アイスホッケー
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アイスホッケーは、天然または人工氷のスケートリンク上で、スケート靴を履いて行う団体スポーツ競技である。 陸上で行われるホッケーの形式を氷上に持ち込んだもの。 2チームが長方形をしたリンクの中で、スティック (Ice hockey stick) (長い柄の先端部分に角度をつけ湾曲させた杖状の用具)を用いて硬質ゴムでできた扁平な円柱状の パックを打ち合い、相手方のゴール (Goal (ice hockey)) に入れることでその得点を競うゲーム。 『氷上の格闘技』とも呼ばれている。漢字を当てて氷球と表記される。
スケートを用いるため、グラウンド上の同種競技と比べ格段に早いスピードが出てゲームをスリリングなものにするが、接触等による危険が高いため全身に防具を装着してプレーを行なう事が義務づけられている。
アイスホッケーが盛んな国として、世界ではカナダ、アメリカ合衆国、ロシア、スウェーデン、フィンランド、チェコ、スロバキア(1993年以前、前2国はチェコスロバキア)、ベラルーシ、ウクライナ、スイスなどを挙げることができる。冬期オリンピックなどでこの競技を統括する国際アイスホッケー連盟(IIHF)の加盟国(又は地域)は、64カ国に及ぶ(国際アイスホッケー連盟の2005年現在調)。
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[編集] アイスホッケーの歴史
アイスホッケーの起源については、様々な説がある。
16世紀のオランダの絵画(例えば、Romeyn de Hooghe や Hendrick Avercamp の作品)には凍結した運河の上で、市民がホッケーに似たようなスポーツを行っている光景が描かれている。もっとも、これらの絵画で描かれているスポーツは、ホッケーというよりはむしろゴルフやポロに近いとする説もある。
スコットランド発祥のシンティ(Shinty)、アイルランド発祥のハーリング(Hurling)、ネイティブアメリカンのチペア族のプレイしたバゲタウェイ(Baggataway)などのスポーツが起源であると考える説もある。これらのスポーツについて近代的なアイスホッケーとの主な相違点を挙げると、シニーやハーリングにあってはゴーリーが不在、スケート靴を履かない点があり、バゲタウェイにあっては出場選手の数が多い点などがある[1]。このほかにもホッケーの原型に当たる競技として、イングランドのバンディ(Bandy)やフィールドホッケー(Field Hockey)、カナダのシニー(Shinny)やリケット(ricket、ノバスコシア)、米国のアイス・ポロ(Ice polo)などが挙げられる。
1763年にフランスからカナダ領土を勝ち取ったイギリス人兵士達は、フィールドホッケーの経験と、ノヴァスコシアのアボリジニが行っていた競技、ラクロスを組み合わせ、凍結した河川、湖、池などでカナダの長い冬の慰みとしたと伝えられる。フィールドホッケーのボールは余りにも飛びすぎて危険だったため、ボールを小さめにして飛ばないように工夫をされたという。またサッカーやフィールドホッケーと同じくゴールの代わりとして氷柱を代用したり、また両チームが均等な人数ならば試合が可能とされていた時代もあった。
近代的なアイスホッケーの起源のみに限定しても、カナダのモントリオールとする説の他、キングストン、ウインザー、ノヴァスコシアなどもその発祥地として名乗りを上げている。
今日行われるような屋内でのアイスホッケーのルーツは19世紀、カナダでフィールドホッケーを氷上で行なった遊びにあるとされている(モントリール市の公報には、1875年3月3日に初の屋内試合が行われたとの記録がある)。
1877年には、マギル大学の学生であった、ジェームス・クライトン、ヘンリー・ジョセフ、リチャード・F・スミス、W.F.ロバートソン、W.L.マリー、フランク・パトリック、レスター・パトリックらが、乱雑であった試合に意味を持たせるためラグビーなどのルールを参考にして7つのルールを整備し、地方紙上で発表した[2]。ルール整備によってゲームが洗練されると、アイスホッケーの人気は高まり1883年にはモントリオールの冬祭り(Winter Carnival)の行事に組み込まれるようになった。
この前後からアイスホッケーはカナダ各地で実施されるようになり、1887年にはオンタリオ州でアイスホッケーのリーグ戦も開催された。更に1896年にはアメリカでも公式戦が開催され、1897年にはカナダ・モントリオールで現在のルールが制定されるなど、アイスホッケーは北米を代表するウィンタースポーツとしての地位を確立した。
1888年に時のカナダ総督スタンレー卿は、この冬祭りを見物した折にこの競技に感銘を受けて、ベストチームに優勝杯を贈ろうと考えたとする説がある(もっとも、彼の妻や子供達の方がこの競技に熱心であったという説も有力である。)。これが今もNHLの優勝チームに授与されるスタンレー・カップの起源とされる。なお、スタンレー卿の子供が本国のイギリスにアイスホッケーに関する知見を持ち帰って、そこからヨーロッパにこの競技が広がったといわれる。
世界初のプロ選手によるリーグ戦NHL(ナショナル・アイスホッケーリーグ)は1917年度から開始され、以来毎年11月から翌年6月にかけてアメリカ、カナダの各地で氷上の格闘技といわれる激戦の数々を開催してきた。また1997年のシーズン開幕戦は初めての海外興行として日本の東京(代々木第1体育館)で「バンクーバー・カナックス vs マイティーダックス・オブ・アナハイム」の試合が開催された。
現在でも第18回長野冬季オリンピックからプロ選手の出場が認められており、冬季オリンピックの大会中でもメインのひとつに挙げられている。
[編集] ゲームの概要
[編集] 競技場
試合は、ホッケーリンクと呼ばれる表面に氷を張った専用の競技場で行われる。
リンクには、中央の赤いセンターライン(またはレッドライン)とそれをはさんだ2本の青いブルーライン(またはオフサイドライン)という3本の太い線があり、他にゴールラインという赤の細い線もある。 ブルーラインを境界として、敵ゴール側をアタッキングゾーン、味方ゴール側をディフェンディングゾーン、中間をニュートラルゾーンという。 フェイスオフ・スポットは、リンク中央の他に、オフサイドライン手前、アタッキングゾーン、ディフェンディングゾーンでそれぞれ左右に設けられ、全部で9箇所ある。 オフサイド、アイシング・ザ・パック、ラインパスの判定は、この線を基準に行なわれる。 なお、専用リンクの外周はフェンスで囲まれており、このフェンスをパックが越えない限りアウトオブバウンズとはならないので、プレーをいたずらに中断させることがなく、またフェンスの反発を利用したパスを行うことも可能である。
[編集] プレーヤーの人数
氷上に一度に出ることが出来る選手は、各チーム6名までと決められている。 その際、選手はスケート靴を着用する。また、危険を伴う競技のため、防具は正しく装着されていなければ出場できない。 (なお、近代的なアイスホッケーのルールが整備された19世紀後半においては、プレーヤーの人数は当初、各チーム9人であった。1884年にモントリオールでフィギュアスケートの選手からの「あまりホッケーの人数が多いとリンクが痛みやすく危険である」との声を受けて7人に減少し、その後6人となった経緯がある)
1チームは通常、氷上およびベンチ入りの選手を合わせ、2人のゴールキーパーを含めた18名から23名程度のロースター選手で構成される場合が多い。 控え選手 (Substitute) 、コーチ、監督は、リンクサイドのボックスに入る。 運動量が多く疲労がたまりやすいので、攻撃陣、守備陣(ゴールキーパーを除く)は、あらかじめユニットないしはラインと呼ばれる組を編成し、おおむね1分程度で交替しながらプレーを行うことが多い。
[編集] 選手交代
選手交代は、いつ、何人行なってもかまわない。その際に審判に知らせる必要はない。
プレー中の選手交代は通常相手チームに攻め込まれている時に行うことはなく、パックを確保しているチームが選手交代を行うか否かを実質的に決めることになる。選手交代のプロセスは、パックを確保したチーム側の選手が自陣ゴールキーパーの後ろに陣取りパックを守っている間に、パックを確保した側から選手交代を始め、その選手交代が始まったことを見て相手側も選手交代を始めるのが普通である。なお、選手交代といえどもプレー継続中であるので、油断していたり選手交代に手間取っていたりすると相手側が攻撃してくる可能性があり、互いに相手の動きを監視しながら素早く選手交代を終わらせることとなる。
時計が止まっていればこの制約はなく、選手交代を審判に知らせることで交代完了まで待ってもらえる。 ただしビジターチームはホームチームよりも先に交代を終えなければならない。
[編集] 退場
[編集] パワープレー
反則による退場(ペナルティーボックス入り)でどちらか一方の人数が1人ないし2人少ない場合、人数の多いチームの攻撃を一般にパワープレーと言い、大きな得点チャンスとなる。 またこの時、人数の少ないほうのチームの状態をペナルティキリング(キルプレイ)と言い、通常は守備に徹することとなる。
[編集] ピリオド終了時
反則退場の時間が残ったままピリオドが終了した選手は、インターバルの間はベンチに戻れるが、次のピリオド開始時にはペナルティボックスに戻り、出場までの残り時間はそのまま持ち越す。
[編集] ポジション
6人の選手のポジションの構成は、攻撃陣にセンター1人と左右のウイング、守備陣にディフェンス2人と重装備に身を固めたゴールキーパー1人という配置が一般的であり、チームが反則を犯すとウイングのポジションを1名づつ欠いていく布陣をとる場合が多い。ただし、 ゴールキーパーをベンチに下げて、代わりに攻撃用の選手を投入する、通称 “6人攻撃”(goalie pull up, empty netとも言う) もルール上認められており、とりわけゲーム終盤に僅差で負けている時などに、引き分けや延長戦突入を目指して行われることが多い。
[編集] 得点
ゴールは常に1点、基本的にスティックを使ってパックをゴールに入れることが必要とされるが、自殺点はこれ以外でも認められることもある。 パックを直接ゴールに入れるのでなければ、手を使って空中にあるパックを叩き落とすことや、スケート靴でパックを蹴ることも認められている。
[編集] 試合時間
試合は、正式にはピリオドと呼ばれる20分の単位を計3回行なう。 各ピリオドの間には、休憩時間として15分のインターミッションがある。 インターバルの間には、プレーで荒れたリンクの表面を整備するための製氷車両、通称「ザンボーニ」が登場することがある。ちなみに「ザンボーニ」とは製氷車販売シェア世界一であるメーカーザンボーニ (Zamboni)社をとって製氷車の代名詞となっているが、他にもオリンピアなど製氷車メーカーが存在するため、この場合はザンボと呼ぶのは厳密に言えば間違いである。
各ピリオドは、両チームのセンター同士が向き合い、ビジターチーム、ホームチームの順にスティックを 氷面につけた後、審判が落下させるパックをスティックで弾き合うフェイスオフによって開始される。 またフェイスオフは、得点、反則などがあった場合は特定のフェイスオフ・スポットで行なわれるが、稀にフェンスを飛び越えてパックがリンクから出た場合(アウトオブバウンズ)はフェイスオフ・スポット以外で行なわれる場合もある。 さらにゴールキーパーがパックを押さえ込んだり、選手の防具にパックが挟まったりした場合も、フェイスオフを行う。
第3ピリオドが終了して同点の場合は延長戦(サドンヴィクトリー=ゴールデンゴール方式)を行う場合もあるが、ゲームウィニングショット(ペナルティーショット合戦。サッカーでいうPK戦にほぼ同じ)で勝負をつける場合もある。ゲームウィニングショットは両チーム3本ないし5本ずつ行ない同点の場合はサドンデスで決着がつくまで行なう。
[編集] 延長戦
オーバータイムと呼ばれ第3ピリオド終了時で同点の場合に起こる。第3ピリオドとオーバータイムの間にインターミッションは無く(NHLでは1分、IIHFでは3分ベンチで休憩)、リンクの整備もされない。オーバータイムは基本的に5分間、先に得点を入れたほうが勝ちとなる。NHLでオーバータイムで決着がつかない場合はシュートアウトとなる。シュートアウトはペナルティーショットとほぼ同じである。各チーム3回のチャンスが与えられ決まらなければサドンデス方式となる。シュートアウト参加選手、そして順番は各コーチによって選ばれる。
NHLのプレーオフでは15分のインターミッションの後20分の延長ピリオドが追加される。どちらかのチームが得点を入れるまでこれが繰り返される。
[編集] 試合の中断
試合中に防具が破壊された(もしくは外れた)場合や負傷者が出た場合は、危険防止のため直ちに試合を停止する。二次的な危険を防ぐため防具の破片などを全て回収するまで再開はしない。 プレー中にスティックが折れた場合は,手元に残ったささくれだった柄の部分をただちに手離さなくてはならない。危険を回避するためであり,従わない場合はペナルティーとなる。なお,その際,新たなスティックをベンチから手渡される形で使用することが可能である。
[編集] ゲームキャプテン
キャプテンは、ユニフォームの左胸にCのマークを装着する。 また、キャプテン代行はAのマークを装着する。 審判の判定に対するクレームは、原則としてキャプテンのみに与えられた権利とされるが、キャプテンが氷上にいない場合にはキャプテン代行がこの権利を代行して行う。 Cを付けている人はキャプテン(Captain)、Aを付けている人はアルターネット・キャプテン(Alternate Captain)と呼ばれている。NHLにおいてはローテーション制のキャプテン(たとえばミネソタ・ワイルド)、アルターネットキャプテン3人(例:かつてのニューヨーク・レンジャースや、ピッツバーグ・ペンギンズ)も認められている。
[編集] ジャッジ
得点、反則などが無効になる場合、審判は野球のセーフのような動作を行なう。これはワッシュアウトという。「セーフ」と口に出す場合もある。
[編集] ボディコンタクト
相手に体当たりして弾き飛ばすことをチェックという。基本的に、パックを保持している選手に対してのみ行うことが許され(保持している選手が相手を弾き返すのは可)、保持していない選手に行なうとペナルティ(後述)になる。 肩、上腕及び臀部で当たることになっている。肘から下や脚を使うことは認められない。 フェンスにあまり近い場所で行うとペナルティをとられやすい。
[編集] ホームアイスアドバンテージ
他の競技でホームチームが有利な点は地元の声援など間接的な部分のみであるが、アイスホッケーでは セット出しやフェイスオフの構えなど、ルールとしてホームチームが有利になっている。これは他の競技には 見られない独特なものである。(一発勝負の試合などではホームアイスアドバンテージを適用しない場合もある)
[編集] 主なルール
ルールには、メジャーなものとしていわゆる国際ルール[3]とNHLルール[4]の2つが存在しており、細部に様々な相違点が認められる。
[編集] ゲーム進行上の基本的なルール
- オフサイド
- アタッキングゾーンにパックが入り込まないうちに攻撃側選手が入り込む、もしくはそこにいる攻撃側選手がパックに触れた場合オフサイドになる。パックを保持したままラインを踏み越しても(踏むだけならワッシュアウト、後述)オフサイド適用。もしパックがニュートラルゾーンに出た場合攻撃側の選手全員がニュートラルゾーンに出る前に攻撃側選手の手によってパックがアタッキングゾーンに運ばれた場合にも適用される。ライン手前のフェイスオフスポットでフェイスオフを行ない試合再開。ラインが固定されているので防ぐのは比較的容易だが守備側が作戦として利用することもできる。パスオフサイドの場合パスの出された地点でのフェイスオフ。
- アイシング・ザ・パック
- アイシングと略されることも多い。センタータインの手前から相手ゴール側に向けてパックを放ちそれが誰の手にも触れずにゴールラインを越えた場合を言う。ディフェンディングゾーンのフェイスオフスポットでフェイスオフを行ないゲーム再開。味方ゴールに最も近い場所で再開されるため失点に繋がり易い。
- キルプレイにあるチームについてはアイシングは適用されず、自陣ゴールに迫ったパックを敵陣深くに打ち出すことができる。
- アイシングには「オートマチック」と「ワンタッチ」の2種類が混在しており、例えば国際ルールはオートマチックだがNHLではワンタッチとなる。違いは、クリアされたパックがゴールラインを超えた瞬間無条件でアイシングになるのがオートマチック。これに対してクリアされたパックにクリアしたチームのプレーヤーがタッチした場合はアイシング無効になり、クリアされたチームの選手がタッチをした瞬間アイシングコールされるものがワンタッチとされる。つまりワンタッチの場合はクリアしたパックが相手ゴールラインまで誰も触らずに超えたとしても、そのパックをダンプインとして先に自分のチームが触ればアイシングをクリアでき、そのままプレー続行となる。
- ラインパス
- センターラインパス、ツーラインパスとも呼ばれる。敵ゴール方向へ向けて前述の太いラインを2本以上またいでパスが成立すると適用される。パスの出された場所でフェイスオフを行ない試合再開。国際ルールでは適用されておらず、NHL傘下の北米のホッケーリーグでのみ採用されていたが、2005-2006シーズン以降、廃止された。
- インクリース
- 国際ルールではゴールの前にはクリース(またはゴールクリース)と呼ばれる長方形または半円の部分に攻撃側の選手は入ることができない。攻撃側の選手が入った状態でのゴールは無効になる。NHLルールでは、かつては適用されていたこともあるが、判定を巡るトラブルがあって以降、適用されていない。
- アウトオブバーン
- パックがフェンスを飛び越えてリンク外部に飛び出した場合即座に時計を止めて近くのスポットと呼ばれるところから試合が再開される。DFゾーン内でクリアのときに故意にパックを出すと、試合を遅らせたということで、マイナーペナルティー、二分間の退場となる。
[編集] ペナルティ
審判(レフェリー)は基本的にレフリー1人、ラインズマン2人の3審で行ないこの他にリンク外のゴール真後ろにゴール判定員ボックスがありここに1人ずつ配置/正式的に5審でされる。ベンチの反対側には反則選手を収容するペナルティボックスがありその間にはスコアボード操作などを行なうオフィシャルボックスがある。審判はここで得点や反則を伝える。反則はペナルティと呼ばれ該当選手(GKの場合は代理の選手)を退場させペナルティボックスに収容する。退場時間は以下の通り。
- マイナーペナルティ 2分
- ダブルマイナーペナルティ 4分
- メジャーペナルティ 5分
- 2回適用されると自動的にミスコンダクト。
- ミスコンダクトペナルティ 10分
- 代わりの選手を投入できる。2回適用されると自動的にゲームミスコンダクト。
- ゲームミスコンダクトペナルティ 試合終了まで
- ベンチからも退場。ただし代わりの選手を投入できる。
- マッチペナルティ 試合終了まで
- ベンチからも退場。5分間代わりの選手の投入禁止。公式戦の場合関係当局による処分決定まで出場停止。
他にゴール近くで、もしくはシュートモーション中の選手に対してGKが反則により攻撃を妨害した場合(守備側の選手がペナルティとなった場合にも)、ペナルティーショット(PS)になることがある。PSは攻撃側は任意の1選手(キャプテンが指名)、守備側はGK(反則退場していても代理のGKがいない場合は出場可)を残して全員がベンチに引き上げる。センターフェイスオフスポットにパックを置き審判のホイッスルにより攻撃側の選手がゴールにパックを運びシュートするが打てるのは1回だけでGKがはじいたパックの弾き返しは不可。決めた場合は1点。試合途中の場合成否に関係なくセンターフェイスオフスポットでのフェイスオフとなる。
ペナルティには多くの種類が有りそれぞれに対応した審判のジェスチャーがある。なお反則により選手が退場し選手の少ないチームにはアイシングが適用されない。このため、ペナルティを受け不利な状況にあるチームは、防禦と時間稼ぎをかねてパックを敵側に大きく打ち出す作戦が頻繁に用いられる。一方相手と同じ人数なら双方ともアイシングは適用され退場選手がいてもリンク上の選手が多い側のチームにはアイシングを適用する。ペナルティの種類ごとに適用される退場時間が設定されているが故意であると判断された場合や相手を負傷させた場合は1ランク上(稀に2ランク以上のことも)の退場時間が適用される。
[編集] ペナルティの種類
- トリッピング
- 相手の足にスティックのブレードもしくは足を引掛ける。
- ダイビング
- トリッピングやフッキングに対するオーバーリアクション。(わざと転ぶ)
- エルボーイング
- 肱をぶつける。チェックの際に当たる体勢によっては適用されやすくなる。
- ニーイング
- 膝をぶつける。
- ホールディング
- 相手の身体、スティック、ユニフォームなどをつかむ。
- フッキング
- スティックのブレードで相手を引掛ける。
- スラッシング
- スティックで相手選手の体を叩く。
- ボーディング
- チェックなどにより相手選手をフェンスに叩き付ける。フェンスとの間に挟むようにチェックすると適用されやすい。
- ハイスティック
- スティックのブレードを肩より高く上げる行為。チェックの際に行うとペナルティになる。相手選手が近くにいないとペナルティにはならないが、高く上げたスティックでパックに触れるとゲームを中断し不利な位置からのフェイスオフとなる。
- バットエンディング
- スティックの端(ブレードのとは反対)をぶつける。正しくスティックを持っている限り発生しない。小児のアイスホッケーではすぐ成長するとの理由から長いスティックをそのまま持たせることが多いため発生しやすい。
- チャージング
- ジャンプもしくは3歩以上移動してのチェック。パックを保持していない選手へのチェックはチャージングかインターフェアになる。
- クロスチェッキング
- スティックを相手にぶつけるようにチェックする。チェックする際にスティックを相手と反対に向けるようにすれば防げる。
- インターフェアランス(インターフェア)
- パックを保持していない選手の動きを妨害する。
- クリッピング
- 相手の前にスライディングするなどして妨害する。パックを保持している選手に対して行なうと適用されやすい。
- チェッキングフロムビハインド
- 背面からのチェック。
- ラフィング
- 必要以上に強い力で、あるいは非常に荒っぽく相手をチェックする。乱闘の際に相手を殴ったときにも適用される。
- フィフティカフス
- 乱闘。非常に危険なため自発的に行なった場合はマッチペナルティ。反撃した場合はメジャーペナルティだが乱闘しながらリンク外にでるとゲームミスコンダクト。
- ツゥーメニーメン
- 6人より多いプレイヤーがリンク上に出ている反則。メンバー交代中に不測の事態が起って混乱すると、まれに起こる反則。
- アンスポーツマンライクコンダクト
- 相手選手や審判、あるいは観客などに対して、暴言を吐いたり暴力を振るったりするなど、スポーツマンらしからぬ言動をしたときに適用される。
- ディレードザゲーム
- 遅延行為。デフェンディングゾーンからベンチ上以外へのアウトオブバーンなどがあたる。
なお代わりの選手を投入できない場合も3人以上が退場している場合は投入できる。ただし代わりに出場した選手は反則退場していた選手がリンクに戻る時にはベンチに戻らなければならない。
[編集] 用具
アイスホッケーを行うためには、様々な用具が必要となる。
[編集] スティック
スティックはブレード湾曲の向きによって右利用と左利用がある。GK用のスティックはブレード部分の高さが高いなど形状がかなり異なっている。
[編集] パック
ボールに相当するパックは硬質ゴム製で薄い円柱形をしている。非常に固く、生身に当たると骨折等の危険がある。事実、NHLの試合で観客の少女にパックが当たり死亡するという痛ましい事故も起きている。
[編集] スケート靴
靴はラフなプレイから足や足首を護るように頑丈にできている。スピードより耐久性や小回りの利きの方が重要なため短かく厚い刃が装着される。GK用の靴は脛に装着する防具があるためあまり目に見えないがプレイヤー用とは異なる。他のスケート靴に比べ怪我をしにくいようにできているがその分どうしても重くなる。しかし危険を減らすという性質が最も強く初心者でも悪い癖は比較的つきにくいのでスケートの練習には適している。なお、アイスホッケー靴によるスピード競技も存在する(GK靴部門も存在か?)といわれる。アイスホッケー用以外の靴を競技に用いるのは危険な為禁止されている。磨耗したり錆びたりした刃はプレイに不利なうえに危険なので定期的に研ぐ必要がある。錆の防止法は刃を乾燥させることが基本。研ぎ方を間違うと悪い癖のある靴になる。稀に新品などでも悪い研ぎ方をしていることがことがあるので靴を変えた時はいきなり試合などに使わずまず試しに滑走してみてから使うべきである。
[編集] 防具
かつてのプロリーグなどではヘルメットを着用せずプレーする選手が多く、前歯を欠損した選手の写真なども残っている。しかし、ルールの項にもある通り競技には危険が伴うので必ず防具を装着する必要がある。無論、事故や怪我の防止が目的であるためプレイするうえで有利になることを優先して選ぶべきではない。防具にはヘルメット(目を保護するためにバイザーがついているものもある)、肩周りや腰周りのパットなどがある。また、靴も足と足首における防具の役割を担っている。粗悪な防具ではかえって負傷の危険が増す場合もあるので信頼できるものを選ぐことが大切である。ちなみに高校生以下の試合では、フルフェイス(顔の前面全てに保護をつけること)が義務付けられている。GKは、顔面を保護する機能のあるヘルメットを被り、手の甲や足に特殊なパッドを装着し、スティックを持たないほうの手にはパックをキャッチするためのグローブをはめる(野球で用いられるファーストミットに似ているが、サイズはこれよりも大きい)。基本的に防具も靴もGK用のほうが頑丈に作られているが背中を見せることのないGKの性質上後部はプレイヤー用のほうが強固に作られている。
[編集] 女子アイスホッケー
アイスホッケーは、スポーツ競技の中でも女性の間に最も急速に普及した競技の一つとも言われている。男子ホッケーに見られるような、体系的なリーグ組織の編成までには至らないものの、最高レベルの1999年に創立されたNWHL (National Women's Hockey League) やオリンピックチームからレクリエーション目的のチーム等が見られる。
女子と男子の競技における相違点としては、前者ではボディー・チェックが認められていないことがある。これについては、1990年の女子世界選手権以後、各国の参加選手の体格差に配意してこれを禁止する措置が採られたといわれているが、フィジカル・コンタクトというアイスホッケーの醍醐味を失わせるものと批判する意見もある。
ところで、女子選手では Manon Rheaume が NHLのプレシーズン・マッチでタンパベイ・ライトニングのゴールを守ったという記録が残されている(対戦相手はセントルイス・ブルース)。また、2003年には Hayley Wickenheiser が、フィンランドの Suomi-sarja リーグにおいて、Kirkkonummi Salamat と契約し、男子選手に混じってリーグに参戦したことがある。
[編集] 日本のアイスホッケー事情
[編集] 冬季オリンピック
男子は過去8回出場。開催国枠で出場した長野オリンピック以降は、ソルトレイクシティオリンピック、トリノオリンピックは出場権を得られていない。女子は長野オリンピックから公式競技となり日本は開催国枠で出場した。
- 1936年 ガルミッシュパルテンキルヒェンオリンピック 9位タイ
- 1960年 スコーバレーオリンピック 8位
- 1964年 インスブルックオリンピック 11位
- 1968年 グルノーブルオリンピック 10位
- 1972年 札幌オリンピック 9位
- 1976年 インスブルックオリンピック 9位
- 1980年 レークプラシッドオリンピック 13位
- 1998年 長野オリンピック 男子13位 女子6位
[編集] 日本アイスホッケーリーグ
日本アイスホッケーリーグは1966年(昭和41年)に5チーム(西武鉄道、王子製紙、古河電工、岩倉組、福徳相互銀行)でスタートした。日本の全国規模の社会人スポーツリーグではプロ野球、サッカーに次いで3番目、ウィンタースポーツとしては初のリーグ戦だった。
1972年(昭和47年)に福徳相互銀行が廃部になったが、西武鉄道を分割し国土計画(現・コクド)を設立し、チーム数を維持した。1974年(昭和49年)に十條製紙(現・日本製紙クレインズ)が加盟し、6チーム体制となる。1979年に岩倉組が廃部となるが、雪印がチームをそのまま引継いだ。
リーグ戦開始当初は5チームによる2-3回総当り(年度による)で行われたが、その後リーグのレベルアップを図るため1981年シーズンから6回総当りに変更したが、優勝チームが圧倒的な強さを見せ付ける傾向からリーグ戦の終盤の試合の質を落とす懸念を考慮し、1990年からプレーオフ制度(すべて5戦3勝制)をスタートさせる。これは6回戦総当りのリーグ戦を予選リーグとし、その上位3チームで争う仕組み。原則として1位は決勝戦へ、2位と3位は準決勝を争って決勝進出チームを決める。但し3位のチームは1位のチームからみて勝ち点10以上の差が付いた場合にはプレーオフ出場資格を失い、1位と2位による決勝戦のみ行うというものだった。
さらに1994-95年シーズンと1995-96年シーズンの2回はJリーグ方式の2ステージ制を導入。6回総当りを前期・後期各3回に分け行い、それぞれのステージ1位のチームが決勝戦(5戦3勝制)を戦う。(同じチームが1位となった場合はそのチームの優勝)
1996-97年シーズン以後再び1シーズン制に戻し、プレーオフも上位4チームに出場枠を変更。1位と4位、2位と3位が準決勝を行い、その勝者同士で決勝戦を行う仕組みにした。
1999年(平成11年)には古河電工が廃部となるが、クラブチームHC日光アイスバックスを設立しチームを引継いだ。2001年(平成13年)には雪印が廃部となるが、クラブチーム札幌ポラリスがチームを引き継ぐ。しかし札幌ポラリスは運営資金不足などを理由に僅か1年で休部となり、2002年シーズンは28年ぶりに5チームでのリーグとなる。さらに2003年(平成15年)に西武鉄道が廃部となり、コクドに一本化されチーム数は4チームとなった。
リーグ戦はこれに伴って1シーズン制+決勝トーナメントの方式から8年ぶりに2シーズン制(8回総当りを前・後期各4回ずつに区切る。各ステージの1位チーム同士で5戦3勝制のプレーオフを行う。但し、同一チームが1位となった場合についてはそのチームの年間優勝となり決勝戦は行わない)に変更された。
コクドのほか、HC日光アイスバックス(旧・古河電工)、王子製紙、日本製紙クレインズが参加している。フジテレビジョンで放送された「月9ドラマ プライド」の影響で観客動員数が一時的に増加したが、ドラマのクライマックスと重なる3月に予定していたプレーオフがコクドが前後期とも1位となったため開催されなかったこともあり、短期的な現象に終わった。
2003~2004年シーズンからは日本リーグとは別に韓国のチーム、ハルラ・ウィニアを加えた5チーム(4回総当たり)で「アジアリーグアイスホッケー」を開催した。北米2カ国(アメリカとカナダ)をまたぐNHLを範にとり、アジア各国の強豪チームを集結させた大会を目指しており、2004~2005年シーズンからアジアリーグに3チームが新規加盟し規模が拡大されたことにより日本リーグは休止となった。
大会の仕組等はアジアリーグアイスホッケーの項目を参照していただきたい。
2005~2006年シーズンより、日本アイスホッケーリーグは北海道と西日本の地方リーグとして復活した。
日本アイスホッケーリーグ北海道(通称:J-ice North)には札幌ポラリス、釧路厚生社、タダノアイスホッケークラブ、05-06シーズンのみYONH.COM(ヨンエイチドットコム)06-07シーズンからセトルブレイズの4チームが加盟。
05-60シーズンは1回総当たり、06-07シーズンはホーム&アウェーの2回戦総当りのリーグ戦である。
また、日本アイスホッケーリーグ西日本(通称:J-ice West)にはサーパス穴吹アイスホッケークラブ、兵庫県選抜、福岡県選抜の3チームが加盟。
05-06シーズンは2回戦総当たり、06-07シーズンは主催団体の使途不明金疑惑に伴い縮小され1回戦総当りで、このリーグ戦の優勝チームは日本のトップディヴィジョンであるアジアリーグで2006-07年までダブルフランチャイズながらも関西圏から参加した日光(神戸)アイスバックスと対戦できる。
[編集] 大学アイスホッケー
大学におけるアイスホッケーリーグは各都道府県連盟に加盟する大学チームを地域に編成して行われている。
大学日本一を決定する大会は1926年に開始された日本学生氷上競技選手権大会で実施されるアイスホッケー競技である。
この大会以外では各地域ごとにリーグ戦やトーナメント戦が開催されている。しかし、日本学生氷上競技選手権大会でほぼ毎年関東の大学が優勝していることから関東大学アイスホッケーリーグ戦1部リーグと関東大学アイスホッケー選手権大会は実質的に大学日本一決定戦となっている。日本学生氷上競技選手権大会・関東大学アイスホッケーリーグ戦1部リーグ・関東大学アイスホッケー選手権大会の3大会で優勝するとスポーツ新聞では「大学三冠」と報道されることが多い。
大学アイスホッケーは黎明期から早稲田大学と明治大学が中心として動いており、この二強の牙城は高く、他の大学は崩せない状況が続いた。この早明2強体制に対して、1960年代後半から法政大学が頭角を現し、早明法の3強へ移行、さらに1996年から東洋大学が日本学生氷上競技選手権大会6連覇を達成すると4強体制となっている。現在は早明法洋の四強が群を抜いており、各大会はこの4大学のいずれかが優勝している。
関西では、2005年、関西大学が同志社大学を21年ぶりに破りリーグ制覇。2006年に高槻キャンパスに大学としては日本初の屋内アイスアリーナを建設するなど注目を集めている。
[編集] アイスホッケーを扱った作品
[編集] 漫画
- 行け!!南国アイスホッケー部 (久米田康治)(ただし後半はアイスホッケーの話は出てこない。)
- GO AHEAD (樋口大輔)
- スクラッチタイム (五十嵐浩一)
- アイスマン (くじらいいく子)
- 火の玉ボーイ (石渡治)(作品の中で主人公がアイスホッケーに挑戦する話がしばらく描かれた)
- シューティングスター
- 鉄腕ブレイク (篠原知宏)
[編集] ドラマ
[編集] 映画
北米ではメジャーなスポーツであるためアイスホッケーを題材とした映画が多く作られている。日本国内でソフトが入手可能な主な作品を紹介する。
- 「スラップショット」 (Slap Shot (film)) (1977年)
- 「The Sweater」 (The Hockey Sweater)
- 「スラップショット2」 (Slap Shot 2: Breaking the Ice)
- 「栄光のエンブレム」
- 「飛べないアヒル 原題: THE MIGHTY DUCKS (CHAMPIONS)」 (The Mighty Ducks) (1992年)
- 「D2 マイティ・ダック 飛べないアヒル2 原題: D2:THE MIGHTY DUCKS」 (D2: The Mighty Ducks) (1994年)
- 「D3 マイティ・ダックス 飛べないアヒル3 原題: D3:THE MIGHTY DUCKS」(1996年)
- 「ミステリー、アラスカ」 (Mystery, Alaska)
- 「The Rhino Brothers」
- 「ミラクル」 (2004年) ※ 1980年 レークプラシッド冬季五輪大会、寄せ集めの選手で構成された米国代表が、四連覇中の旧ソ連代表チームに挑む実話。
- 「ラフ・ショット」 (2004年)
- 「スマイル 聖夜の奇跡」(2007年) ※監督・陣内孝則
[編集] ゲームソフト
[編集] ファミリーゲーム
- スラップショット (アバロンヒル) アイスホッケーのチームの監督となり、リーグ優勝を目指すカードゲーム。日本語版も発売された。
- 氷上の怪人 (ホワイトウィンド) 上記の「スラップショット」が絶版になった後に、改良を加え版元を変えて発売されたもの。
- パワープレイ (アミーゴ de:Amigo) 上記の「氷上の怪人」が絶版になった後に、改良を加え版元を変えて発売されたもの。
[編集] ファミリー・コンピューター
- アイスホッケー(任天堂)
[編集] その他
- NHL2001(エレクトロニック・アーツ)
- NHL 2K3(エレクトロニック・アーツ)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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