婦 お江秀忠グラフ社 2010
  • 『東京今昔江戸散歩』中経の文庫、2011
  • 『徳川将軍15代 264年の血脈と抗争』小学館101新書 江戸検新書 2011
  • 『日曜日の歴史学』東京堂出版 2011 新潮文庫、2015
  • 『武士の評判記 『よしの冊子』にみる江戸役人の通信簿』新人物往来社 新人物ブックス 2011 「武士の人事評価」新人物文庫、2015
  • 『知識ゼロからの大奥入門』幻冬舎 2011
  • 『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』 2012 小学館101新書
  • 『武士道のことがよくわかる本』中経出版 2012
  • 『「忠臣蔵」の決算書』新潮新書、2012
  • 信長の血統』文春新書、2012
  • 『NHKさかのぼり日本史 外交篇5江戸 外交としての"鎖国" なぜ、二百年以上の平和が可能だったのか』NHK出版 2013
  • 『続・日曜日の歴史学』東京堂出版 2013
  • 『敗者の日本史 15 赤穂事件と四十六士』吉川弘文館 2013
  • 『歴史をつかむ技法』新潮新書、2013
  • 『武士道の名著 日本人の精神史』中公新書、2013
  • 『江戸を読む技法』宝島社新書、2014
  • 『知識ゼロからの忠臣蔵入門』幻冬舎 2014
  • 『武士はなぜ腹を切るのか 日本人は江戸から日本人になった』幻冬舎、2015
  • 『江戸「捕物帳」の世界』祥伝社新書、2015
  • 『東大流よみなおし日本史講義』PHPエディターズ・グループ 2015
  • 『大江戸御家相続 家を続けることはなぜ難しいか』朝日新書 2016

編纂・共著[編集]

  • 『新しい近世史1 国家と秩序』 新人物往来社 1996
  • 『島津家文書目録』 東京大学史料編纂所 1999-2000
  • 『歴史学事典 第9巻 法と秩序』 弘文堂 2002
  • 『人事の日本史』遠山美都男関幸彦 毎日新聞社 2005、新潮文庫 2008
  • 『山本博文教授の江戸学講座』 逢坂剛宮部みゆき PHP文庫 2007 新潮文庫、2015
  • 『消された秀吉の真実 徳川史観を越えて』堀新曽根勇二共編 柏書房 2011
  • 『図説大奥の世界』 編著 河出書房新社 ふくろうの本 2012
  • 『偽りの秀吉像を打ち壊す』 堀新、曽根勇二共編 柏書房 2013
  • 『戦国大名の古文書 東日本編・西日本編』堀新、曽根勇二共編 柏書房 2013
  • 『日本史から学ぶ「人事」の教訓』遠山美都男、関幸彦共著 宝島社 2013
  • 『豊臣政権の正体』堀新,曽根勇二共編 柏書房 2014
  • 『徳川家康の古文書』堀新,曽根勇二共編 柏書房 2015
  • 『豊臣秀吉の古文書堀新,曽根勇二共編 柏書房 2015

翻訳[編集]

  • 新渡戸稲造「現代語訳 武士道」』 ちくま新書 2010
  • 福澤諭吉幕末・維新論集 現代語訳』 2012 ちくま新書

脚注[編集]

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  1. ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.351

外部リンク[編集]