四国

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世界 > アジア > 東アジア > 日本 > 四国
四国
所在地 日本の旗 日本
所在海域 太平洋
所属諸島 日本列島
面積 18,300.63[1] km²
最高標高 1,982 m
最高峰 石鎚山
プロジェクト 地形
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四国地方
4県の合計
日本の旗 日本
面積 18,806.36km²[1]
(2009年10月1日)
推計人口 3,547,854
(2024年4月1日)
人口密度 188.7人/km²
(2024年4月1日)
位置
四国の位置
四国の位置

四国(しこく)は、日本列島を構成するの一つである。[2]

北海道本州九州とともに日本の主要4島の一つであり[3]、一周約750kmでこれら4つの中で最も小さい島である[4]世界の島の中では、バナナル島ブラジル)に次ぐ第50位の大きさである。[5]

周辺の付随する島を含めないことを強調したい場合、「四国本土」あるいは「四国島」と呼ぶこともある。

現代では、「四国」と言った場合、通常、四国本土(四国島)に付随する島(小豆島大三島大島中島伯方島など)を加えた「四国地方」を意味する。(日本の地理#四国も参照)

四国の古代の呼称は、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」(いよのふたなのしま)である。[4]

概要

四国地方を構成する4県の中で、徳島県香川県愛媛県は島内交流と合わせて、本州四国連絡橋(本四架橋)もあり本州との交流も盛んである。

東部の徳島県は政治・経済・文化において近畿地方の影響を受けており、北東部の香川県は文化・経済の両面で岡山県兵庫県とのつながりが深く、西部の愛媛県は広島県九州大分県との交流が見られる。

一方で高知県は古くは京都、江戸時代以降は東京からの影響が強く政治・文化的な中央への意識が高い。

弘法大師が拓いた四国巡礼八十八箇所お遍路さんで有名。

歴史書における呼称

日本は6,852ので構成される島国であるが[2]日本最古の歴史書古事記』 (712年献上) では、「日本」を「大八島国」(おおやしまのくに)と呼び、「八つの」の総称としている。(登場順に現代の呼称表記で、淡路(あわじ)、四国、隠岐(おき)九州壱岐(いき)対馬(つしま)佐渡本州

この中で2番目に登場する「四国」の原文での呼称表記は、「伊予之二名島(いよのふたなのしま)」である。

日本書紀』(720年完成)では、「日本」を「大八洲国」(おおやしまのくに)、「四国」を、「伊予二名洲(いよのふたなのしま)」と表記している。

よって、古代においては、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」、または単に、「伊予島」・「伊予洲」(いよのしま、いよしま)、「二名島」・「二名洲」(ふたなのしま、ふたなしま)」などと呼ばれた(「フタナ」は二並びの意)。近世以降は、五畿七道南海道のうち、紀伊国淡路国を除いた阿波国讃岐国伊予国土佐国4つの令制国が存在したことから、「四国」と呼ばれた。陰徳(太平)記序に、「山陰山陽四国九州」と記載がある。

地理

約1900万年前の日本列島の誕生に伴い四国の前身が誕生した。瀬戸内海を挟んで、近畿地方、山陽地方、九州に三方を囲まれた位置にある。島の中部には、各県を分断する様な形で四国山地讃岐山脈の山々がそびえており、この地形が近年まで各地域間の交流を困難にしていた。

中央構造線吉野川北岸から佐田岬半島にかけて東西に貫いている。構造線以北の内帯(西南日本内帯)に当たる地方では、中生層古生層とこれを貫く火成岩が分布している。構造線以南の外帯(西南日本外帯)に当たる地方では、北側から南側にかけて中生層・古生層が形成された順に配列している。

最高地点は石鎚山の天狗岳(愛媛県)。大陸を除くの中で世界で49位の面積がある。

日本列島の成り立ちおよび日本の地理も参照。

広袤(こうぼう)

北端
北緯34度24分1秒 東経134度8分11秒 / 北緯34.40028度 東経134.13639度 / 34.40028; 134.13639 (四国最北端)
西端
北緯33度20分38秒 東経132度0分52秒 / 北緯33.34389度 東経132.01444度 / 33.34389; 132.01444 (四国最西端)
中心点
北緯33度33分39秒 東経133度22分56.5秒 / 北緯33.56083度 東経133.382361度 / 33.56083; 133.382361 (四国中心点)
東端
北緯33度50分2秒 東経134度45分1秒 / 北緯33.83389度 東経134.75028度 / 33.83389; 134.75028 (四国最東端)

南端
北緯32度43分17秒 東経133度0分26秒 / 北緯32.72139度 東経133.00722度 / 32.72139; 133.00722 (四国最南端)

周囲の海

西日本最高峰石鎚山(四国山地)
四国最南端足摺岬
鳴門の渦潮

主な

山地・山岳

河川・湖沼

平野高原

気候

四国の気候条件は、四国山地を境に大きく異なる。

瀬戸内海地方

徳島県吉野川流域以北、香川県全域、愛媛県東予地方中予地方の、瀬戸内海に面した北側は、瀬戸内海式気候に属する温暖寡雨な気候であり、台風等の直撃も比較的少ない。その為オリーブミカンの栽培が盛んである。その反面、大規模な河川太平洋紀伊水道に流れ込む形となっているため、水資源に恵まれず、過去幾度かの渇水に見舞われてきた。このため、満濃池を初めとするため池が多数造られている。その中でも特に、香川県は古来から水不足に悩まされ続けており、渇水対策として吉野川の水を送水するための香川用水が建設されたほどである。

冬から春にかけて、中国大陸から流入する黄砂がしばしば観測される。冬は小雨小雪みぞれ)の降る日もあるが、基本的に晴天が多い。平野部でも一冬に1~2回程度の積雪はあるが、大雪になることは少ない。

太平洋高気圧に覆われる夏季には瀬戸内海沿岸特有の「」や、四国山地越えのフェーン現象に伴う気流の影響で、猛暑日熱帯夜になる日も少なくない。

太平洋

徳島県の殆どの地域、愛媛県南予地方高知県全域の、太平洋に面した南側は、太平洋側気候に属している。太平洋沖合を流れる黒潮の影響を受けて、温暖であり、春の訪れが早く本土で最初の開花宣言高知市または宇和島市となることも少なくない。それ故に、特に高知県では促成栽培が盛んであったり、プロ野球チームのキャンプ地になったりと、温暖な気候を生かした産業や行事が発達している。

年間降水量が多いことから林業も盛んであるが、一方で高知県および徳島県南部では、台風の来襲や集中豪雨も多い。この為、室戸台風などの大型台風が直撃し、洪水などの被害を受けている。また、愛媛県南予地方及び高知県幡多地方では、冬は関門海峡からの季節風の影響で曇りや雨、雪の日が他の太平洋側の地域に比べると多くなっている。

歴史

古代

四国は、畿内から南西側に位置しており、海路で移動するために、五畿七道では南紀淡路島と一緒に南海道に含まれていた。近畿九州航路の要所であった四国の西北部に位置する伊予国道後温泉などは、舒明天皇斉明天皇の入浴記録(日本書紀)があるほか、山部赤人額田王の来浴記録(万葉集)もあるなど、古くから栄えていたと思われる。

中世

四国の覇者、長宗我部元親

平氏が都落ちした際、安徳天皇を擁して屋島を一時的な本拠地としたため、この地で源平両軍が争った。 室町時代は細川氏が讃岐、阿波、土佐の三国を、河野氏が伊予をそれぞれ守護した。

戦国時代の四国の大名としては、三好を拠点とし、阿波国から山城国に渡る8国を支配圏に収めた三好長慶、「土佐の小京都」とも呼ばれている中村を拠点とした土佐一条氏伊予国道後湯築城を本拠とした水軍を有する河野氏、讃岐の香川氏土佐国の四国の覇者である長宗我部元親などが高名であるが、長き騒乱の末に収束に向かい、一時は長宗我部氏が四国を統一したものの、やがて豊臣秀吉により平定された。土佐の大名であった長宗我部盛親関ヶ原の戦いで西軍につき改易された。

近世

江戸時代になると、それまで四国各地を治めていた戦国大名は四国から駆逐され、幕府徳川氏の信任厚い諸将がこの地に封じられることになった。初め、讃岐に生駒氏、阿波に蜂須賀氏、土佐を山内氏と一国一円支配を許したが、のちに生駒氏が騒動を起こして改易されると讃岐は二分割統治された。伊予は初めから小大名が配置され一国統治はされなかった。なお、瀬戸内海の小豆島と塩飽諸島は天領として倉敷代官所の支配下に置かれた。 四国の代表的な藩には、阿波国淡路島を領土とする蜂須賀氏徳島藩水戸徳川家の分家の高松藩山内氏が治める土佐藩加藤氏久松松平家(親藩)などが領した伊予松山藩仙台伊達氏の分家が治める宇和島藩などであった。

近代

幕末維新において土佐藩が終始政局に関わり続け、土佐藩出身の坂本龍馬の仲介で薩長同盟がなった。戊辰戦争においても土佐藩は官軍として各地を転戦し功を挙げた。明治期の自由民権運動も元土佐藩士板垣退助らが中心として起こった。それ以前に金陵会議(四国会議)が土佐藩から提唱され、四国をまとめ上げる力となったが、僅か数年で解散を命ぜられた。愛媛県から正岡子規なる大文豪が輩出され、明治文化に貢献した。

経済

域内総生産

2007年度の四国の域内総生産は名目で13兆5348億600万円であり[7]、全国GDPに占める経済規模は2.6%であることから、「3%経済」と呼ばれている。ただし、これを2009年の世界各国の国内総生産と比較するとニュージーランドよりも大きく、ルーマニアと同規模である[8]。他にも総生産を人口で割った、一人当たりの総生産は全域全県で全国平均を下回り、一番多い香川県でも約40万円下回っている。また、四国内でも格差が生じており、最高の香川県と最低の高知県では約70万円の開きがある。

都道府県別(人口一人当り)
  • 全国:520兆2493億4300万円(403万5150円)
    • 四国:13兆5348億600万円(334万0783円)
      • 徳島県:2兆6437億4900万円(330万4765円)
      • 香川県:3兆6637億4900万円(364万0707円)
      • 愛媛県:4兆9421億2300万円(340万3729円)
      • 高知県:2兆2851億8500万円(288万1318円)

人口

各県の人口

都道府県名 ISO 3166-2 順位 人口 割合
徳島県 JP-36 44 785,873 0.6%
香川県 JP-37 40 995,779 0.8%
愛媛県 JP-38 27 1,430,957 1.1%
高知県 JP-39 45 764,596 0.6%
合計 3,977,205 3.1%

※順位・人口・割合は2010年国勢調査による[9]

年齢構成

年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]

年齢 人口
0 - 4歳 176
5 - 9 186
10 - 14 190
15 - 19 212
20 - 24 223
25 - 29 242
30 - 34 273
35 - 39 237
40 - 44 234
45 - 49 258
50 - 54 312
55 - 59 325
60 - 64 271
65 - 69 249
70 - 74 247
75 - 79 213
80歳以上 262

年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]

年齢
90 0 - 4歳 86
95 5 - 9 91
98 10 - 14 92
107 15 - 19 105
112 20 - 24 111
120 25 - 29 122
134 30 - 34 139
114 35 - 39 123
114 40 - 44 120
126 45 - 49 132
154 50 - 54 158
161 55 - 59 164
128 60 - 64 143
114 65 - 69 135
108 70 - 74 139
88 75 - 79 125
83 80歳以上 179


地域

四国には突出して大きな都市がなく、地形的制約から各県に独立した都市圏が存在する。また、古くから海上交通が盛んであったため、各地ともに対岸との交流も盛んである。

四国地方を便宜的に2つの地域に分ける場合がある。

  • 北四国(瀬戸内海側。香川県・愛媛県)と南四国(太平洋側。徳島県・高知県)
  • 東四国(東部。徳島県・香川県)と西四国(西部。高知県・愛媛県)

各地域との繋がり

かつては、「徳島近畿)を向き、高松岡山を向き、松山広島を向き、そして高知太平洋(または東京)を向いている。」といわれ、「四国は一つ一つ」などと風刺されることもあった。

しかし20世紀末から高速道路網の整備によって四国内の相互交流が深まり、21世紀初頭にはそれまで盛んだった本州の都市を凌駕するに至った。

2005年 全交通機関の生活圏別年間流動先の順位(県境を越えた移動)(単位:千人)[10]
出発地→
↓目的地
順位
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
徳島 三好 南部 東部 西部 松山 新居浜 今治 宇和島 八幡浜 中央 幡多 高幡 安芸
1 香川東部
369万5
香川西部
65万3
高知安芸
48万9
徳島
369万6
新居浜
270万2
高知中央
91万9
香川西部
269万4
香川東部
13万5
高知幡多
122万7
香川東部
7万4
松山
92万0
宇和島
122万6
宇和島
22万0
徳島南部
48万9
2 香川西部
79万1
新居浜
60万7
高知中央
23万1
岡山県南
133万8
徳島
79万0
香川東部
82万1
香川東部
99万5
広島
13万5
高知高幡
22万0
大分
7万3
香川東部
71万9
松山
11万4
香川東部
5万7
香川東部
4万5
3 高知中央
54万8
高知中央
28万4
香川東部
19万5
新居浜
99万2
徳島三好
65万1
香川西部
55万9
高知中央
71万2
香川西部
13万2
高知中央
9万3
高知中央
6万9
新居浜
71万2
香川東部
4万9
松山
5万0
徳島
4万5
4 新居浜
45万2
香川東部
23万8
新居浜
4万7
松山
81万9
岡山県南
62万2
広島
46万7
徳島三好
60万7
高知中央
10万9
香川東部
5万0
香川西部
4万2
香川西部
59万7
新居浜
3万5
八幡浜
4万0
松山
3万7
5 大阪
34万0
松山
5万4
香川西部
3万9
高知中央
71万9
高知中央
59万7
徳島
31万2
徳島
45万2
広島備後
10万5
大阪豊中
2万9
高知高幡
4万0
徳島
54万9
香川西部
2万9
徳島
2万6
新居浜
2万1
6 松山
31万2
岡山県南
2万9
大阪
3万5
大阪
37万0
松山
55万9
東京23区
27万2
岡山県南
16万1
徳島
7万1
徳島
2万8
徳島
2万9
徳島三好
28万4
今治
2万3
香川西部
2万5
香川西部
1万8
7 東京23区
19万9
大阪
2万2
神戸
2万1
東京23区
32万4
大阪
14万9
大阪
17万8
大阪
14万6
岡山県南
5万9
大阪
2万5
岡山県南
2万6
徳島南部
23万1
八幡浜
1万3
新居浜
2万5
大阪
1万0
8 神戸
17万9
高知幡多
1万3

2万1
徳島三好
23万7
今治
13万1
岡山県南
16万8
東京23区
11万3
東京23区
4万4
岡山県南
2万3
広島
2万2
東京23区
16万8
徳島三好
1万3
今治
2万4
東京23区
9
9 淡路
16万0
神戸
1万1
松山
2万0
徳島南部
19万6
東京23区
11万0
高知幡多
11万4
広島備後
5万0
大阪
4万1
大分
2万0
大阪
2万1
岡山県南
13万5
東京23区
1万3
徳島南部
1万6
岡山県南
8
10 岡山県南
12万4
大阪豊中
1万1
東京23区
1万9
神戸
17万1
神戸
8万6
横浜
11万4
徳島南部
4万7
千葉
4万0
香川西部
1万6
広島備後
1万6
大阪
12万7
大阪
1万3
岡山県南
1万0
福岡
6
11
11万2
愛知豊田
9
高知高幡
1万6
広島
15万0
広島備後
7万4
広島備後
9万0
千葉船橋
5万1
高知高幡
2万4
広島
1万5
東京23区
1万5
大阪
12万7
岡山県南
1万2
東京23区
7
福岡
6
12 大阪豊中
9万4
東京23区
8
大阪豊中
1万2
今治
13万4
広島
7万3
大阪豊中
7万2
神戸
4万6
横浜
2万4

1万2
京都
1万4
今治
10万9
大分佐伯
1万2
大阪
5
兵庫尼崎
4
13 京都
8万0
大阪
7
愛知豊田
1万1
大阪豊中
10万6
兵庫播磨
5万0
福岡
7万1
広島
4万2
高知幡多
2万3
東京23区
1万1
高知幡多
1万3
宇和島
9万3
千葉船橋
1万2
大阪豊中
5
その他
3以下
14 兵庫尼崎
7万8
京都
7
岡山県南
1万0
京都
10万5
横浜
4万9
神戸
6万8

3万5
神戸
2万2
静岡東部
9

9
広島
7万5
福岡
1万0

4
15 兵庫播磨
7万7
兵庫尼崎
6
兵庫播磨
1万0
兵庫尼崎
9万4
八幡浜
4万2

6万3
高知幡多
3万5
大阪豊中
2万0
広島備後
8
神戸
8
神戸
7万3
徳島
9
その他
3以下
合計 882万0 203万2 134万2 1147万0 744万9 581万0 682万5 121万5 191万2 59万6 586万1 169万1 55万7 74万4
人口当り 13.7 40.9 11.7 19.1 18.1 8.9 20.7 6.7 14.4 3.5 10.3 15.7 9.3 12.8
  • 「合計」は生活圏間ではなく県境を越えた人数。
  • 「人口当り」は合計を人口で割った数で、この数値が高いほど日常的に県境を越えた交流が多いことを示す。
色分け
生活圏区分(2005年国勢調査)

この他にも、高速道路の最大志向先(最も多くの車両が目指す目的地)は四国各県とも高松であり、四国地方では高松を中心とした相互交流が根付いている。このように地域ブロックの代表的な都市に人の流れが集中し、中心性を高める傾向は年々顕著になっている[11](詳細は#高速道路を参照)。

四国島内の交流に関して、高速道路のエックスハイウェイ化以後は四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の発足などによって、より一体感を強める傾向にあり、各県それぞれの歴史や役割を生かした連携を深める段階に入っている。今後、四国4県が一つの地域として一体となった文化・経済活動や観光誘致が進んでいくと予想されている(「青い国四国」キャンペーンなどの実績もある)。

都市圏

都市雇用圏に拠る「都市圏」は以下のとおり[12]。(2005年国勢調査基準)

  1. 高松都市圏人口778,504人、面積1,352.21km²、人口密度576人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  2. 松山都市圏人口615,971人、面積957.05km²、人口密度644人/km²。(2024年4月1日、推計人口) - 総務省統計局による四国唯一の都市圏
  3. 徳島都市圏人口550,707人、面積2,160.11km²、人口密度255人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  4. 高知都市圏人口484,256人、面積1,918.69km²、人口密度252人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  5. 今治都市圏人口143,837人、面積419.21km²、人口密度343人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  6. 観音寺都市圏人口113,349人、面積340.53km²、人口密度333人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  7. 新居浜都市圏人口111,301人、面積234.47km²、人口密度475人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  8. 西条都市圏:人口100,517人、面積510.04km²、人口密度197人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  9. 宇和島都市圏:人口77,693人、面積808.49km²、人口密度96.1人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  10. 四国中央都市圏:人口78,704人、面積421.24km²、人口密度187人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  11. 四万十都市圏:人口41,707人、面積906.15km²、人口密度46人/km²。(2024年4月1日、推計人口
  12. 八幡浜都市圏:人口37,006人、面積226.48km²、人口密度163人/km²。(2024年4月1日、推計人口

その他、東瀬戸経済圏(瀬戸内をはさむ地域を経済的に一体としてみる統計上の呼称)などがある。

2000年調査から2005年調査では各都市圏の枠組みが変化する事例が見られた。具体的には平成の大合併によって郊外自治体が中心市に編入されたり、丸亀都市圏のようにモータリゼーションの浸透による他都市の郊外化で都市圏自体が消滅したり、逆に西条都市圏のように既存の都市圏から離脱して新たな都市圏を形成する自治体も見られた。

主要都市

四国には飛びぬけて大きな都市はないが、4つの県庁所在地に人口がある程度集中している。この他にあまり大きな市はなく、人口10万人を超える市でさえ長らく新居浜市と今治市の2つしかなかった。

平成の大合併の結果、松山市が50万人、高松市が40万人の大台に乗り、新たに西条市と丸亀市が10万人を超えた。また、今治市も17万人に増大した。しかし、人口は松山市と丸亀市が微増傾向にあるものの、この他の都市は横ばいかむしろ減少している。

「四国に政令指定都市を」という声もあるが、人口70万人を突破するためには、松山市は隣接しているとはいえ中心市街地の離れている今治市と、高松市にいたっては周りすべてとの合併が必要であり現実的ではない(高知・徳島はそもそも県の人口が80万人を割っている)。また、特例市も存在しない。

  1. 松山市(499,326人・愛媛県県庁所在地中核市
  2. 高松市(409,341人・香川県・県庁所在地・中核市)
  3. 高知市(315,553人・高知県・県庁所在地・中核市)
  4. 徳島市(245,773人・徳島県・県庁所在地)
  5. 今治市(143,837人・愛媛県)
  6. 新居浜市(111,301人・愛媛県)
  7. 西条市(100,517人・愛媛県)
  8. 丸亀市(107,845人・香川県)
  9. 四国中央市(78,704人・愛媛県)
  10. 宇和島市(65,340人・愛媛県)

各県の表示順

各県の表示順は以下のようにさまざまな表示順が存在する。(当事典では地方公共団体コードの表示順を使用)

  • 全国地方公共団体コードでの表記。これが専ら公式に用いられる。
    • 徳島県(36),香川県(37),愛媛県(38),高知県(39) の順。
  • 宇高連絡船開設以降、長年に亙って香川県が四国の玄関口であったという理由で、香川始まりの表記
    • 香川県、徳島県、高知県、愛媛県の順。- 時計回り(郵便番号上二桁が順に76~79)
    • 香川県、愛媛県、高知県、徳島県の順。- 反時計回り(エヌ・ティ・ティ・ドコモ四国など)
    • 香川県、徳島県、愛媛県、高知県の順。- 北から
    • 香川県、愛媛県、徳島県、高知県の順。- 北からを意図したが、愛媛県と徳島県の位置関係を誤解したのかもしれない。
  • 4県庁所在地の人口規模順
    • 愛媛県、香川県、高知県、徳島県の順。
  • その他
    • 愛媛県、香川県、徳島県、高知県の順。- 時計回り(NHK松山放送局の天気予報)

四国の「中心」

高松市松山市の間では以前から「四国の中心都市」という座を巡って論争が繰り返されているが、特に近年は道州制に伴う州都(道都。以下では「道都」と表記する)の誘致に関連した論争が激化している。以下の都市がそれぞれ中心とされ、競合している。(→四国の道州制論議日本の道州制論議

四国の中央

昔から交通の要衝であったことから「四国のへそ」と呼ばれる。三好市池田町を縦断する吉野川には、それにちなんだ名称のが架かっている(池田へそっ湖大橋四国中央橋など)。三好市山城町では、高知県から流れてきた吉野川に、愛媛県から流れて来た銅山川が合流する。昭和初期にはタバコ産業で繁栄しており、四国を代表する都市のひとつであった。

四国中央市(旧川之江市地区)の市街地

四国4県庁所在地を結ぶ高速道路網・エックスハイウェイのX字が交差する位置に当たる点、徳島と松山から等距離に位置する点、また合併当時、愛媛県を含む4県と接する唯一の自治体であった点から、合併の際に命名された(三好市も同様に四国4県と接する自治体である)。将来、道州制が施行された際の道都を目指している。

四国の玄関

大鳴門橋

明石海峡大橋開通後、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の交通量は瀬戸大橋を上回るようになり、新たな四国の玄関としての側面を持ち始めている。3ルートから四国入りする場合、兵庫以西(中国・九州)と兵庫以東(前者以外)の人口を比べると約2:8であり、圧倒的に神戸鳴門ルートを選択する場面が多くなる。神戸淡路鳴門自動車道の全通直後では、鳴門IC付近にある徳島トラックステーションを利用するトラックの増加が目立った。また京阪神方面への高速バスは一端は年々増加、屈指のドル箱路線までに成長していたが、近年はETC大幅割引の影響で減便・廃止が出始めている[13][14][15]。 近年では、四国の高速道路網が充実してきたことから、松山市、高知市や高松市を出発して京阪神首都圏へ向かう高速バスや農産物を積んだトラックが、鳴門を通過するケースが顕著になって来た。今後、徳島県内の高速道路の整備や4車線化が進めば、更に鳴門が四国の玄関口として重要な場所になる可能性もある。なお、宇高連絡船が開設される以前の本四間の移動は、大阪府深日から船で淡路島洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった(福良・鳴門間は日本最古のフェリー航路)。そういう意味では「鳴門が新たな四国の玄関口になった」というよりも、「再び鳴門が四国の玄関口になった」と言った方が正しいといえる。 本州四国連絡橋公団の交通量のページ

瀬戸大橋と袂に広がる番の洲工業地帯(坂出市)

瀬戸大橋開通で、高松に代わる新たな四国の玄関口として注目された。橋の開通と併せて、新宇多津都市などの大規模開発が当時のバブル景気の中で進められたが、その後の明石海峡大橋の開通で、自動車による流動が神戸鳴門ルートに移動する傾向が見られている。しかし鉄道では現在も四国の玄関として、車窓では高層ビルも姿を見せている。

四国最大の都市

旧高松桟橋駅構内を再開発した高松市のサンポート地区

本州と最短距離に位置することや、かつて宇高連絡船が運航していたことから、現在でも多くの官庁地方支分部局(四国を管轄する出先機関:一部松山市高知市に所在するものもある)や、四国全域を営業区域とする四国電力JR四国の本社、また全国的な大企業の四国本社・支社・支店などが集まっている。しかし、1988年4月10日瀬戸大橋開通や1998年4月5日明石海峡大橋の開通による物流網の変化で、四国の玄関口としての機能は変化しつつあり、官庁や企業の管轄エリアが中国・四国地方に拡大した結果、高松における拠点が縮小傾向にある。

近年では、拠点都市の座を、サンポート高松建設や道州制施行後の道都の誘致によって、確固たるものにしようとしている。2006年1月には周辺の町を編入し、人口42万を抱える都市となった。高松駅の乗降客数はJRでは四国最多(ちなみに四国最多は松山市本社がある伊予鉄道松山市駅)であり、都市雇用圏の人口も四国最大である。

松山市の中心部(一番町)

夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台である松山市は、元より四国最大の人口を抱える都市であったが、2005年の合併で人口51万人を突破しており、四国で唯一、総務省統計局により都市圏と規定された松山都市圏を形成している(中四国においても第3位の人口規模)。 都市雇用圏人口は高松市のほうが大きいが、これは四国他県の県庁所在地一極集中とは違い、愛媛県には松山市以外にも有力都市があり、松山市のみを中心とした人の流れができていないためである。しかしながら、松山都市圏と隣接して新居浜西条圏(24万人)・今治圏(18万人)が存在しており、商圏人口としては松山市のほうが大きくなるとも言われている。 従来から松山空港の旅客利用者数・貨物取扱数・運航路線数は四国最多であり、松山港の旅客航路数・国際コンテナ航路数・取扱量も四国最多である。 また、松山国際観光温泉文化都市建設法の指定を受けており、ミシュランガイド日本編において2つ星にそれぞれ選定された、日本最古の道後温泉松山城などでも有名な観光地でもある。 四国でも数少ない人口増加中の都市。

教育

国立大学

公立大学

私立大学

高等専門学校

交通

四国は、古くから、畿内から地理的には比較的近距離に位置しながら、船での移動を余儀なくされていた。島民が本州と往来する場合も瀬戸内海に架橋されるまで、専ら船舶や航空路線を用いるのが常であった。

前述の通り、大阪府の深日から船で淡路島の洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで、鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった。これに関連して淡路島の名の由来の一説に、阿波へ行くみちの意味で「阿波路島」だとする説もある。なお、明治時代に徳島市は全国の十大都市に数えられていた。

鉄道交通は当初本州山陽本線に連絡する形で、伊予鉄道讃岐鉄道などが建設され、その後各県ごとに土佐電気鉄道徳島鉄道などの路線が整備され、各県の県庁所在地がお互いに鉄道で移動できるようになったのは、昭和初期になった頃である。

が本州との往来を不便にしていたが、においても、この島の地形は島内の往来を阻んだ。鉄道・道路共に、四国山地に平行して本州から九州に向け東西に伸びる中央構造線に阻まれ、長大トンネルの土木技術が確立するまで整備に困難を極めた。

その後20世紀に入って鉄道が整備されると、四国内・本州双方に対する交通至便性から高松市に企業の四国支店等が置かれた。20世紀末頃からは四国内の高速道路網の急速な進展、3本の本州四国連絡橋が架けられたことにより、モータリゼーションが進行し、長距離移動手段の中心がそれまでの鉄道から自家用車へ変化したことなどから、四国の交通は新たな変革の時期に入った。

21世紀を迎えた今日では本四架橋が完成し、京阪神・淡路島に近い鳴門市が再び交通の要衝として重要な役割を担いつつある。現在高速道路の整備が更に進められており、特に今後の四国横断自動車道(名称未定部)徳島JCTから鳴門JCT区間の開通は、川之江市と並んでジャンクションが連続する四国横断自動車道四国縦貫自動車道を連結する重要部分であるので、今後の大きな変革の目玉である。

鉄道

松山~岡山・高松を結ぶ予讃線のエル特急しおかぜ・いしづち
土讃線高知駅のドームに覆われたホーム

JR四国は、高松と松山、高知、徳島の都市間を結ぶ各線と岡山を結ぶ瀬戸大橋線をメインルートとする。電化区間は予讃線の高松~松山~伊予市と瀬戸大橋線、土讃線の多度津~琴平。複線区間は予讃線の高松~多度津と瀬戸大橋線の一部のみである。

国鉄時代、比較的早期に無煙化(蒸気機関車からディーゼル車輌へ置換)し、自動信号化が推進されたが、その後は設備や施設の改善が後回しにされ、国鉄末期まで四国島内の国鉄線に電化区間が存在しなかった。2006年現在でも、香川県と愛媛県を結ぶ予讃線などの一部など、積極的に電化・高速化促進した区間を除いて、島内のほとんどのJR線は未だ電化されていない。

また、電化区間の一部のトンネルでは車幅制限のため、本州規格の車両が使えず、本州線との直通運転に不都合が生じていたり、単線区間が多いにもかかわらず、過度の輸送量増加によって生じたダイヤの過密傾向の弊害で、多くの待避線に常に交換や優等待ちの列車を待避させており、これ以上のダイヤの過密化に拍車を掛ける高速化は好ましくないなど、解決しなければ成らない難問が山積していた。

民営化後、各都市間の路線は順次高速化されたが、山がちな地形による線形の悪さと、単線のために増発ができないことなどから、年々整備の進む高速道路網を利用した高速バスに対抗できなくなりつつある。また、もともと海運が盛んな上に、鉄道の本四連絡が1経路であるのに対し、道路は3経路あり、観光ルートが分散されたこともあり、各交通機関との競争は非常に激しい。

抜本的な高速化として四国新幹線計画があるが、橋などの鉄道施設面での整備の目途が立たなかったり、並行在来線問題などから、実現の見通しがたっていない。なお、2006年以降は、新幹線計画に替わってフリーゲージトレイン計画が推進されている。

私鉄各線は県都の近郊輸送を担っている。

四国旅客鉄道
私鉄・第三セクター線
四国初の鉄道路線である伊予鉄道高浜線を走る610系電車
伊予鉄道市内線(城南線)を走る2100系電車
高松琴平電気鉄道の本線格である琴平線を走る1100系電車(元京王5000系
土佐電気鉄道600形電車(堀詰電停付近)
未成線(計画中もしくは過去に計画のあった路線)

バス

高速路線

本四架橋(後述)や島内の高速道路の整備により、各県都間や島内と本州を結ぶ路線が多数開設されている。

特に徳島や高松と京阪神を結ぶ高速バス路線は日本でも屈指のドル箱路線に成長しており、日中毎時3~4本ほどの便が設定されている。

しかし、近年はETC大幅割引の影響で減便や廃止が出始めている。[13][14][15]

一般路線

好調な高速バスに対して、香川県の多度津以西では全てのバス路線が廃止されるなど、各都市内の一般バス路線は厳しい状況に置かれていると言える。

しかしながら愛媛県内と徳島近郊に限った場合は東予やしまなみ海道沿いでは瀬戸内運輸(と子会社の瀬戸内海交通)が、中予では四国で唯一オムニバスタウンに指定されている松山市を中心に伊予鉄道が、南予では宇和島自動車伊予鉄南予バスが、徳島近郊では徳島バス徳島市営バス小松島市営バスなどがそれぞれ高頻度のサービスを展開している。

特に伊予鉄道では新規路線の開設や増便、ノンステップバスの大量投入などにより利用客が大幅に増加(5年前の1.5倍に)している。

また他県でも自治体の補助によるコミュニティバス路線の開設など、少しずつではあるが四国の一般路線バス事情も改善されてきている。

本四架橋

大鳴門橋
瀬戸大橋(岩黒島橋、櫃石島橋)
来島海峡大橋

本州四国連絡橋として、鳴門市神戸市坂出市倉敷市今治市尾道市の三本のルートがある。このうち、瀬戸大橋が鉄道(複線直流電化)と高速道路の併用橋であり、大鳴門橋は将来的に併用できる設計になっている。その他は道路専用橋である。また、瀬戸内しまなみ海道(尾道・今治ルート)には、歩行者・自転車・原動機付自転車(125cc以下)の専用道路も併設されている。

当初は、最初に完成し、宇高連絡船があった事などから瀬戸大橋が本四間の基幹ルートとして位置付けられていたが、その後は全線完成した神戸鳴門ルートに本州・四国間の流動が移動しつつある。これは、日本の主要な大都市圏のほとんどが四国以東の地域に位置しており、大都市圏のひとつである京阪神神戸淡路鳴門自動車道が最短距離で直結していることが、大きな要因として挙げられる。今後、特に徳島県内の高速道路網が整備されると、更に瀬戸大橋やしまなみ海道から、神戸鳴門ルートにシフトする車が増える可能性が高まると見られている。

道路網

高速道路

四国は、国内で高速道路の整備が特に遅れた地方であった。四国で最初に高速道路が計画されたのは徳島自動車道であり、最初の開通は1985年松山自動車道三島川之江IC土居IC間である(沿道には四国における高速道路発祥の地と書かれた看板がある)。その1986年度末における高速道路整備率は全国が34%なのに対し、四国は2%と非常に低い水準であった[16]

以後、急速に整備が進んだ結果、2000年には四国4県庁所在地が高速道路で結ばれる「エックスハイウェイ」が完成、2002年度末には整備率が66%に達し、遂に全国水準の63%を上回った[17]。現在は松山自動車道の南予方面への延伸、高知自動車道の高知県西部方面への延伸、四国横断自動車道の徳島県南部方面への延伸(鳴門JCT阿南IC)、そのほか高速道路空白地帯解消のため阿南安芸自動車道高知松山自動車道等の建設工事が順次進められており、「四国8の字ネットワーク」を目指している。

高速道路網の整備はモータリゼーションの進行と相まって、それまで沈黙状態であった四国内の相互交流を活発化させる結果となった。1990年時点における高松市と松山市を出発地とする最大流動先はそれぞれ四国外の都市(岡山市、広島市)であったが、1995年以降は四国内の都市(徳島市、高知市)に変わり、同様に徳島市と高知市も全体の流動数そのものが四国内に向けて増加している[10]

当初は、これら高速道路網充実の副作用としてストロー効果による大阪都市圏への経済流出の可能性が指摘され、実際に大阪圏へ直通する神戸淡路鳴門自動車道が開通した徳島県では、同圏への高速バスの利用が伸び、2008年2月時点で一日300便が運行されるなどしている[18]。しかし、この現象はフェリーと2002年に廃止された徳島飛行場伊丹便利用者が高速バスへ移行した結果であり[16]、大阪圏への流動数全体は横ばいか年々減少し、逆に香川県への流動が年々増加している[10]。これと同じ懸念は高松道板野IC高松中央IC開通した当時の香川県でも指摘され、実際に高速バスの神戸・大阪便が需要を高めているが、大阪圏への流動自体は横ばいであり、1990年まで圧倒的多数であった岡山県への流動が激減し、徳島県への流動が激増してそれを上回っている[10]

同時に発生している現象として、四国全体の人の流れが高松市へ集中し始めており、その中心性を年々高める傾向にある[11]。その理由としてはやはり高速道路網の充実とモータリゼーションの進行が挙げられ、例えば1990年の徳島における最大志向先は京阪神であったものが、1999年調査時には高松へと変化した[19]

2011年3月現在開通している区間

一般国道

徳島・松山・高松・高知の4県庁所在地を結ぶ国道11号国道32号国道33号国道55号国道56号などが道路網の中核を成す。また国道28号国道30号国道317号が本四架橋を通じて本州と、国道197号が九四フェリーを通じて九州との間を結んでいる。

ただし山地を通る路線には未整備のものも多く、国道193号国道439号などのように国道とは思えない狭路・悪路を抱えた路線も残存している(しばしば「酷道」などと揶揄される)。山地が多いこと、内陸部に人口が少ないことなどもあり、全般に四国の道路整備率は他の地方に比べ低いと見られる。

V字ルート

昭和40年代の観光宣伝において、四国の主要観光地を効率よく回遊するルート提案として、松山市-高知市-高松市をつなぐルート(国道32号国道33号)が考えられ、ちょうどアルファベットの「V」字状であるため、V字ルートと呼ばれるようになった。

航路

九州から松山を経由して大阪へ就航している関西汽船。同社は四国が関わる多くの航路の運営に関わった。
徳島と東京・北九州航路に就航しているオーシャン東九フェリー
芸予航路に就航している高速船スーパージェット

律令時代には南海道の一角であり、船で移動する地方であった。近代以降も同様の状態が続いたが、本州四国連絡橋の供用により定期旅客航路は激減した。

主要航路

空港

四国最多の旅客数である松山空港

本四架橋ができるまでは、本州との大量輸送手段は船舶しかなく、また、四国内のJRは単線区間が多く運行本数に限界があることや、新幹線へは岡山駅での乗り換えを強いられることもあり、従来から航空需要は高く、4県の県庁所在地近郊には中型機以上の航空機が離発着できる空港が整備されている。地理的に遠距離の東京方面を中心に路線を伸ばしているが、松山や高知では近畿圏から距離があることから大阪便も好調であり、また、九州路線もあるほか、松山からは上海とソウル、高松からはソウルへの国際定期便が就航している。なお、高松空港徳島飛行場の直線距離は約55km、徳島飛行場と関西国際空港は約65km、高松空港と岡山空港は約62kmと近接している。

空港 旅客合計 国内線 国際線
旅客数 定期便 旅客数 定期便
松山 2750402人 2689958人 羽田中部伊丹
福岡鹿児島那覇
60444人 ソウル上海
高松 1524303人 1483166人 羽田・那覇 41137人 ソウル・上海
高知 1490541人 1486100人 羽田・伊丹・福岡 4441人
徳島 873290人 872004人 羽田・福岡 1286人

文化

方言

四国方言:愛媛県西南部・高知県西南部は東京式アクセントだが、それ以外は四国の広域において京阪式アクセント垂井式アクセントが用いられている。瀬戸内に面した地域は語彙・語法面で中国方言との共通点が多い。愛媛中部は京阪式アクセント、香川県を中心とし、愛媛東部、徳島西部では讃岐式アクセントが用いられている。

  • 阿波弁:中世以降上方の文化を積極的に取り入れてきたため、アクセント・言い回しとも四国方言の中でも最も関西方言の影響が強い。徳島では大阪のテレビが広く受信できることも、関西との近接性を促進していると思われる。
  • 讃岐弁: アクセントに特徴があり、いわゆる京阪式の主流とは異なる。中世に上方で使用されていたアクセントが変化したものとされている。語彙・語法は中国方言との共通点が多い。
  • 伊予弁:讃岐弁同様に語彙・語法は中国方言との共通点が多い。もちろん、特徴的な言い回し等も多々存在する。
  • 土佐弁:語彙・語法の面で他の四国方言とは異なり、特徴的な言い回しが多い。
  • 幡多弁東京式アクセントが用いられる。語彙なども土佐弁にはない独特なものが多い。中村市四万十市など。

祭り

阿波踊り
よさこい祭り

新居浜太鼓祭り金刀比羅例大祭などは神事が主体の祭り、阿波踊り、よさこい祭りなどは踊りが主体の祭りである。四国三大祭が有名であるが、踊りが主体の四国四大祭も知られている。

伊予絣

伝統工芸

徳島県 香川県 愛媛県 高知県
讃岐うどん(生醤油)

食文化

各県には固有の名産品や郷土料理が多数存在する。県域をまたぐ名産品はうどん和三盆などがある。また、全国で販売している食品としてはポカリスエットポンジュースなどが代表的である。各県の名産品・郷土料理等は各県の項を参照。

日本の郷土料理一覧Category:四国地方の食文化も参照のこと。

スポーツ

アイスホッケー

Jアイス・ウエスト・リーグ(西日本リーグ)

サッカー

ソフトボール

バスケットボール

日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)
男子実業団

バドミントン

日本リーグ女子2部

バレーボール

チャレンジリーグ(女子)

ハンドボール

女子実業団

ホッケー

野球

ラグビー

トップウェスト

陸上競技

出身者

四国出身の著名人は以下のリストを参照。

関連項目

その他日本の主な島

参考文献

  1. ^ a b 平成21年全国都道府県市区町村別面積調国土地理院
  2. ^ a b 島国領土のみから成っている国) である日本を構成する6,852に対する『国土交通省』による区分け ⇒ 6,852島本土5島離島6,847島)。<出典>『国土交通省』サイト 離島振興課 離島とは(島の基礎知識)[1] 2009年11月27日閲覧。
  3. ^ 【参考】 世界の島国領土のみで構成されている国) 一覧[2]
  4. ^ 国土地理院』サイト、「島面積」より ⇒ [3]
  5. ^ <参考> 世界のの面積順位 ⇒ List of islands by area より抜粋 ( オーストラリア大陸の面積未満で、四方を水域に囲まれる陸地 )
    第1位 グリーンランド

    第6位 スマトラ島インドネシア共和国
    第7位 本州
    第8位 ビクトリア島カナダ
    第9位 グレートブリテン島イギリスイングランドスコットランドウェールズ))

    第20位 アイルランド島アイルランド共和国およびイギリス北アイルランド))
    第21位 北海道

    第36位 スピッツベルゲン島ノルウェー
    第37位 九州

    第49位 バナナル島ブラジル
    第50位 四国
  6. ^ 田中正明 『日本湖沼誌2』 p.294、名古屋大学出版会、2004年、ISBN 4-8158-0492-3
  7. ^ 平成19年度県民経済計算
  8. ^ World Economic Outlook Database
  9. ^ 平成22年国勢調査 結果の概要”. 総務省 統計局. 2011年7月10日閲覧。
  10. ^ a b c d 国土交通省・第4回全国幹線旅客純流動データ
  11. ^ a b 国土交通省・圏域形成の動向
  12. ^ 2005 年国勢調査に基づく都市雇用圏について” (PDF). 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 (2008年12月25日). 2011年1月12日閲覧。
  13. ^ a b 鳴門-阪神線21日廃止 高速バス路線で初、「1000円」影響徳島新聞 2010年1月15日
  14. ^ a b 高速バス廃止相次ぐ 「上限千円」が影響朝日新聞 2010年1月16日
  15. ^ a b 鳴門-阪神線が廃止 高速バス、他社も路線削減の動き(徳島新聞 2010年1月22日
  16. ^ a b 四国旅客鉄道株式会社 (2006年11月14日). “四国地域における鉄道等の活性化について” (PDF). 国土交通省・交通政策審議会地域公共交通部会. 2010年12月8日閲覧。
  17. ^ 四国を一つに結ぶ循環型ネットワークの構築を目指し整備が進む四国の高速道路”. 建設グラフ (2002年11月). 2010年12月8日閲覧。
  18. ^ 徳島新聞. (2008年2月7日) 
  19. ^ 国土交通省・交通からみた国土の現状と課題