浮浪雲

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浮浪雲
漫画:浮浪雲
作者 ジョージ秋山
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックオリジナル
レーベル ビッグコミックス
発表号 1973年 - 2017年19号
巻数 既刊111巻(2017年9月現在)
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浮浪雲』(はぐれぐも)は、ジョージ秋山による日本漫画。『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて、1973年から長期連載している作品で、同誌において『あぶさん』(水島新司2014年終了)、『三丁目の夕日』(西岸良平)、『釣りバカ日誌』(やまさき十三/北見けんいち)と並ぶ長寿作品の一つ。単行本2017年5月現在、110集まで発売されている。なお、1978年1990年の2回に亘りテレビドラマ化され、1982年には劇場アニメ映画として公開された。第24回(昭和53年度)小学館漫画賞受賞。少年漫画が中心だった作者にとって、初めて青年漫画誌に発表した作品である。

2017年9月20日発売の同年19号に掲載された第1039話をもって、44年間におよぶ連載を終了した[1]

概要[編集]

幕末時代の江戸東海道宿場町品川宿』で問屋を営む「夢屋」の主人・雲(くも)は妻・かめ、11歳の長男・新之助(しんのすけ)、8歳の長女・お花(おはな)の4人暮らし。雲は仕事そっちのけでいつも遊んでばかりで、無類の酒好き女好きである。動乱の世ではあるが、ささやかな庶民の家族や人間模様をコミカルかつシリアスに描いている。

また、勝海舟沖田総司近藤勇土方歳三清水次郎長森の石松坂本龍馬楠本イネなど歴史上実在する人物も多数登場する。

登場人物[編集]

雲(くも)
主人公。元々は武士であったが、現在は品川宿の問屋「夢屋」の頭(かしら・現代で言う代表取締役社長)である。仕事は二の次で(漫画の中では仕事をしている描写は全くない)、何を言われても暖簾に腕押しであり、女を見れば老若美醜にお構いなく「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」と決め台詞をやることで有名。見かけは髷をきちんと結わず、女物の着物を身に着けた所謂遊び人の風体をしている。風習や物事に一切囚われず飄々としているが、実は柔軟かつ強靭な精神力を持つ。また、老若男女を問わず、非常に人を惹きつける魅力を持ち、有事の際には「雲が一声掛ければ、東海道中の雲助が集まる」と噂されている。また、どのような形で知り合ったのかは不明だが、徳川慶喜に対して、寝転がりながらくだけた口調で話し、慶喜もそれを許すなどの交友関係を持っている。芹沢鴨との交流もあり「一緒に日本を変えないか?」という持ちかけに「あちきは浮浪雲なんでね、日本を変えようなんて気はありませんよ」と笑顔で返し、芹沢を黙らせた。
同時に居合い斬りの達人であり、滅多にその力を見せないものの、たまに両刃の仕込み杖を使った剣術を見せることがある。その実力は底が知れず中村半次郎(のちの桐野利秋)や沖田総司等をも負かしている。
かめ
雲の妻。美人ではないが、明るい性格で思い遣りがあり、家族や夢屋の雲助達から好かれている。因みにモデルは作者の妻であるとのこと[2]
新之助(しんのすけ)
雲の息子。11歳。性格は雲とは正反対で真面目。
お花(おはな)
雲の娘。8歳。お転婆だが新之助と同様真面目な性格。
欲次郎
夢屋の番頭。夢屋と雲の一家、雲助達をこよなく愛している。全く仕事をしない雲をアテに出来ず、事実上一人で大所帯の夢屋を切り盛りしている。雲助達に口喧しく説教するも親心を持って接するため「とっつぁん」と呼ばれ親しまれている。
渋沢先生
博学多才な楽隠居。雲の豊かで奥深い人間性を、親愛を籠めて誰よりも高く評価している一番のシンパであり、かめや新之助らの良き相談相手でもある。だが、その一方で、雲と共に極悪人を表情ひとつ変えずに始末したことがある。
青田先生
新之助が通う塾の先生。若く熱血であり、時にうわべだけで物事を判断しがちである。そんな時には渋沢先生に穏やかに窘められたり、雲の行動に真実を気づかされて世の中を理解していく。

テレビドラマ[編集]

渡哲也版[編集]

浮浪雲
ジャンル テレビドラマ
放送時間 日曜20:00 - 20:54(54分)
放送期間 1978年4月2日 - 9月10日(20回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
製作総指揮 石原裕次郎
演出 近藤久也、河野和平
原作 ジョージ秋山
脚本 倉本聰金子成人
プロデューサー 小林正彦、石野憲助 他
出演者 渡哲也
桃井かおり
オープニング 宮前ユキ「GIVE UP」
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1978年4月2日から同年9月10日までの半年間、テレビ朝日系で放送。主人公である雲を渡哲也が、妻かめを桃井かおりが演じた。ただし二人の娘であるお花は登場しない。幕末が舞台であるにもかかわらず、アコースティックギターでの弾き語りシーンや、かめがピンクレディーの「ウォンテッド」を口ずさみながら掃除をするシーン、グラタンを食べたり等、独特の演出が随所に見られた。メインライターは倉本聰。放送時間は毎週日曜20:00 - 20:54(JST)。制作は石原プロモーションであり、同社としては初のスタジオドラマとなった。本作終了の1年後、この放送枠には、同じ石原プロ制作の刑事ドラマ西部警察』がブッキングされた。

1979年に第16回ギャラクシー賞・選奨を受賞[3]

CS放送局ではチャンネル銀河2012年7月7日から放送開始された。

キャスト[編集]

主題歌[編集]

毎回オープニング前に「このドラマはフィクションであり、時代考証その他かなり大巾にでたらめです。」とのテロップが流れた。

スタッフ[編集]

視聴率[4][編集]

第1回12.0%、第2回7.9%、第3回8.4%、第4回6.1%、第5回9.8%、第6回5.9%、第7回8.4%、第8回11.7%、第9回7.2%、第10回7.5%、第11回6.2%、第12回6.5%、第13回8.0%、第14回5.5%、第15回5.9%、第16回6.2%、第17回7.3%、第18回10.7%、第19回7.6%、最終回10.5%。

DVD[編集]

2012年8月15日、ポニーキャニオンからDVD-BOXが発売された[5]

ビートたけし版[編集]

浮浪雲
ジャンル テレビドラマ
放送時間 木曜22:00 - 22:54(54分)
放送期間 1990年10月11日 - 1991年3月28日(22回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 鴨下信一
原作 ジョージ秋山
脚本 宮川一郎、吉本昌弘
プロデューサー 近藤邦勝、三角英一
出演者 ビートたけし
大原麗子
オープニング たま「夕暮れ時のさびしさに」
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1990年10月11日から1991年3月28日まで、TBS[6]で半年間放送。キャッチコピーは『ニューウェーブ時代劇』。主人公である雲をビートたけしが、妻かめを大原麗子がそれぞれ演じる実写ドラマとなり、話題となった。たけしにとっては時代劇初主演であった。神奈川県横浜市青葉区にある緑山スタジオのオープンセットに、約2億円かけて作られた江戸時代の街並みを再現して撮影が行われた。放送時間は木曜日の22:00 - 22:54。しかし、話題とは裏腹に視聴率は伸び悩み、ビートたけし自ら「ハズレ雲」と自虐的ギャグにしていたほどであった。本放送終了以降、地上波での再放送やソフト化はされず、ある意味秘蔵な作品だったが、近年、CS放送TBSチャンネルで再放送された。

キャスト[編集]

サブタイトル[編集]

  1. ニューウェーブ時代劇
  2. お情けちょうだい
  3. 春画でポン!
  4. 真心です。ハイ!
  5. 品川マラソンGO!
  6. 妻の屈辱
  7. 人生、種ナシ梅干
  8. 妻の健康診断
  9. 極道おんな
  10. ダンナ様の隠し子
  11. 男と女・夢の続き
  12. いゃーな初夢
  13. 雪の日の約束
  14. 生きるってこと
  15. 置去りにされた娘
  16. 雪の品川宿・二十人斬り!
  17. 雪やど・犯された女
  18. 愛されて、捨てられて、私恋愛論
  19. うまいワイロの渡し方
  20. 男は心・女は顔?
  21. 雪に惚れた女
  22. 春の風景

主題歌[編集]

スタッフ[編集]

  • 原作:ジョージ秋山
  • 脚本:宮川一郎、吉本昌宏
  • 衣装デザイナー:辻村ジュサブロー
  • プロデューサー:近藤邦勝、三角英一
  • 演出:鴨下信一ほか
  • 制作:TBS[6]

劇場アニメ[編集]

上記の渡哲也主演ドラマ版の好評を受け[7]1982年東映動画が制作した劇場用アニメ作品。同年4月24日に公開された。同時上映は『戦国魔神ゴーショーグン』。

声の出演[編集]

主題歌[編集]

スタッフ[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 連載44年「浮浪雲」9月終了へ…ドラマ化2度 読売新聞 2017年8月21日
  2. ^ アサヒ芸能』 1990年11月22日徳間書店
  3. ^ 第16回ギャラクシー賞受賞作品”. 放送批評懇談会. 2014年11月14日閲覧。
  4. ^ 「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ。
  5. ^ 石原プロモーションDVDシリーズ 浮浪雲
  6. ^ a b 「TBS」の略称は、2009年3月までは東京放送、2009年4月以降はTBSテレビを指す。
  7. ^ 浮浪雲|ANIMAX
テレビ朝日 日曜20時台ドラマ枠(1978年4月 - 1978年9月)
前番組 番組名 次番組
浮浪雲
(テレビ朝日版)
TBS 木曜22時台(1990年10月 - 1991年3月)
いきなり!クライマックス
(ここまではバラエティー枠)
浮浪雲
(TBS版)
ぷるるんクニクニ島
(ここから再びバラエティー枠)